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ユーロ2012 一次リーグ ドイツ-ポルトガル

地力ではやはりドイツが上だろうが、それにポルトガルがどう相対するか。
これがリーグ第一戦のポイントとなる。
いずれも決勝を狙える強豪であるだけに、初戦からの消耗は避けたい処である。
双方勝ち点1でよし、そんな慎重な試合運びになるだろう。
ポルトガルが賭けに出れば話は違うのだが、それはいくらなんでも無理だろう。

もう一点、前の対戦ではクリスチアーノ・ロナウドを消し去ったドイツだが、この試合ではどうなるだろうか。ここにもポイントを置いてみたい。

KICK OFF。
開始早々激しくプレッシャーをかけるドイツ。
もちろん試合を通じてこれを続ける気は毛頭なく、序盤のペースを優位に掴むためである。
徐々にプレッシャーは弱めるがラインは下げない。
この辺りの勇気と自信はさすがである。

早々に右に展開、エジルからボアテング、クロスにマリオ・ゴメスに合う。コースは良かったがルイパトリシオは余裕のキャッチ。この辺りの正確なパスはドイツらしい。
ポルトガルの攻撃はおそるおそる。慎重に、人をかけずにドイツの浅いラインの裏を狙う。
ドイツのDFラインの動きはやはり美しい。
絞る動きも開く動きもシンクロしている。

9分、ポルディのシュート。マリオゴメスのスペースを作る動き。DFラインを押し下げ、二列目が走り込むスペースを作る。この試合では何度も見受けられたシーンである。得点を挙げられない事ばかりで叩かれるが、この辺の献身的な動きはもっと評価されなければ。彼の巨躯はラインの押し下げに一役買っているのか。この辺は対峙するDFに訊いてみたい処である。
ここまでドイツはシンプルにサイドを使っての展開が目立つ。中央へはいつから切れ込むのか。
12分、ドイツのバックパスに猛然とポスティガ。ノイアークリアの後に削ってしまいイエロー。よくも黄色で済んだものだ。この試合を通じ、足の裏を見せるプレイには厳しく対処するレフェリングだった。こういうプレイは少ないに越した事はない。
20分頃は膠着状態。鍔競合いな状況である。やはり初戦、無理はしまい。
ロングボールでの展開が目立つ。
22分、ドイツが押し込む、というかポルトガルが下がり気味、前から当たれない。ケディラへのプレイがファウル。ポルディの強烈なシュートも壁。
ドイツのパスは速い。厳しいコースのパスも難なく通る。WCに比べても一段階速いようだ。この辺りの差がどう出るか。
30分、やはりポルトガルの中盤が下がり前のスペースを使われる。ここから大きく展開、ポルディのシュートは浮く。
35分、ドイツ右サイドの展開をコエントランさばく。この日ポルトガルのMOMは彼だろう。試合を通じ、攻守への貢献はすばらしい。
38分、ミュラーエジルミュラーとゴール前を往復するような展開。ミュラーのシュートは左にそれる。

43分、やっとクリスチアーノ・ロナウドが絡む。しかしパスは読まれている。この辺りの距離感は読み切っている。
直後のCK。クリスチアーノ・ロナウドを通り越してペペ。右上を狙い澄ます。うまい。しかしボールはバーからライン上へ。惜しい。

緊張感を保ったまま前半終了。
ポルトガルはMFのポジショニングを修正しなければならない。このままシュバやケディラがMFの前で好き勝手に動くようだと失点は免れない。

後半。
早々にエジルのスローインからポルトガルゴール前。こぼれ球にケディラ。さらに右に流れクロス。CK。ドイツのパスはやはり速い。
47分、ポルトガルはナニが右サイドから展開。フンメルスのダイビングヘッドでクリア。
後半に入りポルトガルはDFラインを上げる。MFのラインも修正してきた。この辺りはさすがに強豪である。
50分、カウンター気味にペペからクリスチアーノ・ロナウド。ボアテングは我慢。どこでどういう守備をすれば良いか、その判断力。クロスをヘディングでクリア。
56分、ドイツが前でキープ。ポルトガルの中盤は修正済み。そこをエジルからポルディ。こぼれてGKへ。
60分、シュバへのスライディングでコエントランにイエロー。
一瞬の隙。クリスチアーノ・ロナウドがスペースへ。遅れ気味のボアテングがスライディングでカット。遅れても間に合うスピード。起用は正解という事だろう。だからこそ高いDFラインがキープできるのだ。
とか言ってあげたのに手を出して68分、ボアテングにイエロー。ここはまだ置いていかれても...
70分、ポスティガからオリベイラへ交代。両チームとも前に出るか。ミュラーのクロスは正確性に欠ける。
73分、右サイドへシュバ。この辺りの動きはやはりドイツらしい。中央に戻ってまたサイドへ。ケディラのクロスにワンタッチ。マリオゴメスの狙い済ましたヘッド。ゴール。

