ユーロ2012 1/4Final チェコ-ポルトガル
さて今日から地獄の四日間。
1/4finalである。
ともに初戦の敗戦から持ち直し勝ち抜けて来たチェコとポルトガルの一戦。
チェコがCロナウド、ナニの両サイドをどう抑え込むか。
Kick off。
チェコは突っかけない。
当然ラインは奇麗。
どのチームもゾーンを作り上げている。
ポルトガルはゆったりとしたキープ。
ハーフウェイからは激しく当たるチェコ。
お互いに守備の強いチームなだけに堅く進めたいのが見て取れる。
6分チェコのCK。チェコ左サイドからに展開だが、逆サイドのCロナウドは密着されている。放す気は毛頭ない、ということだろう。
DFラインのバランスはしっかりと取ってある。
10分、単発的にポルトガル左サイド、Rメイレレスへ。人はかけずに展開したい前半。
Cロナウドとナニはポジションチェンジ。中央から右へのCロナウドはやや離し気味。
チェコはサイドでプラシル、イラチェクが持つと他が前がかりになりポルトガルにプレッシャーをかける。居合いにも似た凄み。
23分、Cロナウドには密着。右サイドが空く。Cロナウドはワンタッチでそのスペースへ流す。ここにコエントラン。クロスは流れるがポルトガルはこの展開を狙うところだろう。
直後に中央に入り込んだCロナウドがワンツーで抜ける。DFを薙ぎ倒すCロナウド。ファウル。
26分、チェコは右サイドから。こぼれたボールをダイレクトで裏のスペースへ。クロス。ペペのクリア。攻撃に出る時のチェコの雰囲気がいい。直後にはポルトガル左サイド、Cロナウドへ。中には入らせない。縦に走るCロナウドでは恐怖感は半減。
31分、ポルトガルキープ。Cロナウドは中央。中盤のマーク。Cロナウドが上がるとマーク受け渡し。目は離さない。
どうでもいいがチェコの監督はストーンコールドみたいでいいなあ。
35分中央右寄りからポルトガルのFK。左に逸れる。
40分を前にしてCロナウドが下がってキープ。倒れ込んだ選手。ポスティガ。肉離れか。交代。
41分、下がったCロナウドから右に展開。クロスはシボクが冷静にヘディングでチェフへ。この守備はいい。チェコ全体を落ち着かせるプレイ。
アディショナルタイムに入って右サイドに流れっ放しなCロナウド。ワンタッチは許される。下げたところからロングボール。胸トラップから反転して抜け出す。うまい。シュートもポスト。
前半終了。
お互いに慎重な試合運びだが、ポルトガルはCロナウドが左サイドで仕事できない。中央、右では前半最後のシーンのような展開しか望めまい。これを愚直に狙うかどうか。チェコはサイドからの展開でポルトガルを崩せるかどうか。中央からの展開が少ないだけに狙い所が絞られると辛い。
後半にどう展開が変わるか。
後半。
チェコはラインを上げる。
早々にRメイレレスからウーゴアウメイダへクロス。上。
2分、FK。壁。思わずハンド。再度FK。狙う。チェフの指先をかすめ逃げる。枠を外す。
ポルトガルが前への圧力をかける。中盤がやや前がかりになっている。その分ラインも上がりスペースは無く、チェコもカウンターを仕掛けられない。
11分、イラチェクのパスをカットしてウーゴアウメイダ、ナニへ。シュートはチェフはじく。
直後に右サイドからクロスもオフサイド。
13分、ピラージュが左サイドを駆け上がる。久しぶりのチャンスもクロスはカット。
18分、じりじりとキープしながら詰め寄るポルトガル。チェコの中盤のラインが崩れ出す。下がり過ぎ。危険な兆候。モウチーニョのシュートはチェフ。CKからの展開でクロスもウーゴアウメイダ外す。
ポルトガル攻めるも決められない。わずかなズレ。
28分、Rメイレレスのスルーにナニ。CK。
チェコは中盤でのスピード感に欠ける。ポルトガルの両サイドバックが上がりっぱなしなのにこのスペースを使うに至らない。ポルトガルはCロナウドを抑えられている。
32分、Cロナウドは右に流れてやや下がり気味。チェコのラインはほぼ一枚。こうなるとポルトガルの得点は時間の問題である。
35分、右サイドのナニから走り込んでくるモウチーニョへ。クロス。ウーゴアウメイダを越える。Cロナウドのダイビングヘッド。叩き付ける。チェフ触る。しかし掠めただけ。ゴール。
チェコの足が止まる。ラインは修正されたが、これではポルトガルはゆっくりまわすだけだろう。
39分、なんとか踏ん張り前がかりになるチェコ。コエントランが奪って上がる。
チェコはFWに人を入れるがパワープレイには至らない。間延びした展開。このまま終わるだろう。47分、チェフからロング。CK。チェフ上がる。CK流れる。裏をかいたまでは良いが、イラチェクも裏をかかれたか。
終了。
チェコはやはり疲れたか、後半に入るとペースダウンしてしまい、且つ中盤の守備がズルズル下がってしまった。守備が一枚になってしまっていては、いくら世界の三本指の一人、チェフであってすら守りきれるものではないだろう。守備陣形の構築はそれほどに重要なのである。また、攻めに於いてもスピード感に欠けるものであった。スペインやドイツを見慣れていると格段に落ちる速度である。これではポルトガルの守備は崩せまい。せめてサイドに足の速い選手がいればまた違ったのだろうが、これが無いために、ポルトガルの両サイドバックは前にポジションを取れ、その結果コエントランなどはほとんど中盤の選手になっていた。2-5-3のようなシステムである。これでは中盤にかかる負担は著しく、疲弊は免れまい。その結果が後半30分過ぎの守備陣形の崩壊、失点であった。
ポルトガルはやはりCロナウドの存在が大きい。どうしても彼へのチェック/マークが外せないだけに、ポジションを変更されると守備への負担がかかってしまう。肉体的にも精神的にも疲弊してしまうのだ。それでもチェコは前半、Cロナウドから目を離す事無くほとんど抑え込んでいた。ポジションチェンジは諸刃の剣であり、やはりCロナウドは左サイドから前を向いて切れ込む動きが一番脅威なのである。この動きでは世界一怖い選手だと思う。しかし中央から右ではさほどでもない。あくまでもトップクラスの選手に比較して、だが。この点をスペイン、フランスのレベルであれば徹底してくるだろう。次戦のポイントはここになるだろう。Cロナウドを利用する動きで崩せれば面白いのだが。