’2000 オリンピック 一次リーグ

日本-スロバキア戦

 

 

 これは完勝といって良い試合でしたね。

欲を言えば、もっとチャンスをモノにして欲しかったけど、

それでも負ける要素がほとんど無い試合で安心して観れた。

開始からロングボールを多用する日本。 スロバキアDFの裏に出すボール。

これは間違いなく計算の上、言うなればジャブ。 たとえ取られたにせよ、

ジャブは確実に効いていた。 一点目。三浦が相手ゴールにやや近い位置でボールを受ける。

これこそがジャブが効いていた証左。 試合開始当初のスロバキアのDFラインであれば、

あの位置で三浦が楽にボールを受けることなどあり得なかった。

そう。開始当初から続けたロングボールは、スロバキアのDFラインを ずるずると後方に押しやっていた。

三浦は万全の体勢で一人を抜き去る。 何度も中央を見やり、狙い澄ましたクロス。

そこには、中田が走り込み、更に中村がフォローしていた。 中田のダイビングヘッドが決まる。

もし万が一、中田が外していたとしても。 中村のフォローにより一点を奪っていたに違いない。

正に、入るべくして入った点だった。  これにより負けられないスロバキアは前のめりになり、

日本のカウンターを許すことになる。 点が入ったのは稲本のシュートのみだが、

これも確実なフォローの賜物である。 もしあそこで彼が足を止めていたら。

高原は針の筵に座らされることになっただろう。

 そして中村交代。わしはこの交代を中村温存のためと見る。

いかにバックアップメンバーが充実しているとはいえ、 中田中村抜きでブラジル戦を闘えるとは思えない。

更に、中村を介するプレーは後半ほとんどなかった。 ならば、縦に抜けるスピードのある選手を用い、

カウンターで追加得点を狙うのは当然だろう。 事実、平瀬は短時間の出場でシュートチャンスを得た。

もしあれが入っていたら。 翌日の新聞はトゥルシエに対する賛辞で埋め尽くされた事だろう。

 この試合、2-1という結果ではあったが、内容では完全に上回っていた。

オリンピックといえど、日本が完勝などと言える時代になったのだ。

好ゲームを見せてくれた代表の各選手に拍手を送りたい。

 

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