言われ続けたネクストジョーダン
ネクストジョーダンとはジョーダンがチャンピオンになり、ベテランの領域にはいってからずっと言われ続けたことである。99年にジョーダンの引退した時、ロックアウトの影響で落ち込んだ人気再獲得のためにネクストジョーダンの誕生は急務になっていた。能力的にも資質的にも一流にふさわしい選手ばかりだが、ジョーダンの領域にたどりつけないその原因は、ジョーダンの集中力による勝負強さ、エースとしての絶対的な強さと信頼感、チームを成長させ率いたリーダーシップであると思われる。もちろんチームの方針や方向性によりなかなかその能力を十二分に発揮できない選手もいる。
ではネクストジョーダンと言われた選手のうち、自分の独断と偏見によって何人かを紹介したい。
アンファニー・ハーダウェイ
ドラフト3位指名でNBAに入団すると、1年目からシャキールオニールとともにマジックを牽引。そのオールラウンドなプレイと大型PGはむしろネクストマジックと呼ばれた。しかしその後、怪我が再発すると十分に完治せず、才能を十分に発揮できていない。サンズ、ニックスにて再起を図るも完全には全盛期の姿を取り戻していない。
グラント・ヒル
ドラフト3位指名にてNBA入り、当時バッドボーイズの悪いイメージが強かったピストンズにとって、ヒルは好青年であり、チームの印象を良くするためにも最適なキャラクターと見られていた。入団当時からチームの中心として、1番(PG)から4番(PF)をこなし、完全にヒル中心のチーム作りがなされた。しかし、チームがプレイオフ一回戦敗退の状態から脱却できず、チームは改革を断行。ヒルは足の怪我と同時にマジックに移籍した。
しかし、この足の怪我が悪化。3年間で4度の手術をするも完治せず、引退もささやかれたが、2004年に復帰。元気にプレイしている。
エディー・ジョーンズ
94年NBAドラフト、10位指名にてレイカーズに入団。当時ディフェンスには定評があるものの、まだまだオフェンスには改善の余地ありと言われていた。しかし、類まれな運動神経からオフェンス能力をどんどん開花させ、またその寡黙で真面目な姿からレイカーズファンにも愛されていた。その後、コービーブライアントの入団により、互いに切磋琢磨しながら成長するもポジションが重なるため、ゲーム内で二人が同時に100%の力を発揮することがなかなか出来なかった。
その後、チームがコービーブライアントとシャキールオニールを中心としたチーム作りを始めると、エディーはホーネッツにトレードされた。ホーネッツでは真のスーパースターとして成長することを期待され、スコアリングリーダーとしてチームを引っ張る。またファンから愛されたエディーはオールスターにも選出され、オールスターではコービーブライアントとマッチアップし、その旧師弟、ライバル対決にファンは感動した。
その後、パットライリーに見込まれ、ジャマールマッシュバーンとのトレードにてヒートに移籍。オフェンスの第1オプションから第3オプションとなり、スコアリングアベレージを落とす。現在は世代交代を図るチームのベテランとしてチームを支えている。
ブレント・バリー
95年ドラフト、15位指名にてクリッパーズに入団。往年の名プレーヤーの一人である、リックバリーの子供として入団当初から注目されるが、実力が注目されたのはオールスターダンクコンテストで優勝してからである。当時白人でありながら、フリースローラインからダンクシュートを決めた抜群の運動神経で、全米中のNBAファンの注目を集めた。
しかし、その後ヒートに移籍、また翌年にはジョーダンの後釜として期待されブルズに移籍、期待されるもパスをさばき、無理なカットインをしないバリーにスコアリングを期待していた両チームは結局バリーを放出する。バリーが存在価値を見出したのは、ソニックスに移籍し、ペイトンの補佐役として、PG的な役割を担ったころからだろう。もともと非凡なパスセンスに加え、高い決定率を誇る3ポイントシュートを武器にどのチームも欲しがるチームプレーとなった。現在は優勝候補の一角であるスパーズの一員としてNBA優勝のタイトルを目指している。
他にも
コービー・ブライアント ティム・ダンカン
ティム・ハーダウェイ キース・バン・ホーン
アラン・ヒューストン ジュワン・ハワード
アントワン・ウォーカー アレン・アイバーソン
グレン・ライス グレン・ロビンソン
シャリーフ・アブドゥル=ラヒム ケビン・ガーネット
ジェイソン・キッド アントニオ・マクダイス
シャキール・オニール ラシード・ウォーレス
ゲイリー・ペイトン ステフォン・マーブリー
クリス・ウェバー ビン・ベイカー
などがネクストジョーダンの可能性を秘めていると言われていたが、これだけいるってことはそれだけ飛びぬけた選手がいないということだと思われる。
現在のNBAはレイカーズやスパーズ、ピストンズなどの新しいチームの躍進により、ジョーダンの系譜を引き継がない新しいNBAの世界となったと言えるだろう。
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