平成24年9月1日(土)ドイツ・オーストリア研修(その2)
今日から、気持ちも新たに早速プライヴェート・レッスンが始まりました。皆、レッスンの間隔が空いていたけれど、さぼらずに良く頑張っていて、とても嬉しく思いました。門下生コンサートの曲目も、ちゃんと決めてきた子も多く、着々と、計画を立てて張り切っている様子です。
さて、今回のヨーロッパでは、2回目の再訪となったノイシュヴァンシュタイン城の場内も心に残りました。留学中に訪れた時は、雨で全身ずぶぬれ、肝心のノイシュバンシュタイン城は霧がかかって、ほとんど全景が見えず、みんなが騒ぐほど美しいお城という印象を持ちませんでした。
しかし、年を重ねるに従って、ルードヴイッヒ2世の事に興味がわいてきた事と、今回は、場内に描かれている、ワーグナーのオペラの世界が見たくて、行ってきました。「ニーベルングの指輪」や、「パルジファル」などが描かれており、室内装飾にワーグナーのオペラの世界を見ることが出来ます。
この城を建てたバイエルン王のルードヴイッヒ2世は、ワーグナーを熱愛していたといいます。こんな美しいお城を建てたまま、41歳で、湖で、水死体となって発見されたのは、自殺なのか、殺されたのか、益々、こちらの興味をかきたてられます。このお城とともに、メルヘン王と呼ばれるのは、そういう亡くなり方をしたからでもあるでしょう。
又この近くに、世界遺産となっている、ヴィース教会も見る事が出来ました。郊外の草原にポツンとたたずむ教会ですが、この中の室内の装飾がロココ様式の最高傑作で、心を打たれました。ここのキリスト像が涙を流すという奇跡で、有名になっています。ここのロココ様式の室内装飾を見ると、スカルラッテイなどが本当に美しく弾けそうだなあと、イマジネーションが沢山わいてきました。いかにも、その場所にふさわしい、装飾音がふんだんにちりばめられており、美しく鳴り響きどこまでも優しい香り高い特徴を持った音楽がロココ音楽と呼ばれますが、家でピアノを弾いているだけでなく、こういうロココ様式を実際に目にすると、スカルラッテイなど上手に弾けるだろうなあと思いながら見ていました。
次回へ続く
平成24年8月31日(金)帰国しました!!ドイツ・オーストリア研修(その1)
日本に帰ってきました。中部空港へ降りるなり、久しぶりに、ムワーっとサウナのような湿気を含んだ日本の暑さに頭がクラクラします。
何といっても平均気温が19度という、涼しい、寒いくらいの夏のヨーロッパから帰ってきたので、時差ぼけと共に、しばらくは身体がついていきません。(笑)
今回私が訪れたのは、ドイツの南部とオーストリアです。ウイーン国立音大の学生だった頃から大好きな、ドイツの南部とオーストリアですが、何度も行くたびに新しい発見があり、興味が尽きません。
びっくりしたのは、ウイーンのシュベッヒャート空港。今年6月に新しくオープンされたばかりだそうで、私が住んでいたころ、又、4年前訪れた時もまだ、小さな田舎の空港といった感じでしたが、すっかり大型空港に変わってびっくり。又、ウィーンミッテ駅が中央駅になるとかで、エスカレーターや地下鉄がどこもかしこも工事だらけで、益々ウイーンは経済的にも豊かに、発展を遂げている国だなあとつくづく感じました。
