平成22年8月30日門下生コンサートの曲決め

夏休みも終わりに近づき、明日からは高校生の学校でのレッスンも始まります。

来年3月19日に開かれる門下生コンサートの曲目を決めています。
何人かは、もう自分で決めて、「これを弾きます」と言って早速練習にとりかかっているようです。
どうしてもこれが弾きたいと思う人は早めにお知らせ下さい。
もちろん、希望に添えない場合もありますが・・・・・・・。

1.すでに同じ曲が重なっている場合

2.曲の時間が予定より長い場合

3.明らかにまだその子のレベルに合っていないと判断される時

などの場合です。

又、新しい生徒さんで何を弾いてよいかわからない場合は、私が決めます。

よく、まだその子のレベルに合っていないようなとんでもなく難しい曲を弾きたいと言ってくる子がいるから困る、と言う話を周りのピアノの先生方からチラホラ耳にします。
私もこの点では同感です。

音の数の多いガンガン弾きまくる難曲を弾いている人を聴いてそれが難しいからすごいなとは誰も思いません。
そこまでは単なる指のスポーツと同じ。
それよりも、音楽の最も素晴らしい要素である「美しさ」と「歌心」が感じられる演奏であってこそ初めてすごいなと感心します。
曲目選びをする場合は充分に考えて選んでほしいと思います。

1.最終的に技術的に弾きにくく練習のたびにイヤになってしまうところがないかどうか?

2.最終的に暗譜がきちんとできるかな?(暗譜が得意でない、又譜読みが苦手な人は、調号の多いものを選ぶと間違える可能性大です。)

3.レガート奏法が上手い人なのにまるきり、正反対の曲を選んでいないかな?逆の場合も然り。

4.曲のイメージが自分に合っているかな?


など本番を成功させたいと思ったら、曲目選びから慎重に選んでくださいね。

←ワルシャワの空港。フレデリックショパン空港っていう名前です。
昔、私がたたきおこされた寝台車もそういえばショパン号っていったなあ・・・・・・・。
2010年は特にショパンイヤーという事もあり、あちこちで、ショパンの似顔絵が書かれた垂れ幕が下がっていました。











←ワルシャワの路面電車。ハンガリーの電車に似てる。
ウィーンは赤。スイスやミュンヘンは青だったなあ・・・・・・。

お洋服でも自分でこれが気に入ったからこれを着たいと思ってもサイズが大きすぎたり、小さすぎたり、又、全くその人に似合わない色を身につけても、いいな、とは誰しも思わないはずです。

さて、先日小学4年生のレッスンノートに「私が弾いた後、先生がピアノを弾くと、先生がどんどん遠くへ離れて行ってしまう感じがします。
だから、私は頑張って追いかけます」。
と書いてあり、子どもの見る目はすごいな、とつくづく感心してしまったのでした。
特に「遠くへ行ってしまう」と言う表現がすごいなと思いました。
私と彼女とは30年近い年齢差があるわけで、そんなに早く私を追いかけたら命もその分短くなってしまいますよね(笑)

反対に私は彼女のような純真な子供時代にさかのぼろうとしても絶対に戻る事は出来ません。

最も子ども時代、学生時代は夢が大きいぶんだけ、苦しく辛い事が山のようにあるので、戻りたいとは思いませんが、子どもは子ども時代を、高校生のような青春時代は青春時代をもう、2度と戻れる時はないのだと思って、毎日悔いが残らないよう今日この時を精一杯キラキラ輝いて生きてほしいと思います。


平成22年8月29日(日)ポーランド(その4)

私の生徒達もショパンを弾いている子は多いですから、今回の研修を通してまだまだ日記には書ききれませんが、レッスンの時にでも少しずつ生徒達に伝えていきたいなと思っています。
                     ポーランドの名物料理、バルシチです。赤カブの暖かいスープですが、コップで出てきたのでジュースかと思いました。
       ←






ポーランド風水餃子{ピエロギ}
全体的に、ポーランドの食事はフランス料理よりずっと美味しかったです。






私はこれまでに、演奏旅行も含め、アメリカ、アイルランド、韓国、ドイツ、モスクワ、オーストリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スイス、イタリア、フランス、フィンランド等旅をして13カ国の国の違いを目にしてきました。

