平成25年3月31日(日)色気がない音楽はつまらない

桜が綺麗な季節です。門下生コンサートのご感想、沢山お寄せ頂き有難うございました。皆さまからの暖かいお言葉に本当に力づけられています。

さて、明日からは、4月になり、新学期も始まる季節です。PTNAを受ける子も多いので、これからも、皆さんに役立つ事をどんどん書いていきます。
これまでにも、ピアノを歌わせる事については、何度も書きましたが、これは、音楽するものの永遠の課題でもあると思うので、又、書きます。

私が、これまでに沢山の生徒たちを見てきた中で、意外と、日常生活にとけこんでいないようだと思われる事があります。

それは、小さい時から、家庭の中で声に出して、歌を歌う機会が、なされてきていないこと。

やはり、音楽は、人間の、のど=声、歌うことが原点です。そして、それが生命でもあります。私の両親は、楽器は何もひけませんが、とにかく歌が大好きでテレビもラジオも歌番組を多く聴いています。
演歌から、童謡から、その場その場に合わせて、母は特に、大きな声で歌っていた記憶があります。
私が、眠る時は、「おかあさん」という歌。「夏は、寝冷えをせぬように、冬はお風邪をひかぬよに、うたってきかせて下さったー、本当に優しいおかあさん・・・・・」というすごく美しい歌。
その歌が始まると、私は、その歌をずっと聴いていたくて本当は眠くないのだけど、目を閉じてタヌキ寝入りしていました(笑)

又、さわやかな季節になると、「おお、まきばは、みーどーりー!!」とか、ある時は、「あなたを待つのーテニスコート」の歌で起こされるわ、(笑)おひなさまになると、「明かりをつけましょ、ぼんぼりにー」とか、とにかく、ありとあらゆる、場面で、すぐ歌いだすにぎやかな母を見る、そんな、子供時代だったのですが、最近の子供たちは、「今、何の歌を歌ってる?」と聞くと、ほとんどの子が、全然歌を知らないか、「???・・」状態でした。
確かに、今の子は忙しすぎて、そんな歌の情緒にうっとり身を任せている・・・・なんて時間はないかもしれませんね。しかし、綺麗な夕焼けを見た時に、「夕焼け小焼けで日が暮れてー」とか、自分で歌うのは、何と言っても気分がいいものです。又、からすを見れば、「かーらーすー、なぜ鳴くの、カラスは、やーまーにー」とか。

ピアノを学ぶために皆、クラシックしか聴かないと言う感じだとすると、なかなか、歌心はつきにくいと思います。
私の体験からは、中学生時代、よくお友達と歌ったのが、安全地帯のワインレッドの心、とか、恋の予感、とか青い瞳のエリスとか。中森明菜さんの歌も好きだったなあ・・・・紅白歌合戦も必ず見ていましたけど、最近はなかなか、いい歌に巡り会えないのが、ちょっと残念。やはり、時代の流れですね。ちょっと、コンピューターみたいな歌が多すぎます。

演歌では、やはり、最高が美空ひばりさん。歌心がつかめないと言う人は、ひばりさんの歌を聴くと、絶対つかめます。
あと、男性なら同じく魂がこもっているということで、森進一さん、など。

やはりいいピアノを弾く人は、例外なく、そういったクラシックでない歌もすごく聴いてますね。フジコ・ヘミングさんも、本の中でその通りの事をおっしゃっていました。
又、辻井さんもカラオケ大好きな方のようですし、指揮者の小林研一郎さんも、演歌歌手顔負けの演歌を歌われますよ。

やはり、いい歌を歌う人には、どこか、セクシーというか、色気があると私は思っています。
ピアノもそう。すごく優等生的で、上手に指は達者に回っていて、若いのに良く弾くなあと思うような、演奏をする人でも、やはり、どこかに、色気を感じさせない演奏は、聴いていてつまらないし、魅力的でないから、もう一回聴きたいと思えない。

