8月31日(月) 私の自由研究(その1)

8月も今日で終わり。夏休みの自由研究に作曲家1人1人の事について調べたり、ある1曲を
コンサートで弾くためドイツ語の歌詞を、日本語訳にしたり、素晴らしい研究を生徒達はしているようです。

ピアノを練習するのと同時にその国の歴史背景を調べる事はとてもためになります。
特に私達の文化とヨーロッパの文化とでは全く違うからです。

ピアノを弾いている子は外国語を話しているようなものです。

12月7日に宗次ホールでドビュッシー「小組曲」の連弾や、プーランクのフルートソナタの伴奏、
又、1月16日には、芸創センターでドビュッシーの「夢」などをソロで演奏しますので、
しあさってからフランスの印象派たちが過ごした空気を吸ってきます。

ウィーンに住んでいた頃にオーストリア内の各地は勿論、ドイツやチェコやハンガリー、スイスや、イタリア、アイルランドなども
含めてあちこち行ったのに何故かフランスだけは行く機会がありませんでした。

ウィーンからとても近いのに、あまり行きたいとは思いませんでした。

周りからは、貴女の音楽の質は、フランス向きだとよく言われていました。

私自身もそのように思うのですが、結果的に音楽の都ウィーンに落ち着いたという事は、
やはり音楽高校1年生の時から大学4年生までドイツ語を一生懸命勉強していたから自然にそのようにドイツ語圏に留学する事になったのでしょう。

明日へ続く


8月26日(水) 保護者セミナー

昨日は今、桐朋学園大学の3年生になる生徒が夏休みの帰省中のレッスンに訪れました。
ブラームスのOP.118−1,2,3 と、スクリャービン ソナタ2番を弾いていました。

大学生活も大変充実している様子です。
明和高校生だった頃から見てきて、帰省するたびに成長した様子を見せてくれて嬉しく思いました。
彼女は、あと、大学は、1年あるけれど、もっと勉強したい、と言っていました。

日本でピアノを学んでいる人達は全体的に見て大学までの間に勉強する曲といえば、本当に少なく限られているように思います。
コンクールの課題曲やコンサートで弾いた曲しか知らない、という感じだったらそれこそ、大学を卒業した時に、
本当に困るというのが現実でしょう。

音大を卒業した事はしたけれど、使い物にならない人達の何と多い事かとは現場でよく聞かれる話です。
彼女のようにまだまだ勉強したいという気持ちを大切にしてレパートリーを沢山作って欲しいなぁと思っています。

又、今日からは、明和高校でのレッスンも始まりました。
文化祭で連弾をしたり、踊りを踊ったり音楽高校ならではの楽しい行事に皆、張り切っている様子です。

私も昔を思い返すと、高校時代が一番楽しかった、体力も一番ある時期、楽しくエンジョイして欲しいです。

さて、9/28(月)名古屋の松栄楽器店4FSMCホールで、AM10:00〜12:00コンクール活用術と題した保護者セミナーがありますが、チラシが送られてきました。

当日は、YPFピアノフェスティバルの課題曲のポイント(どんな点に注意して練習していくとよいか)や、
コンクールのメリット、又は、それに伴う問題点、YPFだけでなくピティナなど他のコンクールの審査のポイントなどもお話します。
子供のやる気がない、保護者はどのように子供をサポートしていくと良いか、レベルアップさせるには?等
質問も受け付けます。当日、それを元に皆様の質問にお答えしますので興味のある方はどうぞいらして下さい。


8月24日(月) 音楽を純粋な心で愛して欲しい

PTNAの全国決勝大会も終わり今日は表彰式でした。
生徒の皆さんが頑張ってくれたお陰で私は今年も5回目の指導者賞を頂く事ができました。
本当に有難うございます。

今年は都合で表彰式には出られませんでしたが、もう5年も経ったなんて、月日の経つ事の何と早いことでしょう!

