平成24年2月26日(日)大学合格者発表

今日は、レッスン中、現在明和高校3年生の2人の生徒から、喜びの電話がありました。
東京音楽大学の演奏家コースに目出度く2人とも合格したそうで、おめでとうございます!!演奏家コースは試験曲も沢山ありますし、大変だったと思いますが、2人とも良く頑張りました。レヴェルも高く、環境も大変いいところなので、東京での充実した大学生活を送ってほしいです。

又、昨日は、南山大学の法学部に合格が決まったと現在高校3年の男の子から連絡がありました。彼は、先程の2人の彼女達と同じ時期、小学6年生から見ているのですが、音楽高校でもないのに、今までもよくピアノを続けていてすごいと思っています。
来た当初は、ギロック等を弾いていたのですが、今では、ラフマニノフなども弾けるようになりました。

私はいつも思うのですが、つくづく、ピアノは男の楽器だなあと。実際、小学6年生の男の子の手を見ても私の関節とは比べ物にならないように、骨がガッチリしていて、太く、手の平も女の子とは全然違います。鍵盤に手の平をのせただけで倍音が伸びて、余裕があり、硬くならずいい音が出せます。手が小さいと手首に力が入ってしまい音が固くなるのですが、男の子はそれがないですからね。

肉体的条件が男の子の方がピアノに向いていることは確かですね。それと、男の子は小学生のときは子供っぽいんですが、高校生以降、身体の成長と共にグングン頭の中身も成長していきます。彼も日記の内容が、高校生に入ってから、見違えるような内容になってきました。
子供のとき、女の子より成長が遅い分、大きくなって20歳過ぎてもまだまだ、伸びていくのが男の子ですので、成長が楽しみです。

彼は、大学に行ってもまだ、ピアノを続けるといっているので、すごいなあと思っています。大学のサークルとか、結婚式とかピアノを弾く機会はきっとあるでしょうから、このまま続けていろんな曲を弾いてみんなの前で格好よくピアノを弾いてもらいたいです。

彼は、自分が音楽の道を目指している人達ばかりの中で、3月20日の門下生コンサートに弾くので、自分だけ浮くんじゃないかな、ととても気にしているようです。が、全くそんな事はありません!!音楽学生でないからこそ、出せる味わいのあるピアノが弾けます!
音楽ってその人独自の世界がつくりだせていることが第一ですから、上手い下手なんて、全く関係ありませんよ。
音楽高校生、音楽大学生、だけに限らず、私の所に来ている生徒達は、みんな等しく私の大切な宝物、全ての生徒達が等しく可愛いです。
皆さん、それだけは忘れないで下さいね!


平成24年2月23日(木)門下生コンサート最終打ち合わせ

今日は、今年の幹事さん、新しい幹事さん達と一緒にホールの方と門下生コンサートの最終打ち合わせをするために熱田文化小劇場に行ってきました。
今年は、2台ピアノもあるので、例年より、色々とやらなければならないことが多いのですが、幹事の皆様が本当によくお世話くださるので助かります。
その一つの試みが7年以上たった方達の日記を置かせていただく場所はどこにするかとか、写真を貼るボードはどうするかとか、皆さんで話し合いました。
日記も皆さんきちんと昔のものをとってあるものですね。次から次へと集まってきています。8年、9年前でも何となく皆さんのレッスンノートの表紙を見ると私も思い出すので、とても懐かしいです。

さて、昨日PTNAの課題が発表となりました。要項はまとめて取り寄せていますので、しばらくお待ちください。どんな曲が出ているかは玄関に掲示してありますので、受けようと思われる方は写して帰ってくださいね。今日受けたいと言っている生徒さんには、課題曲の説明をしました。
例年のことながら、全部の曲を譜読みしてみて、自分のキャラクターにピッタリくるものを練習していくといいよ、と皆さんにそう話しています。
私が、貴女はこれを弾きなさいと勝手に決めてもいいのですが、課題曲を選ぶというところから、勉強は始まっています。その時に色々な曲を知ることも出来ますし、譜読みの力もつきます。出来るだけ、全ての曲に目を通して、上手く弾けそうなものを選んでください。それが、一番納得がいくと思います。
そして、選んだ曲があまりにもその子に合っていない曲とか、難しすぎるのを弾きたがる子にはきちんとアドバイスします。又、全ての曲の譜読みが出来ない子には、楽譜を買ってもってきてくだされば、私が全て初見で弾けますので、弾いてあげます。

