平成29年12月31日(日)留学時代のウィーン日記から・・・(1994年~1998年時代)リッカルド・ムーティ指揮のウィーンフィル


←ウィーンフィルの終演後、指揮者のリッカルド・ムーティにサインを頂いている23歳の私。



↓ウィーンフィルの本拠地ムジークフェライン(楽友協会ホール)。
シュテイプラッツ(立ち見席)からいつも胸をときめかせて見ていた、ウィーンフィル。










↓ウィーンフィルの開演前、ステージの前で。お正月明けのウィーンフィルの演奏会は、舞台に綺麗なお花が飾られます。


1995年1月6日ウィーン日記から・・・・。

リッカルド・ムーティの指揮のウィーンフィルを聴きに行った。もうとても素晴らしかった。初めの出だしから、ムーティの指揮は素晴らしく、弦の響きがとても柔らかだった。ピタッと皆よく合っているし、強弱の変化がよくわかる。
ベートーヴェン「運命」の段々静かな所から、頂点へ登りつめていく緊張感は、ピーンと張りつめた糸のようだった。運命のドアを叩いているようなティンパニの音が本当のようだった。シューベルトの合唱曲「パックス・ヴォビスクム」もとても良かった。バッハのヴァイオリン協奏曲ニ短調のアダージョもとても静かでさびしげで良かった。ウィーンフィルは、初めて生で聴いたけれど、とにかく響きが柔らかく、本当に素晴らしいと思った。終演後、リッカルド・ムーティの楽屋を訪ねて、サインをして頂いた。





平成29年12月30日(土)留学時代のウィーン日記から・・・(1994年~1998年時代)ウィーン国立音大の先生になるための試験のモデルレッスン生として


←オーストリアでは、日曜日、お店は閉まります。土曜日も、午前中だけしか、開いていません。
月~金の間に何でも、買い物しておかないといけないので、のんびり出来るような、出来ないような・・・・。
ドイツや、オーストリアでは、休みの日に働いてはいけない、という国のきまりがあります。
土、日は淋しいくらいにシ~ンと静かです。

近所のスーパーで買い物して、袋を忘れてしまい、ミルヒ(牛乳)アイ(卵)クーヘン(お菓子)など、手に抱えて自分の家に帰る私です・・・・


←59Aのバス。これに乗れば、
私の家から10分~15分くらいで、ウィーン国立オペラ座などがある、ウィーンの中心地ケルントナーシュトラーセ(ケルントナー通り)に出れます。









1997年10月30日のウィーン日記から・・・

「シュテファン・ヴラダー(オーストリアのピアニスト)のホッホシューレ(ウィーン国立音大の事)の先生になるためのプローベ(リハーサル)試験で、私は、バッハの2巻の11番を弾いた。
まだ、30歳そこそこのとてもお若い情熱的で、張り切っていらして、とても面白かった。
しかし、アーティキュレーションとか色々変えられて、結構、困った。でも、面白い。先生になるための試験なんて、まるで、教育実習の最後にやる授業みたいだ。
私は、今、学生で、毎日とっても大変と思うけど、先生になっても本当に大変だなあと、思った」。


ウィーン国立音大の教授になるための先生の試験というのがあり、そのモデルレッスン生として、私を選んで下さったのですが、ウィーン国立音大の教授の先生方が、シュテファン・ヴラダーと私のレッスンの様子を見て、先生にさせても良いかどうか、教授の先生方が成績をつけます。



平成29年12月28日(木)愛知ピアノコンクール

今日は、愛知ピアノコンクールがあり、高校C部門に参加した明和高校3年生の髙浪杜和君が、金賞、同じく、明和高校3年生の宮脇彩永さんが、銀賞を頂いたと喜びの報告がありました。
又、高校3年生の谷田怜子さんも銀賞を受賞されました。
3人共、良く頑張られました!おめでとうございます!