今回決勝大会に出場した生徒達もきっと精一杯弾いてくれた事でしょう。
いつもの事ながら私は結果にはこだわらないのです。
それは自分自身が受けてきたコンクールもそうですが、教える立場になってもその姿勢は変わっていません。
結果にこだわるのでなく毎日の練習、日々の努力に徹底してこだわり続けています。

結果がよかろうと悪かろうと私は生きている限り音楽と共に生きたいという気持ちは今も昔も変わっていません。
全ての参加者達が今後も末永く本当に音楽を心のそこから愛してくれている事を祈ります。

パーティ会場から生徒達2人の元気な声を聞いて本当に嬉しかったです。
彼女達が賞にはこだわらず人生を彩り豊かにしてくれた夏休みの思い出は、きっと後々まで美しく輝いて残ると思います。

私もそれこそピアノ人生を歩めてきたお陰で今までの人生の中で普通の人が体験しないような良い事も悪い事も
沢山経験してきたお陰で、音楽に関しては、何一つ悪い思い出は残っていません。

今日の彼女達もこれからも迷わず音楽の道をまっすぐ歩き続けることでしょう。
才能がある人は、それだけに苦しみも、人一倍待ち受けていると予想されますが、結果ではなく、日頃の練習、努力し続ける事の大切さに一番こだわり続けてほしいです。
音楽家になれる人はそういうところにこだわり続けたそんな人達ばかりです。
この無常の世の中で昔も今も変わらず私もずーっと音楽にかかわる事が出来、今後も音楽を愛し続ける事の大切さをどの生徒さんにも伝えていきたいです。

そして私に日々新しい発見とインスピレーションを沢山与えてくれる1人1人の生徒達に心から感謝したいです。
私には1人1人の生徒達が天使のように見えます。
私を救ってくれる1人1人の生徒達、清らかな純粋な心をいつまでも大切にして音楽を愛していってください。


8月21日(金) 舞台に立って演奏するには

今日でPTNAの全国決勝大会へ出場する生徒達のレッスンは最終回となりました。

彼女達に話した事は「とにかく捨て身になること」という話でした。
「自分を捨てた事はある?」と聞くとニンマリと笑っています。
そうなんです。演奏するという事は、とっても勇気がいる事なのです。

何故って自分を捨てなくてはならないから。捨てた時に初めて、聞いている人達を感動させられます。故意にじゃなく。
俳優と同じ。上手い俳優は身も心も自由で開放されています。
上手い役者は自分を捨ててその役になりきれるから、見ているほうも一緒に笑ったり涙ぐんだり・・・。見ている自分もいつの間にかその役者にのり移っていくのです。

技術的に自由に弾けるようになったら、いかに自分がその音楽と一体になれるかが大切。
彼女に美しい花束を渡してこれを「わぁ、美しい」と、思って手に取り、その表情がわかるように、弾いてごらんと促しました。

又、演奏する人はいつでも自分の解釈に自信を持つ事。人の意見に流されずに正しいと思う道をまっすぐ突き進む事が大切とも話しました。

勿論こちらが納得できる音楽作りが出来ていればの話ですが。

私はどの生徒にも言います。音楽は目に見えない、触れないけれど聞いている人に目に見えるように触れるようにしてあげてね・・・。と、

彼女にお花を持たせたのもそういう理由からです。
花びらを触るとツルツルしている。朝露がキラキラ光っていて花びらから水のしずくが日のひかりに照らされてキラキラ輝いている、それを指で触れるように、又、それに触れると自分の感情がどのように変化していくか・・そんなところまで含めて、音でそれを表現する事。

後はなれなれしい感じでステージに上がらない事。
フレッシュな、初々しさは、とてもすがすがしい気持ちがするからです。
「コンクール嵐」がいかにも賞を狙って出てきたようなのは、又、それも不思議と演奏にあらわれてしまうもの。

何となくぎこちなくて、それでいて自分を捨て、心の窓を開いて全部見せてくれる、そんな無防備で純粋な演奏は、聴いている人の心に
すーっとまっすぐ伝わります。何物にもとらわれない自由な心、開放された魂、そんな演奏は舞台で聴く人の心をすがすがしい
気持ちにさせてくれるでしょう。


8月17日(月) 「公開セミナー」

今日は10月5日(月)に岐阜の飛騨地方の河合小学校でスクールコンサートで、ソロピアノと声楽の伴奏をするので、声楽の方との合わせがありました。

日本最大の豪雪地帯といわれる小学校を訪れるので車で片道3時間半ほどかかるそうですが、普段生演奏に触れる事の少ない子供達が音楽に触れ、どんな興味を示してくれるのかとても楽しみです。

又、9/28日(月)は、名古屋の松栄楽器4Fのホールで「保護者セミナー〜コンクール活用術」と題して「公開セミナー」
をして下さいと、頼まれましたので、午前10:00〜12:00の間お話します。