そして、つい最近、ウイーンは、世界で一番住みやすい街のナンバーワンに選ばれたとか。自分が住んでいたということもありますが、私も、好きな国のナンバーワンは、やはりオーストリアですね。スイスのようなアルプスの大自然の美しさもあれば、パリ以上に優雅な街並み、風光明媚で、アルプスに抱かれたこの国は、沢山の音楽家を輩出した、ロマン溢れる国。クラシックファンにはたまらない、そうでない人にとっても、ヨーロッパの見どころの全てが集まっているのがオーストリアです。ヨーロッパの中で一番治安が良く女性が夜一人で歩いても安全ですし、それに何といっても、ウイーンは音楽の都ですからね。
音楽家にとっては、最高の環境です。再度、訪れて、こんな素晴らしいところで、自分は、勉強出来たのだなあ、若いころに、幸せな体験が出来て良かったなあとつくづく思いました。
他の街なら、なかなか、バスや地下鉄などの路線図がわかりづらく、乗りにくいですが、やはり、4年も住んだところだと、地下鉄やバスも自由に乗れるし、行動範囲が広がり、考え込まずに歩き回れるのが、私にとっては便利。留学時代、住んでいたのは、5区のアインジードラーガッセというところです。
ここは、ウイーン国立歌劇場や楽友協会ホール(ウイーンフイルの本拠地、日本では、毎年お正月にテレビで放映されるウイーンフイルニューイヤーコンサートが有名)、コンツエルトハウスなど一番の見どころが集まる1区から、バスで、10分ほどの実に交通至便な場所でした。
又、モーツアルトハウス・ウイーンに行ってきました。ここは、モーツアルトが1784年から、87年まで、住んだ家で、フイガロの結婚を書いた場所で有名になっています。ザルツブルクのモーツアルトの生家も有名で、これまでにも何度か訪れていますが、個人的には、ウイーンのモーツアルト・ハウスの方により感銘を受けました。モーツアルトが寝ていた部屋や、召使の部屋、沢山の自筆譜や、モーツアルトが亡くなった時のデスマスクや何の病気で亡くなったか、など、非常に詳しい文献が残されています。
小窓の外に目をやると、細い路地が見えます。約250年前に、モーツアルトの子ども、コンスタンツエ(モーツアルトの奥さま、音楽家の奥さまは悪妻で有名だとか(笑)!!)家族と一番幸せな時期に住んでいたモーツアルトもここから、作曲しながらこの風景と同じものを見たんだろうなと思うと、すごく感慨深かったです。モーツアルトの音楽は正に天使が書いたとしか思えないように美しいので、私は大好きです。
いつも、学生時代は、楽友協会ホールや、ウイーン国立歌劇場、コンツエルトハウスに毎晩演奏会に通っていましたが、今回は、シェーンブルン宮殿で開かれた、コンサートを聴いてきました。モーツアルトのオペラや、シュトラウスのワルツに合わせて繰り広げられるバレエも美しく、私の心は、羽が生えて13年前に舞い戻りました。
←ウイーンにあるモーツアルト・ハウス、2006年にリニューアルしたばかりで、
内部もとても美しく、興味深い資料が沢山
この地で、モーツアルトとヨハン・シュトラウスのウインナ・ワルツを聴くと、ああ、ウイーンに来た!!という気持ちになれます。そして、ウイーンの空港が近づくとともに現れる、ドナウ川。私にとっては、永遠に心の中で見える風景が「美しき青きドナウ」なのです!!
しかし、それと同時に、若いころとは違った目線で、ドイツ、オーストリアを見たのも確かです。その理由は、又少しずつ書いていくことに・・・・・・
ヨーロッパに行っている間、生徒たちもPTNAの決勝大会で、頑張っていました。いい夏休みの素敵な思い出がつくれましたね。ピアノを弾いていると、他の人には体験できないような、素晴らしい体験が沢山出来るので素晴らしいです。皆さんも、ピアノを一生懸命学んで、人生を彩り豊かにしていって下さいね!
