KSEG

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はじめに/概要

入門

選択(Selecting)

構築作業(Constructing)

変換(Transforms)

計測と計算

編集と再構築

視界と画像出力(Views and Image Exporting)

構築(Constructions)

はじめに/概要

以下の作業の後にKSEGの最も基本的な使用方法に慣れて、自分で遊べる様 になるだろう。より詳細な機能については、この文書をそのまま読もう。

  1. KSEGの起動しよう。すると、(ツールバー、スクロールバー、メニューや ステータスバーで囲まれている)スケッチウインドウがある真っ新な白い 画板が現われる
  2. 画板中で右ボタンをクリックすると点Aが出来る。
  3. 画板の異なった位置でSHIFTキーを押しながら右ボタンをクリックすれば、 点Bが出来る。SHIFTを押したままだと点Aは非選択にならないので、この操作 の後でも二点が選択されたままである。
  4. "New/Circle By Center And Point"(新規/中心と点による円)をメニュー から選ぼう。これで点Aを中心とし、点Bを通る円が出来上る。この円は 選択された状態で現われ、点AとBは非選択となる。
  5. 点Bの上で左ボタンをクリックして、それを選択しよう(これで円も選択 される)。それから、SHIFTを押しながら左ボタンを点Aの上でクリックし、 それを選択しよう。
  6. メニューから再度"New/Circle By Center And Point"(新規/中心と点 による円)を選択しよう。すると、点Bを中心とし、点Aを通る円が構築さ れる(何故なら最初に点Bを選択したからである)。
  7. SHIFTを押しながら、最初に生成した円をクリックして選択しよう。 そうすれば、両方の円が選択出来る。
  8. "New/Intersection Points"(新規/交点)をメニューから選ぼう。 二つの円の交わりで二つの点が現われ、それらの両方が選択されている。
  9. メニューから"New/Line"(新規/直線)を選ぼう。これで点Aと点Bの中点 を通る線分ABの垂線が構成される。
  10. それから、点Aを左マウスボタンを押しながら引き回そう。これで、KSEG で何が行えるかアイディアが得られるだろう。

勿論、これはKSEGで2等分垂線を構成する最も効率的な方法ではない(しかし、 コンパスと定規を用いた方法である)が、ここでの目的はどの様にして構築 や選択を行うかを示す事にある。



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入門

KSEGはコンパスと定規を用いた動的な属性を簡単に可視化し、幾何学の探究を 可能な限り素早く簡単に行う事を目的として設計された道具である。私が 座ってKSEGで遊べば殆ど何時でも、以前知らなかった幾何学的な性質を見付け る程である。

KSEGで画面上の最初の各点を動的に構築し、それから、それらを直線や円と 云った他の対象を構築する。それから構築した点を引き回して全体構成の 応答が見られる。勿論、KSEGではそれ以上のものがあるが、これが基本的な アイディアである。私はまたLaTeXで使う為に高品質の幾何学的図形を生成 するのに使っている。その一番簡単な方法はKSEGから.psファイルを生成して EPSファイルに変換し、それをXFIGで註釈を加えて、それからPS/LaTeX書式に 出力する事である。

言葉の問題:KSEGでマクロ風の文書型の参照や、相互に依存するかも しれない幾何学的対象の参照でも"Construction"(構築)を用いる。それは 通常、私が意味する文脈から明白なものだが、この文書では、私が文書型を 参照する場合、"Construction"(構築)を大文字とし、幾何学的対象を参照 する場合は小文字で"construction"(構築物)を用いる。

幾何学的対象(Geometric Objects)

点(Points)、直線(lines)、計測(measurements)、計算(calculation)、 軌跡(locus)等は全て"幾何学的対象(geometric objects)"である。幾何学的 対象はそれが依存する親(parent)となる幾何学的対象を持っているかもし れない。例えば、二つの点を構築してからそれらを通る直線を構築すれば、 それらの点は直線の親であり、直線はそれらの点の子(child)になる。 自由点を引き回せば、その子孫達全てが再計算される。親を持つ対象を 引き回す時(これは逆引き回し(reverse dragging)と呼ぶ)、複雑な アルゴリズムで、引き回した対象が望ましい動きをする様に、どの親を 動かすかを決める。

