平成27年5月31日(日)生徒達がやる気満々

先週、弾き合い会をやって、時期は早かったものの、それ以降、生徒達全員のやる気が更にパワーアップして、感心しています。

自分の演奏だけでなく、人の演奏を聴いて、同じように思い当たる部分が客観的にとらえられたり、皆、それぞれに、得るものがすごくあったようで、つくづく
良かったなあと思っています。
レッスンのたびに、何度言っても理解出来なかったことが、弾き合い会で皆の前で、弾いたために、こんなに変わるんですね!
どの生徒も今は、研究の時期に入ってきました。レッスンの時、録音してあげたり、CDを聴かせたり、作曲家について、様式感について、色々な話を聞かせたりしています。

その時に、1人1人の生徒の反応は、実にさまざまで、同じことを教えていても、まるきり受け取り方が違うんだなあと、毎日新しい発見があり、本当に面白いです。
私が想像もしないような、実に斬新なアイデアを持って、弾いてくれたりする生徒もいますが、そういう演奏を聴くと、胸がときめきます。
「美」は定義出来ない、とよくいわれます。美しいということは、誰でもわかるのだけど、それがなぜ美しいのかは、説明できない。そういう美しさで、フレーズを歌ってくれる生徒がいると、もうすごく嬉しくなります。誰にも真似が出来ない、そして誰の心も一瞬にして、とりこにさせる吸引力のある演奏。

私とのレッスンで、生徒達が自分なりに消化して、色んな事を提示してくれます。そういう演奏に魅了される瞬間は、本当に幸せです。


平成27年5月23日(土)弾き合い会

今日は、朝9時から4時半ころまで、名東文化で弾き合い会。1日ビッシリ皆さんの演奏を聴かせてもらいました。
PTNAを受ける子、明和高校生、毎コンなど、朝から、皆さんよく頑張りました。
普段練習しているだけでは、わからないホールでの響きの中でのペダルの濁りや、バランスのとり方、音の減衰していくニュアンスの聴き方など、皆さんで聴きあえる、実り多い1日でした。

時期が早くて、大変だったと思いますが、短期間で、どれだけ早く曲をこなせるかという体験も出来ましたね。
朝からずっと最後まで、聴いて下さった生徒さん、お母様方もいらっしゃり、皆さん、有難うございました。

又、朝からずっと、つきっきりで、私達のお世話をして下さいました、幹事さん達、本当に有難うございました。
























平成27年5月19日(火)一つ一つの音に高い理想があり、明確な意志を持って弾く

今週5月23日(土)名東文化小劇場で(午前9時〜午後4時半)生徒達の弾き合い会があります。
PTNAのソロや連弾部門や毎コン、高校生達の実技試験など本番へ向けて、一度は、ステージでリハーサルをしておきたいという生徒さん達の希望で、毎年、
行っています。
時期がいつもより早くて、大変かと思いますが、それでも、皆さん、何とか暗譜で弾こうと一生懸命努力してくれて、嬉しく思っています。

コンクールでも試験でも、とにかく、まずは、技術が安定していて、完成度高く弾けている事が大事です。

しかし、問題は、次の段階です。特に年齢が上がってきたら、技術的にキチンと弾いたのに、いい結果が出ないと悩む人がいるとすれば、そこに原因があります。

いつでも、「どういう音で、ここを弾こうとしているのか」「その音で、聴く人に何を訴えようとしているのか」「相手にどんな想いを伝えようとしているのか」など、明確な意志を持たなければ、聴く人を感動させることは出来ません。

そういったことは、譜面に書かれていないので、すごく研究が必要です。音量、テンポ、歌い回しなど、常に自分の音を探して、考え、表現に移さなければいけないことは、無限にあります。
書いていない譜面から、何を読み取れるか、技術的な完璧さから今一歩踏み込んで、聴く人の心を揺さぶり、魅了するだけの新鮮な表現力が演奏に備わっていなければ、審査員は、高い得点を入れてはくれません。