次回へ続く
平成24年8月20日(月)職業とは・・・
あっという間に夏休みも終わりに近づいてきました。今年の夏もいい夏だったなあ・・・・・・。現在の生徒達のレッスン、コンクールを受ける子や東京に行っている音高生、音大生のレッスン、受験生、それに新しい生徒さんが加わって、大忙しでしたが、暑い夏も生徒達とともに、本当に楽しく過ごせました。
昨日、中学1年生の生徒から、私の職業について尋ねたい、という事で、レッスン中にお話ししました。
これまでにも、中学生になった生徒達から、たびたび同じ質問を受け、同じ事を答えてきました。
今の中学生はどこでも、そういった、職業体験の授業があるようですね。
私も悩み多き中学生時代、身近に職業を持っている人達のお話を聞きたいと思う事は、よくありましたから、今はそういう実践の授業があって、すごく羨ましいです。
その中の質問に、今やっているお仕事で、苦労する事は、ありますか?というのがありました。
私は、「苦労かぁ・・・・苦労は、した事ないなあ・・・・。(笑い)というより、先生の場合3歳からずーっとピアノ人生でしょ?だから、今仕事しているという感覚がもうすでにないの。生まれてすぐに、ピアノを弾き始めて、その生活が今も昔も変わっていないからね」。とまず答えました。苦労するような事なら、恐らく仕事には出来ません。
ピアノ面での苦労は、小さい時から全くありませんでした。私にとれば、ピアノを弾く事は、呼吸をする事や、食事をとる事と同じく、ごく自然な事で、楽しいというよりは、非常に淡々としていて、音楽に対しては、すごくクールだった気がします。音楽家にどうしてもなりたいとか、強い憧れとか夢とかそういうものは持っていませんでした。自分の意志以前に、職業が生まれた時からすでに決まっていて、辛いとも苦しいとも全く思わなかったし、出来る事をただひたすら、黙々と歩いてきただけにすぎません。
しかし、実際に音楽家になって、沢山の人達から、私にアドヴァイスを求められる立場になりました。それまでの悩み多き、苦労が多かった、学生時代と違って、人生が豊かで大変実りあるものだと思えるようになったのは、つくづく応援して下さる皆さんのお陰だと思っています。
そして、私にとっては、本当に可愛い沢山の生徒たちの存在が学生時代の時にはなかった充実感を引き出してくれています。
学生時代は、自分がどれだけ頑張っても、周りから与えられてばかりで、自分が何も世の中のためになっていないのではないか、という欲求不満、苦しみが際限なくありました。自分の力ではどうする事も出来ないという出口のないような苦しい時代。
けれど、職業人として、生徒達を見ていると、自分は簡単に出来た事が、すごく苦労している、それはなぜなのかとか、あらゆる点で、考えさせられたり・・・・・。
人のために役立つ事を職業にする事が、その人の仕事だと私は考えています。だから、そこには、一切の自分のわがままも欲求もあってはならず、その人のためになる事だけを考えて日々私は、生徒と向き合っています。
よく、大学を卒業したばかりの若い人たちが、私のしたい仕事がないとか、楽しい仕事がないとか、面白い仕事を下さい、とか言っているのを見ると、あきれ返ってびっくりします。仕事というものは、自分が楽しくやりたい事をやるという考えでは、恐らく何も仕事は出来ません。好き、嫌いではなく、淡々と続けられて、人のためになれるのかどうかが、鉄則です。
どんなに好きであって、憧れの職業であっても、誰かのためにならない事なら、それは、仕事にはならないのです。自分が好きかどうかよりも、人のために役立つのかどうか。
だから、その人が一番出来る事、みんなが認めてくれる事を職業にすれば、仕事の苦労はないのです。一切の自分のわがままは通らないのが仕事というものだからです。
では、当分の間、日記は書けませんが、又、ヨーロッパの話で、レッスンの時に皆さんに役立つ事を一杯持ちかえってきますね。皆さんもあと少しの夏休みを充実させて下さい。
平成24年8月14日(火)人前で弾く曲選びについて
8月も半ばに入り、コンクールを終えた子は今、やっと学校の宿題にとりかかっているかと思います。