交差しない円の交点の様に、ある幾何学的対象が幾何学的意味で"非存在"で あるかもしれない。もし、両者がより接近するならば、再度、それらの点が 出現する。非存在の対象の子もまた非存在である(軌跡(locus)を例外とする。 詳細は以下の軌跡の文書を見よ)。もし貴方が、点を引き回して二つの線分が 交差しなくなって、突然、構築した対象の殆どが消えたとしても(消えた 対象は、その交点の子孫である)、心配しなくても良い。再び交差すれば 直ちに戻って来るだろう。



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選択(Selecting)

新しい対象を構築する為には、通常、存在するものを選択しなければなら ない。ここで、これを実行する為のオプションは:

一つ以上の対象が存在する個所でクリックする時にはより複雑になる (KSEGにとって、-- 勿論、貴方にとって、これは非常に初歩的なものに思え るだろう)。対象は選択"重要度(precedence)"を持つ。これは点が第一、 曲線、文字や軌跡(locus)が第二になり、充填された対象(filled object) が最後になる。もし、高い重要度を持った対象がマウスの下にあれば、 それよりも低い重要度の対象は無視される。同じ重要度であれば、複数回 クリックすれば、幾つかの選択可能なものを巡回する。クリックすれば、 何が起きたのかが判り易い位置にステータスバー(Status bar)が置かれ ている。

選択群(Selection Groups)

複数対象の選択でより強力な方法は、選択群(selection group)を使う事である。 選択群は、それらで選択作業が容易に行える様にKSEGに纏めた事を伝えた対象 の群である。"Edit/Selection Gtoups..."(編集/選択群)で、選択群の管理 ウインドウ(文書に対応している)が出る。それを開くと、組込の選択群も 含む文書で、全ての選択群の一覧ボックスが現われる。その組込の選択群は アスタリスク(*)で印が付いている。-- 全ての同じ型の対象を纏めて、 各対象の型に対して印がある。

selection group manager(選択群管理)の一覧で選択群(selection group)を 選択し、Select_(選択)ボタンを押した時、全ての群(group)の対象が選択され、 他の全ての対象は非選択となる。SHIFTキーを押しながら、Selection(選択) ボタンを押せば、その時点で選択されている対象を非選択にせずに、その群の 対象が選択される。Deselect(選択解除)ボタンをクリックすれば、その群の対象 だけ選択が解除される。少なくとも一つの選択された対象があれば、 New Group(新規群)ボタンが有効になる。それをクリックすれば、選択された 対象で構築された新しい群が生成される。組込の群を削除する事は出来ない。

Affect Invisible Items(不可視項目にも影響)チェックボックスは組込群 のみに影響する。チェックボックスに印を入れていない状態(デフォルト) であれば、"All Points"(全ての点)は非隠蔽の点のみを参照する。印が 入っていれば、"All Points"は隠蔽されている点も同様に参照する。 組込でない群は、隠蔽されたものも含めて、それらの中で、全ての対象を 常に選択/非選択とする。

(非組込の)群は、もしその項目が(直接的に、或いはundo(取消)を通じて) 削除されると空になるかもしれない。その様な群は負符号で印付けられている が、自動的に削除されない(何故なら、undo/redo(取消/再実行)がそれらの 群の中で対象を元に戻せる)。一方で、空の群は文書と一緒に保存されない。



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構築する事(Constructing)

新しい対象を構築すると、それが直ちに選択される。SHIFTキーを押しながら、 右マウスボタンをクリックすれば、選択された点を除く他の全ての対象が 非選択となる。

点(Points)

二種類の点、即ち、端点と中心点もある。端点を持たない線分や、中心点を 持たない円を既与物(Given)として持つ事が構築(Constructions)では非常 に便利である。線分、半直線(ray)や円弧の端点の構築では、それを選択して "New/Endpoint(s)"(新規/端点)をメニューから選ぶ。円や弧の中心点を構築 する為には、それを選択して"New/Center Point"(新規/中心点)を選ぶ。

線分(Segments)

線分を構築する唯一つの方法は、即ち、二つかそれ以上の点を選択し、 "New/Segment(s)"を選ぶ事である。もし、二つの点が選択されていれば、 一つの線分が構築される。もし、n>2個の点が選択されていれば、 n個の線分が構築される。

半直線(Rays)

直線

弧(Arcs)

弧は3点を選択して、"New/Arc By Three Points"(新規/3点による弧)をメニュー から選ぶ事だけで構築される。

軌跡(loci)

