PL法 ( 製造物責任法 )



 PL法とはProduct Liability Lawを略して表現したもの。英米では一般的にPLとは略しません。

 正式名称は製造物責任法。民法の不法行為法の特別法としての位置付け。多くの国では同様に民事上の不法行
為についての特別法(無過失責任主義 あるいは 厳格責任主義 といわれる)ですが、ニュージーランドでは、民事責任
制度に置かず、社会保障的な制度によって製造物の欠陥による人的被害が補償されています。すなわち、人的障害
事故が発生したときには、被害者の加害者に対する損害賠償請求権を認めず、その代わりに国家が運営する基金か
ら被害者への給付が行なわれます(諸外国のPL法と違って、製造物事故に限定されない)。



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製造物責任法

平成六年法律第八十五号


(目的)

第一条 この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の
損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発
展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。

2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物
を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていること
をいう。 

3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。 

一 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)

二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」とい
う。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者

三 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造
物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者

(製造物責任)

第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物
であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を
賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。

(免責事由)

第四条 前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責
めに任じない。

一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にそ
の欠陥があることを認識することができなかったこと。

二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の
製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。

(期間の制限)

第五条 第三条に規定する損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時か
ら三年間行わないときは、時効によって消滅する。その製造業者等が当該製造物を引き渡した時から十年を経過した
ときも、同様とする。

2 前項後段の期間は、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経
過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じた時から起算する。 

(民法の適用)

第六条 製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償の責任については、この法律の規定によるほか、民法(明治二
十九年法律第八十九号)の規定による。




附 則

(施行期日等)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行し、この法律の施行後にその製造業者等が引き渡
した製造物について適用する。 

(原子力損害の賠償に関する法律の一部改正)

2 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。 

第四条第三項中「及び船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)」を「、船舶の所有
者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)及び製造物責任法(平成六年法律第八十五号)」に
改める。 

( PL法 全文)
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