それと同じ事をフジコ・ヘミングさんが本の中でおっしゃられていて、それを読んだ時に、非常に共感しましたね。フジコさんは、石川さゆりさんの歌が大好きだそうですね。「津軽海峡冬景色」私も大好き。
今日一日のレッスンを終えて、夜桜を見に行きました。どんなに長生きしても生きている間100回は絶対見れないから・・・・。








どこか、クラシックは、冷たいというか、お高くとまっている、というような印象にならないように気をつけたいものです。なぜかといえば、歌の心は、演歌もクラシックも全く同じだからです。


平成25年3月25日(月)第11回門下生コンサート

昨日は、1年に1度、門下生全員が集まる事の出来る、門下生コンサートが無事に終了しました。聴きにいらして下さった皆様、本当に有難うございました。
又、門下生の皆様には、快く、アンケートのご協力を頂き、誠に有難うございました。

皆様からの暖かく、力強いお言葉、心から感謝しております。1人1人のお言葉を有難く受け止めて、又、さらに、良い指導が出来るよう励んでいきます。
私が、昨日、強く感じたのは、やはり、「継続は力なり」だなあという事でした。年数がたち、真剣に続けてきた子は、やはり、それなりの演奏の成長が見られ、
すごく嬉しかったです。

現在受け持っている生徒たち、そして、私の教室を離れて卒業していった子たちも又、帰省するたびに聴かせてくれるのは、とても嬉しいことです。

もう、大学生ともなれば、私が先生というよりは、先輩、後輩みたいな関係ですが、彼女たちが、私を必要としてくれている間は、どこへ行っても、手助けしてあげたいと思っています。

大学生の生徒が、昨日のアンケートで、「先生は、心を大事にして下さっていると思います」。と書いてくれたのはとても嬉しかったですが、それが生徒たちに一番伝えたい事です。


他人の幸せに役立ち、他人の気持ちを思いやる優しい心だけは、いつの時代も永遠のものです。その「心」なくしては、どんなに音楽家として立派な肩書があっても、信用出来ませんから、自然とお客様は逃げていきます。

皆、自分を大事にしてくれる人の事を社会は愛でるのです。その「心」の部分が抜け落ちたまま、ピアノを上達させたいと、がむしゃらに頑張っても、ただ、上手くなりたい、そう思っても絶対に上手くなりません。

そんな部分を、一番大切にしているのが、私のレッスンで、アンケートで、皆さんから暖かいお言葉を頂き、ちゃんと皆さんの「心」に届いていた事が本当に嬉しかったです。

ピアノが上手くなる前に、「心」が育たないと、何をやっても駄目。私の教室から巣立った子達が、「心」を持って、皆さんから愛される、人間になってほしいです。


平成25年3月22日(金)いよいよあさって!門下生コンサート

いよいよ、あさって24日午後2時開演、熱田文化小劇場で、第11回目の門下生コンサートを迎えます。

本番1週間前は、リハーサルやイメージトレーニングが中心です。

本番着るドレスを着て、髪も整えて、グランドピアノの人は、翼を全開にして、譜面台をとります。ピアノのお部屋が蛍光灯の人は、ステージはスポットライトがオレンジ色なので、照明にもなれるようにしておきます。そして、お父様、お母様、ご兄弟に聴いて頂き、お辞儀もして、拍手ももらって、なるべく本番に近い、精神状態をイメージします。

私がおすすめする緊張対処法は、自分が緊張したら、どのようになるのかを、普段から冷静に良く知っておく事です。ということは、普段の自分の能力を過大評価せず、良く知る事。そして、本番に備えて、沢山の練習、そしてイメージトレーニングをして、万が一の場合どうすればよいかを冷静に判断しておけば、まず大丈夫です。私は、これを、生徒たちに本番前の「避難訓練」と呼んで、練習させています。

あと、私が思うのは、人間は、緊張したからといって、それが、別人のように変てこな演奏になってしまうということはまずない、という明らかな事実を前もって知っておくと冷静になれると思います。ということは、緊張の度合いは、その人の実力に比例しているということになるのです。

