平成21年11月30日(月) 職場体験(その2)

ピアノをやって良かった事
1つの事を追求するとほかの事がおろそかになると思う人が多いと思いますが、案外、そういうものでもありません。

1つの事をきわめていくと、結局どの世界(分野)も、同じ真理にたどり着きます。
1つの事をきわめれば他の分野の事もよくわかるのです。

やっていることは違っていても、芸術一般、全て同じなんだと思います。
音楽は元々、踊りからきていますから舞踏の世界、バレエ、ダンスなどはレッスンの時、ピアノと同じような事を注意されますし、
他の芸術、絵画、書道などにも全てに通じます。
私は脱力の説明をする時、たびたび、書道をとりあげます。
悲しい物語の一流のダンサーが踊るバレエをみれば、指先から流れ出る表情、背中にも悲しみが流れ、人間そのものが音楽で出来ているなぁということも実感できます。

又、やっていることが、ヨーロッパの世界の事なので、ヨーロッパの文化にも興味が持てますし、何といっても語学が学べますね。
ドイツ語なり、フランス語なり、英語でも勿論良いのですが、ある程度、使いこなせると、ヨーロッパへ留学をする事も出来ます。

又、帰国後も、来日教授のレッスンなどの時通訳を頼まれたりします。
これは単に外国語を机の上で勉強したという知識だけ詰め込んだものではなく、実際、レッスンを受けている人の身になって訳してあげなければいけませんから、
外国語の知識以上にピアノの事をよく理解している人しか上手く訳す事も出来ないのです。

又、ピアノをやってきたお陰でさまざまなステキな方達との出会い、普通の人が体験できないような素晴らしい出来事が沢山ありました。
何といってもピアノを弾いて知り会えた人達が私の一番の財産です。

明日へ続く
********************************************************************************************************************:::::
フランスのルーアンで














平成21年11月29日(日) 職場体験

今日は中学1年生の生徒が、学校で「職場体験」の宿題が出たので「ピアニスト、ピアノの先生」としての先生のお話を伺いたいと、
言われてレッスンの後、質問に応じました。

以前、やはり、そういう生徒がいて、その子にもお話をしたのですが、私の時代はそういう授業はなかったので、今の子は、いいなぁ!うらやましいです。

学生の時から職業について考え、実際その職業についている人のお話を聞いたりする機会があるのは、知識だけの
詰め込み教育と違って、一番ためになりますね。
彼女から
ピアノをやっていて辛かった事は?と

聞かれて、はたと返答に困りました。
勿論大変だった事もたくさんあったはずなんですが、どうしても辛い事が思い出せないのです。

ピアノに関しては、いい思い出ばかりで、楽しかった思い出しか出てきません。本当に辛い事なんてありませんでした。

それよりもピアノ以外のことで悩み、苦しく辛かったことが多かったといった方が良いでしょう。
辛い事を職業には出来ません。我慢ばかりしながらやる仕事だとすれば、どこかその人に適さないわけで、間違っているはずです。
やはり人間は一番上手にやれることをするのが楽しいし、結果的に職業に結びつくのでしょうね。
好きだけでもダメですね。一番上手くやれるというのが職業にしていけるポイントです。

、ピアニストやピアノの先生になるためにどんな資格が必要なのかともたずねられました。
これもとっても難しい質問です。

一応大学の先生になるには、大学院を出て修士がなければ、という事は答えておきましたが、それも一言では、くくれません。
又、何かのコンクール(メジャーな)で優勝すれば、ピアニストになれるというものでもありません。

勿論きっかけは作ってもらえるでしょう。しかし、次の4年後、5年後に優勝者が出れば、前の年に入賞した人は、すぐ忘れ去られていきます。

私はやはり、どの世界でも、何の資格という事よりも忘れられた時でも自分から仕事を作っていける人が、その世界で長続きしていくと思います。
又音楽家なら音楽全般の実力があればという事でしょうか?

