まさに斬首の刑に付されようとしたとき、にわかに現れたUFOによって命拾いをした宗教者、
それが日蓮(1222−1282)です。 「立正安国論」を著し、時の幕府、他宗派を攻撃していた日蓮は、他の宗派の反感を買い、讒言に よって幕府にとらえられます。1271年9月のことでした。そのまま竜の口の刑場につれて 行かれた日蓮。時が至り、本間直重という武士が日蓮の首を跳ねんと3尺2寸の大刀の鞘を払い振り上げたそのとき、 江ノ島の方角より「満月のように光るもの」が日蓮の上に飛来して、目がくらむほどの眩しい光 を放ち、その大刀を3つに砕いてしまったといいます。(立て札参照) |
うそつけー!って感じですが、異変に気がついた北条時宗は処刑の中止を命じる使者を出し、
また竜の口刑場からは処刑ができなかったことを鎌倉に知らせる使者が発ち、その二人が
出会った場所に「行合い橋」という橋が七里ヶ浜に架かっています。良くできた話ではありませんか。
日蓮という人は実に多くの「不思議」にいろどられています。一方で日蓮自身の残した書きもの の中には、そのような奇跡はほとんど触れられていないといいます。後の時代に日蓮のファンが 彼の教義を広めるためにこのような奇跡を作り上げていったものと考えられます。 日蓮の支持者たちが作り上げた「超能力者」のイメージが、日蓮宗のその後に影響を与えたこと は想像に難くありません。 |
竜口寺の一番奥には、鎌倉で唯一の五重塔が姿よく建ち、 また裏手の仏舎利塔からの湘南海岸の眺めは最高です。 訪れる人も少なく観光の穴場といえましょう。 |