「普段は上手く弾けていたのに、ステージでは弾けなかった」という人は、「そうあってほしい」という、単なるその人の妄想なのです。普段上手く弾けていたものが、緊張のために上手く弾けないという事は、絶対にないです。学校のテストの点でも、普段100点ばかりとれるような子なら、よほど、体調が悪くても、10点や、20点しかとれないということは、まずなく、その反対に普段から、10点くらいしか取れない子が、調子が良くて、100点が取れるという事もないという事実です。何でもそうだと思いますが、ピアノ演奏も、マグレで上手くいったとか、偶然に、などといった事は存在しませんね。必ず、その人の真実が現れます。だからこそ、言葉以上に、本当の事がわかるし、言いわけがきかないから、緊張するという事もあるでしょう。

もし、緊張の原因がステージや沢山の人のせいでないということは、次の例をあげてみましょう。
仮に、ステージに出ていって、2000人の人たちが見ている前で、自分がお花に水をやる、という事を想定してみて下さい。どうでしょうか。これなら、何千人の人が見ていても、お花に水をやることくらい、誰だって、緊張しません。なぜかといえば、お花に水をやることは簡単だからです。余裕を持ってやれます。ということは、やはり、緊張がどこから、くるものかというと、目の前にあることが、自分にとって、難しい、苦手と思うから緊張するわけです。普段出来ていないこと、完全に弾けていない、その心が緊張を生み出すわけで、それは、ステージの上だからでも、聴衆がいるからでも、自分の心が弱いせいでも、誰のせいでもないのです。

普段から、完璧な演奏が出来ていれば、全く緊張はしません。だからこそ、普段の練習をおろそかにしてはいけないというのは、その理由からです。
緊張して上手く弾けなかった、のではなく、普段から、上手く弾けていないところがあるために、緊張して、さらに演奏がおかしくなっていったというのが、本当の所でしょう。

そう思えば、すごく楽になれると思います。これが、今の自分の能力なのだ、と自分を過大評価せず、冷静に事実を認めることで、自ずと、緊張はしなくなっていきます。

誰でも人は、実力以上の大きさにはなれません。いつも、冷静に自分の力を知り、自分の力以上に良く見せようとしない、いつも、謙虚であること、そして、音楽に対しての愛があれば、絶対大丈夫。どんな大舞台でも、自分の今のありのままの姿を見せれば、緊張しなくなっていきますよ。そうすれば、本番とっても楽しめます!!

私の生徒にもいます、そういう、うらやましい子が!
とにかく、その子は、受験でも本番でも、どんな大舞台でも全く緊張しない子なんです。私の所に来た5歳の時から、今度明和高校2年生を迎える現在も、いつも本番楽しみ〜、嬉しい〜!!と言ってますけど、それが一番ですね。お客様を楽しませるのがこの商売ですもの。そうこなくては。
緊張しないコツをその子に聞いてみるといいかも。(笑)

では、あさって、皆さん、元気な姿で、お会いしましょう!


平成25年3月21日(木)合格発表

今日は、県立高校合格発表がありました。

朝10時に、固定電話と、携帯電話と用意して、生徒から待ちに待った電話が、朝1番にかかりました。電話のベルが鳴ると心臓が飛び出すかと思うくらいドキドキして、電話を取ると、
「明和高校音楽科に合格しました!!」電話の向こうの嬉しそうな声。嬉しかったー!!そのあと、次から次へと電話が携帯や固定電話やあちこちにかかって、他の生徒たちも皆、希望の高校に合格できたと喜びの声がありました。

お昼には、愛知県立芸術大学音楽学部の最終合格発表もあり、私の門下生から1人合格しました。合格するのも至難の業の県芸、私はすごく嬉しいです。おめでとうございます。

今年は、24日の門下生コンサートのプログラムが生徒さん達には、事前にお配りできず大変ご迷惑をおかけしています。出来れば、どの子も、学校名を入れて出してあげたいので、今日のお昼まで待ちました。これから、大慌てで、幹事さんから印刷屋さんにお願いして当日何とか間に合うように仕上げて下さるそうです。幹事さん達、待って頂いて有難うございました。