平成29年12月26日(火)、恩師とのお食事会、日本クラシック音楽コンクール全国大会


今日は、愛知ピアノコンクールの審査で、いらして下さった、播本枝未子先生を囲んで、播本先生のお弟子さんが集まるお食事会があり、伺いました。
私が、小学1年生の頃から、長年に渡り、素晴らしいご指導をして下さり、大切に育てて下さった
一生の恩師です。

久しぶりに、昔懐かしい想い出話に花が咲き、暖かい気持ちで一杯になりました。

←播本枝未子先生と御一緒に。播本先生は、素晴らしいお弟子さんを沢山お育てになられていますが、
手取り足取り本当に熱心に育てて下さいました。
感謝の気持ちで一杯です。


又、今日は、日本クラシック音楽コンクールの全国大会があり、明和高校3年生の髙浪杜和君が、
第4位を受賞されました。おめでとうございます!良く頑張られました!


平成29年12月25日(月)留学時代のウィーン日記から・・・(1994年~1998年時代)ウィーンの見知らぬおばあさんの代わりに書いてあげたクリスマスカード


←ドイツや、オーストリアのクリスマスの雰囲気がよく出ている、ドイツのクリスマスカード。

「フローエ ヴァイナッハテン ウント アイン グーテス ノイエス
 ヤール(喜ばしいクリスマス、良いお年をお迎えください)」


1996年12月30日、1997年1月1日のウィーン日記から・・・
「今年は、暖冬かな、なんて思っていたら、去年に引き続いてものすごく寒い。今は、マイナス15度だ。今、90人もの人々が、ヨーロッパでは、寒さで、亡くなっているそうだ。
シュテファンスドーム(シュテファン寺院)の方に行ったら、ウィーンっ子達が一杯で、爆竹と笛ばかり鳴らしていて騒がしかった。
今日は、ゆっくり家で過ごし、昼は、ウィーンフィルを見た。
リッカルド・ムーティの指揮で、毎年一番最後は「美しき青きドナウ」を必ず演奏する。こういうのを聴いていると、ああ、ウィーンに来て良かったなあと思う」。


1995年12月19日のウィーン日記から・・・
「エルステの卒業試験まで、あと一か月。早く終わってほしい。今日で、クリスマスカードを書き終え、ヴェストバーンホーフ(西駅)に送りに行った。
そうしたら、どこか知らないおばあさんが、私に、このクリスマスカードに「良いクリスマスを 健康で 愛するレニッケ クス(キス)」と書いてほしい、と頼まれて言われるままに書いた、が、あれは、一体何だったんだろう。意味がどうもよくわからない」。


ウィーンに住んでいると、外国人の私に、「私の代わりにクリスマスカードを書いて、ポストに投函してほしい」とか、「スーパーはどこにあるか」とか、「どこで、
その切符は買えばよいのか」など、色んな人達から、尋ねられます。時刻や、道を尋ねられるのは、日常茶飯事。私よりも、現地のウィーンの人に尋ねた方がいいと思うのだけど・・・。日本では、絶対にありえない、という不思議な出来事が、まだまだ、続きます・・・・。


平成29年12月24日(日)生徒さん達の幸せが私の幸せ

←先日のヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japanの全国大会(大学B部門)で、金賞を受賞された、
椙山女学園大学教育学部2年生の井上恵利那さんです。

彼女も他の生徒さん達と同様、小学2年生の頃より、ずっと通われて、来年は、もう大学3年生にもなります。

私には、どの生徒さん達も、又この1年で、メキメキ腕を磨いて、大きな自信に満ち溢れ、輝いて見えます。生徒さん達の幸せが私の幸せです。







平成29年12月22日(金)愛知ピアノコンクール

今日は、第34回愛知ピアノコンクールの高校B部門に参加した、明和高校2年生の山田ありあさんが、銀賞を頂いたと喜びの報告がありました。

おめでとうございます!よく頑張られました!


