2009年4月29日(水)仕事はピアノ・遊びもピアノ

今日は、マリンバコンサートの本番でした。新緑のまぶしいこの季節、普段ピアノの暗い部屋の中で過ごす事の多い
私の目にキラキラ緑がまぶしく美しく輝いてみえます。

今、リハーサルが終わり、近くのイオンのお店に1人で入りお昼を食べるところ、丁度良い時間が空いたので、日記を書いています。

リハーサルでは、マリンバのステージ上の位置を決めたり、それによってピアノの音がこもったり、
出すぎたりするので何人もの人に立ち会っていただいてバランス調整をします。
このような時、つくづくピアノ弾きでよかったと思えます。
何故なら、マリンバは、楽器をいちいちステージに運ぶのですから、楽器搬入するだけでも大変です。
ヴァイオリニストやチェリストのように、楽器を持ち歩かなくてもすみますし、ピアニストは身1つで移動できます。

その代わり、1人で何でも出来る代わり、いつも1人なのである種の孤独は感じます。
やっぱり、何人もの人達と、一緒にステージで音楽を演奏するのは、とても楽しいし、協力し合って音楽を作っていくのは大きな喜びになります。

ステージに出た時の自分しか頼る事の出来ない孤独感と、アンサンブルの助け合って音楽を作っているという調和の大切さ、
2つとも全く正反対の事ですが、私にとってはどちらも必要です。

又、生徒達を指導する時は、これまで私のやってきた事を、相手にわかりやすく伝えようとする事で自分のやるべき事がより鮮明に
なってきます。
ソロ、アンサンブル、後進の指導、この3つは、今の私にはとても必要でその仕事のどれをも心から愛しています。
その3つのうちのどれかをやっている時の私は疲れません。
ワーカホリック(仕事人間)というわけではないのですが、小さい頃からの習慣でしょう。







幼い頃から私にとっての遊びはピアノでした。
それを離れると、心から楽しめないのです。
私のようなピアニストでなくても他の分野で(野球選手・スケーター・バレリーナ・水泳選手他いろいろな分野)幼い頃から
その道1つで来た人は、きっと私と同じように遊びの延長が仕事に結びついているのではないでしょうか?

お酒を飲みに行ったり、大勢の人と世間話をすると気分転換出来るという人を見ると、
私には、全く、そういう事で気分転換する事が上手でないので、人間ってつくづく違っていて面白いなぁと思います。

仕事は、勿論ピアノの事だけど、私にとっての気分転換は、ピアノの事で発散しなくてはならないのです。

*************************************************************************************
今日は、沢山の私の生徒や保護者の方がたも聴きに来て下さいました。
綺麗なお花や心温まるお手紙の数々、本当にありがとうございました。
生徒達と接している時は、私にとって一番幸せなときです。

終演後生徒達の顔を見れば、どんなに疲れていても疲れが吹き飛びます。
充実した毎日を皆様のお陰で送らせていただいている事を本当に感謝しています。


2009年4月28日(火) 音楽が教えてくれるテンポ(その2)

大きな木が1本立っている。その木は風が吹くとふき方によって葉っぱや木の枝は、しなやかに揺れ動くけれど、
風がやむと又、ピタッとまっすぐ立っている。どんなに大きい台風がこようと嵐がこようとしっかりと根を張った
大きな木のように厳格なテンポ、リズムを取り続けなくてはいけないよ。

そしてその中で微妙な変化をもたせるのがテンポルバートや、アッチェレランドやリタルダンド等だけど
どんな時も命の通ったアゴーギクを使おうね。

そしていったん始まったらもう後ろを振りむいたり同じ場所にい続けないで、前へ向かって歩いてね。と、話します。
音楽は人間の生き方そのもの。

どんなに辛い事や、悲しい過去があっても立ち止まらず、大切なのは今、その時、そして前に向かって歩き続けていくのです。

音楽が後ろを振り返ったり、同じ場所で足踏みしたりするのを防ぐためにメトロノームを大いに使って下さい。
もう始まれば、後戻りは出来ません。どこへ向かうのかって?
大丈夫です。あなたが弾いている音楽そのものがどこに向かっているのか教えてくれます。

今日は明日東文化小劇場で本番があるマリンバの先生方との最後のリハーサルをしてきました。
青森からいらして下さる先生もいらしてとても楽しみです。

何回もあわせているうちにお互いの呼吸もつかめてきます。
良いテンポ感、リズム感を養うためにさまざまな楽器の方とアンサンブルする事もとてもためになりますよ。
聴きに来てくださる皆さんどうぞお楽しみに。。。。。。。


