アワビの家 東京都渋谷区恵比寿
アワビの家1
▲アワビの家(昭和62年撮影)。
 さて今回は、往年の人気番組(?)『タモリ倶楽部の東京トワイライトゾーン』プレイバック第二弾!
 かつて渋谷区恵比寿に存在しましたアワビの家です。

 アップの写真が残っていないのが残念ですが、この家のウリは通りに面した壁面。サザエやアワビの貝殻から、植物が植えられている植木鉢まで、とにかく何でもかんでも壁に塗り込めてしまうのがこの家のご主人の作風だったようです。
 不思議なのはその壁の隣に存在するレンガ造りの煙突。高さが二階の窓よりも低い。ここで煙を出したら窓から室内に入り込んでしまうんじゃないのか?

 お次は駐車場の入口をご覧ください。昔風の書体でちょっと読みにくいのですが、よく眺めてみますと…

大型車出入注意
「出入注意」なんだろうなぁ… しかしこの駐車場、そんなに頻繁に大型車が出入りしてたのか?

 ま、不思議に思うことは誰でも同じだったみたいで、単行本『東京トワイライトゾーン』(日之出出版)によると、タモリ氏たちもこれらの謎については、家の人に尋ねてみたらしいですね。

アワビの家2 駐車場入り口アップ
 結局、煙突に関しては、取材当時すでに亡くなられていたご主人が、「当時そこ(大連)にあった物を真似て作ったもので、今は使っていない。でも、かつて使っていたときは、レンガの中にもう一本の細い煙突を通して、それが屋根の上にまで出ていたという(『東京トワイライトゾーン』より引用)」だそうです。

 残念ながらこの物件も現存しません。もっとも現存していないからこそ、個人のお宅を堂々と紹介できるというもんですが…
 私たちは「レンガ煙突の家」なんてダサい名前で呼んでいたこの物件。TVで紹介された時には、プロのネーミングのセンスに感心したもんです。

(2001.3.25記)