平成23年8月31日(水)完成度高くするには?
昨日から、高校のレッスンが始まりました。バタバタと時は過ぎ、気がつけば、もう今日で8月も最後。大学受験生達も気を引き締めて練習に励んでいるようです。
門下生コンサートの曲選びもほとんどの生徒達は決まり、練習を始めています。来年3月20日(熱田文化小劇場)は、何といっても門下生コンサートが始まって10周年です。
記念すべき年なので、素敵なコンサートにしたいと思っています。
何年も出演している人達は、曲目も自分で選べるようになって、嬉しく思っています。
そこで、新しい生徒さん達も沢山入ってきているので、譜読みの仕方について大事な事を、書いておきましょう。
1.正しい音を弾く(当たり前の事ですが、かなりの年数たってもこれが出来ない子は非常に多い)
2.アーティキュレーションを守る(勝手につなげたり、切ったりしない)
3.指使いを守る(後から直すのは、すごく効率が悪い)
4.正しいテンポをとる(始めは遅くてもよいので、リズムや拍子、音価をきちんととる)
5.いい加減に弾かない(曖昧になっている部分は徹底して練習しなければ、いつまでもすっきりしないまま)
以上5つの項目は必要最低限、自分の練習で、やってこれると良いですね。
これは、実に基礎的なことであり、全部楽譜に書かれてあることなんですが、意外にこれが出来ない人は多いです。
それと、弾けてから曲想をつける、と考えている人が多い気がします。
しかし、譜読みの段階で、曲想を同時につけていく事も大切です。
どんなにゆっくりで弾いていても、気持ちを盛り上げてクレッシェンドするところ、気持ちがゆるむところ、早いテンポで弾く時と同じような激しさ、エネルギーをこめて弾くこともとても大切です。
感情のない、心がこもっていない練習なら、しない方がマシです。
悪い習慣は、やればやるほど悪くなる一方なので、ただちにやめなくてはなりません。
又、ゆっくり練習しましょうというと、途端にハノンの指練習みたいに弾く子は多いのですが、これもよくありません。
これをやると、又、習慣化されてしまい、早く弾いた時に「指練習の音楽」になってしまうからです。
ゆっくりの時も、細かい16分音符をすみずみまで、テンポで弾く時と同じようによく歌いながら、練習すると良いですね。
又、ある程度弾ける様になってきたら、いつまでもゆっくり弾いていないで、テンポで、早く弾いてみる事も大切です。
というのは、16分音符などの細かいパッセージなどは、ゆっくり弾く時と、早く弾いている時とでは、力の配分が全然違うからです。
又、指使いを決める時もゆっくりで弾けていても早くなると弾けなくなってしまう事もあります。
その時は、その音型を取り出して、早く弾いてみて指使いを決めるなどの工夫が必要です。
芸術的な美しい演奏に仕上げるためには、毎日の正しい習慣の積み重ねにかかっています。
1回、駄々草に弾いたら、それが、すぐ頭に記憶されて、そのまま残っていくと考えて下さい。
ものすごく恐い事なのです。一回目に間違えた音を弾いてしまったら、2回目は絶対に間違えないぞという強い意志を持って練習に励んで下さい。
鉄の意志を持って取り組めば、必ず完成度が高く、仕上がる演奏となるでしょう。
平成23年8月22日(月)今年も大活躍の生徒達
今日は、PTNAの全国決勝大会の表彰式に東京へ。
C級小学5年生銅賞、6年生と5年生の2人がベスト賞でした。
本当に良く頑張りましたね。おめでとうございます!!