76分、左サイドからクリスチアーノ・ロナウド。ドイツのDFを絞る動きが美しい。
ポルトガルは前がかりに。勝ち点0は避けたい。強豪国が鮨詰めなのだ。ドイツは慌てる風でもない。
81分、クリスチアーノ・ロナウドのシュート。ノイアーは既に右に動いた所を逆にブレる。だからその手のシュートはやめてあげて。躰がちゃんと反応しても逆に来るって。
82分、コエントランが前に持ち込む。クリスチアーノ・ロナウドへ。いい展開。ボアテングのスピードはやや落ちたか。コエントランに返しシュート。CK。
85分、クリスチアーノ・ロナウド楔からナニ。クロスはフンメルスが競り勝つ。この辺の対応には隙がない。
87分、ポルトガルペナ前でクリスチアーノ・ロナウドがカット。コエントランから縦。左から展開。こぼれて中央バレラ。ノイアーの完璧なポジショニング。これではコースがない。正面で止める。
92分、コエントランを絡めてCロナウド、ナニへ。シュートコースはバドシュトゥバーが消す。
CK。枠を外す。

終了。

展開としてみれば予想通り、ドイツにしてみれば予定通りといったところだろう。
ミュラー、ポルディはまだ全開ではないし、エジルもそうだ。その気になればもうワンランク上の動き、コンビネーションができる筈なのに、この試合では比較的簡単なプレイしかしていない。得点がクロスからのヘディング、というのはこれを象徴している。これでポルトガルから勝ち点3なのだ。ポルトガルはペペのシュートが入っていれば、という処だろう。わずかなスペースでもあればトップスピードで持ち込めシュートまで行けるクリスチアーノ・ロナウドがいれば、得点後のカウンターからドイツを沈めるのはさほど難しい事ではない。しかし逆に後半をフルに残してポルトガルが失点せずに済んだかと問われれば、それも難しいと言わざるを得ないのだが。ドイツの攻撃力は世界的にもトップクラスである。いやわしの中ではここ5年トップの座に君臨し続けているのだ。ドイツがビハインドを取り返すためにを猛攻をかけ、少なくともあと二戦を残した状況で消耗戦になれば、むしろポルトガルは危機的状況に陥ったとも考えられる。WCでスペインを下したスイス、ドイツを下したセルビアのように。
ドイツにとっては最良の結果であっただろう。先に得点し、余裕を持って後の時間を使えた。得点後クリスチアーノ・ロナウドへのケアを緩めてでも勝ち点3を得たのだ。上の記述を見てもらえれば判るが、クリスチアーノ・ロナウドが絡んだ展開以外のポルトガルのチャンスは片手にさえ足りない。得点後クリスチアーノ・ロナウドへのパスコース、スペースは明らかにルーズになっていた。もしかしたらわざとかもしれない。失点しても勝ち点1なのだ。必ずクリスチアーノ・ロナウドに渡る事を見越し、その上で守っていたのかもしれない。これは完全に穿った見方だが、守備練習でさえあったのかもしれない。クリスチアーノ・ロナウドに相対するのだ。これ以上の守備練習は世の中にはそうそう無い。消耗を避けつつも最高の練習相手のプレイを受ける、これ以上の状況はあり得ない。それ程の余裕が無ければ、ドイツが失点後にクリスチアーノ・ロナウドを自由にする意味は解らない。練習相手は言い過ぎにしても、むしろ押さえ込む自信があって、空けておけば必ずクリスチアーノ・ロナウドに渡るのだから、その後で守れば良いやみたいな感じだったのだろう。いずれにしても、ドイツに余裕を持たせると碌な事にならないという事だ。
しかし、ポルトガルにとって最悪だったかと言われればそうでもない結果ではなかったか。最少失点であり、不要な消耗も怪我もなく第二戦に臨めるのだ。点の取り合い、消耗戦での敗戦ではないのだ。消耗はこの試合よりもオランダ、デンマークの試合に顕著だろう。体力的には有利に第二戦に臨めるのだから。ポルトガルが第二戦で勝つともっとこのリーグが面白くなるのだが。
...他人事は楽しいのだ。

