北斗晶に捧ぐ

 

観て参りました。

あろうことか握手のために3000円でサイン入りTシャツも買いました。

ちょっとお宝気分で嬉しいです。

でもサインが入ってるので着れません。

いや、着れるけど汚すのイヤです。

 

・・・唐突にミーハーっててすんませんm(_ _)m

 

 

要するにガイア・ジャパンという女子プロレスを

観に行ってきた訳ですな。

北斗晶観たさに。

 

掻い摘んでこの人のことを説明すると、

クラッシュ・ギャルズ引退後の女子プロレス冬の時代を支えた人で、

特に団体対抗戦の流行った93年頃から大活躍した人ね。

神取忍との二度に渡る激闘は今でも語り草。

 

その後一度引退するも復帰、

新日本プロレスの佐々木健介と結婚して子供も産んで

史上初のお母ちゃん女子プロレスラーとなった人。

 

 

で、2002.4.7に引退予定。

 

団体対抗戦当時、雑誌でこの人のインタビューを見た。

なんとマスコミ扱いの巧い人だろうと感心した記憶がある。

というか、見出しにし易い言葉をキッチリ選んで喋っているという印象。

喋った以上、掲載しろと言わんばかりの喋り方。

 

で、それからレンタルでVTRを観た訳だが、

端的に言うと、技術が凄いのね、この人は。

60キロそこそこの躰で、倍はあろうかという

アジャ・コングを平気で投げきる技術。

力だけではない、タイミング、コツ、そんなもので投げる技。

何よりも、自分に視線を集中させる、「華」

決して美形とは言えないルックスとメイクなのに。

ビューティと名乗らないだけまだましな程度

 

度重なる怪我、年齢。

そんなもので、対抗戦当時の体力も、

キレもなかったかもしれない。

 

かもしれない、というのはリングに上がる彼女への礼儀として、である。

 

しかし彼女は更に技を進化させ、

以前は見せなかった技、技術をも見せる。

もちろん、以前VTRで観たのと同じように、

試合中声を発し続け、客を、レスラーを引きつける。

尾崎魔弓、長与千種というビッグネームを霞める程だった。

リングの中はもちろん、エプロンに立っていても、

そこにいる限りは主役そのものだった。

視線を釘付けにして離そうとしない緊張感が彼女からは途切れないのだ。

 

エンターテイナーだな、と思う。

プロフェッショナルの。

リングサイドで観ていて、それを思い直した。

 

でも、何が残念と言って、 彼女の決め技である

ノーザンライト・ボムが観れなかったこと。

引退までに一度は観たい。

 

 

 

ということで、2月と3月のチケットの購入を決めるわしであった(爆)

ちなみに、2月のはすでに買ってきた(大爆)

 

プロの魂

〜北斗晶に捧ぐ〜

 

またも北斗晶=レイナ・フブキ観たさに

梅田ステラホールに行きました。

 

レイナ・フブキとは北斗晶の覆面ヴァージョンです。

マスクやペイントでキャラクターを変えるというのは

プロレスの世界において古来からの常套手段なのですが、

その使い分けもまた楽しみの一つではあるわけです。

しかもこの日はWレイナ・フブキということで、

同じマスク&コスチュームのレイナ・フブキが

もう一人いるわけですな。

 

これもまたマスクの常套(笑)

 

しかも体型が似通った人なので、 すり替わっても判りにくい、と。

ギミックとしても楽しめるわけです。

観てる客はすり替わりに気づいても、というか丸見えでも、

レフェリーは知らないふりをする、と。

 

ここで「正体知ってるお前には判るやろ」等と

レフェリー・トミー蘭につっこんではいけません。

一緒に騙されて楽しむんです。

実際、見分けがつくのは僅かに覗く眼と腹部のお肉のつき具合しかなく、

写真で見ても今一つ判別が難しい。

なかなか高度なギミックとして楽しめました。

 

対するは素顔になって久しいKAORUのマスク姿、

インフェルナルKAORU←そのまんまやんけ

と、全女時代北斗の付き人だったチャパリータASARI。

彼女はマスクを被ってもリングネーム変えてませんけど。

効果はともかく、体操出身の彼女の決め技、

スカイツイスタープレスは誰も真似できません。

というか、真似しません。

バク宙して捻り入れてボディプレスします。

失敗すれば、かなり痛そうです。

この試合中も、逃げられてました。

痛そうです(笑)。

 

