ワールドカップ最終予選
日本-北朝鮮戦
2005.2.9
2.9
とうとう始まっちまいましたワールドカップ最終予選。
本日は北朝鮮戦ということでとっとと帰ってきてTV観戦・・・・
とりあえず素面で観れる内容ではなかった事を念頭に。
まず、あのサウジ人の主審は絶対金貰ってる。
でなければ説明がつかないほど偏った判定。
日本以外であんなレフェリングしたらブーイング浴びまくるならまだしも
下手すりゃ五体満足で会場を出れない。
前回のワールドカップ第一戦後、トルシエは言った。
「あれ(=ベルギーに偏ったレフェリング)ではホームの試合ではない」
この言に関し反応を見せたマスコミ、解説者はわしの知る限りない。
同じ事をして同じ判定が出るかどうかなど、一目で判るものではないのか。
わしがもしあの場にいれば、審判に対し口汚く罵る事にてらいはない。
それほど酷いレフェリングだった。
それでも最後まであのサウジアラビア人は偏ったレフェリングを続けた。
時には笑みさえたたえながら。
あのトルシエの言に反応せず、無意味な批判ばかり垂れ流して来た結果がこれだ。
審判にも、相手にもプレッシャーを与えるどころか好き放題にさせている日本。
後に述べる如く試合内容に同情の余地はないが、
この点においてのみ代表に同情する。
「サポーター」が聞いて呆れる。
あれだけ酷いファウル(の判定が出ないダーティなプレイも多々ありつつ)を受けさせて
「サポート」だと? ふざけるなと言いたい。
ふざけているのは知っているが、それでも言う。
わしはジーコのチーム作りに疑問を持っている。
チームの完成度にも不満たらたらである。
しかしそれでも選手は応援したいし、守れるものなら守りたい。
悪辣なプレイ、レフェリングから選手を守ることこそ、
「サポーター」のレゾンデートルではないのか。
不必要に相手にブーイングを浴びせる必要はないが、悪質なものには浴びせるべきだ。
幸いにして怪我人は出なかったようだが、
アウェイでの北朝鮮戦でまともにプレイできる選手がどれだけいるのだろう。
怖がらずボールをキープしようという選手がどれだけいるのだろう。
おそらく玉田などチャージを受け続けた選手は使い物にならないだろう。
先行き不安な要素その一である。
次に日本の内容について。
攻撃については、はっきり言って中身がない。
全て行き当たりばったりに見える。
チームとしてこういう動きをしよう、どうしてボールを回そう、 そんなものが見えてこない。
二人三人までの絡みはさすがにあるが、それ以上がない。
北朝鮮の得点シーンのように、もう一人の動きがない。
あのシーンなど、完全に決まりきったパターンである。
パターンが見えすぎても困るのではあるが、それでも見えなさすぎである。
前半中盤を省略してFWに当てるボールを供給していたのはまあよかろう。
早々に得点したのだから、人を賭ける必要のある中盤でのパスワークを
省略するのは安全面から当然の事でもある。
しかしその間にも、北朝鮮のGKがパンチングのみで凌ごうとしていたのは 明らかであったし、
そのパンチングが甘いものであった事は十分に把握できた。
ならばアーリークロスをGK前に上げ、そのこぼれを狙う、という手は十分にあり得た。
が、それは大黒の得点シーンのみにしか見られなかった。
カウンターは相変わらず下手なままだったが。
要するに前半はFWに当てるだけ、後半は踏み込めず相手の安全地帯を回すだけ、
そんな攻撃とも呼べない攻撃に終始するだけの試合ではなかったか。
北朝鮮が僅かなチャンスに決まりきったような形で得点を挙げたのと好対照である。
この失点に関しては後述するが。
日本は正に個人能力と運だけで得点したと断言しよう。
決まりきった形を作れ、とは言わないが、
傍目八目で見えるスペースに誰も走り込まないのは 観ていて歯痒さが募るばかりである。
敢えて名指しすれば、小笠原など得点に絡むシーンでは仕事をしたと言えるが、
それ以外では休んでいるシーンが多過ぎる。
ここで走れば、走る素振りを見せれば、というシーンは数限りない。
中村がチャンスメーカーでなくピンチメーカーであるのは今日の試合でも露見したが、
小笠原とて自分にボールが向かわなければ仕事をしないのではドングリのなんとやら、である。