私としては、こういったセミナー、公開講座などの2時間ほどでコンクールの事にせよ、ピアノの練習の仕方や、子供のサポートの仕方など、
ひっくるめて、話しきれるものではないと思っています。

いろいろな場所でコンクールのメリットについてもよく聞かれます。
私は「良いとも、悪いともいえない」と答える事にしています。

それは、「生きている人間が死んだらどこに行くのか、天国か地獄か?」と聞かれるようなものです。

という事は心の持ちようでよくもなるし、悪くもなるのです。
全てはその人のやり方次第。

そういった点も含め、日頃の皆さんからの質問にお答えしようと思います。
興味のある方は是非聞きにいらして下さい。

8月12日(水) 皆さんお疲れ様でした! (その2)

生きている間ほんの少しの「時々」それを「奇跡」といってもいいでしょう。
それに出会うために日々努力し続ける人と、やめてしまう人との2通りで、生きる道が全く変わってくるのです。

自分の思うとおりにいかないと投げやりになって努力を怠ればその時々起こる奇跡にめぐり会うことは一生出来ないでしょう。

そして人生って不思議なんですが、どんな事でもほしい、ほしい、と思っている間は手に入らないものです。
そういう欲を一切捨てて例えば、コンクールなら賞なんて一切いらない、と思えた時、初めてその人は素晴らしい結果を手にする事が出来るのです。

なぜかってその人には自分はこんなにも毎日努力したんだというすがすがしい達成感を持っているだけで失敗したらどうしよう、
とか、もし、賞に入らなかったら・・・。などという欲がないのです。
完全に自分を捨て、開き直っていますからオドオドせず、失敗を恐がっていません。
その人にとっては、過去に嫌というほど失敗もし、涙をのんだ経験も沢山あったからこそ心もとっても強くなっています。

そうやって努力を続けた人に奇跡は起こるので、私はこの事実を是非、生徒の皆さんに知っていただきたいと思います。

賞なんていらない、そう思えた時、結果的にその人はとても素晴らしい音楽家になっていることでしょう。
そして人間の中身も、より心の広い立派な人格を持った大きな人間に成長しています。
世は無常。自分に良いことばかり続かない代わりに悪い事も続きません。
音楽を心から愛し、努力は沢山して日々続けていく事がまず喜びとなる事、そして期待はもたない、それが、ピアノを学ぶ人への私からのメッセージです。


8月10日(月) 皆さんおつかれさまでした!(その1)

門下の生徒は、今日で長かったPTNAコンクールの予選、本選、全て終了しました。結果はまだの生徒もいますが・・・。

先達ては、D級=3人(優秀賞 ) C級=2人 (優秀賞 、奨励賞)、B級=3人(優秀賞)と、皆
奮闘してくれました。
皆、よく頑張ったね。おめでとう!

そして1人1人の生徒に”ありがとう”と感謝したいです。私を信頼して、私とのレッスンに一言も文句も言わずに、
根気強く向き合ってくれた事、それが、コンクールの結果そのものよりずっと私にとっては一番嬉しい事です。

今回PTNAを初めて受けた生徒達は、ここまで曲を掘り下げなければ、本番で上手く弾けないのだなぁという事を身を持って知る事が出来たでしょう。

又、毎年チャレンジしている経験者は、自分達の目標としている賞に届かず、歯がゆい思いをした生徒達もきっと何人かいることでしょう。

しかし、私が言いたいのは、そこから先の話です。
そういった経験を沢山積むうちに、”世の中は自分の思い通りに動いてくれない”という現実を小さい頃から知ってほしいのです。

上手くいくこともあるけど大抵は自分の思い通りには運ばないのだということが分っていれば、
自分の思い通りに事が運ばなくてもそんなに落ち込まずにすむでしょう。

ものすごく落ち込みが激しいという時は、やはり、何らかの期待をしていたという事になります。

そこで大切な事が一つあります。
他人や周りには期待してはいけないけれど、努力だけは自分を裏切らないのです。

初めから、何事も期待しない、それでいて努力を日々続けていると、本当に不思議な事が起こるのです。
しかし、それも時々、ですが。

明日へ続く


8月7日(金) 音楽全般の知識を身につけること(その2)

昨日の続きから

一度全国決勝大会へ進出した生徒が、次には又、全国を目指したいと思うのは当然でしょう。
又、決勝大会へ行けば今度はそこで賞が欲しいと思うでしょう・・・。又、次の段階で決勝大会では、金、銀、銅には入賞したいと・・・。

人間はここまでで満足という事は生きている限りありませんから才能がありハイレベルになればなるほど
いつでも成功させなければ、という気持ちがふくらみ、挑戦することもどんどん恐くなっていくでしょう!