2009年4月27日(月) 音楽が教えてくれるテンポ(その1)

先日、中学1年生の生徒がレッスンノートに「メトロノームには毎日お世話になっています」
と、書いていたので、「とてもよい事ね」と、ほめました。

自分が弾いている時、正しいテンポをとる事がいかに難しいかは、ピアノを弾く人なら誰でも感じると思います。
正しいテンポをとれる事は、イコール「自分の音を聴けている事」につながります。音を弾くだけで精一杯だと厳格なテンポどころの騒ぎではありません。
よく、自分の弾きやすいところは、早く弾き、弾きにくいところはおそくなったり、又は、歌おうとすると
どうしても間延びしてそのまま、次のフレーズにいってしまい、結果的に段々おそくなって・・・。という演奏を多く見かけます。

また、ちょっと生き生きさがない、リズム感がないために、少し早く、と言うと、今度は、
高速道路を突っ走る車みたいに一直線に、ただ早いだけ、になってしまい、又、それはそれで味も素っ気もない平坦な演奏になってしまいます。

その人にあったテンポで自然なアゴーギクがあり、呼吸をともなって一貫性の有るテンポを曲の間中取り続ける事は、初心者には時に難しい事です。

メトロノームはただテンポを正確に刻む「機械」ですが、私は出来るだけ活用するよう生徒達に勧めています。
その中で自分の呼吸や自分の心の変化で揺れ動く事は勿論あります(それを私は、木の話で生徒達に話すのですが・・・。」

明日へ続く


2009年4月20日(月) PTNAの弾きあい会

PTNAのコンクールの課題が出て1ヶ月たち殆どの生徒は、暗譜も出来てきました。
今後は、練習を重ねていくうちに、自分の音を、客観的に聞けるようにイメージトレーニングが必要になってきます。

先日、中学2年生の生徒に「ピアノの練習は、ただ、ピアノに向かって弾いているのが練習とはいわないのよ。
3時間練習するとしたら、その内の1時間は、研究に当てる。それも含めて練習するというのよ。」と言ったところでした。

又、彼女に「アルベニスのタンゴ1曲弾くのでも沢山のCDを聴くことや、又、ピアノだけでなくスペインの音楽、例えばオペラのカルメンの中に
出てくるハバネラのリズムをきくと、タンゴのリズム感がわかるし、ピアノの譜面だけをみて弾いているだけでは、いつまでもつかめないと思うよ、
タンゴがどのような踊りかをまず知らなくてはね」

「○○ちゃん演歌知っている?」と聞くと、「知っている」と、答えるので、「ね?日本人なら演歌といえばそれがどんな歌か、
教えてもらわなくても常識として知ってる。そんな風にタンゴの音楽はどんなものか知らないとね。」とも話しました。

他の事で注意する事は、自分が今弾いているのは、家で弾くのではないという事。広いステージでそれに見合った音と、
スケール豊かな音楽も作り上げていかなくてはいけません。
家で弾いている通りに弾いたらすごくしょんぼりした感じになって聞きごたえがなくなってしまいます。

私達がお話しする時だってそうでしょう?
狭い部屋で1対1で1人だけを相手に話をするのと、最低でも300人は入るステージでお話するとなれば、それなりに、伝え方が変わってくるはずです。

いずれにしろ、相手がいる限りコミュニケーション(分かち合う)ことがなければならないのです。
かといって大声で怒鳴れば、相手の心に響くかと言えば、そういうものでもないですしね。そこで相手の心をつかんでお話するみたいに、ピアノ演奏もメリハリのきいた
演奏が求められます。

私がよくやるトレーニング方法は、部屋の中の天井や壁を一切合切、全部とっぱらって野外で弾くところをイメージします。

天井もなくどこまでも広がる澄みわたった青い空。(この青い空は、曲によって変化します。暗い色調の曲なら、
灰色の雲が下の方でもやもやしている感じ、雨が降っていたりとか・・)そして出来るだけ、
果てしない空間の中で響きが妨げられないようのびのびと音が深呼吸している感じをイメージします。

1つ1つの音は大切ないのち、そのものなのです。
音楽に血が通って呼吸を始める。
そういった瑞々しい新鮮な音楽をかなでるためには、イメージトレーニングも必要不可欠なのです。

その一環として5月30日(土)に本番前の弾きあい会を私のところではやるのですが、参加する門下生はそこで、イメージトレーニングも充分して下さい。
お友達の演奏も聴くと「いのちのある音」の意味もよく分ります。どうぞお楽しみに!


