KAI BAND NEVEREND TOUR OSAKA 2 2010.1.31
三回も一つのツアーで参戦したのはいつ以来だろう。
ちょっと思い起こしてみると・・・・ KAI FIVE結成時のIMP三連発、ぐらいか。 まああれは続いた日程での三日間であって、今回のようにツアー初頭(てかそれこそ大阪は最初か)に 中盤に終盤にと間をおいて、というのは初めてである。 これだけ長く追いかけていて、それでもお初があるとはちょこっと感嘆である。 雨の降る中グランキューブである。 エレベーターで5階。 そら開場は一時間前にせざるを得まい。 これで30分前とかになると、エラいことになるだろう。 5階の大ホールとは、人や物の出入りを考えて作ったのかと疑いたくなる。 とあるイベントの手伝いで実際に使った事もあり、その程度の搬入搬出でも大変だった記憶がある。 ましてこの規模のライヴとでもなると・・・・(^^; スタッフの皆さんご苦労様ですm(_ _)m わしが言うことでもないが。 しかし客席が広めなのは嬉しい。 現在の甲斐バンドに似つかわしいのはクラップではない。 つーかクラップが邪魔である、むしろ。 わしはここ数年煽られない限りクラップはしないことにしている。 それよりもリズムとグルーヴをひたすら感じ、躰を揺らせておく方が余程気持ち良いのだ。 踊る、と言うほど自身のリズム感が良いわけではないが、タコ踊りでもなんでも躰を揺らしておくのが良いのだ。 そんなわしとしては、周りに迷惑をかけずに済むこの広さは嬉しい。 窮屈に躰を動かすと後でいろんな処が痛いし(笑) さて。 曲順が変更になったり、「冬の理由」で坂井さんが八つ当たりされていたりが追加になったり、 細かな変更、改善があった。 曲順については、わしは今の方が良いと思う。 単純に、「エメラルドの爪先」の位置は前半より 中盤以降の方が良いと思えるからだ。 多々変遷何度かの期間限定何度かのFinal紆余曲折を経て、 わしは「エメラルドの爪先」を「現在の甲斐バンド」の 象徴的な曲と理解している。 一つの到達点と見ている。 メロディ、アレンジ、リズム、グルーヴ、その全てがと言っていい程に生々しく新しい。 ライヴではほとんどアルバムの通りに演奏されながら、 更に迫力も生々しさも増幅し、しかも回を追う事に良くなっているのが解る。 この曲があったからこそ、新たな甲斐バンドとしてツアーに出ることが可能になったのだと想う。 甲斐バンドのキャリア、年齢、実力、あらゆるものが凝縮された曲だと想う。 そんな曲を前半で演るのはいかにも惜しい。 やはり中盤以降で演って然るべき曲であろう。 わしとしてはむしろエンディング前のラッシュに組み込んで欲しいぐらいである。 しかしそれにしても。 よくよく考えてみると、驚くべきではないか。 この曲が「再結成」の上で創られ、演奏されたという事は。 いや逆に、解散とかソロとかユニットとか色々在ったからこそ この曲ができたのだとも想える事も。 「甲斐バンド」本体ですら、35年間ずっと同じメンバーで演り続けたわけではない。 むしろ35年間で「甲斐バンド」であった期間の方が短いのだ。 サポートメンバーも同様である。 延べでも、最長は佐藤さんで十年に足るまい。 集合と離散を繰り返してきたメンバーが、 「バンド」としてこのような曲を創り上げてしまったのだ。 まとまったりばらけたりしながら、ここでは巨大な塊となっているのである。 わしが以前から言っている、「有機的」という言葉が証明されたようなものだ(笑) しかし有機的結合という言葉でもなければ、こんな経緯は説明不能である。 希有な人達だなあ、と感嘆せずにはいられない。 あっという間の終演。 満足感は、大阪厚年、神戸の比ではなかった。 しかし、わしはこれを完成形とは想っていない。 もっと巨大な爆発が観られる筈だと確信している。 完成していないものを甲斐さんが終わらせる筈は無いとも想う。 「NeverEnd」なのだ。 希望的観測だが、また近い将来、甲斐バンドでのアルバム、ツアーがあるに違いない。 そこで何を観、何を感じるのか。 今から楽しみでしょうがない。
ワクワクしながら、次のアクトを待つとしよう。