BTR 3×3」特集

   1.  2.各曲 感想前書き 

   3.各曲 感想 -1Together -2Ever -3) コーヒー 

         -4) コ コロニトドケ -5)ア ンサー  -6)子 供達のように

         -7)手 をつなごう -8)夏 の雨 -9)楽 宴

   4.総評

   5.ストーリィ

     楽宴      together 

1.

 まず一聴。あれあれ・・・

なんだギターが耳に障るぞ・・・・ってすみませんPCでしかもやっすいヘッドフォンで聴いてました(謝)

いやちゃんとしたアンプで高級ヘッドフォン(パイ○ ニア)かスピーカー(オ○キョー)で聴けば良かったのだが、

家でじっくり・・・などとはなかなか難しく・・・・ (言い訳)

もちろんこんな聴き方で評価するのはいかん。人とし て。

なわけで深夜、ヘッドフォン装着の上再聴。

 

 当然ちゃんとしてるのだな。

高低のバランスも良いし、それぞれの音もちゃんと聴 こえる。

個人的にはアコギとドラムがもっと前に出ても良いか もなのだが。

mixは・・・ あ、前野さんだったのね(笑)多芸な人だ。

 

 ライヴで一度聴いた曲ではあるのでどうしても比較 してしまうのだが、

やはりライヴに比較すると余所行きな感じは否めな い。

かといってライヴ音源をそのままアルバムにはできな いだろうから(笑)、難しいところだが。

ちょっとパンツの上から愛撫されるような焦らされて る感があるな。

表現がまずいので(笑)ちょっと書き換えてみる と・・・・

行商の魚屋でパックの切り身を売ってるような違和 感。                伝わるか?これ(笑)

出来云々ではなく、個人的感性だとは思うのだが、BTRの持つグルーヴ感、敢えて言えばなまなましさはやは りライヴが一番なのだろう。

尤もあくまでもこれは「アルバム」という製品であ る。

そこに「ライヴ」という生そのものを求めるのは間違 いだろう。

 

 そう切り替えてもう一度聴く。

・・・・で、結局じっとしていられないのだなわし は。

ここで気づくか>わし

とにかく手足頭、いろんな所が動き出してしまう。

いやわしに落ち着きがないと言うだけではなくて。

なんのかんので躰に働きかけるリズム感、グルーヴ感 は「製品」を以てしても伝えてしまうのだ。

頭隠して尻隠さずなバンドなのだ。                          違うか?この表現

ドラムが弱い、と感じるにも関わらず、グルーヴ感が あるのだ。

これを矛盾とさせないのがBTRの凄さなのだ。恐るべし。

 

 いつもBTRのライヴで感じることなのだが、とにかく気持ち良い のだ、彼らの音/グルーヴは。

アルバムであってすら、そうなのだ。

先ほど焦らされているような感がある、と書いたが、

要するにこれは早く生でしてっっ!的な感覚なのかも しれない。

 

・・・・表現おかしいか?わし(^^;

 

とりあえず序論概説はこのぐらいにして、次からはそ れぞれの曲について順に書いていこう。

 

Others

 

2.各曲感想前書き

それではここから一曲ずつ書いてみようかと思うが、 一つ条件付けをしてみたい。

「グルーヴ」と言葉を全く使わずにいこうかと。

ちょっと自分でも食傷気味なので(爆)

と言うのは半分冗談だが、このバンドを語るにつけ、 この言葉は避けて通れない。

かといってそれを書いてしまうとそればかりに陥る可 能性が高いのだ。

・・・わしはあくまでも音楽には素人じゃによっ て・・・・・(^^;

それは全曲を通じて溢れる血脈のようなもの、

このバンドに於いては当たり前に存在するものという スタンスでいこう。

とはいえ全曲一気にとはなかなかいかないので、 ちょっとずつ。

・・・その間にPC乗換があるので変に途切れたらすみません(笑)

ついでにもう一つお断り。

詩については概略しか書きません。

 

だってストーリィのネタばらしになりそうじゃ し・・・・(爆)

Others

 

3-1Together

この曲で特に好きなのは、間奏から大サビ(でええん かな?英語ばっかんとこ)を経て

コーラスとクラップが入ってきて最後までの流れ。

曲を通じて前野さんの甘めの声と詩が相まって、ほ くっと暖かく優しい唄なのだが、

この部分をほんと、よくできてると思う。

前野さんの詩には情景、(心象)風景の描写が少ない 分、

両手を広げてみんな一緒に♪的なイメージが強く、

先述の部分ではそんなイメージが極大化す る。・・・・解りにくいかなあ(^^;

こんなイメージを与えているのは意識的に、なのだろ うか。

3×3=三者三様であるとして、その意味を意識して、なの だろうか。

この辺はまた後で考えよう(先送り)