音楽的才能がある子ほど舞台が恐いというのは当然です。自分の演奏をよく解かっているからです。
才能があればあるからこそ大きな苦しみを伴うのです。

そのような経験を何度かやってきますと居直るといいますか?失敗を多く経験すると精神面で強く大きくなり
開き直るようになってくる、そして大きく成長して舞台でのびのびとした演奏が出来るようになるかと思います。

開き直るといっても勿論日々の努力は、必要不可欠ですが、人並みの努力なら人並みでしょう。
それ以上目指すなら人並みの努力ではつとまりません。

賞をとろう、とろう、と気張りすぎた演奏は、どことなく聴いている人にとって新鮮さをなくします。
常日頃、謙虚にコツコツと、音楽全般の知識、レパートリーの拡大、読譜力、ソルフエージュ等、
自分の器を大きくする事に全力を注ぐ事が大切です。

実力さえあれば、コンクールの結果がどうであろうと誰が何と言おうと恐いものなしです。

それには長い間の時間が必要ですね。


8月6日(木) 音楽全般の知識を身につけること(その1)

昨日(8月5日)から3日間PTNAのEF級の本選の審査で九州へ行く予定でしたが、体調がすぐれず
残念ながら変わりの先生に手配をして頂きました。

咳が長い間続いていて話そうとすると”コンコン コンコン”と出るので皆様にご迷惑をおかけしてはいけないと思いまして
キャンセルということになりましたが、お陰さまで数日前から随分よくなりほっとしています。

丸11年間、休む暇もなく走りとおして来ましたが、ここら辺で身体も「休みたい」という信号が出たのかな?という気もします。
いずれにしても仕事をこのような形でキャンセルしたのは、今までに初めてで、生徒の皆さん、お母様たちからも
本当に気遣っていただいて有難うございました。
お陰さまで随分よくなって参りました。

門下の生徒達も夏の暑い時に皆さんよく頑張ってくれています。
昨日も地区本選でD級=優秀賞(中1)、B級=奨励賞(小3) 今日はF級=奨励賞(高1)と賞を頂き本当に生徒同様
私も嬉しく思っております。

何でもそうだと思いますが、初めての賞を頂いたりした時の感動は皆、強烈に心に残っていて忘れる事が出来ないと思います。
 
明日へ続く

8月1日(土)D級地区本選全国決勝大会進出の生徒

今日又、D級の本選結果で私の生徒2人は、1人は第一位で全国決勝大会へ進出、もう1人は優秀賞
を頂き2人とも本当におめでとう!

決勝大会に行く中学1年生の生徒は、私が、これまで見てきた中で一番長い間教えてきた生徒であり、
6歳で入門した当初から、レッスンを殆ど休まず、正に努力に努力を重ね合わせてきたような努力の子であります。

譜読みや暗譜もとても早く、レッスンで「ここから・・・」といった時に、私が言う前にどこの場所からもサッと
出てこれる音感と、最近特に音楽を作ることに対して自分で意識を持てるようになり、上手くなってきたなぁと、
感じていました。

彼女のレッスンノートを見ると、それはそれは、細かく毎日の練習の様子が書かれています。
誰よりもその曲に対して深く追求した、又、研究に研究を重ね、これ以上はできないというくらい練り上げた
研究をしなければ人前で弾いてはいけないんだよ、ということを彼女が幼少の頃から言い続けてきましたが、今、
本当にその意味がストンと胸に落ちる年齢になったのでしょう。

彼女は毎日毎日一つ一つ丁寧に音作りをしていたはずです。
深く深くとても練られている曲作り、技術的にも完成度が高く、本当によく頑張りましたね。

2人とも殆ど導入期から育ててきた生徒が上位入賞なんて本当に嬉しいです。

先日の1位の生徒もそうですが種をまいた3つの可愛い種が少しずつ少しずつ大きく実って美しい花を咲かせていくのが楽しみでなりません。
今後も上手に水やりをしながら育てて行きたいです。