平成27年1月29日(木)神がかりの演奏

昨日は、午前中は、大学の最終試験、午後からは、しらかわホールで明和高校3年生達の卒業試験がありました。
ほとんどの生徒達は、音大受験曲を弾きます。
バッハ平均律、ショパンエチュード、ベートーヴェンのソナタ。この3つは、音高生、音大生が学生の間は、嫌でも逃れられない宿命みたいについてまわります。

勿論、日本の音大を出たのちに、ヨーロッパに留学したい人も、これがまず上手に弾けなければ入学できません。
その点、やはり、日本の教育は素晴らしいなあと思えるのが、ショパンのエチュード。あまり、音楽がない子でも、そこそこ訓練に訓練を重ねて、弾けるようになりますので、留学した先は、なぜか、アジア人が多い。私が留学していた、ウイーン国立音大の入試は、全員の演奏が公開で聴けるのですが、
現地の子で、バッハや、他のものは、すごく音楽的で、歌があり、自分なら、この子がほしい!!と思えるような子が沢山いるのですが、ショパンのエチュードを弾かせると、ボロボロミスタッチ大連発で、そこで、不合格となっている子が多かったです。だから、非常にもったいない。

その点で、日本人の学生は、とにかくまじめだから、必死で、弾けるようにしていく。だから、その先、音楽家としてどう広がっていくかは別として、そういう点で、日本人は強いものがありますね。勿論、ヨーロッパの子でも才能豊かな子は、います。その才能は、音楽性もテクニックも、バリバリで、又、日本人とは比べ物にならないほどの桁違いの上手さがあるので、留学することで、そういう演奏にいつも触れられるのは、大変に刺激になりますね。

私が、ウイーンの学生だったときに、ものすごく印象に残っている子がいます。ミヒャエル・ウルスレアサさん、16歳の女の子でしたが、私は、初めて、聴いた時に、ドヒャー!!あまりのすごさに、失神しそうでしたね。

ルーマニア人で、お母さんが声楽家、お父さんはジプシーという、そういう音楽系血筋の上に、それでもって、生まれながらの、音楽性、
強いリズム感があり、その時に、一番感動したのが、ベートーヴェンのソナタ、Op.31−3のソナタ。まだ、当時22歳の若かった私は、この曲の面白さを全然理解していませんでした。しかし、ウルスレアサのその見事な演奏を聴いて、へえ!!こんな曲だったのか、とこの曲のおもしろさを大発見。

休符が多いんですが、その休符の緊張感といい、絶妙な間の取り方といい、全く不自然なところが1つもなく、その見事な事と言ったら!!この曲は、あらゆるベートーヴェンのソナタがそうであるように、トリルや、16分音符の動きが満載で、弾くのも難しいですが、いとも簡単にやすやすと、しかし、クレッシェンドに持っていく盛り上げ方や、クライマックスに導く力、その間に、脈々と息づく、生命の鼓動・・・・・・。その素晴らしさは、言葉では、言い尽くせません。とにかく、彼女の才能のすごさに、神を見ましたね。今思い出してみても、40年間、ピアノの演奏を色々聴いてはいますが、あのベートーヴェンのソナタのすごさは、今だかつて聴いたことがないほど、心に残るものでありました。
私が、当時、若かったせいも勿論あるでしょう。今、聴いたら、そうでもなかったというような演奏も確かにありますから。ただ、16歳という年齢で、すでにもう完成された音楽でしたから、そういった神がかりの演奏に触れ合えただけでも幸せだったと思います。

なので、毎日のレッスンで生徒に弾いて聴かせるときは、そういう私自身の刺激的な音楽体験を生徒達に全て与えて、分かち合っています。皆に音楽の力を是非知ってほしいです。

そうすることで、へえ!この曲は、こんなに素晴らしい曲だったのかと、生徒達自身が再発見してもらえれば、私もとても嬉しいし、それでこそ、レッスンが面白いと感じてもらえるはずと信じているからです。



平成27年1月22日(木)放っておくことの難しさ

つい先日、10年ぶりに再会した大先輩の先生とお話する機会がありました。
私よりも、何年も長い事教職に関わっていらっしゃる方なので、お互い、生徒の話で盛り上がりました。

色んな話をしていくうちに、もっと生徒の事を冷静に見ていかなくてはいけないなあとつくづく反省。私は、昔から、1つの事に、熱中しやすく、それに
ハマると、まるきり、周りが見えないほど、熱を上げてしまうので、客観的に、レッスンするという事も必要だなあと思いました。

どの生徒も出来ない子がいると、ついつい、可哀想になって、何とかして、ある程度の水準まで持って行くのに必死になってしまいます。
出来る子は、結構放っておいても、自分の力でやってくれますが、私は、出来ない子をどうしても放っておけないタイプ。そういう子には、人1倍愛情をかけてやると、必ず、上手になっていくから、それが楽しくて嬉しくて、どうしても、一生懸命になってしまうのです。