ちょっと感傷的な因縁も含め、

ルチャ的な味わいを楽しませようというマッチメークだったわけです。

ちなみに、ルチャというのはメキシコ流の飛び技の多いプロレスです。

日本で言うと、みちのくプロレスとか、闘龍門とかね。

 

 

で、試合なんですが。

期待通り、ルチャ的な速い動きと展開で楽しめました。最初は。

緩急の使い分けも見事。

すり替わるギミックも巧い展開。

 

話は前後しますが、普段はあまりいない筈の長与千種が、

何故かセコンドに付いてたんですね。

この試合の最初から。

あれ?とは思うわけですよ。

この試合の主役は北斗晶であって、

セコンドに長与なんかが付いたら客の目が移るのは当然。

プロデューサーとしても一流の長与が

そんな客の目を移す事なんてする筈がないんですよ。

 

最初は、北斗も終わりが近いから、

最後のレイナ・フブキだからセコンドで観たいのかな、

でもおかしいな・・・・とか思いながら、

北斗ファンのわしはリングの動きに目を奪われてたんですけどね。

 

なんでもない動きの中。

瞬間の動きなので断言はできないけれども、

崩れるように倒れる一人のレイナ・フブキ

そのままリングから転がり落ちました。

セコンドの動きもおかしい。

トミーさんも顔をしかめる。

 

怪我。

 

北斗晶が、膝の故障をなんども繰り返してきたのは有名な話です。

一人のレイナがリングに上がっても、

もう一人は、こちら側の席からは死角になっていて姿が見えません。

おそらくリング下で治療していたと思われるのですが。

 

二対一となってしまい、もちろんレイナは劣勢です。

やおら、長与がマスクを被り、リングインします。

レフェリー、トミー蘭は認めてしまいます(笑)。

長与のスタイルそのままに、長与は闘っていました。

 

褒められた事ではないんですよ。

コンディションが悪いままリングに上がり、

簡単な事で傷めてしまったレイナも。

彼女をリングに上げ、繋ぎでマスクを被ってリングに上がった長与も。

トラブルに困惑してしまったKAORU、ASARIも、セコンドも。

 

一端レイナと交代し、エプロンに下がった長与はマスクを脱ぎます。

やるせない表情を浮かべながら。

「マスクを脱いでるじゃねえか」というアピールにも、

「いいんだよっ」と投げ遣りに応えながら。

 

その直後、わしらと反対側から、足を引き擦りながら、

レイナが現れました。

長与と眼を合わせ、長与はエプロンから飛び降ります。

レイナは足を引き擦りながらも相手二人をリング外に下ろし、

もう一人のレイナに、得意技であるトペ・コンヒーロを促します。

 

男女を含め日本で初めてこの技、

トップロープから前宙しながら

相手に躰を打ちつけるトペ・コンヒーロを使ったのは、

北斗晶です。

本来なら、怪我がなければ、

二人同時のトペコンが観れたのかもしれません。

 

その後、リングに戻り、足を引き擦りながらも

トップロープに登るレイナ・フブキ。

そして、飛んでました。

その後ASARIの関節を固めたレイナにより、試合は終わりました。

もう一人は、KAORUにこれもレイナの決め技、

フブキ・ラナを決めていました。

 

少々あっけにとられた終わり方ではありましたが、

これはもうしょうがない展開でした。

 

そりゃね。

消化不良の部分はありましたよ。

褒められた試合じゃないんですよ。

もう二度と観れないレイナなら、

ベストコンディションで、

ベストな動きを観たかったですよ。

 

 

でもね。

ベストコンディションを作れる選手が、引退なんかしないでしょ。

まして怪我に怪我を重ねてきた選手ですよ。

ボロボロになったから辞めるんですよ。

その彼女が、足を引き擦りながらでもリングに上がる姿、

それを認める長与。

足の怪我、特に関節の場合なんか、歩けたもんじゃないですよ。

病院に行くまでもないと判断できる場合でも、

まともに歩けるもんじゃないんですよ。

まして、走ったり、飛び降りたり、人を抱えたり。

できないですよ。

あのまま試合を中止してもおかしくないですよ。

それで客も納得できますよ。

 

なのにね。

リング上に上がって試合を続けたレイナ。

試合が終わってからでも、

二人で足を引き擦り ギミックを続けたレイナ。

もちろん、敢えて試合を続けさせた長与も。

 