私の留学先がウィーンだった事もあり、そのほとんどがヨーロッパですが、やはり一番好きな国はと聞かれればドイツとオーストリアです。私は特に静かで自然が美しい所が好きなので・・・・・・・・・。
特にオーストリアは私にとって第2の故郷です。

その中でもザルツブルグは4回ほど訪れましたが、何度行っても心に残るステキな場所ですね。
オーストリアにはスイスのような大自然もあれば、パリの街並みもあり、都会もあれば田舎もあります。その上、治安、住みやすさ、全て何もかも二重丸がオーストリアかなと思っています。
           ↑   (写真は)
ショパンの生家の中で。ショパンが使っていたピアノで、さすがに古いです。
毎週日曜日に開かれるコンサート用のピアノはヤマハでした。今はどこでもヤマハさんのピアノが置かれていますね。


平成22年8月28日(土) ポーランド(その3)

日本人は何故そんなにショパンが好きなの?と、聞かれました。
私が考えるには、ショパン以外にも素晴らしい作曲家は沢山います。

代表的な作曲家としてバッハや、モーツァルト、ハイドンやベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ラフマニノフやスクリャービン・・・・・他
その誰もが素晴らしいのだけど、この中からショパンの存在をとってしまうと、やはり、悲しい。特にピアニストにとっては・・・・・・・・。

絵の具の中の白色を抜き取ってしまった感じに思います。
絵の具の中の白は、どんな色にも染まって、赤と白ならピンク、青と白なら水色みたいになくてはならない存在です。

ピアノの音色がどんな色にも染まって美しい色合いを作れるのがショパンかな?と思います。
ピアノを弾く人ならどんな人でも、ショパンを弾かない人はいないでしょうから・・・・・・・・。全ての人に愛されていますね。

人間は元々孤独なんだ、孤独だからこそ、他人の気持ちもよくわかる。
そういうメロディを持っているのがショパンかな?という気がします。
唯一、ピアニストでよかったと思わせてくれるのもショパンが生まれて曲を残してくれたからこそです。

ワルシャワの旧市街の前で。建物が結構新しく見えますが、戦後、壁のひび割れ1本逃さず、
復元したというワルシャワ市民の努力に頭が下がります。










ウィーンより広いから歩くのに大変。でもとにかく涼しいからまだ動けます。
クーラーなしで快適に過ごせるから、それが一番うらやましい!!






明日へ続く





平成22年8月27日(金) ポーランド(その2)

ワルシャワは、パリやウィーンの町並みにそっくりでした。
田舎といえば、ショパンの生まれた家に行く道は、確かに田舎で生家の前に広がる緑や、周りの景色、それら全てが
ショパンが生きていた頃と同じではないかな?というように、ショパンの音楽とピッタリ来る風景でした。















この樹はショパンが生まれた時200年前からあった樹です。
                
木々のそよぎや、しだれ柳、風にゆられる葉のざわめき・・・・。
そういえば、本当に美しい満月が出ていたのですが、コンチェルト1番の2楽章のメロディがそのまま浮かんで来るような
美しい光景に感動。

そのような美しいものを見た時、自分はつくづく音楽人間でよかったなと思います。
美しい情景を見て、美しいメロディが心の中に沢山ある事は本当に素敵です。

しかしポーランドの国そのものに、ウィーンやザルツブルグなどとは違う、一抹の寂しさも感じたのは事実です。
何となく空の色も薄く、葉っぱも寂しそうにゆれているし、肌寒いし・・・。
いつもの事ながら、名古屋の気温とは全く違い、ずっと寒いと寒いと言っていました。


↑200年前のショパンの生家はこんな感じでした。(上の写真は)
又、アウシュビッツの事もあり、負の部分ばかり見てはいけないけれど、矢張り、ポーランドに流れている空気の粒子がショパンの音楽ではないかとつくづく感じました。明日へ続く


平成22年8月26日(木) ポーランド(その1)