軌跡(locus)は曲線に沿って点("駆動部")が動くのにつれて、別の幾何学的 対象("被駆動"対象)が動く経路を表現する幾何学的対象である。軌跡を構築 する為には曲線上の点とその点の子孫を選択する。被駆動対象に点、曲線や 他の軌跡(但し、これは本当に遅い)でさえもあって良い。もし、被駆動対象が 非存在であったとしても、軌跡が存在し得る。何故なら、その駆動対象が 異った位置にあれば被駆動対象が存在するかもしれないからである。

例えば、Lを直線、AL上の点、BL 上にない点、そして、KAを通るABの垂線とする。 そこで、Kを被駆動対象、Aを駆動部とすると、Kが 描く軌跡の包絡は放物線になり、それはLに対して接線となる焦点 Bを持つ。

軌跡は幾何学的対象の無限集合なので、それをKSEGは正確に計算出来ない。 実際、検定によって軌跡を近似している。KSEGが特定の軌跡に対して行なう 検定数を変更出来る。軌跡上でダブルクリック、或いは、軌跡を選択し、 "Edit/Change Number Of Samples..."(編集/検定数を変更)を選択して行う。 特別なのは被駆動対象が点の場合である。この場合、KSEGは自動的に検定さ れた点を繋いで軌跡が滑かで正確になる様に、適合するアルゴリズムを即座 に用いる。ここで指定した検定数は実際に実行される検定数の単なる上限 となる。何故なら、アルゴリズムが軌跡を十分良いと判断すれば検定を停止 するかもしれない為である。これの適合するアルゴリズムにより、KSEGに 似たプログラムで生成されたものと比べて一般的に見栄えの良い軌跡が得 られる。

充填された対象(Filled Objects)

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変換(Transforms)

KSEGでは、幾つかのAffine変換を幾何学的対象に作用させる事が可能である。 "Transform/××"(変換/××)と云ったメニュー項目を使って変換を定義する 為、"××"に対応する幾つかの対象を選ぶのが一般的な手続である。それから、 変換する対象を選択して、Transform(変換)メニューから適切な作用を選ぶと、 選択された対象を変換した複製が生成される。以下が詳細である:

選択するもの:

現在選ばれている対象群は、何が変換されるのかが判る様に黄色で印が付け られている。もし、変換を実行して、黄色の印(美学的、或いは スナップショットの為、尚、それらは印刷時には現われない)を外したければ、 "Transform/Clear Chosen"(変換/選出を解除)を選ぶ。

比や角度について選ばれた計測や計算で対象が変換可能であれば、コンパス と定規を使って出来ない構築が簡単に生成出来る。これに注意を払っても 良いが、それはまた楽しい事でもある。ここで、例題のcoord.segファイルに KSEGで軌跡として助変数付き曲線のグラフの作り方を載せている。



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計測と計算(Measuring and Calculating)

KSEGを使って様々な幾何学的諸量の計算が可能で、その計測(measuring)を 用いて計算(calculating)も行なえる。全ての距離単位は画素で、角度は 度である。ここで計測可能なものは:

計算では幾つかの計量を組合せる事が可能である。計算を行う為には。 "Measure/Calculate..."(計測/計算...)をメニューから選ぶか、或いは 存在する計測の上でダブルクリックする。もしも、何も選択されずに計測や 計算が選択されていれば、メニューのオプションで"空"の計算を生成するが、 もし、計測や計算が選択されていれば、選択された物を参照した計算を行う。 ダブルクリックすれば、ダブルクリックした計測を参照した計算を行う。 その両方の場合で、計算編集ウインドウに計算したい公式を入れる事が出来る。 もし、既存の計算をダブルクリックすると、計算編集ウインドウが開かれて、 その計算を編集する事が出来る。

計算編集ではUndo(実行取消)のスタックはKSEGの残りの実行取消スタックとは 完全に分離したもので、計算編集ウインドウが閉じられると即座に失なわれる。

計算編集ウインドウの中で、数字、通常の算術演算を入力したり、根、羃 や商をツールバーから(或いは、ショートカットキーでCTRL+2、CTRL+6、 CTRL+/を使って)選択する事が可能である。以下の函数も利用可能である:

sqrt, log, exp, floor, ceil, fabs, sin, cos, tan, sinh, cosh, tanh, asin, acos, atan, asinh, acosh, atanh

