初年次教育 法学教育 法学入門 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 細川幸一

法学教育のあり方を考える



 バトミントンで世界的に活躍し、オリンピック選手指名も確実と言われていた桃田選手が賭博問題で選手生命
の危機に陥りました。もう少し、賭博の違法性についての教育をしていればと悔やむ声が関係者からあがってい
ます。

 一芸に秀でていても社会の常識に疎ければ、人生を棒に振ることあります。大学で最低限の法的知識や社会
制度を学ぶ法学教育は社会へのパスポートと言えるでしょう。

 しかしながら、大学での法学入門等の初年次教育・教養教育としての法学教育は、日本の法律の体系や主要
な法解釈を無機質に学ぶスタイルが多く、学生が役に立たと思える講義はあまりないように思います。


 私は2004年から日本女子大学の教養課程の法学関連科目を担当してきました。専門科目以上に「法学入門」
を講義し、学生の生活の糧となる知識や知恵を持ってもらうことは難しいと実感しています。まして、法学部以外
の学生に有意義な講義を行なうことはさらに困難を伴うと思います。その理由として、法律は体系的に整備され
ているものであり、その入門編となれば、教える側としては、その枠組みや基礎的な理解してもらおうと考えます
が、学ぶ側に法律への関心や問題意識がないと結局、無味乾燥とした暗記中心の講義になってしまうからです。

 そうならないよう工夫したテキストも散見されます。ストーリー形式のもの、漫画を取り入れたもの、架空の人物
を設定して経験談的に描くもの・・・いろいろ工夫が見られますが、それを使って大学で講義を行なうことは、手が
込んでいるゆえに難しいと感じます。

 そこで、一般的な大学生の身の回りの問題から始まり、就職、労働、結婚、生活上のトラブル、高齢化など、
今後人生を歩んでいく中で起こりそうな問題について平易に法的な解説を行ない、あわせて自らの生活のため
に必要な社会制度への理解を促す、初年次教育向けの法学教育・法教育にふさわしい法学入門のテキストを
慶應義塾大学出版会より発行しました。

                                                           細川幸一     

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  大学生が知っておきたい生活のなかの法律
  (著:細川幸一 発行:慶應義塾大学出版会)
         

 
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