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2005-04-12 タイミングベルト講座 最終回 ■ [クルマその他] Alfa155のタイミングベルト
ようやく Alfa155をはじめとする 欧州車のタイミングベルトについてである Alfa 155 TS のタイミングベルトキットの写真を見る限り 歯の形状は台形歯であると思われる (実物を手にとって見ていないので不確定。) 台形歯は今でも国産車向けに使用されているが ほぼディーゼルエンジン用と言い切って良いと思う ただしこの場合 歯形としては第一世代の台形歯を使用するのには意味がある。 ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ 燃焼室の爆発によるクランクシャフトに伝わる振動が大きい (厳密に言うとちょっと違うのだが) これは歯飛びの原因になる 台形歯は円弧型歯や複合円弧型歯に比べ 歯飛び性能が高いことからディーゼルに使われるというわけである その代わり歯のピッチ(歯の頂点とその次の歯の頂点の距離)は ガソリンエンジンの丸歯系が8mmであるのに対し 台形歯のほとんどは9.525mmである これにより歯自体の大きさを大きくすることが出来るし 丸歯系に比べて同回転数であればプーリとのかみ合い回数が減ることになり 歯欠け性能を稼ぐことが出来る デメリットはやはりそうは言っても 歯欠け性能の向上を見込めないことと レイアウトの自由度が比較的減ってしまうこと 155のベルトは 交換時期が5万kmを目安にという常識が出来上がっていることから ゴム素材はCR(クロロプレンゴム) 台形歯で8mmピッチという世代としては第一世代のものであろう というのも 155の後期型TS ファイアーエンジンはブロックこそ従来の FIAT 製だが エンジンヘッドは Alfa の独自設計 時期も1995年にファイアー系TS用エンジンがデビューしていることから エンジン設計自体は1993年〜1994年に最終検討がされているハズ その頃 日本では H-NBR素材は量産車に一般的に使用されるようにはなっていたが 歯型と合わせて特許で守られていた ちょっとキナ臭い話になるが イタリアのベルトメーカーで有名なのはDAYCO DAYCOをはじめとするベルトメーカーがH-NBR+円弧系歯型を使用するには 特許を保有していたユニッタ社か 親会社のゲイツラバー社(ワールドワイドの商圏に関しては親会社の範疇)に 特許料を支払う必要があるし その製造ノウハウも必要になる これはそのままコスト高となり 当時 経営再建が課題となっているAlfaにとって それは選ぶことの出来ない選択だったのだと思う 更にエンジン周りの環境が辛いランチャデルタHFや 同じエンジンの155 Q4でも同じ歯型・素材を使用せざるを得ないことを示しており 結果2万km、3万kmで交換という 国産車では考えられない話になってしまった訳である これは Alfaに限らず欧州車のタイミングベルト仕様車全般に言えることであろう ただ クルマによって故障モードが違うことも注意点として挙げられると思う 例えば155 TSで言えば タイミングベルトの故障モードとして切断が挙げられるが 切断に至る経緯でテンショナープーリの不具合が主原因であることが重要な点である テンショナープーリ自体の素材が悪く 最悪破損することでベルトが切断される そこまででないしてもプーリのベアリング不具合により プーリの回転にブレーキがかかりベルトとの摩擦が起こり 発熱による劣化が原因の場合もある こうしたベルト以外の部品による不具合 つまりシステム全体に破壊要因がある場合が少なくないことも忘れてはならない これらを踏まえて ベルト周りの故障モードを綿密に調査することで アフターマーケットにおける市場確保が出来る可能性が大きいと考えている この事実に気が付くベルトメーカーが 次の輸入車におけるアフターマーケットの市場を制する事が出来ると思うのだが....。 この記事をベルトメーカーの有力者が読んでくれれば と思ってしまう今日この頃だったりする または、もうちょっと論文調にまとめなおして送りつけようか(笑)