春一番2002  

 

仕事を終え、服部緑地公園に向かう。

野外ステージ近くの駐車場は満車。

ぐるぐる回った挙げ句、北側の駐車場になんとか停める。

 

この季節に特有のザー○ンの臭いのする花の匂い。

少々顔をしかめながら、音のする方に向かう。

辺りにポプラの鼻毛綿毛が舞い散る。

長袖のシャツは脱いで肩に掛ける。

会場に着き、我が家から会場入りしたjokerを探す。

隣に座ったものの、煙草がないことに気づき、 一旦会場から出る。

彷徨っていると、階段から佐藤英二氏

声をかけるのも憚られ、知らぬ顔で擦れ違う。

憧れとかそういったものを素直に表現できないのは昔からである。

 

数秒後、名前を呼ぶ声。

まさか佐藤氏に名を呼ばれる筈もなく、 戸惑いながら振り向くとJose

一言二言交わし、売店の方向を訊く。

煙草を買って戻ってくる。

露店でビールを二本買い、 千円払う。

ぼったくりやんけ。  

再入場し、ビールを一本、CRYに手渡す。

日差しが強い。

煙草をつまみに、ビールを呑む。

ライヴは既に始まっており、様々な人、グループが唄う。

 

中でも野村麻紀なる女性のインパクトは強烈だった。

若かりし頃の中島みゆきと山崎ハコを足して二で割った人物が

一、二週間躰壊して寝込んだ後に二日酔いの梶芽衣子の為に作った曲、

とでも言えば解り易かろうか。←解らんって

 

また、頭を微動だにせず唄う中島らもも強烈だった。

彼の作品は好きなのだが、本当にもうペンは持てないのだろうか。

もしそうなら、残念な話である。  

 

その中島らもの前に出演したのが、

今回のお目当て、 波人である。

前回のイベントでは

朴保、松藤、セッシー・トモの三氏による

セッションであったが、今回はバンド・波人による出演である。  

 

松藤さんがマーチンを鳴らし、演奏が始まる。

ドラムを叩く時よりも大きく見えた、ダイナミックな動き。

対照的に背筋を伸ばしたままの佐藤氏。

ステージ前のスペースで踊る人が、増えて行く。

一曲目が終わると、朴保さんがスタンディングを客に促す。

まばらながら立ち上がる客。

老若を揃えた世代の人々が、ステージ前のスペースを埋める。

 

わし自身も。

バンドの奏でるグルーヴに躰を浸す。

一塊となった音のうねり。

メンバーと顔を見合わせては笑顔の松藤さん。

メンバー全員が、音を楽しんでいることが見てとれる。

 

同じ様な感想になってしまうが、

音楽とは音を楽しむことであるという、体現と実感。

三連のリズムが事ほどに気持ちいい東京アリラン。

アリランもドンパン節も、ロックのグルーヴを有しそこにある。

 

音楽の本質がそこにある。

歌詞を知らないことが残念ではあるが 、

それは既にどうでもいいことに成り下がっている。  

 

音楽を体感する。

それ以上に、何が要ろうか。

煩わしきものは、音楽には要らない。

 

※いつものわしの文章と矛盾しているように感じるかも知れない。

後日、この辺については詳しく書きます。

 

紫外線とともにわしを包み込んだ音。

頭を流れる蟻地獄東京アリラン。

jokerにも言われたが。

ライヴを通して観たい衝動に駆られた。

 

是非、一度。

 

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