とりあえず、ほっとしました。皆さん、やっと春がおとずれましたね。新しい学校生活に期待が高まりますね。


平成25年3月20日(水)1人1人が輝く

今日は、マリンバの人たちとの合わせで、先生のお宅へ。

復興支援ソングになっている、「花は咲く」もやります。歌もいいけど、マリンバの音何人かで、合わせるとすごく暖かみがあって、この曲の良さが伝わります。
何人かの生徒さんの伴奏も受け持っているのですが、マリンバの先生宅も発表会が近いので、出来ていない生徒さんにイライラっとなっていらっしゃる。

その先生から、「めぐみ先生はレッスンの時、絶対キレたりしないでしょ?」と、いわれます。
どうでしょうか、生徒の皆さん(笑い)、まあ、生徒に聞けば一番正直に答えてくれるでしょう。

まあ、とにかく、自分がキレないためには、早め早めに、準備をさせておくというのがいいでしょうね。本番間近になって、出来ていない生徒を指導するのは、すごくハラハラしてしまうので、何でも準備には相当時間をかけるというのが、キレないコツかなと思います。

何事も忍耐がすごくいりますからね。自分の練習だって、相当、忍耐がいる事なので、並の忍耐力では、この職業続きません。

私の場合、3歳からずっと、このような生活を自分に対して忍耐強くやっているので、それがそのまま仕事に移行しただけで、どうってことはありません。かなりストイックだとは、自他ともに認めていますが、かといって、自分と同じように厳しくやりなさい、と生徒に無理強いしては、矢張りいけないと思うのです。

その人はその人らしくあるのが一番。だから、門下生コンサートを聴いて下さった方々が、全員演奏が違うといって驚かれます。それは、私にとってすごく嬉しい事です。

私のやり方で上手くいっても、その子に合うとは限らないからです。1人1人の演奏が、一番美しく、光り輝いて聴こえるように指導していくのが、大切と考えています。

さて、3月24日の門下生コンサートで、1人1人が輝いて、正に百花繚乱たる美しい花を咲かせてくれる事でしょう。楽しみです。


平成25年3月15日(金)生徒の旅立ち

日差しも明るく春めいてきました。今日は、今春から桐朋学園大学に入学が決まった、生徒が最後のあいさつに訪れてくれました。

彼女との付き合いは、小学4年生の時から、明和高校3年を卒業した、現在まで、9年間もの長きにわたる、お付き合いでした。今でも、目をつぶるとあの頃の事が、よみがえります。お母様と初めて来られた小さい時の愛くるしい、それでいて、しっかりとした彼女の姿が。茶色いワンピースに黄色のハートマークのフリフリのワンピースを着て、可愛いおさげ髪、利発そうな目の輝き。彼女自身が「先生の所の門下生にして下さい。お願いします!!」と声楽家のお母様譲りの良く通る
ハキハキした口調で、真剣になって、お話してくれたあの日の事がつい昨日の事のようです。

彼女にとって一番辛かった日々も、毎回のレッスンは休まず、私が注意するアドヴァイスを全面信頼して本当に一途に聞いてくれました。彼女がすごいと思うのは、レッスンの前に、今日は、風邪を引いているから練習出来なかったとか、試験があるから、勉強しなくてはいけないから練習出来なくて今日は弾けていないとか、言いわけをしたり、愚痴を言ったりすることが、9年間の間全くなかった事です。

自分も学生の頃、レッスンを受ける際に、親から常々、そういう言葉は、言いわけに聞こえるから絶対口にしてはいけないと教わってきましたが、その通りですね。プロの音楽家を目指す人はそんな甘い事を言って、先生から許してもらっては駄目だというのが親の口癖でした。