俳優でもそう。大衆に感動を与え上手い演技が、出来れば、学歴なんて一切関係ないですものね。
結論としては、大衆に認められるということが、一番大切でしょうね。

本を書く人でも、この人の学歴や受賞歴があるから読もうなんて気になりませんものね。
その本が自分の心に一筋の光を与えてくれたり、慰めになったりする、それを読めば、心が豊かになり生きる力が、わいてくる。
そんな内容であれば、当然売れるし、結果的に人気作家にもなっていくでしょう。

作曲家なら売れる曲を書く、大衆に売れれば職業として成り立つ、というわけです。

ピアノをやっていて良かったことについても書いてみたいと思います。

この続きは明日へ


平成21年11月25日(水) 人間関係

大学の講義を早めに終え、今日は、明和高校へ大事な会議に出席するため走り回った1日でした。

こうして会議に出ると、受験生達は、もう1年がやがてたち2年生に、3年生は大学受験となるのだなぁ!
1年がたつのは本当に早いなぁとつくづく感じます。

1人1人の演奏を聴くと皆よく頑張っているなぁ!本当に上手くなってきたなぁと嬉しく思っています。

今日の会議で話題になった事の1つに最近の生徒達は人間関係をとるのが下手だという事でした。

こういえば相手が傷つくとか、相手を思いやる心があっても、どうやってコミュニケーションをとってよいのかわからないという事が話題に上りました。

それだけ日本の世の中が裕福になり、便利になった証拠でしょう。

私の両親の話を聞いていても私の世代と全く違い、人と人が本当に親密だった時代のようです。

物がなくて食べ物がない時代だったけど、人と人との絆が深く、貧しくても心が暖かだった、皆で助け合って生きていたという話をよく聞きます。

私がウィーンに留学していた頃、韓国の友人が何人かいて韓国の友人関係の絆の深さ、暖かさがまるで昔の日本のようだなと感じていました。

とにかく助け合いの精神が素晴らしく、同じアジア人で近い国だけど、人間関係のとり方が全く違うな、うらやましいなぁと。

パソコンなど、インターネットの時代で何でも情報はわかるけれど、絶対生身の人間からしか学べないことがたくさんあります。

それは、人間の心です。心は音楽に通じています。他人あっての自分、自分1人では、何も出来ません。

ピアノが上手くなる以上に社会に出れば、人間関係を上手くとれる人、それが毎日の幸せのカギと思います。


平成21年11月23日(月) 教育連盟のオーディション(その2)

昨日の続きから

その音楽をどのように感じ、どうやって演奏(俳優なら演技)させるかは、教えられるものではないのです。
勿論ヒントを授ける事は出来ますし、あらゆる心情を説明する事も可能です。
しかし、私が「熱い」と感じているものを生徒も全く同じ分量で「熱い」と感じているかどうかはわかりません。

それでも、生徒がある時何かの拍子で、私が信じている事の一つ「心から出たものは、必ず相手に伝わる」ということが、少しずつわかってくれた時は、
やっと思いが届いた時で本当にうれしいです。

うわべだけ、いろいろとかざりつけて綺麗に見せようとしてもその人の心から出ていないものは、全部本物ではありません。

指に頼るよりも自分の身体の中にある音楽を引き出させるのが私の方針です。

指に頼って弾いていると成長し、大きくなったときいずれ行き詰まる時が来ます。

しかし、「この音は?」「この音楽の心は?」というようにその人のお腹の底からダイナミックに湧き上がってくる
本当の音楽、歌心を小さい時から求め続けていけば決してピアノが嫌になったりしません。

それどころかもっともっと自分の思いをピアノで歌いたい、訴えたいとなるのです。

その”音楽の心”を感じられるよう一番に理解出来るようにさせてあげるのが、私の役目だと思っています。

コンクールの賞などよりも1人1人、私のところで学んだ生徒達がどの子も、
「音楽の心」を感じとっていって成長してくれるのが本当に楽しみでなりません。


平成21年11月22日(日) 教育連盟のオーディション(その1)

レッスンをしていると中学2年生の生徒から「受かりました。東京である本選にすすめます。
先生のお陰です。本当に有難うございました!」と、興奮した様子が手に取るように電話で伝わってきました。

続いて小学5年生の生徒も「受かりました。東京へ行きます。」と、喜び一杯の電話。

続いて高校1年生の2人からも奨励賞を頂いたと次から次へ電話の連続でした。

今日は教育連盟のオーディションがあり、皆本当によく頑張りましたね。
特に中学2年生の生徒は私のところに来てまだ9ヶ月ほどなので格別の嬉しさがあったのではないかと思います。

「心から音を出す」「身体の中にある音楽を引き出す」それを全ての生徒達に伝えていくのですが、なかなか大変な作業です。
その人の心の中まで入り込んであげて触る事ができないからです。