2009年4月16日(木) フレッシュな生徒

昨日は、午前中が椙山学園大学、午後は明和高校、夜はマリンバの先生のお宅での合わせでした。

大学は可愛いフレッシュな1年生が、沢山入ってきました。
そして私が1人1人に「この曲はね、こういう曲よ」とピアノを弾いて聴かせるたびに皆、目を丸くしてシーンと静まりかえり終わると拍手の嵐。

明和の生徒達も新1年生の元気な事といったら!キャアキャア大はしゃぎで、何とも可愛い!レッスンノートに
「学校で先生に出会うとほっとしました・・・。」とか、「受験の時はこの先ピアノを続けるか正直悩んでいたけれど、
明和に入って本当に良かった」等、どの生徒も楽しそう!!

三重から通っている生徒のカバンを持つと、持てないほど重い!しかし、「全然平気です!」と彼女、
荷物が重かろうと、睡眠が少なくても全然平気そうで疲れすら楽しいのだそうです。
さすが若い!音楽高校というところは自由人の集まりですからね、幸せでしょう。又、同級生のレベルの高さに
刺激を受け、もう7月にある試験曲も「暗譜してきました。」と、やる気満々の生徒も。コミュニケーションがとれている師弟関係と友情があるとこんなに学校生活が有意義なものになるんだなぁと、彼女達をみていると本当に幸せになります。

しかし、夢があるって本当に素晴らしい事です。
夢がなければ、人間頑張る事なんて到底出来ません。
現実的には、夢は夢でしかない事も多いけれど、やはり夢に向かって努力している時が一番人間は、幸せを感じるときなんじゃないかな?と思います。
夢はかなった時より、かなう前のほうが楽しいって事は誰もが理解できるでしょう。

夢がかなった瞬間、終わりというわけにいきませんから。
それが生きているということです。

又、次の夢が出てきますものね。
そうやって一つ一つ自分の夢をクリアしていく間に自分の事が鮮明に浮かび上がってきます。夢を追う事は現実を知る事と同じなんですね。
彼女達も本当に充実した音楽高校の生活を送り、今は楽しく夢のようでしょう。
それがずっと続くよう夢を追い続けて努力してください。


2009年4月14日(火) 練習は情熱


昨日の続き

そして、毎日、目標を持って練習するのも良いですね。
今日は初めから最後まで、1つもミスもなくひけるまで練習するとか、(F級ぐらいの曲は24時間弾いていても無理かも)
又、楽譜通りの指使いにしているかなど(それが自分にあっていない指だとしても)とにかくまずは決める。

又、暗譜ができるまで、ピアノの椅子から降りない等・・・そこまでもやっていないのに練習は終わったというのは、
やり方がわからないのではなく、そもそもピアノに対し情熱を持っていないと私には思えます。
どうしてもこの曲が弾きたいという情熱にかられて練習というのは出来ます。


私の例でいえば、小学5年生の時、モーツァルトの変奏曲を弾いていて何度弾いても、ちょっと、指がもつれそうになったり、かけたりする。
腹が立って、完璧に弾けるまで頑張って弾いていて、気が付いたら8時間練習していました。

私は他の事には、完璧主義ではありませんし、無頓着で、全く、カッカして神経質にならないのですけど、自分のピアノの練習だけは、
昔の自分を思い出してもおかしくなるくらい負けず嫌いで、自分のピアノ演奏が上手く弾けていないと出来るまで徹底してやっていました。

そのため、どの先生からも「練習の虫」といわれていましたが、やはり私を突き動かしたのは、「情熱」かな?という気がします。
他の事は、全部犠牲にしてでもいいからとにかく上手くなりたかった、そのお陰でピアノやソルフェ−ジュ、和声、音楽史、諸々の音楽関係、以外の事は、
全く捨ててしまいましたが、そのような学生時代を過ごした今の私は本当に満足しています。

それは昔も今も変わらず情熱を持って1つの事に取り組めているからです。私がもし、学生時代いろいろな事に時間をとられていたら、恐らくうわついて、
ピアノの練習に集中できなかったでしょうし、それによって今これほどまでに音楽の本当の美しさを味わう事は決してなかったでしょう。
1つの事を成し遂げるためには、他は全て喜んで犠牲を払わなければならないのです。
そうする事でその道の「一流」に出会えます。人間は一つの事しか出来ません。神はそうつくって下さっています。

従ってピアノをやりたいから何もかも切り捨てたっていいという「情熱」が生まれてこそ、毎日の長時間の練習も可能なのかな?という気がします。

なぜなら、私は、今も1人で家で練習している時が他のどんな事をするよりも一番好きで落ちつくからです!!


