前兆(36.5〜35度) 意識は正常。手の細かい複雑な動きができない。 さむけ、ふるえがはじまる。 軽症(35〜33度) 無関心状態、すぐ眠る。歩行よろめく。口ごもる話しぶり。 ふるえ最大。 (協力的にみえて協力的でない。まともそうに見えてまとも でない。) 中等症(33〜30度) 33〜32度 会話がのろい。閉じこもる。逆行性健忘。意思不明。運動失調。 31〜30度 錯乱状態。支離滅裂。しだいに応答しなくなる。 震え停止。歩行や起立は不可能。 重症(30度以下) 30〜28度 半昏睡状態。瞳孔散大。心拍、脈拍微弱。呼吸数は半分以下。 28〜25度 昏睡状態。心室細動。 25度以下 腱反射消失。仮死状態。 20度以下 脳波消失。心停止。 16度 救命しえた成人の偶発性低体温症の最低体温。 15.2度 救命しえた新生児の偶発性低体温症の最低体温(66分間水没し ていた)。 ノルウェーでは1974年、40分水没、救出時体温24度で蘇生、 3日後、全く障害を残さずに回復した5才の少年がいる。 Cf) 30歩まっすぐ歩けなかったら35度以下 ふるえがなくなったらかなり重症 |
腋(わき)やそけい部を暖める方法は医療の現場で、加温点滴とともによく使われ ます。それは、流れが遅い静脈の血を暖めるので体表から中心加温でき、アフタ ードロップ(冷たい血液の戻りによる中心体温の低下)の危険が少ないからです。 湯たんぽは二重にしたビニール袋に熱湯を浸したタオルを入れ、乾いたタオルで くるむとをつくれます。 |
中心体温30度以下では意識はなく、呼吸も弱く、脈も微弱という状態です。悪天 候時、特に北海道の山の中でこのレベルでの搬出はかなり困難です。ヘリコプタ ーは飛ばないし、陸路での搬送にも危険が伴うからです。助けられるのは現地に いる人だけです。ためらうことなく、小屋とかテント、最低でもツェルトに収容 して適切な処置をしましょう。 |
分類 | 加温方法 | 加温効果など | |
受動的加温法 (保温) |
低温環境の改善 毛布などによる被覆 |
0.1〜0.7℃/時、保温のみで対 処できるのは体温32〜33度以上 | |
積 極 的 加 温 法 |
表面加温 | 加温浴 | 5〜7℃/時、モニターが困難 |
電気毛布 ウォーミングマットレス 赤外線ランプ |
1〜4℃/時、表面加温する場 合は中心加温を併用する必要が ある(注2) | ||
中心加温 |
加温輸液、輸血(43℃) 温水による胃洗浄 温水による注腸 温水による膀胱洗浄 加温加湿酸素吸入(42〜46℃) 温水による腹膜灌流(42〜44℃) 温水による胸腔洗浄(42〜44℃) 心筋加温(開胸時) |
1.5〜2℃/時、 低体温症では寒冷利尿によって 循環血液量が減少しているた め、加温輸液は必須である | |
血液透析 体外循環(PCPS)−(注1) |
3〜15℃/時、今までダメだっ た症例の社会復帰例が散見 |
風速(m/秒) | 体感気温(℃) | ||||
0.0 | 10.0 | 4.4 | -1.1 | -6.7 | -12.2 |
2.2 | 8.9 | 2.8 | -2.8 | -8.9 | -14.4 |
4.5 | 4.4 | -2.2 | -8.9 | -15.6 | -22.8 |
6.7 | 2.2 | -5.6 | -12.8 | -20.6 | -27.8 |
8.9 | 0.0 | -7.8 | -15.6 | -23.3 | -31.7 |
11.2 | -1.1 | -8.9 | -17.8 | -26.1 | -33.9 |
13.4 | -2.2 | -10.6 | -18.9 | -27.8 | -36.1 |
15.6 | -2.8 | -11.7 | -20.0 | -29.4 | -37.2 |