又、9月になり新学期が始まると、学生さん達は、一気に忙しくなりますので、来年3月24日の門下生コンサートは何の曲を弾こうかなぁとか、この休み中に色々曲選びしておくといいですよ。
私がヨーロッパから帰ったら、皆にどんな曲が弾きたい?と希望を聞きますので、そのつもりでいて下さい。
音楽高校、音大受験生の皆さんは、他の曲をやっている暇はないですから、もちろん受験曲ですね。
その他の人達のために、曲選びのコツを書いておきます。
今までにもこの件については、何回も書いたような気がしますが、新しい生徒さんが沢山いるので、その方たちのためにも、再度書いておこうと思います。
まず、曲選びをする時は、自分の現在のレベルに合うものを弾くようにする事が第一条件です。
あまりにも難しいもの、自分の手に負えないものは選ばないのが賢明です。
技術的に弾きにくいところがあまりにも沢山あると、技術の克服だけに時間をとられて、音楽を楽しむどころか、苦しんでピアノを弾いているように見えてしまうから、よくありません。
ピアノを歌わせる事が目的なのに、弾くのに精いっぱいの曲ですと、歌を感じることが出来ません。
それよりも、お客様が聴いていて耳に心地よいもの、ゆったり演奏者の演奏に身をまかせられるようなものを選ぶと良いですね。
又、譜読みが苦手な人は、早い人に比べて、研究する時間が足りなくなってしまうので、調号の多いものは避けましょう。
要は、自分にとってこの曲は楽に弾ける、やさしいな、と感じるくらいの曲を選ぶ事が、本番で成功する演奏の秘訣となります。
普段の練習では、少し背伸びした曲もやっていいと思いますが、人前では、自分のレベルに合わないものを弾く事ほど、良くないものはありません。
難しいのを選んでしまい、ミスタッチだらけで、音楽的にも全然歌われていない、ガチャガチャただ音が鳴っているだけ、そんな演奏をお客さんは聴きたいはずがありません。
そこからしても、人前で演奏するという礼儀をわきまえていません。完成度は低くても、自分さえ楽しめればそれでいいというのは、家ではいいですけれど、本番のステージでは、絶対あってはならないことです。
家で自分勝手に1人で弾くのとは違い、聴き手が1人でもいる場合は、その人のために心をこめて、全身全霊で弾かなければなりません。
自分のレベルに合っていて、しかもゆとりをもった誠実な演奏は聴いている人たちへ暖かい命を差し出すことにつながります。
そんな真心のこもった、生命の息づかいが感じられる演奏に出会うと、心から感動出来るのです。
平成24年8月12日(日)新しい譜読みにとりかかっている生徒たち
PTNAの本選もやっと終わりを迎え、全国大会に進む子は、最終段階のレッスンに入りました。
もう、ここまでくれば、あとは、1つ1つひねくり回して、私が何かものを言うより、その子の持ち味を生かしてあげた方がいいので、もう殆ど、リハーサルのような感じになっています。
コンクールを終えた子は、早速新しい譜読みにとりかかっている様子です。賞に入らなくても、ピアノが好き!!今日から新しい曲が弾ける!嬉しい!!そういう生徒からの言葉を聞くと、本当に嬉しいです。
コンクールがないと頑張れないという子は本当にピアノが好きな子とはいえません。
本当に好きな子なら、コンクールの時もコンクールがなくても、やる気満々だからです。
コンクールの結果はそれがたとえ、良くても悪くても、その子の将来を全て決めてしまうわけではありません。
将来的に、コンクールよりも最も大切なことは、楽譜を見たらさっと弾ける読譜力と、新しい曲を次から次へ見ていきたいという好奇心。
それがあってこそ、ピアノの練習も苦ではなくなりますから、とにかく、生徒の皆さんには、楽譜を読む力をつけていってほしいです。
それさえあれば、恐いものはありません。どんな時も実力発揮出来ますよ!!
平成24年8月10日(金)PTNAD級小学6年生 本選第1位 D級小学6年生 本選第2位 全国決勝大会進出
PTNAの本選がありました。今日も又、D級で小学6年生が第1位、小学6年生が第2位、2人とも全国決勝大会へ進出です。そして、同じくD級中学1年生優秀賞、中学2年生優秀賞、中学1年生奨励賞と皆さん、大活躍してくれました。皆さんおめでとうございます!!
