ゴールキーパーシャツ〜友とさえ呼ぶユニフォームよ〜
ちょうど10年前(注:2003年当時)、わしは大学(学部)のサッカー部のキャプテンであり、大学に入って以来公式戦勝ち星無しという状態から脱却すべく、寝ても覚めてもサッカーのことしか考えていなかった。
そんな時に購入したゴールキーパーシャツ。蛍光の黄色地に胸から肩にかけて牛みたいな模様のついた。
なぜこんな柄にしたのか自分でも不思議だが(笑)
色は従来黄色だったからそうしただけのことだったと思う。まあ目立つだろうとでも考えたのだろう。
このシャツを着て出た公式戦。
生涯でもっとも記憶に残る試合だった。
入学当初から何かと面倒を見てくれ、だからこそ共に勝利を味わいたいと曰い無理矢理に近い形で出場してもらった先輩のゴールやアシストがあり、生意気ながらチームを盛り立ててくれた後輩達のゴールがあり、今も指に感触の残るわしのセービングがあり、めでたくも公式戦初勝利となった試合。
その翌年の大会でチームはベスト4に進む躍進であり、ベスト4を決めた試合でのPKストップはこれまたわしの左手に今でも感触を残している。
そんな記憶に残る試合で、わしはこのシャツを着ていた。
こう想えばゲンのいいシャツである。
それに加え大学の卒業に伴い使用頻度が激減したこともあり、今まで使い続けてきた。
もちろんこの間、他の色のシャツを購入したりもし、これだけを着続けてきたわけではないが。
そして、数ヶ月前。
久しぶりに着る機会があった。
今更ながらに気づいた。
番号ははがれかけ、所々に穴も開き、肘のクッションも既に機能を果たしていない状態に。
新しいシャツを買うことにした。
色は黄色にした。
このシャツを引退させるために。
おそらく、捨てることなどないだろう。
わしの血も汗も、涙をも吸ってきたシャツである。
運のいいシャツである。
最期の時もまた、勝利のホイッスルを聞いているのだ。
長い間、ありがとう。
そして、ごくろうさま。
2003.8.31
ちなみにこれが上記のPK Stop直後の写真(笑)