8月26日ポーランドから日本へ戻って参りました。

(ここからは、飛行機の中で書いていたのですが、)
ポーランドは私にとっては苦い思い出のある国。
今から、15年ほど前の私がウィーンに留学時代、友人とウィーンからポーランドのクラクフへ向かっていました。
夜行列車に乗って、約1時間、寝台車で寝ていたのです。
そうしたら「ビザがない」と車掌さんからたたき起こされました。

「えぇっ!?ポーランドのビザは、ちゃんとここに・・・・・・」とパスポートを見せると、やっと原因が分かりました。スロヴァキアの通過ビザがなかったのです。

ポーランドのビザだけでは、列車の場合通過出来ないんです。今は、ポーランドでさえ、ビザを取る必要がなくなり、本当に良い時代になりました・・・・・・。

今すぐここで降りるように言われ、ウィーンとスロヴァキアの国境にある駅に降ろされ、夜中の1時ごろ、真っ暗闇の中、どうしよう!と、駅舎の中に入って
理由を説明、そうすると、「もう今日は電車がないから、駅の宿舎に泊まって明日、ウィーンに戻りなさい」、と言われ、駅の簡易ベッドで一夜を過ごす羽目に・・・。

そんなこんなで翌朝1番の電車でウィーンに戻りました。

結局行けずじまいで、社会人になって初めて今回、ポーランドを訪れる事が出来ました。来年リサイタルを計画中で、ショパンを少し弾くので、その資料集めが目的です。

訪れた主な場所は、ショパンの生家がある、ジェラゾヴァ・ヴォラのショパンの生家、心臓が眠る聖十字架教会、ショパンの像のある、ワジェンキ公園、
等、ショパンゆかりの地と、クラコフにある、アウシュビッツ強制収容所です。

ジェラゾヴァ・ヴォラにあるショパンの生家の前で。
たおやかなショパンの音楽そのものといった雰囲気でした。
世界中の人に愛された作曲家なのがここに来ると改めてよくわかります。












ワルシャワにある、聖十字架教会。指をさしている場所にショパンの心臓が眠ります。












ワジェンキ公園の中にあるショパンの銅像。近くに行くとものすごく大きい!
ショパンの表情、これまた憂い帯びたショパンの音楽そのもの。













アウシュビッツはこれまでにも、映画や本などで、色々と見てはいましたが、言葉では言い表せないほどの悲しみとやりきれなさを感じました。
目を背けたくなるような悲惨な光景に胸が詰まりますが、若い人達に是非、見て頂きたい所です。

クラクフの町並みも綺麗ですが、それ以上に驚いたのは、ワルシャワの街です。私が大学生の頃は、ワルシャワ、と聞くと、
どちらかといえば、生活に不自由する貧しい国、と言うのを、あらゆる先輩達からよく聞いており、
あまり良いイメージでは、ありませんでした。

しかし、ここ10数年の間に、随分様変わりして大都会に発展しているのにびっくり!、ウィーンよりもずっと田舎かな?と思っていたのですが・・・。
それもそのはず、ワルシャワには若い人が多いため、経済が上向きになっているとか。これから伸びていく国でしょうね。

ポーランドの日記の続きは(No2)明日へ。


●私がポーランドへ行っている時、ピティナの決勝大会に進出したE級の、中学2年生が銅賞を受賞したと、
 留守中に連絡がありました。他、中学2年生のF級、小学5年生のC級の生徒達も精一杯努力して最高の演奏を聴かせてくれたことでしょう。
本当におめでとうございます。
 E級銅賞の彼女は、先日、イタリアでも、素晴らしい演奏を、披露して、現地の人達の心を捕まえた実に魅力的な演奏をしていました。
 疲れが出ていたはずですが、勢いにのって素晴らしい演奏をしてくれた事でしょう。
直前のレッスンの際に美しいその詩的な演奏は、まるで、美しい物語や風景をそのまま音で描いている演奏でした。
あぁ、これこそが音楽、芸術と言える演奏・・・・・。

何と立派に成長してくれたんだろう、とあどけない小学2年生の可愛らしい
彼女が初めて私の所を訪れた頃の事を思い出しながら、私も母も1人の演奏家としての彼女の演奏に本当に心から感動して聴かせてもらったのでした。

