ユーロ2012 1/4Final スペイン-フランス
スペインは話題のノートップ。ポゼッション重視は変わらず。
前回大会ほどの凄みはないが、ポゼッションだけならずば抜けているのは変わらない。
フランスは生き返ったかどうか。
せこいフットボールはもう要らないが、ポゼッションでの勝負ができるかどうか。
前半。
スペインがパスを回すのは当然の展開。
フランスはラインを高く、綺麗なゾーンを作る。
プレッシャーも強い。8枚を堅く並べる。しかしこれでは旧態依然。
5分、セスクが裏へ抜け出す。クリシーは手足で止める。微妙な判定だが、PKとはならず。
フランスのゾーンは分厚い。がっちりと二枚。
10分、右サイドどフリーのアルベロアへ。サイドを緩めるのはしかたない。
フランスの中央への絞りはバランス良く綺麗。
しかしポゼッションは得られない。
パス回しのテンポは遅い。早々に奪われる。
13分、シルバが左から切れ込む。サイドにアルベロア。速いクロスは抜ける。
15分、リベリとベンゼマが左サイドから。わずかなズレ。それだけでスペインの網にかかる。
17分、スペインのキープにフランスはラインを保ちつつ強めのプレッシャーは変わらない。保つのか。
18分、左サイドで前にドリブルするイニエスタ。わずかな隙をつきセスクへスルー。これが通るのがスペイン。振り切ってクロス。逆サイドはどフリーのシャビ・アロンソ。DFとGKの動きを読み切って狙い済まして左へヘッド。ゴール。
20分、スペインのポゼッション大会。
22分、右からシルバのドリブル。持てて出せるのがスペインの強み。
23分、フランスが持ち込むがペナまでは入り込めない。
24分、スペインのキープ。フランスは高いラインと厚みを保てないか。やや押し込まれた印象。これが続くと危ない。
25分、フランスの攻撃は単発的にならざるを得ない。FKは浮く。
スペインはキープしつつDFラインとMFラインの間に入り込み楔を打ち込む。これで二層は厚みを保てなくなる。フランスが逐一修正し続ける事ができるか。
30分、セルヒオ・ラモスのファウル。FKはキャベイ。良いコースとスピードだったが順目。カシージャス余裕。
スペインはキープしては二層を崩しにかかる。あのスペースへ三人四人と入り込めるキープ力は本当に厄介だ。
スペインはペースを落とす。人が少ない。あえて崩しに行く気はないのか。
45分、フランス右サイドでリベリが絡んで狭いパス交換。スペインの対応は余裕。
もう少しフランスが堪えるかと思ったが、案外安直に失点してしまった。二枚三枚とフリーを作って攻撃に絡んでくるスペインには対応しきれないか。
ゾーンの横幅を縮めるまでは良いが、その逆を突かれると辛い。スペインは組織で逆を空けているわけでもないのだが。ゾーンの縦幅と横幅をどう修正するか。修正できなければ足の止まる終盤には悲劇となるだろう。
後半。
スペインは穏やかに試合を進める。フランスも前に出たいのは判るがペナまでは入り込めない。
5分、右にアルベロア。スペース。この点の修正は無理か。
じわじわとポゼッションでペースを握り返すスペイン。
淡々と時間が流れる。
フランスも人をかけようとはするが、画面は真っ赤。
15分、フランス左サイドでキープしたリベリがクロス。あの状況でも上げられる能力は凄い。ドビュッシーの頭。上。
16分、スペイン左からシャビが裏へのスルーパス。セスクが反応。ロリスの飛び出しに遭う。
19分、同時に交代。フランスはドビュッシー→メネズ、マルーダ→ナスリ。スペインはシルバ→ペドロ。マルーダは効いていた様に思えるが。
20分、セスクをFトーレスへ。
フランスのDFが重い。
Fトーレスにはマンマーク気味。このわずかなスペースも使うのがスペインである。追加点の予感。
相変わらずフランスはペナまで入れない。
と書いた瞬間にブスケツのヒールはミス。長い縦パス。リベリがペナ左から入る。やや流れるドリブル。それでも低いクロス。カシージャス押さえる。あれを簡単に押さえられては。
スペインは無理をしない。パスは細かいまま。
34分、フランスはエムヴィラ→ジルー。
38分、スペインはイニエスタ→サンティカソルラ。
完全にスペインは休憩。
難しい事をせずに守りきるつもりだろう。
42分、フランス縦パスからベンゼマ落とす。リベリがキープ。三人に囲まれてもクロス。CK。
44分、やはりスペインは無理をしない。右サイドの広大なスペースも無視。しかし左からシャビのスルーにペドロ。レベイエールは手足が出る。PK。
シャビ・アロンソ決める。とどめ。
スペイン完勝。フランスの復活はまだのようだ。チャンスらしいチャンスもほとんど作れなかった。あのポゼッションにどう立ち向かうか、そのプランがなければ戦える状況にならないだろう。逆サイドのスペースを無視してまで絞っていたが、そこを破られては仕方が無い。ゾーンの作り方は綺麗だったが、それも経時的に崩されて行った。スペインがその気ならもっと失点を続けていただろう。攻撃面ではベンゼマとリベリの二人+αだけの少人数でしか攻撃できなかった。カウンターが怖いとはいえ、これでスペインを崩すのは不可能だろう。事実、チャンスは皆無に等しい。
スペインは体力を温存しつつ勝ち上がった。やはりあのポゼッション能力は脅威だ。ノートップでラインを崩しておいてFトーレスの投入もまたカウンター予防にもなるし、更にラインを崩す事にもなった。次はポルトガルだが優位は揺るがないだろう。早めに点を取って決勝への体力温存を図れれば二連覇も見えてくる。
しかしこの試合もピッチコンディションがもう一つのような気もする。スペインのパスミスもかなり目立ったように思う。この点は気になる処だ。ピッチコンディションやボールの質で興を削がれるのは残念に思う。この点は改善して欲しいものだ。