私自身は昨日2日間の審査を終えて帰ってきました。ピアノを何時間弾いていても腕や手や身体が痛くなることなんて全くないのに、やはり、講評を一日書くとあちこちが痛い・・・・。つくづく私の身体はピアノ向きのようです。ピアノを弾いていないと、身体の節々が痛み、弾き始めると、血のめぐりが良くなって、身体がほぐれる。
2日間全くピアノに触れないのが淋しくてさみしくて、今朝起きて、一番したかった事はピアノを弾くことでした。水を得た魚のような、という感じで私の場合、ピアノを弾くとやっと、身体が柔らかくなって呼吸が出来るという感じになります・・・。
さて、先日審査したEF級になると、もう決勝大会へ進むような演奏者のレヴェルは格段に高く、文句なしにパッと決まるので、とても審査しやすかったです。これが、小さい子の場合は、そうはいきません。どの子も同じようなレヴェルで、誰がどうなってもほとんど変わりないので、私たちはすごく難しくいつも悩むのですが、大人になると、はっきりと差がつきます。
まずは、弾けるか弾けないか、で差がつきます。
ショパンのエチュードにしろ、ベートーヴェンのソナタにしても、確実に弾きにくいところが大人の曲になると必ず出てきます。
そこが、決勝に進む子は、まずやすやすと弾いてのけ、ものすごく高い安定感があります。
弾いている間、どこか、失敗するんじゃないか?と思っても、最初から最後まで、完璧。それが、第1条件。
又、そのテクニックが非常に安定しているため、ペダルの使い方も完璧にコントロールされて、技術の不足をごまかすようなペダリングはどこをとってもありません。
技術が安定しているために、テンポも指の弱さで走ったり、音の粒も4,5のような弱い指でひっこんだり、片寄ったりしないので、どっしりとした、安定感があります。
聴いている方は、大きな船にゆうゆうと乗せてもらったようなそんな気分になれます。
そんな演奏者の技術が安定すれば、あとは、求められるのは、歌心です。
いくら完璧でも、歌心のない演奏は絶対だめ。まずは、強靭な打鍵とともに、どんな弱さもコントロール出来るような、強靭なテクニック、その上で、歌心があるとなると、非常に限られた人となってきます。
ピアノって本当に楽しい!!
平成24年8月4日(土)B級小学4年生本選第1位、全国決勝大会進出
今日は、PTNAのB級小学4年生が第1位で、全国決勝大会へ進出することが決定しました。
又、D級の小学6年生が優秀賞を頂き、皆さん、本当におめでとうございます。
私も、連日大忙しで、来週は審査も控えているのですが、全国に行く生徒は曲目も増えるので、飛び入りで、レッスンを増やしたり、スケジュールの調整に追われています。
皆さんも身体に気をつけて頑張ってください。
平成24年8月3日(金)弾き込み感
さて、今日もD級中学2年生優秀賞、中学1年生奨励賞を頂き、2人とも本当によく頑張りました。おめでとうございます!