2009年4月13日(月) 練習は情熱

今日は、まだ私のところへ入って間がない生徒さん達のために、又は、全国中のピアノを学んでいる学生さんたちへ
練習の仕方についてアドバイスしましょう。

私が直接レッスンしている生徒さんは、私が週に一度生徒にレッスンすることが文字通り「練習の仕方」を
教えているといえます。
週一度のレッスンで私と一緒にレッスンしたことをそっくりそのまま家で再現しなければなりません。

よく「やる事がない」といって「練習の仕方がわからない」と言う人達がいます。
本当にないのでしょうか?私の目からすれば本当に基礎的な基礎も出来ていないのにもうやる事がないと、思い込んでいるように見えます。

そういう子に限って音はあっちもこっちもはずしだらけ、指使いはむちゃくちゃ、間違っている音をいつまでも直していない(変な音を弾いていても気持ち悪いと思わないということは耳が悪いのかなと思う)、暗譜もまだ出来ていない、そのような段階で、
練習の仕方がわからないというのは、まず、ピアノを弾く以前の問題で、知識や理屈から入ろうとする初心者が陥りやすい難点です。

私の知っている作家の方が、こんな事をおっしゃっていたことを思い出します。
その人は「ある詩を読んだのですが、何回読んでも意味が分らないのですが・・。」と、
先生に質問したそうです。すると、
その先生は、「バカヤロウ!その詩を100回読め!」「そうすればわかる!!」と、どなられたそうです。

極端な話、私は、ピアノの練習もこの話に通じると思うのです。
理屈や知識から入ろうとするから、意味が分らない、しかし、ピアノ曲も、練習したといっても
その曲をせいぜい1日に4,5回くらい弾いて、もうやる事がないとか、わからないと言うのは、
当たり前だという事です。1曲を100回でなくても50回ぐらい1日に弾いているのか
初心者は特に馬鹿みたいと思える反復練習を何度でもしなければいけません。

明日へ続く


2009年4月10日(金) 気づき始めた高校2年生の生徒

今週から、高校や大学のレッスンが、始まりました。
午前中は大学、午後は高校とハシゴする曜日もありますが、張り切っています。

さて、めでたく音楽高校に入学できた4人の新1年生達は、毎日楽しくてたまらないといった様子、
大変に充実した高校生活をエンジョイしているようです。

又、今日はレッスンへ行ってとっても嬉しい事がありました。
1年生の(後輩達)が出来、先輩になった2年生の生徒が、今までと違う弾き方が出来るようになってきたのです。

楽譜を読む時に雑に読まないできちんと見ることや、音を出す時、神経が行き届くようになって来ました。
もちろん彼女なりにではありますが、こうしたちょっとした変化を絶対に見逃してはいけません。
自分が変わろうと大きく殻を脱ぎ始めた印です。こんなに喜ばしい事はありません。
他人と比べるのではなく彼女の成長ぶりが私には本当に嬉しくてたまりませんでした。

元々、音色は、きれいなので、それをただならすだけでなく、もっと丁寧に、又,彼女の気が入ってくれればなぁと、
常に忍耐強く見守ってきたのですが、2年生になり、見違える成長ぶりです。

彼女は、自分の和音に重さが、かからないし、メリハリも付いていないというところに、
自分自身が気づき4月に入ってから毎日2キロ走って体力づくりすることに決めたんだそうです。

家の周りや近くに学校があるのでグラウンドで走るのだと言っていました。
「すばらしい!!ピアノは体力勝負だものね」とほめました。

そのせいか、彼女は最近活き活きと表情が明るく輝いてきました。
しかし、音楽高校というところは、こんなにも素晴らしい場所なんだという事を改めて感じます。

私とのレッスンや、周りから受ける刺激が常に毎日あり、こんな事ではいけない、何とかしなくては、
と自分を変えようと気づき始めている事が、強く伝わって来ました。

気づかないときは眠っている時と同じで、気づけば、それが更に良い方向へどんどん進んでいけます。
神様は他力本願でなく自分で自分を助けようとする人の味方になってくれるんです。

自分で自分を救おうとしなければいつまでたっても同じ状態のままですから、助けるのも救うのも自分自身、
本当に音楽高校に入ってくれてよかったなぁとつくづく思いました。

このようにして1人1人の生徒が成長してあぁ、一皮むけたなぁと思える時、私が教えていて最もやりがいを感じられ、報われたと実感できる時です。
自分に気づけば、上達が早いのでその調子でぐんぐん伸びていって欲しいです。


2009年4月7日(火) 幼い頃からの積み重ね(その2)

