ある朝、新聞広告で近くに建築中のマンションのモデルルームがオープンしたというのがあった。うちも時期が来たら家を買おうかと考えているのでどんなマンションかな、と思って目を通してみた。
よくあるマンションの広告と同じような内容が書かれていてまあこんなものかな、と思っているとなんと今週末にモデルルーム内で無料のガーデニング講習会というのをやるらしい。内容は日比谷花壇から講師が来て、寄せ植えを体験するというものであった。もちろん作った寄せ植えはそのままお持ち帰りできる。
今週末は妻が裏千家の親睦茶会に行ってしまうので特になにもする予定がなかった。そこで暇つぶし(^_^;)に、寄せ植え講座に参加してみました。
当日は朝から雨のあいにくの天気、講座は11:00からということなので10:30頃にモデルルームに行った。いきなり寄せ植え講座に参加したくて来ましたとも言えないので、まずモデルルームを見学することにした。
マンションのモデルルームを見るのは初めてではないので特に緊張もせずに廻れた。将来のためにマンションの設備についても勉強しようという気が少しはあるので苦痛ではなかった。試しに風呂の給湯器の号数をいっしょに回った販売員の人に聞いてみたら即答できなかった。おいおいしっかりしてくれよ。ほかの人はそういうことを聞かないのだろうか。自分がもし販売員になったとしたらそういうのはあらかじめ勉強しておくと思うんだが。
見学も終わり販売員とともにテーブルへ、このマンションはまだ申し込みを受け付けていないのでたいした販売攻勢もうけずに雑談モードに入った。今日は妻がお茶会でこれないので1人なんですよ、などととりとめもない話をしていると、販売員の方から「ガーデニングとかにはご興味ありますか」などと聞いてくれた。こちらから話を切り出す必要がなくなりしめしめと思いながら「友人にもらった花とかを育てるくらいですが」などと答えた。よろしかったらどうぞ、ということでガーデニング講習会の会場につれていってもらった。
会場といってもモデルルームの一角にテーブルとかを並べただけの簡単なものである。行ってみると他に講習会に参加する人もなく私だけのようである。講師らしき人とアシスタントらしき人、そして私の3人で講習は始まった。
すでにテーブルの上には道具や寄せ植えする花が用意されていた。自分が好きな花を選んで寄せ植えするのかと思ったが違うようだ。すでに植えるものが決まってさてどうやって寄せ植えをつくったらいいでしょうということを教えるみたいだ。
まず植木鉢についての説明があった。家で鉢植えにする時は軽くて割れないのでプラスチックの鉢をつかっている。しかしやはりプロが教えるだけあって鉢は素焼きの重いものである。講師いわくプラスチックだと通気性がないので素焼きのものを使ったほうが草花にとってはよいとのことである。とはいってもやっぱり自分が買うとプラスチックのになるだろうな。ちなみに今日使う鉢の大きさは直径30cmくらいの丸いすり鉢型のものである。
作業用に軍手があるのでそれを使おうとすると、「本当は素手でやったほうがいいんだよね」と言われた。土を押し込んで硬さを確認する時など軍手だとわかりずらいから、とのこと。手が汚れるのがいやなら、ビニールの手袋を使うのもいいらしい。
いよいよ作業開始である。まず植木鉢の底の穴の部分にネットを置き土がこぼれ落ちないようにした。その上に鉢底用のゴロ石を紙コップ2杯分つめた。これは通気性、排水性をよくするためである。通気性、排水性がよくないと根が腐ったりしてしまうと説明している。まあこのあたりの知識は園芸の入門書にも書いてあることなのですでに知っていることであるが、そうですね、などと相槌をうちながら作業をした。
ゴロ石の上に紙コップ2杯分の園芸用の土をかぶせた。ゴロ石が見えなくなる程度でよいそうだ。あまり土をかぶせてしまうと花の苗を置いたときに土の表面が植木鉢の高さより高くなってしまう。土の表面は植木鉢の高さより低くしないといけない。そうして水を与える時に一時的に水をためておくためのスペースをつくる必要があるそうだ。
土を入れた後は用意された苗の位置決めである。まず苗をポットからださずにそのままの状態で鉢の中に置いて見る。今回用意されていたのは、ナスタチウム、メランポジウム、ポトス、ディモルフォセカ(?)、シロタエギクである。
ナスタチウムとメランポジウムが背が高いので後ろに置き残りをその前に並べた。ポトスを真中ではなく右側に置いたのであるがポトスは成長すると茎が伸び前にたれてくるので端ではなく真中に置いたほうがよいとアドバイスされた。
位置を入れ替えて全体の構成を確認した。位置が確定したのでポッドをはずしにかかった。今まではポッドの下の穴から指で押してだしていたのだが、講師いわくポッドの下の外側の部分をつかんで押し込むと簡単に取り出せるそうだ。園芸本では取り出した根についている土の下の部分を崩したほうがよいと良く書いてあるが講師の考えではなるべくポットから取り出したままの状態で使ったほうがよいとのことである。これは根を痛めないようにするという意味がある。高さの関係でどうしても崩したい時は苗の底の真中の部分が一番根が少ないのでそこに指を入れて土をかき出すとよい。
ポトス以外は大きなポッドであったのでそのまま置いた。ポトスだけ一回り小さいポットなのでそのまま置くと他の苗と高さがずれてしまう。そこでポトスの苗を置く場所にはあらかじめ土を入れ他の苗との高さが同じになるようにした。
苗をすべて置いたので空いたスペースへの土入れである。まずは一番入れにくい真中のスペースである。ここを忘れる人が多いそうだ。土を入れる時には苗を手の甲で押さえて土を流し込むスペースをつくるとよい。そして外側の空間へ土を流し込む。大まかに空間を埋めたら割り箸をつかって土を整える。割り箸をさして押し込むことで見た目には見えない鉢の内部にできているスペースに土をいれるのだ。注意点として割り箸をさす場合には土が乾いている状態で行うことがあげられる。ぬれた状態で行うとそのまま固まって道ができてしまう。また鉢の横をたたくのもいいらしい。
これで寄せ植えが完成である。完成したらまずすることは水やりである。植え替えて最初の水やりは非常に重要らしい。最初だけは多量に水を与えるそうだ。量にして2リットルくらいである。これだけ与えると鉢の底から水があふれ出てくるがそれで構わない。
左の写真が完成した寄せ植えである。