新選組の軌跡を辿る旅

 

試衛館まつり in 薬王寺・柳町七夕まつり    2005年7月3日  (ブログ記事を一部修正)

七夕まつりに合わせて試衛館まつりが開催されると聞いて、行ってきました。
あの試衛館があった、市谷柳町です。(*^^*)

実は新選組にはまった頃、JRとお堀を挟んだ市ヶ谷の向こう側の学校に、私は通っていたんですよねぇ。
でも当時は小石川柳町だとか、試衛館の場所にいろいろ説があって、はっきりしていなかったんです。
なんだ、こんなに近かったんだ。
市ヶ谷〜神楽坂なんて結構うろうろしてたし、知っていれば、毎日放課後に足を延ばして寄ってたよ。(笑)


本日の目的は、柳町薬王寺ギャラリーの展示と新選組パレード、そして試衛館跡に行くことです。
時折ぽつぽつと雨が落ちつつも、なんとかお天気がもって良かった。

市谷柳町に着いて、パレードにはまだ間があるので、先にギャラリーにお邪魔しました。
会場はどこだろうとキョロキョロしていたら、階段を下りてくるだんだら羽織の一団が。(爆)
ここだ〜。
だんだら羽織の皆さんとすれ違う時、こっちの方がなんか照れちゃった。
だって皆さん、もうすっかりなりきっちゃってるんだもの。
でも、こういうノリは好きですよ。
私ももう10歳若かったら、どこかの同好会に所属してたかも。(笑)


さて、柳町薬王寺ギャラリーでの展示。
やっぱり一番の感動は、「今昔備忘記」を見せていただけたことでしょう。
まさか、中を開いて展示してあるとは思いませんでした。
だって「不許他見」、門外不出の佐藤家家伝。彦五郎長男俊宣(源之助)が書いた覚書ですもの。

公開されていたのは、慶応3年春、土方歳三が隊士募集のため江戸へ下った折り、日野の佐藤家へ立ち寄った時のこと。
源之助が披露した操銃術にいたく感心した歳三が、是非源之助を京へ連れて行きたいと言い出したところ、彦五郎は乗り気だったけれど、のぶが猛反対して、結局その話は流れてしまった・・・という記述でした。
そのやり取りが目に見えるようで、のぶさんの人柄、母親としての溢れんばかりの愛情が読み取れて、感動しました。
その後歳三は江戸に戻り、“柳町”に宿泊。この“柳町”が試衛館のことだったんですね。
この頁を見せていただけて、本当に良かった。

さらに嬉しいお知らせは、この「今昔備忘記」が、秋に新人物往来社から発売される「新選組史料集」に収録されるとのこと。
佐藤家の方々のご決断に感謝です。すごく楽しみ♪
そういえば、パレードを見ようと外で待機していたら、佐藤福子さんをお見かけしました。
黒の薄物をお召しで、相変わらず素敵だなぁと遠くから拝見してました。
いつもお着物をみごとに着こなして、凛としていらっしゃるんですよねぇ。
「今昔備忘記」を見せていただけたお礼を、一言だけでもお伝えできたらと思いましたが、お話し中だったので諦めました。


ギャラリーの展示、もう一つの目玉は「新選組!」で藤原竜也くんが着用していた、総司の池田屋喀血時の羽織でしたが、我が家はこれ、昨年玉造の新選組水戸派史料館へ行った時に、既に見ているんですよね。
だからそんなに感動は無かったのですが、改めて見て、生地が薄いな〜という印象でした。

他には、歳三の兄喜六さんの直筆ではないかという、土方家石田散薬に関する史料。
市谷柳町や甲良屋敷についての史料や説明は、とても興味深いものでした。
今まで古地図を見ていて、試衛館が甲良屋敷というところにあったというのが、よくわからなくて、すごく不思議だったんですよね。
屋敷の中になぜ市民が住んでいて、なぜ個人の道場が?・・・と。
その謎が一気に解けました。
この地域を所有していた甲良家は地貸しを許されていて、町人たちを住まわせていた。
そこを“甲良屋敷”と呼び、町奉行が支配していたのだそうです。
詳しい史料とわかりやすい説明に、今回の展示を手掛けられた、あさくらゆうさんのご尽力に頭が下がりました。

帰りに、そのあさくらさんの書かれた、「試衛館史留越図」と「新選組読本〜隊士外伝」を購入。
それから、ミニパンフレット「新選組と流山ガイド」もいただいてきました。
夏休みに流山に行く時のガイドブックにさせていただこう。(*^^*)
ブログでお世話になっている「日野宿本陣文書検討会」のMUNN様にもご挨拶できて、嬉しかったです。


ギャラリーの展示を見終わって、まだパレードには時間があったので、試衛館跡を見に行きました。
細い坂道を上っていったところ。知らなければ絶対に通り過ぎてしまうようなところに、小さな駐車場と「試衛館跡」の標柱、奥にお稲荷さんがありました。
門前町の静けさと、商家の並ぶ賑やかさが同居したという、町の雑多な雰囲気が感じられるよう。
試衛館の面々もたぶん手を合わせたであろうお稲荷さんに手を合わせて、「来ましたよ」とご報告。
当時は、荒々しい稽古の声や音が、この辺りに響きわたっていたのでしょうか。


いよいよ外苑東通りが歩行者天国になって、「新選組!」のメインテーマが流れ始めました。
音が割れているのが、ちょっと惜しいな〜。
新選組パレードは、信号3つ分の商店街を往復して練り歩きます。
途中、3ヶ所で殺陣を披露してくれるとのこと。
不逞浪士の皆さんが、待機しているのが可笑しい。

新選組のパレードを見たのは初めてでしたが、殺陣がちょっとしたドラマ仕立てになっているんですね。
最初は、浪士たちが一人の娘に絡んでいるところへ、近藤・土方たちが通りかかり、持っていた木刀で浪士たちをやっつけるというもの。
これはきっと、江戸の町なんだろうな。
2回目は、近藤たちも羽織を着て、襲ってきた浪士たちに今度は刀で応戦します。
これは浪士組の頃?
そして最後は新選組の隊服に身を包んで、巡察中に浪士が襲ってきた設定でしょうか。
最後の殺陣が一番本格的でした。鉄砲で撃たれる隊士もいたりして。

3ヶ所すべて殺陣が違うとわかって、思わずパレードに並走する家族。
馬鹿ですね〜。(笑)
息子は「かっこいい」を連発してました。
私は、昔文化祭の時によく味わった、わくわく感を覚えたかなぁ。
とにかく楽しかったです。
来年は、ひの新選組まつりに行こうか・・・なんて話してました。


今回、急遽行くことに決めましたが、本当に行って良かった。
こうして所縁の地を訪れるたびに知識も増えて、私の中で土方さんたちが、どんどんリアルになっていくんですよね。
ギャラリーの中で伺いましたが、外苑東通りに拡張の計画があるとか。
試衛館跡には直接の影響は無いようですが、町の様子は変わってしまうかもしれませんね。
今の雰囲気が残っていってほしいなぁなどと思いつつ、パレードが終わり、お腹も空いてきたので、市谷柳町を後にしました。

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