平成29年12月19日(火)留学時代のウィーン日記から・・・(1994年~1998年)言葉がないのに全部私の魂に伝わってきたマラーホフの踊り


←ウィーンシュターツオーパー(ウィーン国立オペラ座)での、白鳥の湖。ウラディーミル・マラーホフの踊り。「100年に1人のダンサー」と呼ばれる絶頂期の踊りを見る事が出来たのは、幸せでした。
初め、マラーホフの名前は、全く知らずに、見ていた私でしたが、初めて見た時に、本当にすごい!
私の魂が、大きく揺さぶられるのを感じました。「ロミオとジュリエット」は、特に感動したのを覚えています。
言葉が全然ないのに、全部、私の心にマラーホフが何を言いたいのか、何を伝えようとしているのかが、全てわかり、驚きました。言葉がなくても、伝わるようにするのが、音楽家の仕事でもあるので、私の
ピアノ演奏に、多大な影響を及ぼしてくれた感動体験の一つです。


←ウィーン国立オペラ座。上から見下ろすと、オーケストラピットもよく見えて、面白いです。











1996年11月26日のウィーン日記から・・

マラーホフの「白鳥の湖」を見た。一番最後に湖が、あふれだし、ジークフリート王子が、身を投げるシーンで、どうやって水をあふれるようにさせるんだろうと興味を持って見ていたら、大きな黒い布をステージの上で風を入れ、はためかせて、ドライアイスを白い煙みたいにもうもうと出し、その中で、マラーホフが溺れそうになり苦しんでいるというようなそんな舞台になっていて、なるほどよく作っているなあ、と感心した。悲劇なのだが、最後、音楽は明るかった。
オデット姫と王子が最後出会えるというようになっていた。ヌレエフ版だったが、他の版の「白鳥の湖」は、どうなのかな。
2幕の終わりで、マラーホフが、静かな音楽と共に絶望した表情を全身で表現して見せるのだが、そこで、カーテンの幕がパッとゆっくり下りるのだが、音楽的で素敵だった。
マラーホフの素晴らしさは、とても踊りが繊細で綺麗に1つ1つ丁寧に踊っていることだ。そして、役にはまり込んでいるということ、これが、見るものを現実から、夢の世界にスーッと連れて行ってくれる。そして、音楽といつも合っていて、終わった後も、静かな余韻が残るように踊ってくれる。
マラーホフが躍ると、あのチャイコフスキーの名曲「白鳥の湖」の音楽がより一層、物悲しく、美しく聴こえる。


平成29年12月17日(日)ベーテン音楽コンクール全国大会

昨日は、ベーテン音楽コンクールの全国大会もあり、生徒さんの三重大学教育学部音楽教育コース3年生の橋本咲良さんが、ベスト10賞を頂いたと喜びの報告がありました。

良かったですね!おめでとうございます!大学になっても、卒業しても、皆さん、ずっとずっと成長していきますよ~!年をとればとるほど、音楽はいいものだと思います。音楽をやっている人達は、本当に幸せですから、皆さんずっと続けて下さいね!


平成29年12月16日(土)明和定期演奏会


←今日は、明和高校音楽科の定期演奏会がしらかわホールで、ありましたので、聴きに行きました。

リハーサルの様子。






←開演前に宮脇彩永さんと髙浪杜和君と一緒に。2人共、すくすく成長して、頼もしい限り。

満席のお客様の中で、堂々と立派に演奏出来ました。明和での最後の演奏会となるステキな想い出が作れましたね!

門下の子達も、お母様方も応援に来て下さいました。皆さん、有難うございます。


←出会えた門下の子達と一緒に。皆さんに楽しんで頂けて良かったです!
先輩目指して、頑張りましょうね!みんな、あっという間に大きくなりますよ~!










平成29年12月14日(木)生徒さんのコンサートのお知らせ(赤ちゃんでも入れるコンサート)


←12月24日(日)愛知芸術劇場小ホール 13:00開演で、
「クリスマスはこどもと一緒にクラシック 家族でたのしむクリスマスコンサート」で、大人の生徒さんの山崎綾子さんが、演奏されます。

綾子さんは、年長さんの男の子を育てながら、ママピアニストとしてご活躍されており、0歳から入場できるコンサートをご自分で企画されて、今回も、マット席もあり、赤ちゃん親子でも安心してお聴き頂けるとの事です。

モダンダンスとピアノのコラボレーション、ピアノソロ、2台のピアノなど、
ご興味のある方は、是非、応援に行ってあげて下さい!









