14号棟・黒電話
▲14号棟・室内。
 14号棟の室内には黒電話が残っていた。
 私たちは電電公社の黒電話に馴染みのある年齢だが、この電話機は私たちの記憶にあるものよりさらにひと世代古い。丸みのあるデザインで今見るとこちらの方が垢抜けて見える。

 昭和49年の片寄俊秀氏のレポート『軍艦島の生活環境』によると、端島に公衆電話が架設されたのは昭和22年である。また、閉山直前の昭和46年の加入状況は29回線で、同論文によるとその時の島内人口は2,732人だというから、島の電話は非常に貴重なものだったようだ。

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