 今後も、その素直で純粋な気持ちを忘れず新たに又、日々努力を続けて行ってくれる事でしょう。なお、彼女のステキな演奏はピティナのホームページの動画で美しいシューベルトの世界を聴かせてくれています。是非皆さん、アクセスしてみてください。


平成22年8月20日(金) ピアノリサイタルを開くとしたら?(その2)

素晴らしいものに出会った時の感覚は全て共通しています。
映画やドラマ・バレエ、上手な歌心を持った歌手のコンサート、現実とは違う演じている世界なら何でも構いません。

現実を忘れさせて、歌なら歌の世界を見せてくれる歌手は素晴らしいです。
私はその中に自分を出してはいけないと思います。どうしても自分が出てしまう所を極力おさえて、自分じゃない役になりきる。

個性は出さない方がずっと良いのです。イヤでも絶対自分の個性は出てしまうから・・・・・・。
上手い役者さんならその役になりきれます。
ある時はチェリスト・ある時は学校の先生・ある時は銀行員・ある時はスーパーの店員さん・そのどれもがその上手い役者の演技で演じられると、全く違和感なく、見ることが出来ます。

それは音楽家なら大体こういうタイプの人間とか、学校の先生ならこんなタイプ・それぞれの分野の特徴をよく捕まえて感じ取っているからこそ、見る人の共感を呼びその役者さんの演技は上手いとなるわけです。

ピアノ演奏もそれと同じ。何といっても夢を売る職業ですから、夢が売れなくなったらおしまい。感動した演奏に触れて終わった後もまだ、ボーっとなって余韻が続く・・・・・・それでこそ「音楽」ですね。

小さい頃から見てきた生徒達が、少しずつ大人に成長し、リサイタルの事まで、頭に考えられるようになってくれるのは、嬉しく
私にお仲間が増えたという感じで、「音楽の世界にようこそ」と、手を差し伸べている気分です。

週末からは、ポーランドに行ってきます。

来年予定しているピアノリサイタルの曲の中に、ショパンを入れている事もあり、その研究材料を集めに行くのですが、
沢山感動を持ち帰ってきたいと思います。

他人に感動してもらうには、まず、自分が常に”熱い心”で、感動し続けて、生きていかなければならないからです。

当分日記は更新出来ませんが、又、帰ってきてから少しずつリポートしていきますのでお楽しみに!


平成22年8月19日(木) ピアノリサイタルを開くとしたら?(その1)

今日、明日でE・F級の生徒達のレッスンの仕上げが終わります。

E・F級となれば、もうコンクールというよりは、1つの小リサイタルみたいな感じです。
全部通すと、20分はかかるので、「その中でいかに、人の心を、つかめるかが肝心だよ」と話しました。

私がリサイタルを、計画する時は、やはり、一番お客さんに喜んで頂かなければいけない事を最優先にして、色々とシミュレーションをします。
その際、大切なのは、その人の「コレ」を出せば、右に出るものはいないというような最大の「強み」を持っている事が大切です。

レガート奏法が素晴らしいなら、それを充分生かした曲を選ぶことから始まります。

又、柔らかいタッチは、苦手だけど、バリバリ指を独立して華やかに弾ける事を得意とする人ならそんな曲を選びます。
その際やはり、気をつけなくては、いけないのが、柔らかい人は柔らかいだけ、硬い人は硬いだけに、かたよってしまいやすく、
そのどちらも単調にきこえてしまいやすいものです。

そこで、この時は柔らかい中にも、しまっている部分、緊張感を持たせる部分を取り入れるとかして、とにかく
お客さんの心をつかんで離さないには、どうすればよいかを常に考えて練習していきます。

コンサートが終わった後の「余韻」の研究もとても大切です。
熱いため息が出るような素晴らしい映画を見終わって、まだ、現実に戻れない自分がそこにいる(最後に字幕が流れてきて音楽が流れている時の自分の心の中のような)その感覚を持っていなければいけません。