平成29年12月12日(火)留学時代の日記から・・・・(1994年~1998年時代)ベルリンフィルを聴いて


←ウィーンのカールスプラッツ駅地下構内で。地下鉄は、ウーバーンと言います。カールスプラッツが、
ウィーンの中心地です。

名古屋で言えば、栄みたいなところ。







←ウィーン国立音大の中で。ここを登っていくとピアノ科のレッスン室が、あります。ウィーン国立音大は、科によってあちこち分散されています。












1997年4月4日のウィーン日記から・・・・


ベルリンフィルハーモニカー クラウディオ・アバド指揮、ポリーニをソリストに迎えての演奏会が、ムジークフェラインであって、聴きに行った。
ものすごい人でシュテイプラッツ(立見席)は、熱気ムンムン。すっごく空気が悪かったけど、素晴らしいコンサートだった。
ポリーニのブラームス コンチェルト1番は、ものすごく良かった。
全く、どこもあいまいな所がない。渋くていい曲だなと思った。ポリーニの演奏は、とても自然だ。音と音との間が、ずーっとずーっと続くので、変な溝が出来ない。
だから、フレーズは、弧を描き美しい音楽になる。
パウゼ(休憩)をはさみ、シンフォニーの3番、勿論ブラームス、この3楽章はとても美しい曲だ。父がよく車の中で、CDをかけてくれた曲だ。
ブラームスの重厚で、深々とした、憂いをたたえた音楽は、ベルリンフィルで聴くのが良い。ウィーンフィルは、もっと柔らかで、軽い感じで、可愛らしい。
ベルリンフィルは、重々しいと思った。とにかく良いコンサートだった。


平成29年12月10日(日)第8回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japan 全国大会で金賞

第8回ヨーロッパ国際ピアノコンクール in Japanの全国大会に出場した門下生の椙山女学園大学教育学部2年生の井上恵利那さんが、大学B部門で金賞を頂いたと喜びの報告がありました。よく頑張られました。おめでとうございます!

みんな、大きくなりました。そして、どの子も確実に、立派に成長しています。彼女とのお付き合いも、他の生徒さん達同様、とても長く、小学2年生の頃から、見させて頂き、12年ほどになります。幼少の頃から時間による熟成を絶えず信じながら、コツコツと忍耐強く歩み続け、少しずつ、完成を待つということを私は、とても大切にしています。幼少の頃から、長く続いていけば、必ず、培われていき、ものになっていくことも生徒さんの1人1人の変化を目の当たりにして、
強く実感している毎日です。
←来年、3月25日(日)開演14:00~天白文化小劇場で、開催される門下生コンサートのチラシが出来上がりました。幹事さんが、春にふさわしい素敵なチラシを作成して下さいました。今日の生徒さん達から、お配りしています。
皆さんに助けられて、ここまでこれたと思っています。
1人1人の生徒さん達とのご縁に感謝の気持ちで一杯です。

門下生コンサートは、入場無料です。どなたでもお気軽にお越しください。そして、私の教室で、学んでいる生徒さん達の和やかな雰囲気を是非、
沢山の方々に聴いて頂きたいです!







平成29年12月9日(土)目には見えない大切な事


←先日のブルグミュラーコンクールで、金賞を頂いて、大喜びの小学5年生の生徒さん、小木曽立志君です。

一番好きな、習い事は、「ピアノ」だそうです。

ピアノの音には、人の心を和ませる力が
ありますし、勇気ももらえます。小さな生徒さん達から、大人の生徒さん達まで、私とのピアノレッスンを通して、言葉には出来ない「何か」、
目には見えない「大切なこと」が、ちゃんと伝わっているのだなあと思い、嬉しいです!