全国決勝大会は参加出来るだけでも宝くじに当たるくらい、大変なこと。
その中で、今年も又、生徒達との素敵な想い出が増えました。
先週は、ロシアンスクールに参加した生徒のレッスンを聴きに行っていましたし、東京と名古屋を行ったり来たり・・・・・・。
気がつけば、もう私のリサイタルが1ヶ月後に迫っている・・・・・・。さて、これからは、本腰を入れて自分の練習もしなくては。
バタバタしているうちに、あっという間に夏休みも過ぎました。
ピアノに関わっていると、いつもピアノ、ピアノ、ピアノ・・・・でも好きな事だから全然苦になりません。
小さい頃からそうでしたけれど、ピアノをやっていると、本当に充実した毎日が送れます。
生徒達のお陰で、今年もとても楽しい、充実した毎日でした。
私を応援して下さる皆さん、本当に有難うございます。感謝の気持ちで一杯です。
生徒達のお陰で私も指導者賞を受賞させていただく事が出来ました。
平成23年8月14日(日)音楽の中身をよく聴いて
私はレッスンする時に、生徒の演奏を録音して、その後、CDを聴かせて違いを聴き比べさせることをよくやっています。
「CDを聴いた?」と聴くと殆どの子が「聴きました」と言います。
しかし、その聴きかたが漠然とただ、ぼーっとして聴いているだけのような気がします。
私は、フレーズごと、細かく区切って聞き比べすることをお勧めします。
強弱の付け方一つとっても、どこから、クレッシェンドを始めるとより効果的なのかとか、フレーズのうたわせ方も1回目と2回目ではアゴーギクの取り方やニュアンスが違うなあとか、テンポ感も規則的なのだけど、弾力性あふれるリズムで、微妙に早くなっていたり、ゆったりしたりしているなあとか音楽の中身まで、汲み取れるように耳が肥えてくれば、格段に演奏の質もアップします。
音がきらきら輝いていて綺麗だな、とか、ちょっと曇った感じだけど、暗い音質だなとかは、誰しもはっきりわかると思うのですが、それだけでは違いを聴き取れたことにはなりません。
とても大事なのが、音と音の間の間合い。
音と音の間に芸術は宿る、とよくいわれますが、その通りですね。
間合いは、なかなかまねしようと思ってもまねしにくいものですから、そこで、その人の持っている音楽性が現れてしまう実に難しい所です。
しかし、CDなど聴いて、自分の間合いより感じいいなとか、自然に聴こえるなと思えば、どんどん取り入れてほしいと思っています。
参考にする時は必ず、自分の呼吸に合った間合いでやらなければ、外からくっつけたみたいに不自然になってしまうので、注意して下さい。
私は生徒が自分自身で、あるいは、お母様と一緒に調理してきた音楽をレッスンで聴きたいと思っています。
私がレッスンで、一緒にやっていることを是非実践して下さい。
実践している子は以外に少ないように感じます。
レッスンで、先生と一緒にやっただけ、では絶対上手くなりません。
本当に、心から、ピアノが上手くなりたいと望むなら、毎日の家での練習、研究の仕方で、確実に演奏が変わってきますよ。
素敵な演奏が出来るようになること、お約束出来ます。
平成23年8月12日(木)門下生コンサートの曲選び
毎日暑い日が続いています。
PTNAの全国大会に行く子は、まだまだ夏休みが出来ませんが、もう終わった子は、早速門下生コンサートの曲決めを始めています。もうすでに決まっている子も何人かいます。
なぜか、毎年皆ショパンを弾きたいという子が多く、私としては、ショパン以外にも、美しい曲が沢山あるので、是非ともこの機会に色々な曲に触れてほしいなあと思っています。
プログラムを見たとき、ショパンばかり続くのもおもしろくないと思いますから・・・・・・。
新しい曲を選ぶ時は、CDを聴くだけではなく、楽譜も一緒に見ながら選んで下さい。
そういえば、中学1年生の生徒がバッハを弾きたい、と言ってくれたので、とても嬉しかったです。
やはり、バッハやスカルラッテイなどのバロック、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンなどの古典派は、ロマン派や近現代よりずっと難しいので、皆さんが敬遠される気持ちもよくわかりますが・・・・・。
ショパンはもちろん素晴らしい作曲家ですけれど、同じロマン派の中でもシューマンやリスト、ブラームス、シューベルトなども是非、取り組んでほしいですし、近現代のドビュッシー、ラヴェル、又、オクターブに余裕があれば、スクリャービン、ラフマニノフ、メトネルなども美しい曲が沢山あります。
来年は、10周年記念コンサートとなり、私のところで、長く勉強している子達の中の数名は、ピアノコンチェルトを弾いてもらうつもりでお願いしてあり、1年前から練習にとりかかっています。
初めて出る子の場合は私が決める事がほとんどですが、2年目となると、少しずつ、あれが弾いてみたいとかこれが弾いてみたいとか希望が出てきますね。
1人1人に何が弾きたい?と尋ねますので、考えておいて下さい。
どうしても、わからない場合は私が決めますので、これがどうしても弾きたいという場合は言って下さいね。
平成23年8月10日(水)PTNA本選第一位小学6年生全国大会進出へ
今日も又次から次へと喜びの声が聞けて本当に嬉しい1日でした。