明日へ続く


平成22年8月18日(水) 物事の上達に何一つ近道はない

お盆休みも終わり、8月も半ばを過ぎようとしています。

今年の夏休みも皆さんのお陰で本当に充実していました。
まず、イタリアの国際音楽フェスティバルに参加した3人の生徒達。

中学2年生のお母様がとって下さった演奏のビデオを見ましたが、小学4年生の生徒も、中学2年生の生徒も、高校1年生の生徒も何と、のびのびとして素晴らしい演奏をしているのだろうと、本当に感動しました。

彼女達にとって確実に心の中の世界が広がった様子で本当に嬉しく思います。

そしてピティナのコンクール。皆よく頑張ってくれました。まだ決勝大会は残っていますが・・・。

そして私の所に来てまだ、間がない新しい生徒さん達。
まず私のレッスンに慣れる事から大変ですね。

ピアノの上達で一番大切な事は、何かと言えば、とにかく”あせらない”けれども”一生懸命練習する”という事ですね。

私は何年生になったからこの曲を弾かせるというこだわりは、全くありません。
子ども達の伸び方は、1人1人皆違います。

ツェルニー30番を弾き始めるのに何年生から弾かせるという事一つとっても本当に1人1人違うのです。
1人1人の顔が同じでないように誰1人伸び方も同じではありません。
幼稚園ぐらいで弾かせてもよい子から、小学6年ぐらいでも丁度良いとか・・・。
手の大きさも身体の大きさもてんで、バラバラ、だから、よその子と、うちの子を比べたって意味は殆どありません。

私の例で言えば、ピアノは、小さい時から何の苦労もなく弾いてこれたのですが、かなり大きくなるまで目上の方(特に先生)と一言も話が出来ないという事で困っていたと親は言いますし、自分もよく分かっていました。

本当に何もしゃべらないので周りの大人が心配したのはよく分かります。
しかし、そういう私も年齢を重ね、20歳を過ぎれば普通に話しています。

それに比べて私の生徒達は皆、私ときちんとお話出来てすごいなぁと思っています。
言葉が話せない分、ピアノに向かっていったんじゃない?と、よく周りから言われ、今となれば笑い話ですが、私がもし、初めての子どもで1人っ子だったら、
すごく心配したけれど話の出来ない大人なんていないから、何れ話すようになるだろうと、他人から心配されても親はのんきに
構えていたという事です。

先日小学1年生の女の子が、レッスンノートに「どうしたら、CDみたいに弾けるようになりますか?」の質問に大笑いしてしまったのですが、私はこう答えました。

「○○ちゃんは今、生まれて6,7年しか経っていないよね。CDの中で、ピアノを弾いている人は、少なくとも30年か40年位は、○○ちゃん
より長く生きてその分ピアノも練習している。○○ちゃんが今すぐCDみたいに弾いたら、それこそ、オバケ(笑)」

OOちゃんは、にっこり。子どもなりに、物事が上手に出来るようになるには決して、あせってはいけない事を理解してくれたようです。
レッスンノートに書いてある文章も字も、1年生の時の字のままで大人になる人はいません。
子どもの字、大人の字というのが必ずあります。
それと一緒でピアノが上達するのに近道は何一つないのです。毎日一生懸命練習しながら、時がたつのを忍耐強く待つ、親も子も待つという事がどれほど大切か、
ピアノの練習できっと身にしみて感じられることでしょう。


平成22年8月13日(金) 長所と短所(その2)

 昨日の続きから

私は自分では本当に何をやっても不器用だし、ササッと、物事をうまくやれない人間と思って
いますが、小さい頃から、どの先生からも「人一倍の粘り強さと、根気があって忍耐力がある」と、私の絶対にあきらめないしぶとさ、根気強さだけは
認めて頂いていた気がします。

今となってみれば、一見短所と思え、私の一番イヤだと思っていた不器用さが、
長所になっているかなぁという気はします。

どんなに器用にこなせても続けていなければ、そして諦める性格ならそれで終わりですけど。
続けていると、新しいものも生まれてきますけれど、好きな時だけ弾く、自分の気分が乗った時だけ弾くというような事なら、決して新しいものも生まれません。

