どうしても届かないNBAチャンピオン

 あと少しというところまで行きながら、どうしても優勝できない選手がいる。実力的には文句のない一流選手、チームも優勝争いができるくらいに成長し、その熱意もまた一流。それでも優勝できない。シカゴブルズが全盛期を迎えた91年シーズンから03年シーズンまで13年の間に優勝できたのはわずか5チームである。

なんといってもまず、マイケルジョーダン率いるシカゴブルズが絶対に超えられない壁として立ちはだかっていた。スコティピペンホーレスグラントらを中心としたブルズはスリーピートを達成する。しかし、そのブルズも優勝までの道のりは厳しかった。マイケルジョーダンは優勝するのに7年かかり、そこまでの6年をことごとくラリーバード率いるセルティックスとアイザイヤトーマスが率いていると言われたバッドボーイズに阻まれていたのである。

そしてジョーダンが引退し、だれもが今年こそと優勝を目指すが、ここにまた新たなチームが君臨した。それは、アキームオラジュワン率いるヒューストンロケッツである。アキームオラジュワンはドリームムーブと呼ばれるスピンムーブで相手を翻弄。NBAで一流と呼ばれるセンター陣、デビッドロビンソンシャキールオニールパトリックユーイングらをことごとく粉砕。2連覇を果たし、世界一のセンターの称号を定着させた。

 その後、現役復帰したマイケルジョーダンによってブルズは2度目のスリーピートを達成する。その1年目はなんとレギュラーシーズン7210敗という圧倒的なものであった。

マイケルジョーダン2度目の引退後、ロックアウトの影響により期間の短縮されたシーズンを制したのはデビットロビンソン率いるサンアントニオスパーズであった。ロビンソンは勝負弱さを指摘されていたが、若いティムダンカンの力を得てツインタワーとして君臨。みごとプレッシャーをはねのけ優勝を手にした。また、その4年後のシーズンにはすっかりNBA屈指のビックマンに成長したティムダンカンを中心として宿敵レイカーズを破り優勝。ロビンソンは2度目の優勝を手にし、引退していった。

ブルズ以来の連覇を果たしたのは復活した名門、ロサンゼルスレイカーズである。圧倒的なNO1センターに成長したシャキールオニールと抜群の勝負強さを誇るコービーブライアントのコンビはプレイオフになるとより一層強さを増し、スパーズ、キングス、ブレイザーズといった強豪を次々と撃破し、黄金時代を築いた。

 後1歩まで行きながら優勝できない選手達を紹介しよう。

 まずは記憶に新しいユタジャズのカールマローンジョンストックトンである。ファイナルにもなかなか進めなかったが97年にカールマローンのMVP獲得とともについにファイナル進出。しかしブルズに敗退。翌98年、ホームタウンアドバンテージを手に入れ再びファイナルでブルズと戦うがリベンジはならなかった。

 チャールズバークリーも最後は優勝するために金はいらないとまで言ってロケッツで奮闘した。その最大のチャンスは、93年にフェニックスサンズの一員としてブルズとファイナルで対戦した時である。この時はアウェイで2勝を奪うもホームで3敗し、敗退している。

 パトリックユーイング率いるニューヨークニックスはジョーダンの居なくなったイースタンカンファレンスをインディアナペイサーズとの接線を制し、ついに制覇。ファイナルではロケッツに第7戦までもつれる熱戦を繰り広げるが敗退した。

 インディアナペイサーズのレジーミラーは土壇場の勝負強さで何回もチームの危機を救い、最高のまとまりをみせるチームでプレイオフの常連に。94年にはカンファレンスファイナルまでたどり着くもユーイング率いるニックスに7戦までもつれた末に敗退。続く95年にもカンファレンスファイナルまで進むがシャックペニーのオーランドマジックにまたも7戦までもつれた末に敗退。そして、98年には同じくカンファレンスファイナルまで進むもシカゴブルズ相手に7戦までもつれた末に僅差で敗れた。そんな中、2000年シーズンには念願のファイナル進出を果たす。しかし、レイカーズとのファイナル、ホームでの第4戦を延長戦の末落とすと、42敗で敗れ去った。

 ジェイソンキッド率いるニュージャージーネッツはそのアップテンポな試合運びで強豪の仲間入りを果たし、ファイナルに進出を果たすもレイカーズやスパーズに敗れ去っている。

 アレンアイバーソン率いる76er’sラリーブラウンの手腕により、強豪復活を果たすもファイナルでレイカーズに敗れている。

 ほかには、

ゲイリーペイトンショーンケンプのシアトルスーパーソニックス。(96年)

などがある。