これではヒデや稲本に比ぶべくもない。
敢えて二人を名指ししたが、他も同様である。
相手の嫌がるプレイ、予想を超えるプレイなどは見受けられなかった。
コンセンサスもなく、ツボを狙い打つでもなく、
漫然とボールを回していて得点できる筈はない。
ごり押しで優勝したトルシエ時代のアジアカップと比べてもむしろ退歩である。
トルシエ時代ですら、ボール回しにコンセンサスはあったのだから。
守備の硬いイランが次の相手であるのに、このまま通用するとは到底思えない。
更に守備に関してであるが、北朝鮮相手にさほどの脅威を感じる筈はない。
わしなど崩される事など予想もしていなかった。
それでも後半に入りペースを握られ、ゴールさえ許してしまった。
北朝鮮が後半に入ると一気呵成に攻めてくるというのはイエローペーパーレベルの情報だった筈だ。
それをみすみす許してしまったのは、要するに舐めていたということに他ならない。
技術では完全に上回っているのだから、ボールを奪ってカウンター、というパターンにはめるだけでいい。
いや、中盤でセーフティにボールを回していればそれでいい筈だった。
なのにボールを下手に前に出し、奪われては攻められる、を繰り返した。
ここに来て戸田の存在感を痛感した。
彼がいれば、ペースを落ち着かせるパスを供給し、リズムを変えてくれた筈だ。
そう思わずにはいられない程にボールが落ち着かなかった。
取って取られて取られて取って、で結局点まで取られた。
無関係なら笑って観られる試合だったのかもしれない。
スラップスティックな内容は何時の世にも笑いを産むのだから。
勿論我が事では笑える筈もない。
つまるところ、守備においてもコンセンサスのなさが露呈する。
タッチに逃げてもいい、凌ぐだけ凌ぐのだ、そんなコンセンサスが選手の間にあったのか。
ボールを奪ったらカウンターを仕掛けるのだ、そんな以下同文。
あったとは認めない。
それがあって格下の北朝鮮相手にあの体たらくだというのなら、
わしは彼らを「わしらの」代表とは認めない。
北朝鮮を遙かに凌ぐ攻撃力を持ったワールドカップでのロシア戦。
あの時も攻撃陣と守備陣でコンセンサスの齟齬は認められたが、
それでも守備陣においては一貫していた。
それに比べるて、この試合ではどうだっただろう。
どうしたいのか、全く見えてこなかった。 見えないままに失点してしまった。
ただ、失点のシーンに限って言えば、川口の責任=ミスと断ずる。
川口であれば理解していよう事だろうが、敢えて言っておこう。
わしは日本随一のGKは川口と認めているからこそ言う。
ミドルシュートを打ち込んでくる北朝鮮相手に、
何故ニアを空けるポジションを、あのタイミングで採ろうとしたのだ。
あのシーン、クロスを警戒するかのようにポジションを左に寄せるステップを踏んだ川口がいた。
そしてその瞬間にニアサイドにシュートが飛んできた。
獣並みの反応を見せても尚、止められるタイミングではなかった。
わしは開いた口が塞がらなかった。
もちろん緊張せざるを得ない試合の更に緊張する状況である事はわしの予想できない範囲の事だろう。
しかしそれでも尚、川口のステップに驚いた。
タイミングを外した事にもまた驚いた。
あり得ない、正直そう思った。
ニアサイドを空けてシュートを誘う、というのはあり得るが、
あのタイミングでは正に自殺行為である。
もう少し早くポジションをずらしていれば、誘い水と理解できなくもないが。
わざとシュートコースを空け、シュートを打たせてそれを余裕で止め、
試合の雰囲気すら変える、という手はあり得る。
わしが飲み会で後輩を苛めるためによくやる手なのだが。
いずれにしても、川口がする筈のないミスによる失点だった。
それほどに落ち着きのないディフェンスだった、という事の象徴なのだろうか。
いずれにしろ、形のできたディフェンスでもなかった、と言ってよかろう。
一応の勝利を得たことで望みは繋がったが、
わしはまだ四分六の四しか 予選突破の可能性は無いと思う。
この程度の内容では、そう言わざるを得ない。
代表にとっては全試合がアウェーであるに等しいのだから。
応援はするが、正直このままでわしの胃が持つかどうか疑問である。
あ、酒代もね。