「イヤになったら ハイ、終わり」と、大体の人が思う所をそこを一歩踏ん張ってみる。気分が乗らなくても、ああ休みたいな、と思った時こそ頑張って練習する。
その時はちょっと辛くてとても苦しいのだけど必ず、そこを越えると、又、新しい世界が広がる。
というのをわりと幼い頃から体験上、判っていた気がします。
そういう事を沢山積み重ねていくと、苦しい時に絶対に逃げなかった意志の強い自分に自信がわいて益々へこたれない人間になっていきます。

夢物語やおとぎ話の世界とは違って、現実としっかり向き合って、とにかく一つ一つ確実に毎日、積み上げていく努力の出来る人なら確実に思うような結果が生まれると思います。
又思うような結果がでなくても、へこたれず、そこを踏ん張れる人なら、どんな分野でも必ず成功しますね。

しぶとく根気強く人並み以上の粘り強さで、レッスンをされる生徒も大変だと思いますが・・・。(笑)ご苦労様でした。といってあげたいです。

しかしどんな生徒も本当によく付いて来てくれると思います。

自分の短所は、それはその人の一番よい所なのです。

今では、私は不器用だったという事が本当に幸いしていると思っています。


平成22年8月12日(木) PTNA本選全員終了、悲喜こもごも・・・(その1)

昨日でやっと門下の生徒達の地区本選会、全てが終わりました。
皆さん、お疲れ様でした。

振り返ってみて、皆さんいかがでしたか?自分では、上手く弾けたのに思うような結果が出なかったとか、
思いもよらない結果におどろいているとか、人、それぞれ思いはあるでしょう。

とにかくどんな結果にせよ、その結果がその人の全てではない、という事を、私は最後に言っておきたいと思います。

勿論素晴らしい結果が出た人は、自信につながるし、本当にそれはそれで単純に素晴らしい事ですが、
その人達はさらに高い所へ登らなくてはならないからもっと息切れ度が激しくなるし、疲れ度も普通の人以上に疲れなくてはならなくなります。

努力も並異常にしなくてはならないから、上に行けばいくほど大変なのです。
良い賞に輝いてもその先には、さらに厳しい現実が待っています。

ピアノを続けていくという事は、単なる夢物語では続きません。
特にプロになろうとする人なら他の全ては全部捨てて音楽イコール人生というぐらいじゃないと続いていきませんね。

勿論趣味のために続ける人ならそのような考えでなくても良いのですけど・・・。

私の場合は、もう完全に出家しているような気分です。
音楽に人生全てをかけています。
ピアノを弾いていないとダメですし、音楽で他人の役に立てなくなかったら死んだも同然。
だから、いつでもやめていいという思いは、私にはピアノを始めて今までに、微塵も思った事がありません。

私の生徒達も音楽に出家するくらいの真剣な生徒達が勿論います。

今年、全国決勝大会に進出するE級の中学2年生の生徒の勉強振りには目を見張るものがありました。

ハイドンなら、弦楽四重奏曲を、シューベルトなら、「冬の旅」やロザムンデ等、聴くとよいよ、と勧めると、
全てくまなく次週には聞いて感想を書いてきていました。

私が「こうすると良いよ」と、いった事は全て守ってくる、その純粋さ、素直さ、真剣さ・・・。
やはり私が見ている限り、その人の才能は勿論ですが、目に見えない所での努力がものすごいのです。
並大抵ではありませんから。

私は沢山の生徒達をすべて見ているので1人1人の努力の蓄積も、全て客観的に見えるのです。

だからそんなに努力していないんだけど、良い賞を頂いた、なんて事はありえないということです。

自分では努力しているつもりでも、思うような結果が出ないのは、努力の仕方が悪いか、
それ以上にもっと血のにじむような努力をしている人もいるという事です。

その現実を知らなくてはいけないのです。
とにかくそれは本当に大変な事です。

明日へ続く


平成22年8月10日(火)No2 速報!!C級 5年生の生徒全国決勝大会へ E級 第一位 中学2年生の生徒も全国決勝大会へ

今日も 又、次から次とPTNAの本選を迎えた生徒から、喜びの電話がありました。

D級=奨励賞、C級=奨励賞2人そして もう1人 C級=5年生の生徒、全国決勝大会へ進出する事が、決定!
皆さんおめでとうございます。

C級の決勝大会へいく生徒はPTNAに挑戦するのは、初めて!しかも決勝大会となればそれこそ上手くひけても一生に一度
あるかないかの宝くじを引き当てるようなもの。
本当に素晴らしいです。