Measurements/transform(計測/変換)では(単位系が)角度であったが、上述の 函数では弧度法で動作する事に注意せよ。私はこの問題が判っているが、 これを修正する唯一の合理的な方法は単位系を追加する事である。

最後に、計算編集が開いた状態で、KSEGの主ウインドウで、他の計測や 計算を左クリックして参照する事も可能である。編集中のものを参照する 計算を更に参照する事は許容されていない。

私がKSEGを使っていてあまり嬉しくない個所がこれである事を言わなければ ならない。何如なる単位も持っておらず、その計算も酷いものだ。 最後に、公式コードは醜く、そして遅い(その上、幾分虫だらけである)。



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編集と再拘束(Editing and Reconstraining)

見栄えの修正と札付け(Appearance Modification and Labels)

対象を(幾つか)選択して、目的に応じて"Edit/Color"(編集/色), "Edit/Linestyle"(編集/直線の書式),"Edit/Pointstyle"(編集/点の形)や "Edit/Font"(編集/フォント)をメニューから選んで、特定の描かれた幾何学 的対象を望む様に指定する事が可能である。対象を選択せずにこれらの メニューを選ぶと、その後の構築された対象のデフォルトの見栄え (Appearance)となる。色、フォント等はツールバーでは利用出来ないが、 これらのメニューの一番上にある破線をクリックして、そのメニューを 外して、ツールバーを使うのと同じ様に出来る。

点と様々な曲線は札(label)を持っており、それは対象を選択したり、 "Edit/Show Label(s)"(編集/札を見せる)を選ぶと表示される)(それらは (デフォルトでは見えない)。対象を選択したり、"Edit/Change Label" (編集/札の変更)をメニューから選んだり、もし、見えているのであれば、 それをダブルクリックする事で修正が可能である。もし、貴方がどの様に するのか描写出来るのであれば :-)、他の事項と同様に、札に上寄せ書き (superscript)や下寄せ書き(subscript)をする事が出来る。札が参照する 対象に対応する様に、札を引っぱって動かす事が出来る。

再拘束(Reconstraining)

面倒な構築物に半時間以上も費やしたり、その上、出鼻から小さな間違いを しでかしていた事を見付ける事程欲求不満の溜る事は無い。KSEGの再構築 機構で、往々にしてそれを簡単に修正が行える様になる。点を再拘束する為 には、CTRLを押して点を左マウスボタンを押しながら点を引っ張って、 それを再拘束したい対象に落す。

例えば、三角形ABCを構築したとしよう。そして、未に見付かって いない中心点を長らく構築し、それから、ABCが二等辺三角形 (isosceles)の時に、その挙動を調べる事にしたとしよう。AB=BC にする為、中心点をBAを通る円を構成する。 それから、CTRLを押したまま、点Cをその円に左マウスボタンを押し ながら引っ張って行く。マウスボタンを離すと、Cがその円周上にある かの様に拘束されるので、ABCは二等辺三角形となる。もし、再度 ABCを任意にする事に決めたのであれば、CTRLを押しながら、円周の Cを左ボタンを押しながら引っ張ってし、それを空いた場所に落せば 良い。

だから:

この全ては勿論、CTRL+Z("Edit/Undo"(編集/元に戻す))で取り消す事が可能 である。ステータスバーには、点を落すと何が生じたかが判る様になっている。

時々、望む再拘束をKSEGが実行しない事がある。これにはちゃんとした理由 がある(虫の所為かもしれないが):点を自分の子孫の一つに再拘束する事は 出来ない。駆動に関する軌跡で被駆動点の依存性を壊す場合、その点の 再拘束は出来ない(又、ある軌跡の駆動点を再拘束する事も決して出来ない)。 最後に、構築には複雑な規則があり、それは、構築を再拘束でぐじゃぐじゃ にならない事を保証しようとするものである。例えば、"既与"(Given)の 点を"最後の"(Final)曲線に再拘束する事は出来ない。もし、KSEGが構築を 無効にする再拘束が実行出来たなら、どうか、私に報せて欲しい



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Views and Image Exporting

視界合せと拡大・縮小(View Panning and Zooming)