ちなみに毎年恒例のPTNAの弾きあい会(ステージリハーサル)は6月3日にステージで行うことが決定していますので、皆さんどうぞ、ご参加ください。どこのステージかは、掲示を見て下さいね。

昨日で、明和高校の3年生達の学校のレッスンも終わりました。プライベートレッスンの子達もコンサートをもって卒業する子達は私とのレッスンがあと、数回のみとなってきています。

彼女達と過ごせる時間もあとわずか。一人一人の生徒達と過ごした良き想い出が一つ一つよみがえります。出会いもドラマチックだけれど、別れはもっとドラマチック。私と過ごした想い出が良い想い出となって残ってくれますように・・・・・・。

小さい頃から育ててきて皆さん本当に上手になって卒業してくれるのは、淋しくもありますが、嬉しく何ともいえない気持ちです。あとは、どこへ出しても立派にやっていける、そんな自信を持って送り出すことが出来るのは、人生で最高の瞬間でもあります。

彼女達と過ごす時間、1分1秒を大切にカウントダウンしながら、20日を迎えたいと思っています。

今年大学生になる男の子はまだ、ピアノを続けていきたいとのことで、素晴らしいと思いました。彼も小学6年生から見ているのですが、最近では日記の内容も、ピアノも随分成長して、更に彼の成長を見ることが出来る事をとても嬉しく思っています。


平成24年2月20日(月)高校推薦入試合格者発表

今日は、待ちに待った、高校合格発表の日。まず、朝1番に旭丘高校の推薦に合格した、と興奮して1人の女子生徒から喜びの電話がありました。今まで、ピアノレッスンと両立するのが大変だったと思いますが、本当によく頑張りました。夢である、お医者さんに是非なって下さい!

続いて、私の留守中に、明和高校音楽科の推薦に合格が決まりました、とお母様からお電話が。小学1年生から見てきたこの生徒は、どんな大舞台でも、動じないという子で、受験も楽しくてたまらなかったのだそうです!!
新曲視唱も、ピアノも皆さんが私の演奏を聴いてくださっている、と全部自己中心的に考えていったら、楽しくてたまらなくなったとか(笑い)。
こんな風に、窮地に立たされたときでも、その場の雰囲気を楽しめてしまうのも、音楽家になくてはならない才能でもあります。
一生懸命努力をしたら、あとは、恐がらずに、又、神経質にならないように、ある程度楽観的である事は、大変必要な事ですね。終わった後、彼女がすごく上手く弾けた、という感じでしたので、安心していました。

先日の芸高合格の生徒に続き、明和高校音楽科の推薦合格。いずれも、トップレベルの難関です。しかも、入試が厳しいばかりでなく、入学後が又、想像を絶するほどの、学生達がこなす、曲数の多さ。数年前なら、大学卒業試験で弾くような曲だったものも高校1年生で、弾いていたり、今すぐにピアニストとして、演奏活動が出来るのではないかと思えるような、素晴らしい演奏をする生徒達ばかりです。

そんなトップレベルの音楽高校に小さい頃から見てきた生徒達が入学出来た喜びは感激もひとしお。正に8年、9年前に蒔いた種が次から次へと実を結び始めているなあ、人を育てていくのは、この世で一番素晴らしく、充実感があるなあと改めて感動しています!!