平成29年12月8日(金)留学時代の日記から・・・・(1994年~1998年時代)芸術は、とても個人的なもの


←ドイツのフュッセンにある、ユーゲントヘアベルゲ(ユースホステル)。
ドイツや、オーストリアは、ユースホステルが充実していて、26歳以下なら、980円~1200円程度で、泊まれます。朝食付きで、1つのお部屋に2段ベット、3段ベットがいくつかあります。とても綺麗ですが、
大体の場所が、中心地から離れているために、駅から、20分~30分くらい歩いていきます。



←フュッセンの駅前で。ここから、あの有名な
メルヘン王「ルードヴィッヒ2世」が建てた、お城、ノイシュバンシュタイン城に行けます。










1997年12月5日ウイーン日記から・・・

今日は、ケラー先生のレッスンで、ベートーヴェンのソナタOp.109とシューマンのソナタ3番の1楽章と4楽章を見て頂いた。両方とも、前より随分よくなったと言われて嬉しい。ベートーヴェンは、楽譜どおりに弾けてないところ、クレッシェンド、ディミヌエンドなど、デュナーミク(強弱)が、楽譜に忠実に弾かれなければダメなのだ。難しい。シューマンも難しいけど、美しい曲で大好き。4楽章は、もっと前へ先へ、待たないで、進まなくてはいけない。でも、
「ゼアグート ゲアルバイテット シェーン(とても良く勉強してあり、いいですよ。)」と言われてとても嬉しかった。

武満徹さんの言葉で私は、救われたような気がする。
芸術には、どっちが優れていて、どっちが劣っているというものはないと。とても個人的な、パーソナルなものなんだと。
私は、この言葉が好きだ。
1月にも、コンサートで、弾きましょう、何弾きますか?と言われて、武満さんの曲も面白いね、まだ、誰も弾いたことないし、と言われたので嬉しい。
多分、武満さんを弾くだろう。
上手く弾けなくたっていい。その人が、心を込めて、一生懸命努力することが、どんなに大切かってことをいつも思い出して、又、頑張ろう。


平成29年12月7日(木)留学時代のウィーン日記から・・・ ムジークフェライン(楽友協会)でのポリーニのリサイタルを聴いて


←スイス、ルツェルンのホーフ教会そばの古い木組みの家。



↓ルツェルンのライオン記念碑。(瀕死のライオン)
近くで見ると、今にも死にかけている様子が、伝わってきます。彫刻が素晴らしいです。










1996年5月12日のウィーン日記から・・・

ポリーニの演奏会にムジークフェライン(楽友協会)へ行った。夜7時にやっとドアが開き、ものすごい速さで皆、ワ~っと走って、シュテイ(立ち見)の1列目を
とりたいためにものすごい勢いだ。ポリーニは、初め、ショパンのプレリュードから弾き始め、響きが美しく、心を静かに語っているようなそんな感じで始まった。
バラード1番を弾いたら、いったん、引っ込み、2,3,4番と続けた。2番の初めの出だしのゆっくりな所がとても美しかった。ドビュッシーの前奏曲集Ⅰ巻、
沈める寺は、ゆっくりと始まった。ミンストレルもちょっと私のと違う感じだった。ツーガーベ(アンコール)は、ショパンエチュードの25の1。
この曲の終わりの方で、ムジークフェラインの窓が開けられた。外は、夕立ち。ものすごい雨。ゴロゴロ、ドーンと、かみなりの音がして、何とも不思議な気持ちになった。
この曲は、確か、「近づく嵐を避けて、牧童が安全な洞窟に避難している。遠くで、風や、雨の音がすさんでいるが、彼は、静かに笛を取り、優雅な旋律を吹いている・・・」とあったけど、正にそのようだった。こんなアンコールが出来たらいいなと私は思った。
楽屋に行くと、ポリーニは、とてもにこやかで、優しそうで、アンナのママに写真を撮って頂いて、「ダンケシェーン(有難う)」と言うと、にっこりしてくれた。
ポリーニの音楽の美しさは、1つ1つの音にものすごい緊張感が張りつめているところにあると思う。
いい演奏をする人に共通しているのは、音楽の内的な、緊張感(シュパヌンク)と弛緩、ゆるみ(エントシュパヌンク)がこちらにはっきりと伝わってくるところだと思う。
だから、決して、音から音の間に溝が出来ない。全身耳にして、自分の出す音を良く聴き、自分の身体全神経を音に全て集中させ、ものすごい集中力と緊張感にみなぎった演奏だから、聴いていて、退屈することがないのだと思う。


