1997.10.10 藻琴山


メンバー 人工肛門患者会、会員5名、家族3名、看護婦1名、事務員2名、医師1名(ひぐま)
天候   くもり

 人工肛門がついている、それだけで人は引きこもりがちになってしまう。できれば人工肛門などつけたくないのは患者さんも医療従事者も同じ気持ち。ならばというのでできたのが人工肛門の患者会だった。以来、定例会などを通じて仲間と顔を合わせ、情報交換するなかで患者さんは明るくなっていった。今回は仲間とともに山登りをしてみたいという思いを実現することになった。患者さんの家族や、事務員、看護婦さんにも協力していただき一緒に登ることになった。糖尿病を併せ持ったり透析患者さんもいるため、できるだけ短いコースを選んだ。(はずだった。)

 前週下見したときにはゲートがあいていて銀嶺荘まで車でいけた。当日行ってビックリ。ロープが貼ってある。やむなく銀嶺荘までの車道を歩いて登ることになる。でも、とにかくみんな元気だ。それほど遅れる人もなく、無事銀嶺荘に到着した。透析患者さんを一人残し、ここから再出発。ほどなく糖尿病患者さんが低血糖をおこす。あたりまえだが消費カロリーが、摂取カロリーを越えてしまったためだ。ゲートさえあいていればこうならずに済んだのだが・・・。とにかく、他の人は看護婦さんに連れていってもらい、この患者さんにはひぐま自身がついて、まず栄養補給してもらう。一休みさせて落ち着いたが、本人の気持ちも確かめた上で銀嶺荘に戻ることにする。銀嶺荘で元気になったことを確認し、駆け足でみんなを追う。10数分後、引き返してきた一行と落ち合った。山頂は強風だったという。山陰になっているこのコースを選んだのは正解だった。このあと銀嶺荘で、焼き肉パーティをし、楽しいひとときを過ごした。宴会の終了とともに、数人が駐車場まで戻って車を運び、無事帰路についた。


銀嶺荘駐車場にて。

 天気が良くてゲートもあいていれば理想的な登山になったとは思うが、この条件下でも会員の方々はそれぞれに充実感を味わったとのことだった。医師としてなにができるか、趣味を生かしてこういう形で患者さんとともに歩くのも一つの方法だと思う。

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