プロですよ。

プロフェッショナルの仕事であり、

プライドであり、

意地であり、

魂ですよ。

 

だから、わしは北斗が好きなんですよ。

己を見せつけるプロであろうとし、

プロであり続ける北斗が。

 

後三試合か四試合で彼女は引退します。

その内、一試合だけ、わしは観ます。

その時、また書きます。

 

 

北斗の笑顔

〜北斗晶に捧ぐ。〜

 

大阪最後となる北斗晶を観てきました。

入場時のガウンはキンキラキンです。

ここのところ、Tシャツでの入場が多かったので 久しぶり、

という感じです。

やっぱり、木刀は持ってます(^_^;)

前回の大阪、TVで観たその後の試合は

明らかにコンディション不良、

というか足の怪我があるようで

この日も正直なところ不安はありました。

組むのは最近大物食いで気勢を上げる永島、

相手は新旧チャンピオンの里村とアジャです。

この辺りになるとキャラクターも確立され、

プロレスも巧いので展開的にも期待できます。

 

ゴングの前にチャンピオン里村への挑戦が決まった永島が

いきなり里村を蹴りつけます(笑)

メモリアルマッチではあるんですが、

それを無視するかのような展開です。

 

 

これぞプロレスです(笑)

 

やはり北斗引退後の展開というのが

ガイアにおける最大の問題ですから、

先を見越させる試合も必要なわけです。

北斗は引退するけれども、

残った選手はまた新しい展開で見せなければならないのです。

この試合の他にも、予兆とでもいいますか、

今後の展開を拡げようという試合が結構ありました。

さすが、長与のプロデュースです。

 

で、この日の北斗なんですが。

コンディションは上向き、でした。

足を引きずることもなく、久しぶりに得意技の

スピンキックをも見せます。

昔のように踏ん張りは効いてませんでしたが、

あのスピードなら説得力十分です。

写真を撮りましたが、ぼやけてます(;_;)

また、噛みつきや爪という昔ながらの反則技も適宜見せます。

場外乱闘で近づいてきた里村の右大腿にはくっきりと歯形が残り、

アジャの背中には 20センチにも渡る爪痕(爆)

 

 

ひどい人です。

ちなみに、この場外乱闘は痛んでしまった北斗から

眼を逸らすためにアジャが永島に襲いかかったんですけどね(笑)

さすがに長年トップを張るアジャです。

抜け目ありません。

東席から北席へ、観客席はもうバラバラです(笑)

 

トップロープからの攻撃、

北斗流のバックドロップ、パイルドライバー、

スコーピオンからSTFへの移行。

 

常に声を発しながら、北斗は最後の大阪を楽しんでいました。

本当に、客を乗せるのが巧い選手です。

試合は里村が永島にデスバレーボムを決め、

北斗-永島組の敗戦で終わりました。

その時、アジャは北斗とじゃれるようにして動きを停めてました。

ほとんど、戯れてましたな。

若手時代から相当仲が良いらしいんですが。

負けたのに満面の笑みをアジャに向ける北斗

おそらくはこれ以上のコンディション悪化を防ぐために、

アジャは北斗の躰を抑えていたのでしょう。

 

爆弾だらけの北斗が引退前に壊れてしまわないように。

 

試合後、客から北斗に向かって

「マイクっ」という声がそこここから響きます。

一旦首を振って「大阪バイバイ」とだけ言った北斗ですが、

アジャがマイクを持ち、愛情に溢れた憎まれ口を叩きます。

促され、マイクを握る北斗。

 

大阪は最後だが、まだ終わってはいない、と。

 

顔は、笑顔です。

 

直接、北斗を観るのは最後です。

残念ながら、ノーザンライトボムを決め、

腕を突き上げる北斗は観れませんでした。

 

相当悔しくて横浜行ってやろうかと思うほどです。

行かないんですけどね(笑)

 

次の日曜日には、稀代の女子プロレスラー、

北斗晶は引退してしまいます。

センチメンタルな気分を抱えながら、

ステラホールを後にしました。

 

彼女がプロレスの世界から完全に足を洗うのかどうかは判りません。

しかし、希望としては、次世代の選手を育てて欲しいものです。

彼女のセンスを受け継ぐ、客の目を引きつけて止まない選手を。

 

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