手は触れるけれど、心は触れません。

私のレッスンを時々母が聞いていて「よくまぁ、あんなに同じことを毎回毎回やれるね」
と、半ばあきれ返っています。
ピアノの弾き方、歌わせ方、アゴーギク、ルバート、指使いや楽譜の読み方、アーティキュレーション、強弱、テンポ、音色の美しさ、変化、ハーモニーの事など
表面的なことは教える事が可能です。
しかし、

明日へ続く


平成21年11月20日(金) 自分の持つ力(その2)

昨日の続きから

悩んでいる人の特徴なんですが、「自分の悩みは自分だけで誰にもわかってもらえない」と、
思い込んでいる事です。

私は職業柄たくさんの生徒やさまざまな分野の人とお話しますが、人間は、能力もほぼ同じ、悩みも同じです。
ただ、悩みも前向きに持っていこうとする人と、いつまでも悩みの中にはまってしまう人との違いがあります。

どちらが良いかといえば、勿論、どんな悩みも前向きにとらえていく人の方が上手くいくし、
周りからも好かれますし、助けてもらえます。

人間って弱いようだけど、結構強いし、自分の持っている力は、自分が考えているよりもずっとずっと、
強い力があるのです。
もっと自分の力を信じていい。

自分が弱いから、そこをすぐ他人に頼ろうと、あるいは自分以外の誰かが何とかしてくれるのじゃないかと、
思いがちですけど、そのように思っているうちは絶対悩みは解決出来ません。

この世の事は、悩みも自分自身の力でなんだって解決しなくてはならないのです。誰でも自分が本来持っている力が一番頼りに出来るものなのです。

又、何事も楽観的であることは人生の最大の成功を意味する事につながります。

余計な心配をしたり、どうにもならないことを深く考えたりして無駄な時間を過ごさず、今、自分のやるべきことをやっていけば、
必ず上手くいきます。
*****************************************************************************************************************

ところで昨日は新しく入門されてから約9ヶ月近くになる中学生の生徒さんのお母様から、メールを頂きました。
今まで自分勝手に弾いていた事にようやく気づいていたようで○○が気づけた事は、大きな進歩だと思う・・・。と、

又、ここまで深く楽譜をよく読んだことは、なかった、との事です。
私が生徒達を教える時とことん理解するまで、徹底させるので生徒から見るとなんとしぶとい先生だろうと思われるでしょうね。
同じことを何度でも飽きずにするのは大変根気の要る事です。
でも私はそうすることがとても楽しくて大好きなんです。ピアノの練習の楽しさはそこにありますね。その楽しさが生徒に伝わり
そうやって少しでも生徒の心に変化が現れたとき、私は本当にやりがいを感じ、もっともっと音楽の素晴らしさをみんなに伝えていきたいと心からそう感じるのです。


平成21年11月19日(木) 自分の持つ力(その1)

昨日は大学の試験、午後からは高校のオーディションでした。
皆、とっても上手に弾きます。
小学生、中学生の時、何となく親まかせで、ピアノを習ってきた人達でも、高校生にもなれば、
嫌でも自分と向き合わなければならなくなってきます。

今まで、井の中の蛙だった自分、周りを見渡せば、自分より優秀な人は星の数ほどいるんだという現実を
知ることになるのも高校生位からでしょう。

私は、ピアノを続けていく上で一番大切な事は、諦めないで粘り強く取り組むという事だという事を
全ての生徒さん達に言っておきたいと思います。

私が中学3年の受験生だった時、同級生で将来必ずピアニストになれると約束されているように素晴らしい子がいました。
全ての先生からも「○○ちゃんは、ピアニストになれる」と確信されていました。

コンクールは勿論の事、どんな難しい曲でも、やすやすと、技術だけでなく、音楽性もセンスも人並みはずれて素晴らしいものがあり、
私は「わぁーすごい、自分もあんな風に弾けたらなぁー」とあこがれの的だった人です。おまけに初見、ソルフェージュ、全てにおいて音楽家として必要な能力は全て兼ね備えた輝かしい才能の持ち主でした。

その子は勿論一番の成績で音楽高校に受かりました。

しかし、その後、何があったのかはよくわかりませんが、高校も退学して、結婚してピアノも全くやめてしまったと
風の便りで聞きました。

何と勿体無いことかと、思われるでしょう?人生どこでどう転ぶかわかりませんね。彼女がそのまま続けていればおそらく現在素晴らしいピアニストになれていたことを誰もが認めていたはずです。