弾けてなくても弾けていてもどのみち、それでもって、先生が優しくしてくれたりするわけではありませんし、レッスンすることには変わりないのだから、という事が、彼女は小さいころから良く分かっている子でしたが、きっとそれも、今は亡き立派なお母様の教育だったのでしょう。ウイーンから帰国したばかりの若い頃の私にとって生徒が増え始めたばかりの初めての門下生コンサートの幹事も勿論快く引き受けて下さり、私達家族は、ものすごく彼女のお母様にお世話になりました。今ある門下生コンサートの土台を作って下さったのは、彼女のお母様のおかげです。当時は、私もまだ若くて、至らぬ事が多かったと思うのですが、彼女のお母様は全面的に、私を心から信頼して下さり、あらゆる面で彼女のお母様から沢山助けて頂きました。

人間的にも、音楽的にも9年間の間に、立派な美しい女性へと成長して、こんなに嬉しい事はありません。
しかも、名門の桐朋学園大学に入学でき、私が桐朋の高校時代から尊敬する大先輩であり、日本を代表する世界的なピアニストの仲道郁代先生に、ご指導頂けるとの事で、私も、彼女も、本当に喜んでいます。

 
←憧れだった桐朋学園大学で、実技担当が仲道郁代先生に決まり、良かったね。そんなラッキーな事って
 なかなかないよ。私もすごくうれしい。林万里歌さんと。

桐朋はそういった仲道先生を初め、今をときめく現役の素晴らしい音楽家の方ばかりが集まっているので、大学4年間の間に、きっと、さらに、刺激を受けて、彼女が持っている音楽性を伸ばしていってくれる事でしょう。

他の人の意見に惑わされず、常に冷静に自分をしっかりと持っている彼女の事なので、何も心配はいりません。私の後を素晴らしい仲道先生にバトンタッチ出来ること、こんな幸せな事はありません。


彼女だけでなく、どの生徒の存在も宝物のような、生徒1人1人の旅立ちは、私にとって、一抹の淋しさもありますが、自分の娘をお嫁にいかせるような幸せな気持ちで一杯です。

立派に成長した生徒1人1人が音楽家として大きく羽ばたいていってくれる姿を見送る事は、私にとって最高の瞬間です。3月24日の門下生コンサートで、彼女達の音楽大学合格インタビュー、音楽高校合格インタビューもあります。

皆さん、お楽しみに!!


平成25年3月13日(水)第11回門下生コンサートが近づいて

昨日は、明和高校の一般入試がありました。

今日は、朝から、4月13日(土)が本番の、東文化小劇場である、マリンバの先生との合わせ。曲は、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトの3楽章です。
この曲は、本来なら、ヴァイオリンのために書かれているから、マリンバではとても大変。テンポは速いし、バチを4本も持って同時に動かさなくてはならないから、相当大変です。ピアノもオーケストラのために書かれているから、何かと大変ですが、そういう時、ピアニストの役目は、オーケストラの音を拾って、上手にアレンジしてあげることが大切です。

それにしても、マリンバの音色は何時聴いても、まろやかで、暖かくて、やさしくて大好きです。とにかく、私は、ガチャガチャした音楽は大嫌いなので、そうなると、やはり、聴くのも、弾くのもピアノの音が、一番好きですね。あとは、同じくガチャガチャ聴こえない、ハープとか、クラシックギターとか、そういう楽器が好きです。

さて、3月24日日曜日の熱田文化小劇場午後1時30分開場、2時開演の門下生コンサートもいよいよとなってきました。1年がたつのは本当に早くて、あっという間に11回目を迎えようとしています。

昨年10周年では、多くの卒業生を送り出しましたが、その中の生徒だった一人から、第一志望の大学に合格して、医大生になれたと喜びのお手紙を頂きました。

彼女はピアノもすごく上手だったので、色んな方面から、患者さんの気持ちになってあげられる素敵なお医者さんになる日もそう遠くはないでしょう。

どんな職業でも、一生を傾けられる仕事につけることは、素晴らしいです。

外部の方からも、門下生コンサートのお問い合わせがありました。沢山のお客様のお越しを門下生一同、心よりお待ち申し上げております。

 その後、夜に懐かしい電話がかかり、その子も10周年で、演奏した生徒ですが、東京大学理科T類に合格したと東京から喜びの電話がありました。

彼女も、小学4年生から見てきましたが、その当時から、ピアノは上手いし、お勉強は出来るし、おまけにすごく努力家でした。

しかし、みんなすごいなあ!!小さい頃から育ててきた生徒たちが、皆優秀で・・・・・。そんな素晴らしい生徒たちに巡り会えた事をつくづく、幸せに、又、そんな素晴らしい出会いに、感謝しています。