彼女は音が綺麗なのに加え、とにかくセンスが良いのが最大の強みです。

先日、坂東玉三郎さんの対談を見ていたら動物的な勘がある人が、芸に向くというような事をおっしゃっていましたが正に
そのとおりなんです。

ちょっとこんな感じかな?と私が弾いて聴かせると、じゃこうかな?とすぐ、彼女は、反応してくれます。
それが動物的な勘というものです。

又、手の中にバラはないのだけど、手を広げた時にバラがあたかも咲いているかのように見せてくれるのが、彼女の演奏です。
もう一度聴きたい、そう思わせてくれる美しいセンスです。

こうして書いていたらE級の中学2年生が第1位で全国決勝大会へ進出すると、連絡が入りました。

イタリアから、帰国して間がないのに本当によく頑張りましたね。

彼女も柔らかい音色の美しさが、格別で、やはり動物的な勘にすぐれている子であります。

C級=1人 E級=1人 F級=1人   全国大会へ向けて・・・。

明日もう2名の生徒が本選に挑戦それで今年の本選出場者も終わりとなりますが、まだまだ私の方の夏休みは、来ませんね(笑)


平成22年8月10日(火) 大阪本選審査へ

8/8、 8/9 2日間大阪へPTNAの本選審査へ行ってきました。

審査をしていると、私が小学5年生で毎コン(第36回全日本学生音コン)を受けるために大阪へ来て、
西日本大会第一位を頂いた時(その当時は名古屋の東海大会がなく大阪まで受けに行った)私の演奏を覚えていて下さった先生が、
「まぁ!審査なさるような年齢になられたのね!」と、お声をかけて下さりびっくりしました。

生徒達もコンクールは緊張するでしょうが、私も審査するのは、ものすごく緊張します。

講評用紙の一言一句は、私にとっては、音を作るのと同じ、その子供と親御さんが神経質にならないよう言葉を選んで書きます。

一人一人の演奏を聴いていると、これはこの子の持っている音楽性で、教えられたものではないとか、
先生が教え込んでやっとここまで引き上げて下さっているなとか、すべてわかります。

しかし、やはり大阪の方は大都市でもありますし、レベルが高いというのが私の印象でした。

帰りの切符が間違っていて払い戻しをしたりして、新幹線の乗り場に猛スピードで、ダッシュして、間に合いましたが、
汗だくだくでやっとの事、ホームに着いてとにかく気ぜわしい2日間でした。

又、帰宅してすぐ、E級の生徒から電話が入り、優秀賞を頂いたと報告がありました。間に合ってよかった!
生徒の声が聞けてほっとしました。

色々な、メールも頂いていましたが、お返事も出来なくて済みませんでした。
お風呂に入りバタンキューでした。


平成22年8月6日(金) 輝ける光

昨日から今日にかけてE級優秀賞 C級優秀賞 C級奨励賞2人と、喜びの電話がありました。
皆良かったね! おめでとう!

今日レッスンに来た生徒で、明日 2回目の本選を受けるB級の生徒が、レッスン後、「先生の手を握らせてください」と、
いうので「○○ちゃんにパワーが伝わりますように・・・。」と、祈りをこめてギューッと、握り返してあげました。
紅葉のような小さくてかわいらしい手!!

「先生のレッスンを受けたら安心した、先生は魔法を使っているみたいだ」と、
彼女は、レッスンノートに書いていました。

1人1人の存在は私にとって光です。
どんな暗闇も照らしてくれる明るい光。

明日も皆さん頑張って下さいね。


平成22年8月4日(水)速報!!PTNA F級第1位!全国決勝大会へ(NO2)

夜にかけて時間があけられたので、久しぶりにPTNAの本選を聴きに行って来ました。

ちょうど、中学2年生の生徒と弾く前にバッタリ出会い、これから弾くとのこと。
私と出会い、緊張しなければよいが、とハラハラドキドキ・・・・・・。

普段の彼女は、中学2年生とは思えない程しっかりしていて、私が注意した事をレッスンのその場で楽譜に書き込んでいき、翌週には同じことを言わせないぞ、というものすごい意気込みと意欲にあふれた生徒であります。

