台湾人漫画家であり、日本国内では主に
講談社系列の雑誌に描くことが多い作家である。
内容、プロットなどの緻密さはもっと欲しいところだが、
その絵の美しさは一見の価値あり、である。
コマにより筆使いを変える事も多いのだが、
ぶち抜きゴマにおける伸びやか且つ大胆な筆使いは必見。
時代に踊った英雄達の美しき姿を見よ。
東周英雄伝
古代中国の「英雄」達の一生を一話完結で綴る。
故事成語の由来なども多く散りばめられ、勉強にもなる(笑)。
わしの記憶に間違いがなければ、鄭問の日本デビュー作である。
始皇(シーファン)
どうやら現在のところ連載が中断されているようであり、
再開が待たれる作品である。
若き日の始皇帝(幼い頃のエピソードは上記”東周英雄伝”にある)の
エピソードが主である。
始皇帝の脇を固める腹心達のキャラクターの描き分けも面白いが、
残虐なイメージの強い始皇帝の心優しきエピソードも興味深い。
敵対する趙の将軍・李牧の自害の場面、
秦の行政に多大なる影響を与えた韓非子の暗殺の場面は必見。
鄭 問