私が、普段、お母様方にいつもお願いする、出来なくても、待ってあげて下さい、と言う私が、まるきり私にも、あてはまります。

ある程度、教えたら自分の力でさせてみる、自分で失敗させるという事が本当の教育だと言われます。結局は、その本人が困る事になるのに、ついつい、口を出して世話を焼きすぎてしまう私なので、何も言わないで、見守るという事が、いかに難しいかを実感しています。

誰かに相談すると、「先生がそんなに生徒さんの事で、悩むのは、生徒さんを思う気持ちが人1倍強いのですね。熱心な事はいいことだけど、世の中は、なるようにしかならないのよ。あなたが、それほどまで、生徒の事で、悩み、一生懸命にやっても、どうあがいても、なるようにしかならない。それでいいじゃないの。あなたが、生徒を思う気持ちは、充分生徒に伝わっているから、もっと楽天的になって生徒に任せなさい」。
の言葉に、涙が溢れて、自分がいつもそうやって、生徒達を慰めて励ます立場の人間が、こんな情けない自分では、いけないとつくづく思ったような事でした。

生徒達にピアノを教えるだけでなく、人間同士で絆を深めていき、心を育てて、愛情をかければ、かけるほど、どんどん、生徒達は上手くなることを、
私は、今までの体験上、身を持って感じてきました。
しかし、今度は、それをどう、少しずつ、自分の力で、気付くようにさせて、何か、口出ししたくなっても、黙って見守るということをしていくことが、私の課題だなあと、思います。
そう考えてみると、一生学ぶことは尽きません。生徒達を教えることで、こちらが、愛情をかければ、どの子も皆、私の愛にしっかりと応えてくれます。
こちらも生徒達のお陰で、毎日学ぶことだらけです。

しかし、又、生徒達から、それが行き過ぎてもいけないんだよという事を教えられている気もします。

人は人との関係でしか、そういう事も学べないため、私も、今までのように、生徒達を盲目的に愛してしまうのでなく、もう少し冷静になって、離れたところから、見ていかなければと思っています。

生徒1人1人は誰しも、自分のものではありません。第一、この世に、自分のものというものは何一つないからです。そうはいっても、人間生きている以上、お互いが、頼り、頼られる関係は素晴らしいです。愛情は、かけなければならないけれど、かけすぎてもいけない、そのバランスをとる事の難しさを痛感している毎日です。


平成27年1月15日(木)伝統を受け継いで

昨日、ショパンinアジアのコンクールのアジア大会があり、川地咲由里さんが高校生部門で金賞を頂いたと喜びの報告がありました!おめでとうございます!

夏休み、冬休み、など、名古屋に帰省した折には、必ず、レッスン室を訪れて、帰るたびに成長した演奏を聴かせてくれています。

一生懸命ピアノの道を歩んだ人なら、学生を終えた時に、何れは、今まで自分がやってきたことが、社会に役立ち、人のためになれるような音楽家になりたいと誰もが願うと思います。

今、大学生の子も、卒業したら、何をすればよいか、どの子も考えています。早い子なら、高校2年生くらいでも、もう、そういった将来の事を考え始めて私に必死で、相談してきます。自分も、かつては、同じことで悩み、苦しんだ体験を交えて、高校生以降の生徒には、真剣に将来の事についても、
私達は話し合います。

そう考えてみると、ピアノの先生との付き合いは、親の次に長いかもしれません。ピアノに対して、ものすごく努力する人なら、子供は子供の時の悩みがあり、大人になったら大人になった時の、悩みが生まれます。


ついこの間、高校入試だと大騒ぎしていた子達もあっという間に、大学受験の日がやってきます。大学は、高校よりまだも、早く時が経ちますから、あっという間に、音大卒業という日を迎えます。

小さい時は、確かに手がかかりますが、大きくなると、弾く本人が真剣になってくるために、更に悩みも大きくなってきます。私の役目は、そんな時に、ピアノの事を教えるだけでなく、将来どうやって音楽家になって生計を立てていけばいいのか、そういったことも含めて、生徒達に教えていかなければならない事、伝えていかなければならない事が、数限りなくあります。

クラシック音楽は、やはり、伝統を守っていくことが大切なので、その点でドイツの職人さんに似ています。私の考えや意思を受け継いでくれた子達が、
将来、あちこちで、活躍して、社会のために役立っていってほしいです。


平成27年1月11日(日)ベーテン音楽コンクール全国大会バロックコース中学3年生第1位!

今日も引き続き、ベーテン音楽コンクールの全国大会(バロックコース)が東京であり、中学3年生の浪杜和君が、中学生部門で、見事、第1位に
輝きました!!本当におめでとうございます!

又、明和高校3年生の鈴木真琴さんも、高校生部門のバロックコースで第2位と連絡がありました。2人とも、一生懸命努力した結果が出て、本当に良かったなあと、感動して胸が一杯になりました。

又、昨日、今日と、しらかわホールでPTNAのコンサートがあり、昨日は、吉岡瑞貴さん、今日は、あしながコンサートで清水陽菜さんが演奏しました。

私は残念ながら、行けなかったのですが、他のお母様が涙を流して感動して聴いて下さったとのことで、私もとても嬉しかったです。

生徒達が上達していくのを見ることほど幸せな事はありません。どの子も自分の子供みたいに可愛くて、生徒達とのレッスンは、とにかく、本当に楽しいです。生徒達が皆、すごく熱心で、頑張ってくれるおかげで、私も、励まされている毎日です。生徒の皆さん、有難うございます!