彼女と初めて出あった時又、大変に理解力のある子で、1を言えば、10を知るような頭の回転のものすごく速い子というのが第一印象でした。

今日も高校生がほとんどの中、彼女の強い精神力と集中力でよく弾きこなしてくれました。

そして見事にF級第一位、全国決勝大会へ進む事に決定。

又、高校1年生の生徒も優秀賞を頂いて本当に嬉しそう。

大慌てで出かけていった、本選会でしたが、皆に出会えて本当に嬉しかったー!!
この後に続く生徒さん達も頑張ってねー。


平成22年8月4日(水)イタリアから帰国した生徒達(NO1)

先日イタリアで演奏して帰国したばかりの高校1年生が、今日レッスンに来ました。
2日に帰ってきたばかりなのに全く疲れた様子一つもなく、それどころか彼女の弾く演奏が何とのびのびして開放感あふれる演奏になっているかといったら驚きでした。
狭い日本という中で、いい意味でも悪い意味でも常に周りの様子を伺いながらびくびく演奏しているといったおさえこんだものと違い、イタリアのあの開放感あふれる青い空のような演奏になっていました。


ロミオとジュリエットの舞台になったヴェローナの町で選んでくれたのでしょう?私の大好きなお話。
ジュリエットのバルコニーのお部屋の置物。生徒からのおみやげです。どうも有り難う!!










彼女もですが、同じく中学2年生で、イタリアへいった生徒も言葉に出来ないほどの素晴らしい場所で、演奏させて頂いたことが一生忘れられない想い出になったことと思います。
明日は彼女もレッスンに来るので、きっと見違えるような演奏をしてくれるのではないかと楽しみにしています。

彼女達にとってきっとヨーロッパの音、空気というものが、どんなものかを肌で強烈に感じることの出来た素晴らしい体験であったはずです。
彼女達はもうPTNAの本選を目前に控えているので想い出にゆっくりひたっている暇もないまま、又、慌しい生活が始まると思います。

ゆったり、のんびりしているところから音楽は生まれます。
冷静に心落ち着いたところから、初めて「耳を研ぎ澄まして聴く」ことが出来ます。
慌しい生活からは、ニュアンスのある音は生まれません。

自分の頭で考える前に、周りから押し付けられる意見や情報が氾濫しすぎてそれに振り回されている子ども達、情報は多ければ多いほどいいというものではありません。かえって、頭を混乱させるもとにもなります。又、訳もわからない詰め込み教育のなかの競争社会、塾以外にも頭が混乱するほどの習い事のやりすぎ、それではピアノに集中して音をじっくり聴く暇もないだろうなぁ、と日本の子供たちは少し可哀相に思う時がありますが・・・・・・。

まあ、ヨーロッパのあののんびりしたところが、私は大好きですね。
彼女達がずっとそういう空気を忘れないでコンクールの本番を迎えてくれる事を祈っています。そういう雰囲気は、必ず演奏、音に表れます。

他の生徒達もそれぞれ、PTNAの本選を迎えて又、次の目標に向かって頑張っている子もいます。今のところ、B級優秀賞、あしながおじさん賞、C級奨励賞、名古屋支部賞、D級奨励賞、今日はF級です。皆さん、本当によく頑張っています。まだまだこれから本選を迎える生徒達も大勢います。

私は結果なんて事よりも、ピアノを弾いている事でしか得られない、それこそイタリアに行った生徒達のように人生におけるステキなピアノにまつわる思い出を沢山作ってもらうことが嬉しいと思っています。

私のところでピアノを習っている生徒達が大人になって社会人になった時、ピアノをやっていたからこそこんなに素晴らしい体験が出来た、と思ってもらえればこんなに嬉しい事はありません。

みんなが、幸せになれるためのお手伝いをさせて頂けるのは、私にとっては何よりの喜びです。

私自身も今週末、本選の審査に出かけますし、まだまだ夏休みになりませんが、日々生徒達と共に、自分もゆっくり、じっくり、音楽の世界をいつまでも味わっていきたいと思っています。