貴方の構築物がより良い見栄えになる様に、KSEGは拡大や縮小、移動が行える。 拡大・縮小を行うには"View/Zoom"(視界/拡大・縮小)を選ぶ。マウスカーソル が虫眼鏡に変化する(スケッチ領域の上にある時)。左マウスボタンを押しなが ら上にマウスを引っ張れば拡大、下に引っ張れば縮小になる。拡大・縮小は マウスボタンが押された点の回りで行う。マウスボタンを離した後には、 マウスカーソルは通常の矢印に戻る。現時点の拡大率は常にステータスバー に表示される。拡大・縮小の無効性に注意しよう。点、直線の厚さやフォント の様な物では大きさが変らない。全体描画(pan)は拡大・縮小と同様の方法で 行なわれる。つまり、"View/Pan"(視界/全体描画)を選び、左マウスボタンを 押しながら引き回す。その代りに、メニューに行かずに全体描画が行える。 それは、マウスの中ボタンを押しながらマウスを引っ張る事である。

もし、"View/Zoom To Fit"(視界/視野に合せる)を選ぶと、KSEGは自動的に 全体描画と拡大・縮小を行なって、視野に嵌る様にする。もし、 "View/Original Zoom(100%)"(視界/元の大きさ(100%))を選べば、KSEGは 拡大率を100%にして、原点に画像を戻す。

複数視界(Multiple Views)

現在の文書の(別のウインドウで)別の視界を生成する為には、 "View/New View"(視界/新しい視界)に行く。新しいウインドウが現われる。 一つの視界での枠合せと拡大縮小は他の視界に影響を及ぼさないが、文書 の修正や対象の選択は、その文書全ての視界に反映される。だから、もし、 ある視界で一つの点を引き回すと、全ての視界でその反応を見る事になる。 例えば、スケッチの小さな部分で作業を行う(或いは拡大された視界で綺麗 な動きにする)為に、異なった視界でスケッチ全体への影響が同時に見られる 様に視界が使える

画像出力

現在の視野に含まれる物を(幾つかの一般的な書式で)画像ファイルに出力する 事が可能である。これを行うには、"File/Export to Image..." (ファイル/画像出力)を選ぶ。ダイアログが現われて、ファイル書式と画像を "高画質(High Quality)"にするかどうかが選べる。OKをクリックして、 ダイアログに現われたファイル名を選ぶ。画像の次元は現在の視野の次元 となる。

もし、"高画質画像(High Quality Image)"を選択すると、KSEGでは出力に 時間が掛るが、その画像はアンチエイリアスされたもので、subpixel精度で 描かれたものになる。このオプションはWeb向けの画像を作るのには非常に 素晴しいが、もし、それを印刷すれば酷い見栄えになるかもしれない (低品質版以下よりも悪い)。又、白黒画像に出力するのであれば、高画質 設定は使わない -- それは醜く見える(而し、グレイスケールは良い)。 低画質モードを使う事がより"安全"である。何故なら、出力された画像は 正確に画面に表示されているものそのものだからである。



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構築(Constructions)

構築(Construction)は恐らくKSEGで最も強力な機能である。構成は通常の KSEGのスケッチに似ているが、他のKSEGスケッチ(或いは構成)に引き戻せる 事が異なる。最初に簡単な例を:

円周の例題を一巡り

ここでは、例題構築circumcircle.secの構成を通して、各々の段階の意味を 説明しよう。この構築は与えられた3点から円を構築するものである。

  1. 新しい構築を"File/New Construction"(ファイル/新しい構築)で 生成する。
  2. 3点A,BとCを構築する。これらの点はその構築に与えられたものを 表現する。
  3. A,BとCを選択して、それらを"Construction/Make Given" (構築/既与のものにする)で"既与のもの(Given)"にする。これでKSEGは これらの点が再生された時に、構築で既与のものである事を認識する。
  4. 線分ABとBC、それらの中点D,Eを構築する。
  5. Dを通るABの垂線とEを通るBCの垂線を構築する。それらの交点Fを 構築する。これは三角形ABCの外接円の中心(circumcenter)となる。
  6. そうして、中心点をFとし点Aを通過する円を構築する。これが欲し かった外接円である。
  7. そして、外接円を除く全ての対象と与えられたものの3点を選択して、 それらを隠す為に"Edit/Hide Objects"(編集/対象を隠す)を選ぶ。 これを実行するのは、構築の再生の時に中間生成の対象でごたついている 様子を画面で見たくないからである。ここでは、外接円だけが欲しいの だから。
  8. これこれ!新しいスケッチを("File/New Sketch"(ファイル/新規スケッチ) で生成して3点をスケッチで構築、それらを 選択して"Play/Untitled" (再生/名称未定)を選択して、その構築を検査する(構築を保存していない ものとする)。魔法の様に外接円が現われるだろう!

