1999.08.04 白雲岳−黒岳縦走


メンバー 夫婦二人
天候   快晴

 コースタイム要約 7:10登山開始、10:00赤岳、11:07白雲分岐、11:30頃白雲山頂、12:04白雲分岐、13:07北海岳着、休憩20分、15:25黒岳山頂、16:09七合目駅

 3:30 釧路発。6:50銀泉台着。当初の予定は白雲岳への往復。
 7:10 登山届けをして出発・・・、と思ったら、いきなり変な?おばさんに声をかけられ、「シャケをもらって!!」と渡された。最初は林道、林道をはずれると少し急な登り、そのあとは泥の道。ここで会ったちっちゃな子連れ一行は白雲の避難小屋に止まるのだという。すでに子供がしゃがみ込んで動かない様子。
 高度が増してくると雪渓がでてくる。二度の雪渓のぼりは少しハード。そのあとガレの急登を経たあたりで軽食。おにぎりとさっきいただいたシャケがGood!!。
 10:00 赤岳山頂着。このペースなら白雲まで行って楽に帰って来れる。何せ快晴で暑いはずなのだが、雪渓をわたる風が涼しく、疲労感はあまりない。ここで一緒になった50くらいの夫婦に、見えている雄阿寒、雌阿寒などを教え、ここから戻ると聞いて、もったいないから白雲までいくことを勧めた。
 20分ほどで小泉岳山頂。なるほど何もないただの小高い丘だ。分岐標識がなければここが名前のある山の山頂だとは思わない。そういえば赤岳も山頂といわれるところには大きな岩が並んでいるだけで山頂という印象はうすい。とにかく意外なほど小泉岳の眺望はいい。ここからトムラウシや十勝連峰がみえている。詳しい人に見えている山の名前を教えてもらった。
 11:07 白雲分岐着。ここで最初に会った老夫婦が「素晴らしい。降りてくるのが嫌になるほど素晴らしい眺めだった。」と感動を伝えてくれた。もう一組、若い二人は、黒岳方面から赤石川を渡ってきており、水深が膝下までひいていることを教えてくれた。

 11:30頃 白雲山頂着側。あまりの感動に時間を記録し忘れた。名前に似合わない男性的なこの山は大雪山系にあってもはっきりと「山」であり、360°の絶景が楽しめる。この日は快晴で適度に雲があり、写真の好きな人にはたまらない光景がひろがっていた。雄阿寒、雌阿寒など道東の山、おとなりのニペソツ、石狩山系やトムラウシ、十勝連峰、さらには日高の山並みや夕張山系、旭岳、黒岳やその向こうの山々。これほどの眺めは生まれて初めて。しばし見とれ、写真をとりまくる。
 ここで函館から来たTさんという人に声をかけられ、「黒岳に向かいませんか。銀泉台までのタクシー代は折半ということで」しの誘いをうけた。銀泉台方面におりるには、急なガレ場と雪渓下りを2回しなければいけない。多少時間はかかっても、黒岳からの下りの方が楽との判断から「渡りに船」とばかりに誘いにのった。
 白雲分岐から北海岳に向かう雪渓の途中でなだ新しい熊の足跡を発見。少し下って、北海岳まではダラダラから少し急な登り。近くに見えていてもやっぱり1時間10分かかってしまった。

 北海岳の山頂からはお鉢の内部とその内側の雪渓、お鉢を形成する外輪山を一望できる。もちろん、黒岳、小泉、烏帽子、北鎮といった山々そして旭岳、後旭岳、白雲、そのむこうのトムラウシ、十勝連峰さらにそのむこうにはおそらく日高の山並みが360°広がっている。白雲にひけをとらない展望なのだ。ここで20分ほど休憩して黒岳に向かう。途中小さな沢越えを二度、そして赤石川の渡り。靴を脱ぎ、靴下を靴に入れてひもをしばり肩にかける。そしてズボンをまくって渡った。さすがに雪解け水は痛いほど冷たいが、この際気持ちいい。ここを渡ると黒岳石室まではわずかの登りを残すだけ。
 14:40 黒岳石室着。ここまでくれば3日前にきた道だ。トイレに入り、水を飲んで15:00出発。
 15:20 黒岳山頂着。最後の記念写真を撮り、下山。足にはマメができたが45分ほどで7合目駅着。16:40ふもとに降り立った。


 エピローグ<なおちゃん記>
 タクシーは7000円でした。運転手さんと色々話した結果わかったことは、お迎え料金は無料です。予約もできて、その時は内金として5000円入金するんだそうです。あと、銀泉台−黒岳ロープウェー駅館に公共バスが運転されているとのことでした。これから、帰りの方法はいくらでもあるので、あちこち縦走してみたいですね。ちなみな旭岳温泉から黒岳ロープウェーまでは22500円かかるそうです。2組でも1万円以上はやはりきついですね。
 運転手さん、営業もしっかりしていて、予約の際には是非にと10枚近く名刺を渡されました。もう一方のTさんの相棒に2枚あげる。
 銀泉台につくと、隣のキャンピングカーはまだあり、中から犬の鳴き声うるさく吼えてました。Tさんにお茶をごちそうになり、お別れ。
 身支度していると話しかけてきた男性あり。どこかでみたことあると思ったら、白雲分岐で、頂上は素晴らしいよと教えてくれたご夫婦でした。前日札幌を出られて、ここで車(ワゴン)の中で仮眠をとったそうです。温泉は黒岳ロープウェー近くの公共のを利用して、ゆっくりするそうです。トムラウシにも6回登ってるベテランでした。
 手を振ってさよならしてると、今度はピンクのTシャツのご婦人が声をかけてきて、「赤岳で会った方ですか」と確かめるように近づいてきました。ハイハイ、例のご夫婦。山の名前や、小泉岳方面へのコース時間などを教えてあげた人たちでした。ご主人のほうもとても感謝してくれて、(私達の説明がなければ赤岳で下山してた。)白雲頂上での感激がよく伝わってきました。お礼にと大福餅2個いただきました。今度は紅葉の頃に再開できれば嬉しいのにという思いで別れました。

 今回の登山、その前にいろいろアクシデントがあったけど、それがあったからこそ、今日8月4日という日に大雪に登れて、素敵な人たちに出会えたと思います。(昨日8月3日は天気はよかったけど白雲、赤岳など強風で大変だったそうです。)
 私の予感はあたってました。絶対に素晴らしい山行になると思ってたもんね。


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