平成27年1月10日(土)毎コン入賞者記念演奏会・ベーテン音楽コンクール全国大会第1位

今日は、レッスンが終ったあと、毎コンの入賞者記念演奏会へ。

倉橋千遥さんと山田ありあさんの応援に。2人とも素晴らしい演奏で、感激!!

表彰式もあり、心から拍手を送らせてもらいました。


明和高校2年生倉橋千遥さん(左)と中学2年生の山田ありあさん(右)と。


















フルートの伴奏もした明和高校1年生の渡部菜々美さんと。


表彰式の様子。

家に帰るや否や、リリリーンと電話が!東京で、ベーテン音楽コンクール(バロックコース)全国大会がありましたが、小学6年生の玉置渚さんが、全国1位に輝きました!






皆さん、おめでとうございます!


平成27年1月8日(木)毎コン入賞者記念演奏会に向けて

来る、1月10日(土)毎コン(全日本学生音楽コンクール)名古屋大会の入賞者記念演奏会と表彰式が名古屋・伏見の電気文化会館ザ・コンサートホールで開催されます。

私の教室からの門下生の2人、名古屋大会第1位入賞の中学2年生の山田ありあさんと、同じく名古屋大会第2位入賞の明和高校2年生の倉橋千遥さんが演奏致します。

千遥さんは、午後15時頃演奏予定で、15時20分頃表彰式、山田ありあさんは、午後17時半頃演奏予定で、表彰式は18時くらいです。
興味のある方は是非、応援に行ってあげて下さい!

千遥さんは、シューマンのファンタジー作品17、ありあさんは、シューマンの幻想小曲集の中から、飛翔、なぜに、夜に、を演奏致します。

尚、チケットは1人2100円で千遥さん、ありあさんが持っています。私も、生徒達のレッスンが終り次第、応援に駆けつけるつもりです!


平成27年1月1日(木)明けましておめでとうございます!!

皆様、明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆様から、沢山のお年賀状を頂き、有難うございました。生徒さんには、必ず元日に届くように出していますので、届いていない場合は、教えて下さいね。
私のお正月は、元旦の朝、まず初めに、ピアノのお部屋に行って、いつも通りの午前中のピアノの練習から始まりました。

私の朝は、毎日、まず、起きたらすぐ、ピアノを練習することから、始まります。練習は、遅い時間になるにつれて、集中力も欠けて、耳も研ぎ澄まされなくなってしまうので、午前中、頭のすっきりしているときにやるのが一番いいです。

その後、近くの神社に行って、初詣に行ってきました。今年は、沢山受験生をかかえていますので、しっかり合格祈願をして、いつも支えて下さる方々への感謝の気持ちと、皆様のお幸せと健康を願って、お参りしてきました。ここで、毎年受験生達の合格祈願しますが、ここで合格祈願して私の教室から落ちた人は、今まで1人もいません!合格率100パーセントのご利益のある神社です!








今年の目標もたてました。今まで通り、毎日、ピアノを練習して、ドイツ語の勉強はずっと続ける事と、どんなことが起きても自制心を常に失わず、あらゆる問題が起きても前向きに対処する事と、朗らかである事、忍耐強くある事を常に目標にしています。

そして、世間からの誘惑をはねのけて、これまでにもずっとそうしてきたように、自分の良心に従い、自分の信じる道を貫き続けることが私の毎日の目標です。

自分が納得出来る人生を生きろ、自分が信じることを貫き通せ、と親からは、常に小さい頃から言われ続けてきましたが、その通りだと思っています。後で、後悔するような、言動や、行動をとらないよう、常に自分を厳しく律して過ごしていく反面、他人には、常に優しく寛大であり続けたいです。

生徒達には、決して、自分の生き方や考えを押し付けないよう、生徒1人1人の個性が十分尊重され、伸び伸びと自由に過ごせる、暖かくて居心地の良い、ピアノ教室であり続けることが私の信念です。弾き方や、音楽的な考え、奏法、どれをとっても、人はそれぞれであり、生徒達にも、自分がいいと信じている事を好きなようにやりなさい、と常々言っています。

自分が納得出来る生き方をしていれば、その人にとって、一番幸せだと思えるからです。他の人のものを欲しがったり、誰かのようになりたがったり、
他人より優れようとするのでなく、とにかく、他人とは違う人間になって自分にしか出来ない事を相手にしてあげる事が大事だと私は考えています。

ユダヤの古いことわざで、私の大好きなことわざがあります。

「他人に優れようと思うな、他人と違った人間になれ」

自分が自分らしく生きているときに初めて、人間性も音楽性も豊かなものになっていきます。今年も、私が信じている事を貫き通していきたいと思います。