平成25年3月6日(水)陰での努力が、能力の差を生む

今朝、来年の第12回門下生コンサートのホールが取れたと幹事さんからお電話を頂きました。来年は、3月21日(金・祝日)、南文化小劇場で、開催予定です。
まだ、今年の門下生コンサートが終わらないうちから、1年も前に来年のホール取りから始まります。ご都合をつけて頂いて、ホール取りにご協力下さったお母様方、有難うございました。毎年、幹事さんを初め、沢山のお母様方がお世話下さり、本当に感謝しております。

今年の門下生コンサートは熱田文化小劇場で、3月24日日曜日午後1時開場、2時開演です。門下生一同、沢山の方のご来場をお待ち申し上げております。
終演後の毎年恒例の受験生合格インタビュー、そして、新しい生徒の皆さんの、新入生インタビューコーナーもありますので、楽しみにしていて下さい!!

今、門下生たちは、門下生コンサートの曲の総仕上げ、そして、又、今年もPTNAの課題が出たので、参加する子たちは、今、曲目選びをしています。

毎年、日記にも書いているので、すでにおわかりかと思いますが、納得のいく曲目選びを行うならば、全ての曲を弾いてみる事が大切です。

もちろん、全ての曲を見ると言うのは、私がよく言う、まんべんなく見る「遊び弾き」のことです。小さい時に、この、「遊び弾き」が出来る子は、大きくなって、自分で、曲が選べるようになるので、本気でピアノが上手くなりたいと考えるなら、それを沢山やると相当実力がつきますよ。その時点で、先生任せの曲選びではなく、人の倍勉強したことになります。その時に、とりあえず、譜面を見て、どこか、自分に弾きにくいパッセージはないかと一番に探す、これが大切。

なぜかといえば、まずは、技術が伴わなければ、美しい音楽に仕上がらないからです。たとえ、3か月練習しまくっても、どうしても、ミスタッチが多すぎる、指が思うようにいってくれない、弾きにくいところが多ければ多いほど、演奏は、頼りなく、不成功に終わります。

又、1人1人の生徒には、こういう曲は選ぶと成功しにくい、というのも、伝えます。大体、人間の能力なんてほとんど、大差ないというのが私の考えです。

早い話、ある人にとって難しい事は、99パーセント他の人にも難しいというわけです。しかし、天才といわれる人種、一握りの人たち、1%の人たちには、全く難しくはありません。いともやすやすと弾いてのけます。

そういう人ならば、何を弾いても、完璧に弾くわけで、どれを選んでも、かまいません。そこで、難曲ぞろいでも上手くいく場合のみ、選んでもいい曲というのがあります。しかし、みんながそれを目指してしまったらいけません。

全く、初心者の方や、さまざまな楽曲を弾いていないレパートリーの少ない人達は、この時点で、間違った曲選びをしがちです。一般的に見て、とにかく、難曲を弾きたがる傾向にあります。

難曲を選んだ場合は、それにふさわしい演奏が出来ているのかということをよく考えてみなければなりません。そうでなければ、審査する先生方に、
「きちんと弾けてもいないのに、どうして、あんな難しい曲を選ぶのかしら、美しい音楽とは、どこへやら、テンポは走って、ペダルは濁り放題、音はミスタッチだらけ、何か音楽と闘っているみたい」という印象を与えてしまうからです。

それよりも、年齢に合った、よく音楽を理解して歌いあげた、心のこもった、ていねいな演奏は、どんな人の心も感動で満たされます。

自分が、上手く弾けていない、理解出来ていないものは、他人にも上手く伝える事は出来ないのです。

こういうことを見計らって、曲目選びは慎重にやります。私も、もちろん、アドヴァイスし、生徒自身が、まんべんなく弾いて聴かせてくれると、「これが、貴女には合っていますよ」とアドヴァイスしやすくなります。