非再帰的構築(Non-Recursive Constructions)

構築の威力の殆どは再帰性が使える事によるものである。ここで、非再帰的 構築は非常に単純である。前節の外接円の例題では、知るべき事の殆ど全てを 網羅している。ここではもう少し詳細を述べる(再帰的構築でも同様である)。

再帰的構築(Recursive Constructions)

構築を用いる最も凄い方法は再帰的にする事である。こうして構築を何度も 繰返せば、フラクタルが構築出来る。単純な例題として、fractix.secを 参照されたい(短い線分と30階の再帰を用いている)。(複数の再帰的な分枝を 持つ)より複雑なものは、フラクタルを構築するdragon.secを参照されたい。

ループ"対象"が挿入された構築は再帰的になる(ループ対象は本当に幾何学的 な対象ではなく、それらはそうであるかの様に振舞う)。ループを挿入する為 には、既与のものに適合する対象を選択し、"Construction/Recurse" (構築/再帰)をメニューから選ぶ。ループは結局のところ、KSEGにその構築 で他の手順が実行される事を伝える。ループが指定された時点で選択されて いる対象から開始して、構築を再帰的に繰返す。勿論、KSEGは無限にこれを 繰返さない。ここで、再帰的構築を再生する時、KSEGは最大の再帰性深度を 尋ねる。次の事に注意しよう。つまり、構築で一つ以上のループがあれば、 KSEGが構築しなければならない対象の数が最大再帰深度の指数となる。即ち、 言い換えてしまえば、再帰深度は小さく保つべきである。私の古い350mHzの システムで、KSEGは100,00個の対象を快適に扱える。ともあれ、これは私が 考察するものに関しては十分だろう。

ループを挿入すると直ちに、既与の対象の集合が固定される事を忘れない事 (既与のものを新しい対象として刻印したり、現時点での既与の対象を通常 のもの(normal)にする事は出来ず、全ての既与の対象を削除すると全ての ループ等を削除する)。これはループが無効になる事を防ぐ為である。 与えられたものの対象の集合を変更する為には、先ず最初にループを削除せよ。

再帰的構築で対象を"最終(Final)"や"初期(Initial)"にする事も可能である。 最終対象は直接的である:それらは最大再帰深度のみで構築される。 これは、多くの物にとって、殊に、最高水準の詳細のみを見せる フラクタルでは便利である。具体的にはdragon.secやsierp2.secを参照さ れたい。最終対象の子供は最大再帰深度のみで構築も可能である。 それらは構築表(Construction list)で"(final")と印が付いている。

初期(Initial)対象は複雑である。即ち、それは"より進んだ"機能である。 それは全てが強力ではないが、時には説明するのが本当に難しいものだが、 十分に奇抜な効果を持つ。初期対象はただ一度だけ構築される(再帰深度 の上の水準で)。それらの親が初期(或いは、暗喩的に初期)であれば、 暗喩的に初期になり、構築表で"(initial)"と刻印される。これを良く図示 したものとしてはsierp.secを参照されたい:最初にそれをさらりと流す (最も大きな三角形の辺が一度だけ構成される事に注意されたい)、それから、 点Pを初期線分(Initial segment)に構築して、(Pから既与の点への)線分PC を構築する。それを再び巻戻して、その効果を観察する。初期対象は (kuch.secの場合の様に)メモリやそれらの効果を保持する為に使える。

再帰的構成では、最終/既与/初期(Final/Given/Initial)対象を扱う時に、 親として最終対象を持つ初期や既与対象の様な無効、或いは意味の無い構成 とならない様にKSEGは最善を尽す。それで行なっている事は自明な事では無い かもしれないが、通常は正しい事である(もし、貴方がそうでない場合を見付 ければ、どうか私に、その無効な構築とそれが無効になる行為の詳細を添付し た電子メイルを送って下さい)。



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Ilya Baran

ibaran@mit.edu

http://www.mit.edu/~ibaran/


Ponpoko
Last modified: Sat Feb 5 11:18:04 JST 2005