子供を育てていくのは、この世で、最高に大変な仕事だと思うけれど、その反対にこんなにやりがいのあることも他では考えられないでしょうね。

世のお母様方、こんなに素晴らしい子供たちを生んで下さって本当に有難うございます。皆さんに心から感謝したいです。

私の人生の中で、こんなに素晴らしい才能ある子供たちに巡り合えたこと、そのお手伝いを多少なりとも、させて頂いていること、私がピアノを弾いていたおかげで、素晴らしい人との出会いが次から次とあり、正にピアノが人をつないでいるといっても良いでしょう。

何かの本に書いてありましたけれど、この世でする目的は、人のためになる仕事をすること、そして、人を愛する事、その2つだけと書いてありましたが、その通りだと思います。

この2つが、人間を生きる喜びに溢れさせ、心の充実感、満足感に導いてくれます。

まだまだ、音楽大学の合格発表もこれからです。とても楽しみです。


平成24年2月17日(金)好きなこと、続けていけば、心配しなくても道が開かれていく

3月4日(日)ヤマハピアノシティ東山で、私のグランドピアノアドバイスレッスンが開催されます。午前10時から8名、人数に限りがあるそうなので、お早めにとパンフレットが届きました。
当日は、一生懸命ピアノを学習されている皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

さて、今日はピアノ学習者から、必ず質問される事の多い内容を取り上げて書いてみようと思います。
まず、「うちの子は本当に才能があるのかどうか」「このまま続けていて上手くなっていくのでしょうか?」「ピアニストになれるのでしょうか?」という質問。特に習い始めの人に多いのですごく難しい質問です。
又、「先生みたいになりたい、と子供はそういうけれど、具体的に何をしていけばいいのでしょうか?」
習い始めのほとんどの、生徒さんの親御さんたちからそう聞かれます。
毎回、そう聞かれて、どう答えれば、いいだろうか、と夜を徹して悩むこともよくあります。

その件について私の母に尋ねる事もよくあります。すると、母はいつも、「貴女をピアニストにさせようとか、職業として音楽家になってほしいなどとはこれっぽっちも思ったことはなかった。どこの親でも、そんなことは考えないと思うわよ」。
といつも答えます。
「ただ、ピアノが好きで、貴女が色々な曲を弾いてくれるのがただただ嬉しかった。全く弾けない自分と違って、貴女がどんどん曲を弾いてくれるお陰で、お母さんも一緒にものすごい数の曲数を一緒に知る事が出来た事をすごく嬉しく思っているわ。そして、いつもピアノレッスンについていって、レッスンの様子を聞くのがお母さんの一番の喜びであり、一緒に音楽の世界を勉強できた事が楽しかった、ただそれだけ。何かになってほしい、そんな思いは全くなかった」。

私も、自分の道を振り返ると、小さい頃から、弾きたい曲が常に次から次とあって、弾きこなすまでは、練習しなくてはならないし、弾きたい、弾きたい、と常に新しい曲への興味が尽きず、それを追いかけて練習していくうちに、自然に道が開かれていったという感じでした。

だから、まず、始めに才能があるからやる、とか、ピアニストになりたいから練習する、とかではなくて、音楽に対して興味が尽きない、ピアノが弾きたい、何でこんなに音楽って心をとらえるのか、その音楽の不思議な部分を知りたい、そこが大切かなと思います。

私の母も、「音楽の道はものすごくお金もかかるけれど、全くそれがもったいないと感じたことはこれっぽっちもなかった、ピアノレッスンというものがこんなに素晴らしく、人生を豊かにしてくれ、母親である自分がピアノレッスンと共に精神も大きく勉強させてもらえたことが、何にもまして変えがたい喜びだと思う。
だから、仮に貴女が音楽家にならなくても、母親の自分が人生勉強させてもらえたのだから、それだけで、大満足、全く見返りは求めなかったし、どこの親でも子供から見返りを望むなんてことは決してないはず」と言います。

そうかもしれませんね。始めに、続けていて上手くなるのか、とか、ピアニストになれるのか、才能があるのかどうか、それを基準にしてピアノを練習していくというのは、本末転倒なのです。

好きで続けていったら、自然に道が出来ていく、それが本来の自然な姿です。将来、ピアノを続けていて物になるかどうかなんていうことは、いつ地震がくるのかを予測できないのと同じくらいに、誰にもわからないことなんだと思います。

ただ、一つだけいえることがあるとすれば、やはり、音楽が好きなのであれば、絶対に見返りを求めてはいけない、ということはいえるかもしれません。将来たとえ、何も物にならなかったとしても、です。音楽の世界を知る事が出来た、勉強できた、それ自体が充分すぎるくらいの見返りとなって親も子も受け取れているわけであり、子供にとっての貴重な財産となるわけです。