平成29年12月6日(水)留学時代の日記から・・・アンドラーシュ・シフのリサイタルを聴いて(ウィーン・コンチェルト・ハウス)


←ウィーン国立オペラ座で。



←ヴェーリンガーシュトラーセにある、フォルクスオーパー。
フォルクスオーパーは、国立オペラ座より、庶民的な雰囲気。









1995年11月17日の日記から・・・・

コンチェルト・ハウスで、アンドラーシュ・シフのリサイタルがあり、バッハ平均律一巻を全て聴いた。今、エルステの試験の曲の中に、丁度18番、23番が含まれていて勉強になった。
シフは、目を殆どつぶって弾いていて、バッハといえども、本当に激しいところは心の奥から激しく、哀しみを帯びたところは、本当にすすり泣くかのように、人間の感情を表に出して弾いていいものだと思った。
18番も、23番にしても私は、本当に心からの歌がなかった。シフのを聴いてバッハももっともっと歌って弾かなければ、いけないと思った。


平成29年12月5日(火)留学時代(1994年~1998年)の日記から・・・23歳当時のウィーン日記


←ウィーンでのジルヴェスター(大みそか)。

ものすごく寒いです!日本のダウンジャケットでは、凍えてしまいますが、ウィーンは冬の国なので、防寒着が沢山売られています。お布団着ているみたいにボコボコ状態の私。



←インスブルックのクリストキンドルマルクト(クリスマスマーケット)の前で。

オーストリアもドイツも、寒いですが、クリスマス前の今の時期が一番美しいと思います。プンシュ(グリューヴァイン)という暖かい飲み物や、
ランゴスとか(熱々の油で揚げた薄いピザの生地に塩を振って、
クノーブラウフ(にんにく)風味のオイルを塗った食べ物が売られていて、とても美味しいです!

至る所に、イエスキリストが生まれたクリッペ(かいばおけ)のミニチュア模型があり、その土地によって、違いを見比べるのが大好きです。


1994年11月14日(0℃)の日記から・・・・

とっても寒い。ペーターエフラー先生のレッスンを聴く。男の子がドビュッシーのエチュード、オクターブのために、とアルペッジョのためにを弾いて、次に
同じ門下の先輩が、ドビュッシーの映像2集を弾いて、エチュード4度のためにを弾いていた。とっても綺麗な音で良かった。場所は、4区で、ライナーガッセを13Aのバスで降り、シェーンベルクシュトラーセにある、シェーンベルクザールだ。
帰ったら、日本にいる母から手紙が来ていて、読んだら、もう涙が出てきて出てきてしようがなかった。辞書も沢山買って送ってくれて、大野亮子さんの
「ウィーン日記」も入っていたから、初めの方を読んだら、今の私と同じ気分のところがあった。みんな、そういう思いをしているのだな~と思った。


平成29年12月2日(土)ブルグミュラーコンクール

今日は、ブルグミュラーコンクールの名古屋ファイナルがあり、門下生の中から、小学5年生の小木曽立志君が、金賞を頂いたと、喜びの報告がありました。
よく頑張りましたね。おめでとうございます!

生徒さん達の成長を毎日楽しみにしている間に、今年も、もう師走に入りました。生徒の皆さんが、レッスンに来るたびに上達しているのがよくわかり、とても嬉しいです。

来年、3月25日の第16回門下生コンサートのチラシも近日中にお配り出来ると思います。幹事さん達が、一生懸命作成して下さっています。
皆さん、楽しみにしていて下さい!