私は、生徒達が自分の能力を疑い始め、悩んでいる事をきくと、いつも、その子の事を思い出すのです。
能力があったってやめたらそれでおしまい、なんだけどなぁ、
結局人間は、どんなに才能があって優秀でも、途中で投げ出してしまえば、人並みか、それどころか、人並み以下になってしまうんだなぁと。

私が生徒達を見ている限り、そんなに1人1人のレベルに、大した差はありません。
違いが出てくるとすれば、やはり、諦めないで踏ん張りが利く人かどうかですね。

大体の人が投げ出すところをそこのところを、もう少し、踏ん張って頑張り続けると、絶対又、新しい世界が広がり、ステップアップ出来るのです。

ピアノだけでなく、考え方も感じ方も人間が一周り大きくなっていくのです。心が強くなっていくのです。
そのハードルを乗り越えられるかの違いでその後の人生が大きく変わってしまいます。

明日へ続く


平成21年11月16日(月) 内助の功

今日は、私の仕事の経理を一切合切引き受けている母が、国税、地方税の適正な申告と納税をされる
普及発展に尽力されたとの事で税務署から表彰を受けました。

ピアニスト、ピアノの先生になりたいという人は、ただ、ピアノを、弾いているだけではつとまりません。
そういう私も、数字という数字が、1つも頭の中にない、頭の中は全ておたまじゃくしという人間です。

レッスンを終えると帳簿をつけてそれを母がパソコンに入れてくれます。
数字に全く興味のない私は、しょっちゅう間違えて、母から怒られます。

「1人になったら全て自分でしていかないといけないのだから、ピアノばかり弾いていてはだめ」と、よく言われるのですが・・・。
一緒に計算してくれます。

私がピアニストになるまでは、母は私のピアノをとことん研究していましたが、私が仕事を始めてからは、
今度は、青色申告会の役員の仕事等に走り回る毎日、確定申告の時期までは、母にとって目の回る忙しさ・・・。

今、私がピアノの事だけに打ち込めるのは、本当に母のお陰と感謝する日々です。

又、生徒達も、先生との出会いに旬というものが必ずあると思います。

良い仕事をしている人の影にはものすごく大きなその人以上の力が必ず働いています。陰で支えてくれる力がなければ絶対仕事も上手くいきません。

両親が動けなくなってくれば、当然私も今のように幅広く手を伸ばせないでしょう。
そういう意味で、今、私と出会えている生徒さん達はとても幸せなんじゃないかと思います。

私のピアノの先生も「母を一番尊敬している」とよくおっしゃっていましたが、私も勿論そうです。

私はピアノの音は誰からも教わらないで、サササっと弾き始めたのに昔から数字はチンプンカンプン。
主婦になる能力は私にはゼロなので、主婦の方は立派で本当に尊敬します。母を見ていると主婦の仕事の方がずっと偉大だと私は心から思います。

私が仕事を出来るのは、母のお陰と毎日感謝し、私もピアノ以外の事も出来るよう努力していきたいと思っています。
*************************************************************************************************
表書式後の写真撮影














平成21年11月15日(日) ムジカ アルテ コンクール

ムジカ アルテ コンクールの本選会が今日もまた、名芸大で行われました。
大きなホールで弾かせて頂けるのはとても嬉しいことですね。
今日受かった皆さんは、1月に東京で開かれるグランフィナーレに進む事が出来ます。

各地で開かれた予選、本選を通り抜けてきた参加者達が、集まる決勝大会です。

受かった人はおめでとうございます。

さらに精進を続けてくださいね。


***************************************************************************************************:
もうお一方の審査の先生が撮ってくださいました。







平成21年11月14日(土) 近づいてきた宗次ホールでの演奏会のあわせ(その2)

昨日の続き

又、先日は、名フィルの首席フルート奏者の方と、プーランクを合わせました。
この曲は初めてなんですが、素晴らしいフルーティストの方なのでとても上手くいきました。

生徒の皆さんもたくさん聴きに来てくださるので新しい私をお見せ出来るのがとても楽しみです。

私はこの世で何が一番好きかといわれれば音楽と一体になっている人間の姿が一番好きです。

それは何だってよいのです。
ピアノは勿論、フルートでも、歌でも、ヴァイオリン、チェロ、ギターでも・・・・。
楽器でなくてもバレエやフィギュアスケートなどでも、音楽性豊かな人かどうかは一目でわかります。