何の意志も持たず、譜面をただピアノの音に並べただけでの演奏では、単なる「音」でしかないのです。

そういったことを常に考えて、明確な意志に基づいた、演奏が出来るかどうかがポイントです。

いつでも、頭の中で、先に、この音をどう弾きたいかという明確な意志があり、音に高い理想があって初めて可能になるのです。

しかし、こういった音楽の作り方は、長年、そういった研究を続けてこそ、わかってくることで、決して今理解出来ないと言って、焦る必要は全くありません。

大人になるに従って、良い研究を続けていれば、誰もが自然にわかる時がくるからです。


平成27年5月12日(火)何気ない演奏が生徒の心を揺さぶった

先日、生徒のお母様からメールを頂きました。

先生のお宅の門を出た後から、娘がだあだあと涙を流しながら歩くので、自分の不甲斐なさにショックを受けて限界だと言い出すのかと心配していたら、
「岩野先生の弾いて下さった、2楽章があんまり美しくて、涙を止めることができないの。世の中には、あんなに美しいものがあるの。本当に美しかったの」。
と、車内の中でも、ずっと微笑んだ顔のまま、木々を眺めながら涙、涙、でした・・・・・とのこと。

私は、彼女の音楽を感じ取る感性の高さに、驚きました。私が、中学3年生の時、彼女のように、自分の先生が弾かれる、ピアノを聴いて、涙を流すという強烈な
体験はなく、こんな子もいるんだなあと、こちらも感動で、胸が一杯になりました。

ピアノの先生の中には、レッスンする前から、怒っていて、よく怒られて、泣いて帰る生徒を昔はよく見かけたものですが、私のレッスンを受けて、怒られて泣いて帰る生徒はいません。

しかし、怒られてはいなくても、なぜか私の前で涙を流す生徒は多いです。

彼女のように中学3年生の若さで、私が何気なくレッスンで弾いて聴かせた、ベートーヴェンのソナタ1番の2楽章を聴いて泣くほど、感動してくれた生徒さんは
これまで生徒さん達を教え始めて、初めての体験でした。

もちろん、これまでにも聴いて下さるお母様方はそのようにおっしゃって下さる方は多いのですが、子供は意外とあっけらかんとしているものです。

今回の体験を通して、一回一回何気なく弾いているつもりの私のピアノ演奏が、人生を変えるほど強烈な思いを残しているものなのだと改めて感じ、益々、
質の高いレッスンを提供したい、そういう気持ちで一杯です。

どの生徒も、私とのレッスンで、強烈な印象を残してくれています。こちらも、生徒達とのレッスンを通して、心が揺さぶられる毎日です。


平成27年5月8日(金)学校も始まり・・・

学生さん達は、ゴールデンウィーク、楽しく過ごされた事と思います。

コンクールなどで必死になっている子は、やっと休みが来たので、一日中ピアノを弾きまくりました!という子もいれば、あちこち遊びに行ったり、のんびり過ごした子もいて、さまざまに楽しく過ごしたようです。

若い時代は2度と来ないと思って、必死になって弾きまくるもよし、遊ぶときはしっかり遊んで、集中して、練習するもよし、自分に合った一番良いペースで練習する方法を見出していくといいですね。

先日、中学1年生の男子生徒から、「先生は、どこかへ行かれましたか?」と聞かれたので、「いいえ、どこにも。生徒さんのレッスンや、自分のピアノの研究をしていましたよ」というと、
「大変でございますねえ」と妙に大人びた言い方をされてしまい、大笑いしてしまったけど(笑)・・・・。

まあ、音楽家の生活なんて、とても孤独だし、地味なものです。特にピアニストは。傍から見たら、絶対あんな生活いや!!と思う人は多いのでは?
かなり特殊な生活ですね。

それにしても彼は、よくしゃべる子で、すごく面白い。家でも、話していないとストレスがたまるそうなので、それはそれで、とてもいいこと。
今、こうやって、ペラペラしゃべっていても、中学2年になると、急に話さなくなって、無口になるのでは?と思うのだけど、全くその心配は皆無のようです。

どの生徒さんも、私のレッスンを受けて、ストレス解消!!になってくれれば、私も幸せです。



平成27年5月6日(水)DVDサンプル

門下生コンサートのDVDサンプルが出来上がってきました。幹事さんが初めに、沢山訂正箇所を見つけて下さり、私も、レッスンの合間に見直ししたりしていましたが、今日、再度チェックして、これから、完成品へ向けて最終段階です。