種をまいて、「早く早く、明日芽が出てあさって実がついて欲しい」というのは無理な願いです。
おおむね、大体実は早く欲しがろうとしますが、種をまいて、すごく愛情をかけて慈しんでゆっくりゆっくり時間をかけて育てていくというのを忘れている気がします。

確かに、面倒くさいし、手間がかかる。けれど、その面倒くさい、手間がかかる、それをしなければ、どんな分野でも物にはなりません。

せめて、10年なり、20年なり、その面倒くさい、手間がかかることを嫌というほどしたときに、「このまま続けていても上手くなるのでしょうか?」という質問が出てくるのは、いいと思いますが、ピアノを一生懸命やりはじめて、たかが、5、6年くらいで、そう言うのは、親も子も焦りすぎですね。

例え、物にならなくても、何もならなかったということは絶対にありません。「何かを得ることは、同時に何かを失う事」でもあるのです。ピアノを一生懸命やりたい、好きならば、とことん、没頭して全力で、親も子もそれに対して、周りがどう言おうと打ち込まなければなりません。たとえ、他の事が何も出来なくなっていったとしても。
賭けてみなければ、誰にもその人が本当に才能があるか、ないかは、わからないのです。


嫌いなことを全部捨てて、自分が本当に好きなことだけ続けていけば、必ずそれなりに道は開かれる、それが答えかなと思います。


平成24年2月15日(水)ピアノ日記

今日は、3月20日の(熱田文化小劇場)門下生コンサートも近づいてきたので、色々な準備にとりかかっています。
まずは、10周年ということもあって、7年以上学ばれた門下生達の方々に、今まで一生懸命書いてくれたピアノ日記を当日、ホールのロビーに置かせていただいて、会場に来てくださったお客さまに見ていただくことにしました。

お願いした1人1人の生徒から、お返事を頂き、皆さん快く提供してくださるとのことで、嬉しく思っています。私も幼稚園、小学1年生の頃の日記を残してありますので、置かせていただき、皆さんに見ていただこうと思っております。

大人の意見や手が加わっていない、子供が自由に書いた文章は最高です。どんな偉い大人が書いた文章より、子供の日記は価値があるのです。

子供時代しか書けない字で、子供しか思いつかないようなこと、そんな時代は、もう2度と戻ってはこない、本当に貴重な財産なので、私も大切にとってあります。

今、現在新しく入ってきている生徒さん達や、外部のお客さまもかなり長丁場になるコンサートなので、途中で
そういった日記などを閲覧していただいて、小さなお子様達が退屈されないように心がけていくつもりです。
皆さん、楽しみにしていてくださいね。


平成24年2月14日(火)バレンタインデー

今日はバレンタインデー。何人かの生徒達がプレゼントしてくれました。
手作りのチョコを作ってくれた生徒達もいて、美味しく頂きました。ムンクの叫びなんていうのもあっておもしろかった!

私は、学生時代、男の子に全く興味がなくて、私のアイドル、憧れはいつでもピアノの先生でした!!
バレンタインは必ずピアノの先生にプレゼントしていたのが懐かしいです。
物心つく前から、現在に至るまでいつでも、どこでも、私の周りはピアノ、ピアノの事ばかりです。
ピアノの事でしか、話も合いませんし、同じ目的を持ったピアノを弾く人がとにかく好きで、音楽高校に入ったら、やっと、自分と同じ話を分かり合える人達がいると、感じて本当に居心地良く過ごせました。

私の大好きな和声の授業、ソルフェージュ、音楽理論、音楽史を始め、室内楽や伴奏法、その他、毎日が音楽科目ばかりで、なんとも楽しい時期を過ごせました。

もちろん、普通の高校生と同じく、数学や生物や西洋史など、一般科目もあるのですが、やはり、音楽高校の場合、私達は音楽を目指す人間なので、他の事はまあ、適当にしておけばいいよ・・・・みたいに先生方も優しくして下さるところがあって、救われました。