 

3-2Ever

Pop」と「どぎつさ」を共存させる妙。

「ぞっとする」とまで言うかフツー?(爆)

さらりと酷いというか、哀しいというか・・・・ (^^;

曲調と詩のギャップが激しいというカラーの萌芽は

高校生の時に作ったという「-サスライ-」に求められるのだろうか。

以前からBTRは大人の素直だと言ってきたが・・・どう捉えればい いのやら(^^;;;

細かいことを言えば、ホーン(キーボード?)のリフ と二回目のサビ前のベースのおかずが好きだな。

っと・・・・なんだかアコギとエレキとキーボードが 左右上という感じで

分かれて聴こえるのは気のせいかなあ・・・・

心象と現実の乖離をこんな風に表現してるとしたら、 その緻密さには恐れ入る。

 

3-3)コーヒー

うって変わって情景描写に溢れる坂井さんの唄であ る。

・・・よぉできたアルバムタイトルだ(笑)

それぞれのキャラが明確に分かれる曲を冒頭三曲に 持ってきているのか。

やはり先の音の分かれ方は意識的なのか、渾然一体と した混じり具合である。

その絡みにサビの辺りで入り込んでくるピアノが良い なあ。

詩と曲のギャップもあるが・・・・これはストーリィ で(笑)

 

 

Others




3-4)
 コ コロニトドケ

ライヴでのMCを聞 いて非国民ですみませんと思いました、正直(爆)

言い訳するつもりもないですが、ここ数年わしがダイ ヒョーと酷評しているのは、

「勝てない」からではなく、「勝とうとしていない」 からです。

勿論気持ちの上では「勝とうとしている」とは思うの ですが、

そんなものは当たり前のことであって、「勝つための 具体的な方策」がないから、です。

素人であるわしらでさえ、勝つための戦術を作ろうと します。

それを代表足るべきチームに於いて戦術以前の基本が できていない、

もしくは基本を無視した戦術を作ろうとしている、の では、

少なくともわしには「自分達の代表」として認められ ません。

ちなみに上の段は前監督、下の段は現監督のことです が。

だから応援したい気持ちは有るんですが、あんな指導 者の下では・・・と想うと・・・ねぇ(^^;

ま、これは全然関係ない話ですな。

本題に戻りましょう。

この前の曲、「コーヒー」と連続させているのか。

別れた相手の夢が叶うよう祈る”と唄った後、と考え れば

ワンセットと考えてもいいのかもしれない。

少なくとも想いが「直接には届かない」という前提の 唄なのだから。

それは競技でなくとも、仕事や恋愛であっても変わら ない。

この曲には情景描写が少ない分、こういう受け取り方 には自由度が許されるのではないか。

こじつけか?これ(笑)

たぶん打ち込みのリズムセクションは控えめ。

ホーンやギターが高めの音なのでリズムが前に出過ぎ るとうるさいか。

最後のサビの部分のギターの入り方が印象的。


3-5
)アンサー

叙情的な雰囲気を醸し出すアコーディオンが秀逸。

情景描写は皆無。心象風景のみ。

このアルバムには時系列的な分業体制(?)が有るよ うに感じているのだが、

これは特に 「今現在こう想っている」的な雰囲気が強い。

この曲に於いて、それが意識的なものか無意識なのは 知らない。

それでもなんだろうね、この強さは。

切ないかもしれないが、強い。

矛盾を矛盾と感じさせないワザ。

丸山ワクチンとは関係ない。たぶん。

3-6
)子 供達のように

これもまた心象風景。正確に言えば、記憶の中にある 情景を散りばめた感じ。

ココロニトドケからの三曲は全て心象風景が唄われて いる。

ここまで来れば絶対ワンセットだな、この三曲は (笑)ほんまかどうかは知らんけど

声と一緒に語りかけてくるベースがいい。

この人達の場合、語りかけてくるのは元来全部の楽器 なのだろうが(笑)、

その中でもこの曲は一つ一つが語りかけてくる感が強 い。

聴いた後の気持ち良さはこの曲が一番いいな。

ってそんなものは常に変わって気持ちいいのだが (笑)

Others

-7)手をつなごう

切なくて、優しく甘 い曲。

やはり前野さんの曲 は情景描写が少ない。

枯れ葉の舞う夕方の 舗道、それぐらいしか判らないのだが・・・

そこから膨らませる とストーリィになってくるのでもうやめとこう(爆)

後ろに流れるキー ボードがいいな。

左のトライアングル みたいのは松藤さんのテイスト。


-8
)夏の雨

秋の次は夏の唄。

ちょうどこれを書い ている今現在、台風接近中である意味タイムリー(笑)

甘い残滓に浸れるな あ。

相当昔にあった想い 出っていうの?