何回見ても訂正箇所は出てきます。私が帰国記念のリサイタルをした時の事、プログラムに年月日もなく、いつやったの?という感じで、刷られてしまった経験があります。プログラムやチラシなど、全て、業者さんにお任せしてしまってはいけない、自分たちがきちんと見直さなくてはという反省もありました。今回も題目を見ると、第14回門下生コンサートとなっています。あれ?今年は、確か13回ではなかったのかと思い、確認すると、やはり、そういったことも含めて、色々出てきますね。
幹事さん達が助けて下さるので、本当に有難いです。

それにしても、生徒さん達の演奏は、どの子も本当に素晴らしかったです!!それぞれに、美しい世界を持っていて、感動します。

私が生徒達によく話す、「きらめく芸術への星」に1歩ずつ近づくために、歩みは遅くても歩みを止めずに歩き続けていってほしいです。

1〜2週間後くらいには、皆さんにお配り出来ると思います。楽しみにしていてくださいね。


平成27年5月4日(月)暗譜

暗譜はどのようにしていけばいいかという質問をよく受けます。子供の時は何でもなく、弾いているうちに自然に覚えたけど、大人の曲はなかなか覚えられない、ということもよく耳にします。

私は、暗譜は、誰でも、何回か繰り返せば、出来るようになると思っています。ただ、繰り返す度合いが、少なかったり、あるいは、なかなかできないので、途中で嫌になって繰り返すことをあきらめたり、いろんなタイプの人がいますが、暗譜の時大事なのは、ハーモニーや調性感をよく感じて弾いている事ですね。

大抵、暗譜が分からなくなるときは、左手のハーモニーだと思います。メロディだけは聴いているけど、左手が要するに聴けていない、という事になります。

私が、初めて暗譜に苦労したのは、ウェーベルンのピアノ変奏曲Op.27をダブリンのコンクール用に練習した時。この曲は、十二音技法と呼ばれる点描様式で書かれた作品で、どう感じても、メロディ、というものがなく、調律でもしてるの?というような、ポーン、ポーンの連続で、どこをどうやって暗譜していこうか、非常に苦労しましたね。いわゆる音が点で描かれていて、ハーモニーで書かれていないから、すごくやりにくいのです。

あと、メシアンの鳥のカタログ。ウイーンの学生だったとき、その中の「ダイシャクシギ」をコンサート用に準備していました。「レッスンで、何回弾いても暗譜が飛ばない、すごいよ、メグミ」と先生からすごく誉めて頂いた曲なんですけど、いざ、本番左が、あれ?の状態になってしまい、あせりました!

皆、気付かなかったみたいでしたけど、先生からは、「メグミ、鳥が途中で、溺れてしまいましたね(笑)」と笑われました。
この曲も私には、どう考えても、お経のようにしか聴こえなくて、それも何回も同じフレーズが来たり、5回とか10回とか、そんな感じで覚えていきましたけど、1日中繰り返して暗譜しましたね。

シェーンベルクなども、暗譜しにくいですね。CDを聴いたり、寝ても覚めても繰り返す、これに尽きると思います。


平成27年5月2日(土)鉄は熱いうちに打て

ゴールデンウィークも近づいてきました。私はもちろんの事、生徒達も、ゴールデンウィークどころではない、熱心さで、皆必死で頑張っています。
今日も、今をときめく、パワー全開の連弾2人組がやってきました。
中学1年生の生徒は、午前中、妹さんと2人でソロのレッスンに来て、又、夜に今度は、小学6年生の生徒と合流して、連弾のレッスン。

小学2年生の妹さんはまだ小さいのに、私のレッスンに来るため、朝から晩まで1日中振り回されている感じで、可哀想と思いましたが、
「レッスンを聴きに行きたい!!」と言っていたそうで、ずっと大人しく、連弾のレッスンを聴いていました。

2人共、もう暗譜して、もう明日、ステージにのってもいいくらいの熱演で、なんか見ていて、胸が熱くなります。

「鉄は熱いうちに打て」といいますが、2人を見ていると、その言葉がピッタリ。今日は、ソロのレッスン、明日は連弾、今日は、ソロも連弾も両方レッスン、1週間の間に毎日彼女たちに会っているような、ソロも連弾もピアノ漬けの毎日という彼女たちです。

2人は、私の所に来る前に何度も合わせをして、すごく研究している様子で、見ていて、こちらも勇気を沢山もらっています。

きっと、休日も返上して、必死でやると思います。2人のものすごい情熱に、私も、感動しています。

5月23日は弾き合い会ですし、それに向けて、どの生徒も必死で頑張っていて嬉しいです。