ただのカッコつけは、聴いていても見ていても、うそっぽいし、心から出ていないからちっとも伝わりません。

心から出た音は、ちゃんと相手の心にまっすぐ伝わります。
私が生徒達に要求するのは、いつでもそこの部分です。

「心」は目に見えないのだけれど、ものすごい大きな力があります。
又、音楽と一体になっている人の演奏からは、必ず、「「心」も見えます。
その人の「心」が聞こえてくると何かとても嬉しくなって人間そのものが「音楽」なんだなぁとつくづく感じます。

アンサンブルはソロと違い、相手の心を即座にキャッチしなければ上手くいきません。
音楽高校生の私の生徒達もアンサンブルをとっても楽しんで毎日とっても充実した生活を送っているようです。
その調子で音楽を心から愛して下さいね。

*************************************************************************************************************

ルーアンのノートルダム大聖堂。モネの有名な連作のモデルとなったヨーロッパ有数の大聖堂です。15世紀のステンドグラス、高さ152m、どこから見ても美しいです。



平成21年11月13日(金) 近づいてきた宗次ホールでの演奏会のあわせ(その1)

今週は12月7日の宗次ホールの演奏会が近づいてきましたのでドビュッシー「小組曲」の
連弾のあわせ、プーランクの「フルートソナタ」の初合わせをしました。

ドビュッシーの小組曲は、私がウィーン国立音大の留学生だった時に選ばれてウィーンのべルヴェデーレ宮殿の中
で開かれた「モネの夕べ」というコンサートで演奏した事があります。

ベルヴェデーレ宮殿はクリムトの絵が有名ですが、この時はクロード・モネの絵画を沢山見て頂いてその後、私がドビュッシーの
印象派のソロの演奏をしてウィーンのお客様に聴いていただくというコンサートでした。

連弾のパートナーは、優秀な台湾の女性でした。
プリモは私で、今回も私はプリモを担当します。
ベルヴェデーレの中で演奏してふと、外を見ると広々とした美しい庭園が広がっているそんなステキな風景の中で演奏した
私にとっては、とても思い出深い懐かしい曲でもあります。

今回はパートナーが男性なので、音量のバランスや音質なども注意深くそろえながら練習しました。

二人で弾いてみたものをMDにとって研究したりします。
私が生徒達にレッスンするのと同じように一つ一つ丹念に音作りしていきます。

明日へ続く


平成21年11月10日(火) 何事も移り変わって(その2)

昨日の続き
新しいフレッシュな幼い生徒さんたちも音楽の素質、才能、プラス、親御さんのご協力、

日々のたゆみない本人の努力によって7名の今、現在残っている生徒さんたちのように音楽の素晴らしい世界を知る事が出来ます。
私としてみれば、どの生徒も可愛く大切だから途中でダウンしないでと言いたいところですが・・・・・。

ピアノはやはり弾けなければ趣味にもならないのではないかなと感じます。それだけ難しいという事。

誰かが習い事の中で一番難しいのがピアノだというのを聞きましたが、そうでしょうね。又、逆に簡単に弾けてしまう人達にはどうって事のないのもピアノといえます。
ピアノを練習する時間分、語学でも勉強すれば英語なんてペラペラ、パソコンだって他の何だって、ものに出来るでしょうね。

しかし、そんなに時間のかかるものを何故、ピアノの練習に打ち込む事が出来るのか・・・・。
それは音楽が、それに値する以上に美しく素晴らしいからです。

私は学生時代、普通の女の子が経験出来る事は何一つやってこれなかったけれど、ちっとも後悔していません。

ピアノのためなら何でも捨てたっていい、と小さい頃からずーっとそう思い続けてきました。いつもピアノを弾いていたいから他のものは全て犠牲に出来ました。
なので、普通の女の子が話すような会話に当然ついていけず完全に時代から取り残されていたため、
私の小学生、中学生時代は、特別な人と思われて1人ぼっちで、孤独で寂しかったです。

しかし、今は、生徒さん達が私の心を暖め支え続けてくれるのでとても私の心は暖かいのです。
自分のものを他の人とわかちあえるという事が毎日こんなに私の心を充実させてくれるなんて学生の時は思ってもみませんでした。

新しい生徒さん達も私のところで音楽の果てしない素晴らしさを是非体験して味わって下さいね。

***************************************************************************************************************
パリで泊まったホテルの近く、ベルシー・ヴィラージュで。
生徒達へのおみやげを買いに行きました。













平成21年11月9日(月) 何事も移り変わって(その1)