書いててかなり照れ る表現になるが、そんな想いに、素直に浸れる曲。

間奏の後のコーラス が気持ちいい。

そんな気持ちよさが 照れを覆ってしまうのか。

なんだか絆されるよ うなあったかい唄。


-9
)楽宴

なぜこんなに軽く明 るく哀しい唄が作れるんだこの人は(^^;

正直ね、泣いてしま いましたよ、これ。

どんだけ逆説的な唄 なんだって話ですよ。

楽しく酔った雰囲気 を醸し出すスライドギター、

軽快なモンキー、お 姉さん達のコーラス。

全部明るくて気持ち 良くて。

その裏にあるのは、 ねえ。

裏の辺りは、ストー リィで書きます。

Others



総評

さてここからストー リィに移るかと思いきや、まだまだ書きたいことはある。

「アルバム評」なの だから、どんなアルバムなのか、どういうコンセプトなのか、そんなことまでちゃんと書いておきたい。

尤もこれはいつもの ことで、総てわしの思い付きと思い込みと想像と妄想の産物である。

正しいのか間違って るのか、そんなことは知ったことではない(爆)



ご存じの通りこのアルバムタイトルは「3×3」。

三人が三曲ずつ、3×3=9、だからこのタイトル、そんな簡単なものでもなかろう。

坂井氏はMCで三 者三様、ということを言っていたので、これをヒントに考えてみたい。



まず、似通った状況に於けるそれぞれの対応を対比し てみよう。

Together」と 「子供達のように」と「楽宴」。

いずれにおいても、困難な状況に置かれた人物が存在 しているのは明らかだが、その状況を脱するためにどうするか。

Together」で は皆がいると唄い、「子供達のように」では手を繋ぎ合い唇を合わせ、「楽宴」では酒を呑む。

誰かが傍にいるのは全て同じなのだが、「子供達のよ うに」では明らかに恋人以上の特定個人で他とは異なる。

更に、打ち解け合える複数人がいる「Together」と 「楽宴」では「酒を呑む」という条件があり、わしには全く違う事と考えられる。

「心が楽になる」という前提が必要になるのだ。

「困難な状況に陥った者」自身の観念の有無、この点 で大きく異なるものと思える。

従ってこの三曲、見事なまでに対照的な三様を示して いると言える。





わしはこれに気づいた時、曲作りの最初に示し合わせ でもあったのかと勘繰った。

三つほどテーマを決めて、それぞれ三曲ずつ、それで 「3×3」か と。

そんなシンプルなコンセプトでもあるまいし、おそら くは曲を持ち寄ってみたらこうなった、

ということになったのだと想うが、最初はそんな風に 想ってしまうほどよくできた話である。



よくできた話と言えば、一曲目が「Together」 で、最後が「楽宴」というのもよくできた話だ。

似通った題材と内容を最初と最後に置き、一本筋を通 しているかのようである。

話が逸れたようだが、これはこれで大事な視点のよう な気もする。



話を元に戻そう。

示し合わせなどはわしの勘繰りと書いたが、それは次 の理由による。

Ever」 「コーヒー」と事実上終わっている二人の関係を唄う曲が前野さん作にはないのだ(笑)

まあ物理的に声が届かないという「ココロニトドケ」 をここにこじつけることもできるのだが、

敢えてそんな唄がない、というのも三様なのかもしれ ない。



・・・まさか「手をつなごう」は違うよな?(爆)



三人の対比が揃う、というのは他に、「ココロニトド ケ」と「アンサー」と「子供達のように」の三曲が

「届け難い想い」という点で共通だが、三曲揃わなく ても二曲間での対比は他にもある。

先の「Ever」と 「コーヒー」、風景の中の二人という点で「手をつなごう」と「夏の雨」、など。

他にも色々あるだろうが、詰まるところ、各曲それぞ れが他の曲とリンケージされて構成されていることには間違いないだろう。

そしてその結果、三人の対比が如実に表れるように なっている。

これは意識的にそうしたのか、元より個性際だつ三人 だからなのか、

それは判らない事ではあるが、少なくとも事実とし て、三人の個性が見えてくるアルバムであることは言を待たない。



甲斐よしひろ、BTRのラ イヴで、わしは常に想う。

音の絡みが一塊であることを。

だがこうしてみると、一塊なのは音だけの話ではなく て、個性という点に於いても同じなのかも知れない。

表層、表現方法、または楽器(笑)に違いはあれど、 根底では一塊に絡み合う何かがあり、

それがライヴやアルバムでは音として示されているの ではないか。

更にこのアルバムに於いては、かなり意識的、自覚的 にそういった根底を表現しようとしている様な気がしてならない。



まあこう想うのも最初と最後の一本筋からの思いつき なのだが・・・(^^;