勉強をものすごくすれば、ピアノが駄目になり、ピアノを必死でやれば、勉強が駄目になるのは、当然の事で、学生の時は、全てをくまなくしなければならないので、大変ですね。
社会に出てしまえば、自分の得意分野だけをやっていけるので、より一つの事に集中でき、自分のしたい研究に没頭する事が可能になります。

人間そう何もかも出来ません。
ドイツの子ども達は10歳で、将来の職業を決めて、その道の専門学校を目指し、職業訓練をします。
合理的でとてもいいシステムだと思います。
数学の不得意な子に問題をどれだけ、にらみつけて、頭をひねって考えさせても、出来ないものは出来ませんものね。
出来ない事に頭をひねり回してやっていても、時間の無駄というところから、きっとドイツでは出来る事をやらせるというのが子供の教育なのだと思います。

出来る事をやらせるのは、世のため、人のために一番なりますから、一石二鳥です。
たまにスーパーマンみたいに全部優秀って人もいると思いますが・・・・。いずれにせよ、私は、何もかも出来るスーパーウーマンでは全くありませんでしたので、社会に出て、自分が出来る事だけに没頭出来、幸せな道を歩めて本当に良かったなあと心から思います。

今春から、音楽高校、音楽大学へ通う学生さん、本当にいい場所ですよ!!最高に居心地よい場所で、自分の居場所を見つけてくださいね!!


平成24年2月9日(木)ピアノは淋しがりや

一週間の経つ事のなんと早かったこと・・・。お問い合わせを更新すると、体験レッスンのお申し込みがすぐあり、多くの方々が読んで下さっているのだなあと改めてホームページの威力を実感しました。だから、頑張って日記を書きます。
先日は、明和高校2年生の公開試験が電気文化会館であり、1年のときと違って、すごく成長したなあと思える演奏もあり、嬉しく思っています。

又、昨日は音大受験の子達の最後のレッスンでした。その中の1人の生徒が本当にいい演奏に仕上がり、受験の演奏とは関係なく、1人の演奏家としての音楽に心から感動しました。
普段は学校に通うだけで、忙しく落ちついてなかなか練習が出来ない様子でしたが、今はだいぶ楽になり、演奏にパワーがみなぎっていました。

やはり、練習量が多いと、しかもいい練習をしていると、すぐ聴き手に伝わります。人間窮地に立たされると、火事場の馬鹿力ってよくいいますけれど、まさしく彼女が今そんな感じで、本番もそんな感じで弾いてくれれば、と祈るばかりです。
一番のってきた時に本番を迎えられるのが一番良いと思います。そのタイミングはすごく難しく、ピークを過ぎると又、下降気味になっていったり、崩れたり色んな問題が起きてきます。

よくある演奏が、練習しすぎて愛情が薄れ、指だけになってしまう演奏です。自分では、一生懸命歌っているつもり、クレッシェンドしているつもりが盛り上がってこない、そういう演奏になっていると要注意です。練習は毎日の習慣にならなければならないのですが、音楽に対する愛情は、慣れっこになってしまってはいけないのです。ピアノはとっても淋しがりや。いつもいつも、気にかけてあげて、お腹すいたの?寒くない?一緒に遊ぼうか?って一音一音、過保護すぎるくらい愛情こめて音を慈しんであげなければならないのです。

ちょっとでも、無視したり、もう知らない!!って怒って弾いたりしたら、たちまち、そっぽを向いてしまってもう何も話してくれません。

よく、ゴミ箱ひっくり返したような散らかった部屋のような演奏がありますけれど、あれは全く、音楽に対して、何ももう愛情が残っていない状態。そういう状態になっている生徒の演奏を一つ一つ、どうやってお掃除していけばよいかをお手伝いするのが私の仕事でもあるのですが、これを私は「音のお掃除」と呼んでおります。(笑い)

そして、まずすっきり片付いたお部屋に変身したら、毎日愛情をかけて丁寧に丁寧に慈しみ大切に育ててあげないと、ピアノはすぐ、死んでしまうのです。人間と同じく、愛がなければ生きられないからです。