しかし第二に挙げたポイントは先のようなドイツの守備のため検討できなくなってしまった。ただし前半を観るにつけ、あのように守られるとクリスチアーノ・ロナウドはせいぜいハーフでワンチャンスものにできるかどうか、とも考えられる。前のスペースを与えず、且つスピードのある選手をマッチアップさせる。ショートパスのコースはとことんまで切る。これをデンマーク、オランダがどう活用するか。わしはここで次戦のデンマークに注目したい。デンマークは紛れも無い強豪である。しかも大胆さと狡猾さを併せ持っている。日本のマスゴミが言うような弱小国ではあり得ないのである。
これを巧く利用すれば、デンマークが次戦でトーナメント出場を決めてしまうだろう。
ドイツ-オランダ戦よりも興味深い一戦である。


ついでに日本のマスゴミは以下の体。白痴の視座、と何度言えば良いのだろう。

http://www.nikkansports.com/soccer/world/euro/2012/news/p-sc-tp3-20120611-965536.html
オランダ瀕死…「最弱」に黒星/欧州選手権
<欧州選手権:デンマーク14 件1-0オランダ>◇1次リーグB組◇9日◇ウクライナ・ハリコフ

 早くも「死の組」で波乱14 件が起きた。1次リーグB組2試合が行われ、10年W杯南アフリカ大会準優勝のオランダが、0-1でデンマーク14 件に敗れた。今季プレミアリーグで30点を挙げ、得点王になったファンペルシー(アーセナル)や、ブンデスリーガ得点王フンテラール(シャルケ)ら豪華攻撃陣が不発に終わった。

 FIFAランク4位のオランダにとってまさかの黒星発進となった。前半24分、「死の組」B組の中ではやや劣るといわれていた同ランク9位デンマークに先制を許した。相手MFクロンデリにこぼれ球を拾われると、DF陣が簡単に突破を許した。そのままドリブルでペナルティーエリア左へ進入され、左足でGKステケレンブルフの股の間にシュートを決められた。

 一方で攻撃陣は鳴りを潜めた。シュートこそ相手の8本を大きく上回る28本を記録。だがデンマークが8本すべて枠内に蹴ったのに対し、オランダは28本中8本しか枠内へ飛ばなかった。ロッベンの一撃が左ポストを直撃した不運もあったが、プレミア得点王ファンペルシー、交代出場したブンデス得点王フンテラール、スナイダーらスター選手たちがシュートを外し続け、そのまま敗れた。主将ファンボメルは「失点した場面だけが、危ない場面だった。今日、勝ち点3を取ることは本当に重要なことだった。もう話す言葉もないよ」と肩を落とした。

 ファンマルウェイク監督は、スコミナ主審を批判した。試合終盤、相手選手がペナルティーエリア内でハンドを犯したと、フンテラールらがアピールしたが認められなかった場面について「明らかなハンド。ウチの選手たちは今日4~6回はゴールするチャンスがあった。そして審判にも得点のチャンスがあった」と皮肉った。1次リーグ残る2戦はドイツとポルトガルが相手。チームの雰囲気が最悪になってしまったオランダは立ち直れるか。
 [2012年6月11日8時6分 紙面から]

http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2012/06/0610soccer/
デンマーク、オランダを撃破 ドイツも勝利 ユーロ2012

 サッカーの欧州選手権第2日は9日、ウクライナのリビウなどで1次リーグB組の2試合を行い、優勝候補のドイツが1―0でポルトガルを下して白星発進した。

 オランダは0―1でデンマークに敗れる波乱のスタートとなった。

 ドイツは後半にFWゴメスが右クロスを頭で決めて均衡を破り、終盤のポルトガルの猛攻をしのぎきった。

 オランダは前半24分に失点。

 終始攻勢だったが、決め手を欠いた。

(以上、共同)

 大方の予想通り、ドイツ、ポルトガル、オランダ、デンマークが顔をそろえる「B組」はいきなり大混戦となった。

 デンマークは前半24分、MFクロンデリがキーパーの股を抜き先制。この1点を守り抜いた。オランダは怒涛の攻撃でシュートの雨を降らせたが、デンマークの堅い守備を破れなかった。 

国辱ものな記事であると露程にも気づかぬバカさ加減である。
こうなったら是非ともデンマークには一抜けして欲しいものである。
http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~egoist/football.htmlhttp://www.nikkansports.com/soccer/world/euro/2012/news/p-sc-tp3-20120611-965536.htmlhttp://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2012/06/0610soccer/shapeimage_2_link_0shapeimage_2_link_1shapeimage_2_link_2


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