Others

       楽宴

   財布と煙草をポケットに詰め込む。

   サンダルを履き、音を立てないようにドアを開ける。

   閉める。鍵をかける。

   道すがら、煙草に火を着ける。

   空が明るい。

   分厚い雲に地上の灯りが反射している。

   雲に向かって、煙を吐く。

   吸い終わる前に、ドアを開ける。

   重いドア。

   低音がわずかに響く。

   久しぶりの来店を咎める声。

   いなしつつ、灰皿で煙草を揉み消す。

   確認を取りつつも既にその手に握られたボトル。

   グラスが二つ並ぶ。

   一口含む。

   冷えた液体が口腔内を焦がす。

   息。

   肘をついて、並べられたボトルを眺める。

   グラスに半分ほど、喉に流し込む。

   最近どう。

   バーテンが尋ねてくる。

   乗れてないね。

   あれで街乗りだけは勿体ないね。

   頷く。

   いつまで乗る。

   腹が出るまでは。

   万歳しながら乗る人じゃないし。

   せいぜいアップだね。

   いつまで山走る。

   腹が出るまでは。

   全然出る気配もない。

   出す気もない。

   試合は。

   12な。

   走る。

   走る。

   偉い。

   怪我したくない。走ってても鍛えてても怪我はする。

   それはそうだ。

   おっさんのニードロップは痛い。

   折れたもんね。

   肋はきつい。

   仕事休んだ。

   いや休まなかった。

   偉い。

   うん。

   痛い人みるのに自分が痛い。

   イタい人もみるけど自分もイタい。

   ドアが開く。

   赤ら顔。

   肩を叩かれる。

   久しぶりやんけ。

   おう。

   何呑んでんの。

   お酒。

   分けて。

   やだ。

   グラス頂戴。

   紙で。

   かまへん。

   いいですか。

   うん。

   いつから呑んでんの。

   中学の時から。

   何時から呑んでんの。

   さっきから。

   独り。

   見たまんま。

   最近どう。

   お酒おいしい。

   仕事どう。

   お酒おいしい。

   稼いでる。

   お酒おいしい。

   俺もおいしい。

   うん。

   呑め。

   呑んでる。

   おかわり。

   俺も。

   ほんでな・・・・



   聞いてるか。

   呑んでる。

   解ってるか。

   呑んでる。

   だからなあ。

   呑んでるて・・・・・



   あほかっちゅうはなしや

   しらんかったんかい

   しっとるわい

   うそ

   ほんまやて

   やっときづいたか

   うんてこら

   ちっとはきゃっかんてきにみれるようになったか

   なってへんわい

   しっとるわい

   なんやとこら

   こらてなんやこら

   こらてなんやこらてなんやこら

   えんやこらえんやこらえんやこら

   どっこいどっこいどっこい

   こらはいってないやないかこら・・・・



   ちょっと声大きすぎですよ。

   すんません。



   んじゃ。

   今度こそもう少し静かにお願いします。

   どりょくしますです。



   ドア。

   重いかどうかもう判らない。

   真っ直ぐ歩く。

   多少の努力が必要になる。

   足取りは、軽い。



   身、だけではなく。

 

Others

    Together

   一緒に、いよう。

   え?・・・・そうだよね。ずっとは、いられないよね。

   俺のせい。だね、それは。

   うん・・・・うん。でもさ。

   せめて、ね。

   うん、そ、だね。

   俺はさ。そこにさ、あるから。いるから。

   うん。それじゃいかんよね。

   でもさ。

   俺がさ。

   うん。そうだね。そうなんだけどさ。

   俺はさ。

   お前と。

   うん。不満だし、不安だよな。解ってる。

   けどさ。

   うん、いかんよね。それは。でもさ。

   うん。でも。想うぐらい。

   そうかもね、でも。想っていたいし。

   うん。一緒って。

   うん。そうだね。そうしたいよね。俺だって。

   うん。解ってるよ。でも。そこはね。それじゃいかんのだけど。

   うん。悪いよ。俺が。でも。

   そうだけど。

   いやだから俺がさ。

   うん。悪いよな。俺が。

   それでも俺はさ。お前がさ。

   うん。俺だって。

   うん。

   うん。だから。

   うん。だね。だけど。

   うん。いや俺は。だから俺は。

   うん。でも俺は。

   うん。悪いよ。それでも。想ってるよ。想うぐらい。

   うん。そうだけど。想わせてよ。俺に。

   いやそれは俺だけでいいんだから。

   俺だけでさ。

   うん。

   それじゃ、ダメかな。

   そうだよな。でもさ。

   俺は。

   うん。

   でも俺は。

   俺は。



   俺は、ね・・・・・・・

   

   

Others