今日までで、やっと終わったという子もいますが、結果にこだわらず、ひと夏の素敵な思い出になったなあ、と思ってもらえれば、とても嬉しいです。
まだまだ、次に続く子たちもいるので、本番を迎えるまでに大切なことを少し書いておきましょう。
それは、この曲なら、誰にも負けないくらい勉強した、研究しつくした、どの音をつつかれても全く大丈夫、というような自信にみなぎった確信のある演奏をする事が大切です。
それには、弾き込み感というのがあって、弾きこんだ音と、何となく中途半端な、ぽやーん、とした感じというのは、聴いている人には、一目瞭然なのです。
中途半端な演奏はそれだけで、自信なさそうに聴こえるものです。しかし、別に大きな音で、ガンガン弾くのではありませんよ。すごく静かな弱音でも、弾きこまれている弱音には、深い深い意味が込められていて、人の心を感動させるのです。でも、弾き込みの足りない音というのは、音楽が薄っぺらで、浅はかな、何の意味も持たない、ただの音となってしまいます。
理屈ではなく、弾き込みをしていくうちに、ああ、私がほしかったのは、この音だった!とか、テンポやリズムが自分の血となり肉となってきた、なんか自分の分身みたいになってきた!と自然になってきます。
私が学生時代、新しい曲を解釈する時には、理屈ではなく、何回も弾き込んで音楽に尋ねていました。音楽の作り方がわからなければ、音楽に質問すると全て答えてくれました。
それには、誰よりも自分が一番この曲を知っているという感覚が大切、それで初めて、自信を持って人前で堂々と弾けるようになるのです。
ある学生が、ある詩を読んでいてどうもその意味がよくわからないと先生に尋ねたそうです。そうしたら、その先生いわく、
「お前はその詩を100ぺん以上読んだのか!わからないという前に100ぺん読め!!」と、怒鳴られたと。
音楽もそれと同じです。
平成24年8月2日(木)ソルフエージュ力
PTNAの本選、引き続き今日は、A1級小学2年生優秀賞、C級小学6年生優秀賞、同じくC級小学6年生奨励賞(特別賞として中京地区本選支部奨励賞を頂いたそう)が頑張りました。
皆さん、おめでとうございます!!
PTNAの曲で、例をあげると、大体の子なら、C級くらいまでなら、テクニック的、音楽的ともに、かなり根詰めて頑張れば、そこそこ弾けるようになると思います。
D級以降、特に、E,F級以降は、そういうわけにいかなくなるのが大変なところだろうなと思います。そこそこどころか、きちんと楽譜通りにミスをしないで弾くということ自体、困難になってくるのが、大人の曲といえるでしょう。
いくら、音楽的にこう弾きたい、という意欲があっても、あっちもこっちも弾けないところだらけだと音楽どころではなくなってしまいますからね。ミスタッチをしない、テンポをきちんととる、ペダルがにごらないなどがきちんと守れれば、E級以降はそれだけで、大成功といえるでしょう。
大人の曲は、完璧に弾きこなす、それが一番大変ですね。曲は子どもの時の曲の倍に増えるし、子どもの時のように一小節に一時間のようにゆっくり研究、みたいなことをやっていては、間に合わなくなっていくからです。つくづく、その人が本当に力があるのかは、大人になってからが勝負です。
となると、どうすればよいのか。
結局、いい耳を持っていることが、一番大切。今、弾いているときに、自分の出した音が、歌われているのか、ニュアンスが生まれているのか、確実なテンポがとれているのかを即座に判断出来る耳があれば、人以上に早く曲を仕上げられます。
そこで、ソルフエージュの問題になってきますが、受験生もいますので、おすすめをお教えします。
私は、もちろん、小さい時からソルフエージュをやっていましたが、特に役だったのが、中学2年生で、買ってもらった、パンセ・ア・ラ・ミュージックのカセットです。
それぞれの、音楽大学の模擬試験が入っていて私にとっては、習いに行くよりも自分で勉強した方が、ずっと効果があがりました。
特に中学生は忙しいでしょうから、自分で、お部屋でソルフエージュの勉強が出来るこの教材を是非おすすめします。
昔はカセットだったのですが、今は、CDで、又売られているようなので、インターネットで買うといいと思います。
平成24年8月1日(水)PTNA本選第一位D級中学1年生全国決勝大会へ
今日から、PTNAの本選が始まりました。
トップバッターはD級中学1年生が第一位で、全国決勝大会へ進出することが決定しました。おめでとうございます!!
又、同じくD級中学1年生優秀賞、中学1年生奨励賞、小学6年生奨励賞、B級小学4年生優秀賞と、皆さん本当に大健闘でした。
これから続く人たちも精一杯楽しんで弾いてきてほしいです。