昨日の続き

それも急に大人になって頑張りはじめても上手くいきません。
何でも幼い頃からの1つ1つの積み重ねが必要です。
私のところへ6歳ごろから通っている生徒達は、音楽を専門にするには、どの位のペースで
譜読みや暗譜をしてステージで演奏するまでにどの位の期間をかけて研究しなければいけないか、
又、高校に入るまでにどの位のレパートリを知っていなくてはならないかも、私が小さい頃からかなりうるさく言っているので、
よく理解していると思います。

小さい頃からそういう風に準備している生徒達は、音楽高校に行くと益々スムーズに音楽を学べると思います。
しかし、音楽高校に入って自分のレパートリーの少なさに唖然として突然頑張り始めるのはものすごく大変です。

第一本人自身があせるし、小さいとき、一生懸命やらなかったからかもと、何かの折にそういったマイナス思考
の考えが、頭をよぎって消極的になってしまったりします。

私の生徒達、特に音楽高校を目指している子達には、そんな後悔は、絶対にして欲しくありません。

私がこれまでの人生において何一つ後悔することがないよう育ててくれた両親にまず感謝すると共に、私の生徒達にも出来れば、そういった人生を送ってもらいたいです。

親御さんは好きな事というよりその子がやれる得意な事を小さいうちに素早く見つけ出してあげる事が大切ですね。
ピアノなど特殊技能を要する分野は好きだけではつとまりませんから・・・・・。
そして得意な事を見つけてあげたらはっきりとした目的をもたせて、それに向けてわき目も振らず一心不乱に努力できるような環境をつくってあげる事が望ましいですね。

小さい頃からこんなにも自分は一つの事に努力できたという事がその子の一番の誇りになり、又年月がたてばたつ程強い自信へつながっていきます。
不思議な事に必ずそれは、将来実を結びますよ。

自分がまいた種は、自分で刈り取れるのです。本当です!


2009年4月6日(月) 幼い頃からの積み重ね(その1)

今日から、入学式の学生達も多いと思います。
特に音楽高校に入られた生徒さん達は、今までと違い、殆どの授業が音楽科目になるので、
楽しみにしている事でしょう。

はるか昔、私が高校1年生の頃を思い出します。
音楽高校は、丸1日、音楽づけになれる生活が出来るのですから!私にとっては、正に天国のような場所でした。

音楽を専門にしたい人なら誰もがそう願うはずです。

音楽理論、ハーモニー、ソルフェージュ、伴奏法、キーボードソルフェージュ(初見の授業)、室内楽、声楽、
オーケストラスコアリーディング、演奏法、ピアノ実技レッスン、どれをとっても自分の得意な事ばかりを学べるので、
毎日早く学校へ行きたくてウズウズするくらい、楽しかった事を思い出します。

人間得意な事をやっていれば、この世に「登校拒否」なんて言葉は全くなくなるはず。

さて私の生徒達は、今年4名音楽高校に入学しましたが、4名とも4年以上私が見てきた生徒ばかりなので、
学校生活に慣れるのも、早いと思って安心しています。

音楽高校生には、自分の経験を含め、高校3年間で、どのくらいのレパートリーを
練習しなくてはならないか、又、高校時代に弾かなくても知っておいた方が良い曲目などの大まかなレパートリー表を
私が作り、渡しました。

4人が4人とも「こんなにレパートリーを知らなくてはならないのか、今までやってきた曲は、
殆どおもちゃみたいだ」と目を丸くしておどろきの表情を浮かべています。

本当にそうですね。PTNAの課題曲でもD級ぐらいまでは、子供の曲といった感じですが、
F級ともなれば、その人のピアノを弾く技術を含め、音楽性共にその人の力が全て現れてしまうのを弾く本人が一番実感できるようです。

明日へ続く


2009年4月2日(木) 新学期

4月に入り、新学期が始まるなぁと、期待に胸を膨らませている学生さんも多いでしょう。

私も高校、大学の今年度の予定に目を通し、書類を作成したり、新しい生徒さんの入会などもあり、
あわただしいですが、さわやかな春を感じています。

何事も「初心忘るべからず」という言葉通り初めが肝心。新しい曲の譜読みもそうです。
しっかりとして土台づくりがあってはじめて美しい建築物が建つように基礎が肝心。

後から、音を直す、指使いを直す事ほど、難しいものはありません。
楽譜通りの音を間違えて弾いていても全く気づかない生徒もいます。

私とのレッスンなら、「そこ違うよ」「ここも違うよ」と、注意できますが、家に帰ってもきっと違う音のまま練習しているのだろうなと、
察する事ができます。

楽譜通りに譜読みすることが一番の基礎。そして暗譜する。それ位までは、自分の練習でやれるように、
丁寧な譜読みを心がけましょう。