日野日出志

 

 あぁもう目がチカチカするっっっ(^^;

いやほんとは背景に絵を載せたかったんですが。

日野日出志と言えば左右チンバなでかい目玉にスプラッタ。

スプラッタと言えば血の色ならば背景も真っ赤にしてしまえと思って書き始めて僅か4行。

 

  もう既に後悔してます。

 

 それはともかく、ほんと、この人の作品は絵も内容も気色悪い。

わりと子供の頃から怪談や恐怖漫画は読んでましたが、

わしにとってはつのだじろうより日野日出志です。

夢に見るほどのインパクトのある絵。

あの肉厚さ加減とチンバな目玉。

初めて見たのは忘れもしません牛小屋です。

多分伯父が買ったんでしょう、母の実家の牛小屋に置いてあった少年キング。

中身は全然憶えてないんですが、多分「恐怖列車」の第一回ではないかと。

もうね、速攻夢に見ました。

田舎で灯りもない、暗闇から牛の鳴き声が聞こえる、夜独りで用を足せない母の実家で、ですよ。

夢から覚めて泣きそうになりましたもん。

それでも続きを読みたくって、何年か後に本屋の立ち読みで読み漁りました。

そして現在に至って復刻版やら何やらで一気に集めました。

愛妻愛息には絶対絵を見るなと言い放ちつつ(笑)。

 

 呉智英氏は小林よしのり氏を「異常天才」と評しました。

それに倣えば、日野日出志は「異形天才」です。

異形というよりむしろ狂人が主人公である場合がほとんどなのですが、

彼は異形に対し異常なまでの執着を見せているのではないかと思います。

本当の処、彼が執着しているのは自身の中にある異形/狂気であり、

グロテスクと耽美の両極端でその部分を表現してしまうのではないか、わしはそう感じます。

 

 わしはホラーは好きですが、スプラッタは好きではありませんしむしろ嫌いです。日常が結構スプラッタですから

しかし彼のスプラッタにのみ、ある種の美しさを感じます。

思い込みの穿ち過ぎを承知で言いますが、

わしは作品中で飛び散る血潮は作者自身の血肉であると思います。

おそらく、彼は日常に感じる些細な違和感を自身の狂気の為せる業(わざ=ごう)とし、

その狂気そのものを、我が身を削りつつデフォルメしつつ、描こうとしているのではないかと。

しかし狂気と言っても自分自身のものなのですから、

そこには愛情〜偏愛と言っても間違いはない〜が存在してしまう。

その愛情が美しさとなって表されるのではないかと。

彼の作品とはそういうものだと思います。

 

 そう思えるから、わしは彼の作品が好きなのだと思います。

少なくとも、自分自身の中にある狂気を狂気として明確に描き出せる漫画家は

彼を置いて他にないと断言できます。

 

 ただし彼の作品を好きだと言える女性がいたらちょっとイヤです正直な処。

 

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