まず、D級中学2年生、優秀賞、そして、C級小学6年生にまたまた、第一位で、全国決勝大会へ進出と大喜びです。
これで、C級は4人の全国大会行きが決まり、皆さん大活躍してくれましたね。
今日全国行きが決まったのは男の子でした。
小さい時は、女の子の方がませていて、レッスンもそれなりに、こう弾くと先生から怒られるな?とか、先生から良く思われたいとか、色々考えるのが女の子ですが、男の子の場合は、そういう心理はまだ働きません。
人の心に、少し鈍いというか、小さい時はまだ、子供っぽく、良く言えば、物事を素直に、真っ直ぐ受け取る非常に純粋な面があります。
彼もそんな子で、私は何とか皆と同じように引上げてあげたい、その一心でレッスンをしてきました。
彼は、どんなにこちらが厳しく言ってもついてくるという子です。
それどころか、レッスンノートにはよく、「甘やかさないで、厳しく、教えて下さい。何でも言って下さい。明日はレッスンよろしくお願いします。」と彼自身が書いてくるのを見て、ああ、これは、素直で、しっかり私についてこようとする気持ちの表れだなあと嬉しく感じることもたびたびでした。
彼の演奏がガラッと変わってきたのは、同級生の同じく全国大会に進出する子のレッスンを見学させてからです。
私はあまり、他の生徒と比べてこういう風に弾きなさいとか、言ったりしないんですが、彼には、それを言っても大丈夫だと思い、「ほら、こういうところがOOちゃんのは自然でしょ?自分が歌えていないのわかる?」と繰り返し言ってききくらべさせました。
その時、もし皮肉れた子なら、むかっとくると思うのですが、彼はそういう皮肉れた子ではなく、すごく真剣になってくれたし、一つも嫌な顔せず必死でついてきてくれました。
私は彼がその全国大会進出ということ以上に音楽家にとって必要な、素直な心、皮肉れていない美しい心、一途に私を信頼しようとする心がはぐくまれている事が何にもまして嬉しかったです。
上手にさせるには、相手を多少傷つけなければ上手くもなりません。
どんなにこちらが嫌なことをいっても傷ついても、素直についてきてくれる子はこちらも、この子をもっと伸ばしてやりたい、と、どんどん教えてあげたくなります。
皆さん、頑張って下さい。
平成23年8月9日(火)PTNA本選、共に小学5年生の2人が全国大会進出へ
PTNAの審査で、岡山に行ったり、新しい生徒さん達の体験レッスンなどで、バタバタとあっという間に8月に突入してしまいました。
全国の皆さんが私の日記をとても楽しみにしてくれているので、午後からの生徒が来る前に今日こそは書かなければと思って書いています。
今日と明日にかけて私の生徒達がPTNAの本選で演奏しています。
先程、小学5年生の生徒から、全国決勝大会へ進むと喜びの電話がありました。
その後、又、小学5年生の生徒が、全国決勝大会へ進むと報告が。皆さんおめでとうございます。
昨日は、私の所にあった、リサイタルのチラシが全部なくなってしまったため、マネージメントさんのところへ、又とりに行きました。
生徒さんのお母様方には色々なところへ、配りに行って頂き、本当に感謝しています。
私も車に乗れたらなあ・・・・・。
先日来た中学3年の生徒は、受験曲の他に、スクリャービンのソナタ2番、ショパンの幻想曲、バラード1番なども次から次へと譜読みしてレパートリーを増やす事が楽しくてならない様子です。
私がメトネルにも沢山綺麗な曲が一杯あるよと教えたら、早速CDも楽譜も買って、OP.11−1の3部作ソナタが気に入って練習をしている様子。
私がリサイタルで、弾いた曲目を小さい時から教えてきた子が、演奏できるように成長してくれて、本当に嬉しく思っています。
私はいつも彼女に話して聴かせています。
大人の曲になっていくと、通すだけで、40分くらいかかってしまうから、今までのように1小節ごと細部に渡って先生と一緒に曲を研究出来なくなっていくからね、今の間にあらゆるレパートリーを増やし、細かい作業はもう自分で出来ていくように、と話しています。
彼女はもう、私のところで、8年〜9年ついているので、もう楽譜の読み方やフレーズの作り方、ペダルの使い方など基礎的な事は身についてきているので、あとは、いっぺんにどれだけ沢山の曲を仕上げ、しかも完成度高く人前で演奏できるかにかかっています。
ちなみに、ヨーロッパの音大を卒業しようと思ったら、まず、4時間分のレパートリーを仕上げなくては卒業出来ません。
ということは、4日分のリサイタルプログラムが必要ということ。
その上、ピアノコンチェルト古典派のものとロマン、近現代が2曲必要です。
1日に2回通すと、8時間はかかります。
そこで、大変になってくるのが、練習の仕方。
これをやるとあれが駄目になる、あれをやるとこれが駄目になるという具合になってしまいますから、自分なりの方法を見つけていかなくてはなりません。
私もウィーンの音大で、演奏家コースでしたので、沢山の曲を一度にどう維持していくかが常に課題でした。
しかし、ピアニストを目指す人なら、今すぐ弾ける曲が4日分くらいないと、なれませんよという事なのでしょう。
コンチェルトもメジャーなものを何曲かは持っていないともちろん駄目です。
彼女はそれを充分理解して高校に入っても辛抱強く頑張ってくれそうです。とても楽しみです。