どれだけ、早く、譜読みがまんべんなく出来るか、曲選びが出来るか、この時点でもうすでに、コンクールは始まっています。

そして、自分にぴったりの曲を選んで、本番前にする弾き合い会は、6月15日土曜日、南文化であります。このときは、お互いが練習してきたものを弾きあって、学び合える、又とないチャンスです。

是非、皆さん、ご参加下さい。もう、今から、弾き合い会を楽しみにしている生徒もいるようです。まんべんなく、課題曲を知っていると、他の曲が出てきた時にあ、これ知ってる、あれ、知ってる、となります。それが、人より差がつくピアノ上達への道なのです。

ピアノが上手くなっていく子は、目に見えないところでの陰での努力がすごいのです。そういうところが、確実に、人間の能力の差になっていくと私は自分の体験からも、生徒たちを見ていても、はっきりいう事が出来ます。


平成25年3月1日(金)後輩が出来て感無量

今日は、明和高校の卒業式。その後、今春、桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻に合格が決まった、生徒が最後のレッスンに訪れました。
桐朋は、何と言っても、私の7年間過ごした母校であり、世代は随分違えども、後輩が出来た感じで、私はすごく嬉しいです。天国のお母様の念願だったということもあって、夢がかなって良かったですね。おめでとうございます!!

桐朋のやはり素晴らしいところは、1年中、海外から音大教授を招いて公開レッスンを行っており、誰でも、無料で、聴く事が出来る事です。たまに、休講があって、授業がない時、又は、放課後、いつでも、楽譜を持っていって、毎日のように熱心に耳を傾けていました。公開レッスンなどは、自分が受けるよりも、人のを聴くのが、一番ためになります。というのは、レッスンを受けている当事者は、その場で直すことに必死で、あまり、注意された内容を理解出来ないのですが、聴講者は、弾かなくてすむので、客観的にわかるからです。

これは、普段、レッスンを受けている本人よりも、聴いているお母様の方が、より頭で、理解出来ていくのと似ています。

又、桐朋は、図書館がものすごく充実していて、恐らく、日本の音大の中で、最高に所蔵されている資料が多い事でも知られています。CDでもレコードでも、楽譜でも何でもそろい、毎日、足しげく通っていました。

彼女は、桐朋から、近いところに、ピアノが弾けるマンションを見つけたそうで、嬉しそうに報告してくれました。


私が、高校、大学お世話になった先生方が桐朋には、沢山いらっしゃいます。あの先生は今、どうしていらっしゃるかなあ、そんな懐かしい話も、彼女から今後、聞く事が出来るのは、喜ばしい限りです。

何といっても、桐朋は、私の尊敬する、大ピアニストの中村紘子さんや、仲道郁代さん、伊藤恵さんなど、世界を羽ばたく大ピアニストの方ばかりを輩出しています。指揮者の小澤征爾さんのオーケストラの授業もあって、高校3年生の時の、忘れられない素晴らしい思い出です。

昔から、演奏家になりたいなら桐朋へ、というイメージがありますね。

だからだと思いますが、入学当初は、周りがものすごく練習することにもう、びっくり。今でも、高校入学式の時に、「皆さん方は、これまでに、毎日8時間の練習をしてきたことでしょう」。というお話しがあった通り、皆、すごく練習するんだなあ、と非常に刺激を受けた事を思い出します。

桐朋の7年はピアノ一色で、遊ぶ暇など、ほとんどなかったから、ピアニストとしてやっていくためには、これくらいやらなければ、駄目なんですよという、校風が、流れていますね。

毎日が、素晴らしい大演奏家たちの先輩に囲まれながらの学園生活は、最高に充実していましたので、きっと、彼女も、明和高校で、磨いたピアノの腕前をさらに磨いていってくれると思います。すごく楽しみです。