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広東語(粤語)に関する疑問とその解決へのアドバイス
ここでは担当した授業で学生から挙げられた疑問(教科書に記されていないもの)と、疑問解決のための簡単なコメントを記してあります。
ここに掲げる条件は吉川が東大・駒場で使用している『香港粤語[基礎文法I]』(白帝社, 2004)に記されていない事項であることです。授業中に吉川がその場で回答したか否かは問いません。
[夏学期]
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該当頁
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総論(言語使用や言語状況を含む) | ||
| 発音 | |||
| 語彙・表現 | |||
| 44 | 方位詞 | [Q] 『基礎文法 I 』に載っている方位詞は"x便"の形式が多いが、(場所代名詞がそうであるように)同様に用いられる"x邊"の形式は無いのか? | [A] ある。『香港粤語[語彙とリスニング I ]』p.14を参照。ただし、"出便"、"入便"は"x便"の形式のみ、"旁邊"は"x邊"の形式のみしかない。方位詞は『香港粤語[語彙とリスニング I ]』p.14~15に網羅。 |
| 文法 | |||
| 文字 | |||
| リスニング | |||
| その他 | |||
| * | サブカルチャー | [Q] ケリー・チャンの歌を授業で扱って欲しい。
[Q] Boy'sの歌を授業で扱って欲しい。 |
[A] 近い内に扱います。CDを貸してください。 |
| 総論(言語使用や言語状況を含む) | |||
| * | メディアと言語 | [Q] 中国広東省のテレビやラジオは何語で公共放送を行っているのか。? | [A] 大部分の地域ではテレビ局、ラジオ局ともに広東語のチャンネルと中国語(普通話)のチャンネルを持っており、チャンネルによって言語・放送番組が異なっている。広州市の地上波テレビだと概ねチャンネル数は2つで、広東語1つ、中国語1つのはず。ラジオ局だとチャンネル数も多くなるので僅差で広東語のチャンネル数の方が多いのではないか。 |
| * | ローマ字表記 | [Q] 香港では人名など固有名詞のローマ字表記はどうなっているのか? | [A] 広東語の発音を英語で書き取った表記が用いられている(いわゆる通俗表記)。これは広東語の音韻体系を必ずしも合理的に反映したものではない。英語読みなので、無気音(b)と有気音(p)は区別されない(ともにpと表記される)などの特徴がある。しかし、電子メールなどで漢字音を表したりする場合も(仮に相手がどのローマ字表記法にも通じていなければ)この通俗表記を用いることになるのではないか。 |
| * | 漢字音の習得 | [Q] 香港では児童は漢字の発音をいずれかのローマ字表記法に従って覚えていくのか? | [A] 圧倒的多数の香港の児童にとって広東語は母語であり、概して常用字についてはローマ字表記法には頼らず親や教師の発音を自然に覚えていく。難易度の高い漢字については字典を引くことになるが、字典に記されている広東語音のローマ字表記法は出版社毎に異なるため、字音を覚える手段としてローマ字表記法がどの程度機能しているかは不明である。 |
| * | 言語の変遷 | [Q] 香港では児童は漢字の発音を自然に覚えていくのであれば、数世代という短い時間の中で発音が大きく変化していく可能性はないのか? | [A] 可能性はある。例えば現在では声母のnとlが中年層以下では区別されていないが、この現象も顕著になったのは第二次世界大戦以後の事である。しかし、こうした自然な変化とは異なる次元で「規範」としての広東語音も厳然として存在している。よって「自然な変化を生み出す力vs規範の力」という力学の中で発音は変化していくものと思われる。 |
| 発音 | |||
| 135 | "話"の字の声調 | [Q] "廣東話"は第2声で"講大話"は第6声なのはなぜか? | [A] "話"の字の本来の声調は第6声。「言語」という意味の場合は第2声に変調する。"北京話"、"印尼話"(インドネシア語)も第2声で読む。 |
| * | 定型句 | [Q] "新年快樂!"のような定型句は広東語圏以外ではどのように言っているのか? | [A] 漢字を逐一それぞれ現地の漢字音(方言音)で発音しているはず。例えば広東省の潮州だと"siaN tang khuai lak"のように。 |
| 語彙・表現 | |||
| 文法 | |||
| 92~93 | 人称代名詞の名詞に対する連体修飾(所有物) | [Q] "我枝筆"や"我o的筆"のように所有物を表す構造では、単数用の"枝"を用いるかそれとも複数を表す"o的"を用いるかという量詞の選択は名詞の表す物体の数だけが判断材料となるのか?それとも人称代名詞の単数複数も関わってくるのか? | [A] 量詞について単数用の"枝"などを用いるかそれとも複数を表す"o的"を用いるかは、名詞の表す物体の数に支配される。人称代名詞は関係しない。よって仮に複数の人間が1つの物体を共同所有している場合は、"我o地隻兎仔"(私たちの兎)や"イ巨o地部機"(彼らのマシン)のように「人称代名詞複数+"o地"以外の量詞+名詞」の形式となる。 |
| * | 全体否定 | [Q] "mat7(o野)都唔食得。"は日本語訳が「何も食べられない。」だが、構造はどうなっているのか? | [A] 文意は「私たちが何も食べられない」のであって、主語「私たち」は省略されている。全体否定は「疑問詞+都+否定」という構造を取る。前半部分が主題で「疑問詞」、後半部分が述部で「都+否定」。疑問詞は「誰、どれ、何、どこ、いつ、どのように」などが用いられる。"唔食得"は"食得"の否定形で「食べることができない」という意味。"食得"は「V+得」で表される可能を表す形式で、その否定形が「唔+V+得」。 |
| * | 部分否定 | [Q] "mat7(o野)都唔食得。"の部分否定はどうなるのか? | [A] "mat7(o野)都唔食得"の直前に"唔係"を置いて、"唔係mat7(o野)都唔食得。"とすれば「何も食べることができないというわけではない。」という意味になる。一方で"mat7(o野)都食得"の直前に"唔係"を置いて、"唔係mat7(o野)都食得。"とすれば「何でも食べることができるというわけではない。」という意味になる。 |
| * | 結果補語"到(dou3)" | [Q] 「V+到+動作行為の行き着く先」の構造にVの目的語を加えることはできないのか? | [A] "搭車"というVO構造では"搭車搭到旺角"か"搭車去到旺角"と言うことになる。前者は「V+O+V+到+動作行為の行き着く先」、後者は異なる動詞を用いて「V1+O+V2+到+動作行為の行き着く先」。一般に用いられるのは後者の表現だが、この「V2」を独立した動詞と見なすかそれとも動詞「搭」に付随して空間移動を表す付加的な成分(方向補語)と見なすかという新たな問題が起きてくる。 |
| 文字 | |||
| リスニング | |||
| その他 | |||