全国中で新型インフルエンザが大流行ですね。

私の生徒達も次々にやられて可哀相です。私は今のところ大丈夫ですが、予防のため、レッスンの間中
マスクをしています。

生徒の皆さんも疲れて身体のだるい時は充分休養を取ってくださいね。そうすればすぐ直りますよ。

今、来年の門下生コンサートのチラシの原案を考えています。
来年3月22日に港文化小劇場で開催されるコンサート、門下生全員が1年に一度集まる事の出来る、またとない機会ですが、
現在○○名が出演予定です。

初めの頃は、千種文化小劇場で開催していたのですがその時から出演している生徒さんは、○○名の中のたった7名です。
皆成長し、音大を卒業して結婚したり、学校の先生になったりして巣立っていきました。

7名の方々は小さい頃から途中でダウンせず頑張ってこれたのは、本当にすごい事です。

私はずーっと音楽の美しさ、素晴らしさを、子供達に沢山伝えたい、与えたい、その一心でここまで来たから
どんな新しい生徒も変わりなくずーっと昔からの知り合いみたいに接していますが、1人1人の名前、学年、曲目を書き込むと
やはり、世は無常だなと改めて気づかされます。
変わらないようで現実は確実に変化しているのですね。

古くからの生徒達はもう大曲をバリバリと弾きこなせる手と身体に成長しました。

***********************************************************************************************************
ルーブル美術館の最大サイズの絵画。
ヴェロネーゼ作「カナの婚宴」の前で。












明日へ続く


11月4日(水)弾きこまれたレパートリー (その2)

又、11月15日には、イタリア協会主催のムジカ・アルテコンクールの本選があります。
このコンクールは、ヨーロッパ式に行われます。
まず、ステージに出てきたら、「こんにちは、はい、どうぞ」演奏が終わると「どうもありがとう!」など、必ず言葉がけをします。

これはヨーロッパなら、普通にあることで、私も、ウィーン国立音大の入試の時、
「グリュス・ゴット!フロイライン メグミ、イワノ!ヴィーアルト ズィント ズィー?」(こんにちは、岩野めぐみさん お年はいくつ?)
と聞かれて、後は、「シュピーレン ズィー ビッテ! ヴィーズィーヴォーレン 」(お好きな曲からどうぞ。)と言われます。

終わると、勿論”ダンケシェーン!アウフヴィーダーゼーエン”!(ありがとう、さようなら)
と、必ず言ってもらえます。

又、間違えて緊張しまくっている子に「少し、手ならししてから弾いてかまいませんよ」と言ってくれることもあります。又、
拍手も勿論してくれます。
そうやって出来るだけ弾く人の気持ちをリラックスさせてからでないと良い演奏は出来ないと審査の先生方は気を使ってくださいます。とにかく暖かい雰囲気で、凍てつくような空気の日本のコンクールや受験と、まるで違います。

しかし、それに慣れていない、だまってスーッと出て来て拍手もなく静々と戻る日本式のコンクールになれた生徒達は、
言葉がけをされる事でかえってビビってしまったみたいでした。

音楽は、あくまで楽しむものですからね。なるべく弾く人の気持ちをやわらげてあげたいです。

私の生徒達も沢山、本選に進むのでとても楽しみです。

**************************************************************************************








11月3日(火) 弾きこまれたレパートリー(その1)

今日は、ショパン in Asia のコンクールの予選があり、小学4年生の男の子の生徒が見事銀賞を受賞して来年1月にある全国大会に
進むと喜びの電話がありました。

課題の一つになっていた曲は前回の門下生コンサートで演奏し彼の大切なレパートリーとなっていました。
コンクールを受けるからには自分がこれといって持ち出せる持ち曲があると随分心の余裕が持てます。

日頃から何年間か弾きこんで上手くひける自分のレパートリーを沢山持ちなさい、それから挑戦しなさい、と、
いつもどの生徒にも言います。

ステージで弾きなれていないものを弾くのは、とても危険です。
3,4ヶ月前に課題が出た、それから曲を作ろうか、では遅いと、いうわけです。
1年ぐらい前から準備してどの音をつつかれても大丈夫というくらい、弾き込まれているレパートリーを、
弾く事は、絶対確実性の高い演奏につながります。

ただし、コンクールで絶対賞を取りたいと、本気で思うのならという話ですが・・・。

そんな意味で、彼のコンクールの受け方は非常に計画的で、賢く、受けたという事で本当におめでとう!

明日へ続く