平成24年2月2日(木)物事の成就は情熱、信念

今日は、朝から雪。名古屋で初めての雪が降りました。受験生も沢山いるし、インフルエンザには充分気をつけて下さいね。

私の風邪予防はマスク。数年前、生徒さんからインフルエンザをもらって、ひどい風邪をこじらせて以来、家でレッスンするときは必ず、マスクをするようにしてから、一回も風邪をひかなくなりました。
風邪は空気が乾燥すると、ひきやすくなります。マスクをすると、湿度が保たれて喉が潤うので、効果てきめんです。
いったん風邪をひくと、せきが長引いてなかなか直らなくなるので、ひく前の予防が何より大事。
私は、薬もお医者に行くのも、大嫌いなので、マスクは本当に有難いです。
ちょっと、うっとうしいのが難点ですが・・・・・。まあ、風邪をひかないで、いつも元気で、生徒さんをお迎えしたいですからね。どうってことはありません。

先日はヤマハ、今日は午前中からスタインウェイの調律をして頂いています。
ヤマハの方は先日生徒に弾いて聴かせていたときに弦がパシャーンと切れてしまい、やっと直りました。

生徒から質問がありました。自分が弾いている音をCDのような綺麗な音が出ているかどうかを自分でわかるようになるにはどうすればよいのか、という内容です。

すごく難しい質問だと思いました。私は、やはり、音楽は耳の良さが全てだと思っています。が、単にピアノの音を聴いてそれが、ドの音、レの音と判断出来る絶対音感だけでは、駄目と思います。よく、私が生徒達に弾いて聴かせて、もう一回弾いてごらん、と言ってから弾かせた時に、ガラッと演奏を変えられる人と、何回弾いて聴かせても、変わらない人がいます。
私は、彼女に小さい時に沢山いい音を聴いてきましたか?とたずねると「聴いていません」というので、やはりそこが原因かなと思いました。

私自身の体験から言うと、4歳頃から私が練習する曲は、母がいつもレコードを買って寝る前にしょっちゅう聴かせてくれていました。その頃は、三重におりましたので、三重から、名古屋の伏見のヤマハまで、バスや電車を乗り継いで買いに走ってくれていました。

幼稚園の時、弾いていた、ブルグミュラーの天使の声、シューマンのユーゲントアルバムのメロデイに使われているペダルも全て、先生から教わったのではなく、レコードを聴いて踏めるようになっていきました。

今でも思い出があるのですが、その中ですごくほの暗い音が出ていて5歳の頃の私の心を惹き付けました。
どうやったら、このほの暗い、ビロードのような音が出るのか、そう思って、ピアノをあちこちいじくり回した後、これが弱音ペダルを使っているという事に気付き、これを踏むとレコードと同じ音が出る!!とわかった時の嬉しさといったら!!

それ以来、私のお好みの音というのが、必ずあり、それに近づくよう、近づくよう、練習していったら、自分が思うとおりの音が出せるようになりました。

やはり、私個人の体験からも、生徒達を見ていても、確信を持っていえる事なんですが、物事の成就は、「情熱」です。
絶対にやりとげてみせる、そして、それが達成出来るまでは、絶対に信念を曲げない、という「信念」が何より大切ですね。

情熱を持っている生徒は、違います。
どんどん伸びていき、必ず物事を達成させますから、どんどん自信が生まれて、物事を達成させる喜びがよくわかっています。
成功体験を積み重ねる事で、更に自信が生まれます。

私が仕事をする時に何より大切にしているのは、どんなに長年ピアノの道を歩んできても、情熱を失わないということです。
情熱があれば、人をものすごい力に変えていくことが出来ます。

コンクールの時だけ、とか、受験の時だけとか、何かがある時だけ頑張る、のでは駄目なのですよ。
普段のコツコツとした練習がどんな時にも威力を発揮します。そういった練習を4、5歳の頃から、続けていて、
どんな時も情熱を失わずに、毎日音の研究をしていれば、必ず、物事は成就します。

自分のピアノ演奏が良いか、悪いか判断出来るようになるには、音に対してその位の強い信念を持っているのか、情熱がそこまで長い間続くのかどうかにかかっていると思います。それが私の答えです。