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遊園地よりスリル満点の空の旅がはじまる。今日はどんなことが起こるだろうか?
まずは、客室乗務員がドアのセレクトレバーをセイフティモードに入れているか気になる。いよいよ離陸だ。機長が
管制塔から離陸許可を得ていることをただただ願う。
高度が上がる。小さい窓からエンジンをちらっと見る。エンジン内のブレードが破損して火を噴いていないだろう
か? 心配なのは外ばかりではない。エアコンの吹き出し口から煙が出てこないだろうか? 水平飛行に入った。機長 が壊れた高度計の方を信用して高度を間違えて飛行してはいないか心配になる。与圧装置2系等のうち、1系統故障 のまま飛んで、もう1つが飛行中に故障し、急降下ということもある。
エコノミークラス症候群にならないように狭い座席に押し込められた体を無理に動かしながら、食事も茶菓子も出な
い機内での唯一のサービスであるたった一杯の飲み物をありがたく頂戴し、水分を摂る。機内には新聞も週刊誌もな い。ただひたすら無事着陸できることを願い瞑想に入る。空港に近づく。今日は管制塔の電源切れで管制不能となり、 迷走飛行なんてことはないだろうか?
いよいよ着陸だ。窓から空港を良く眺め、管制塔から工事で閉鎖されている滑走路に誘導されていないことをひた
すら祈る。とうとうタイヤが滑走路についた。最後の難関だ。どうぞタイヤがバーストしませんように! やっと地に着い た。まだまだ終わりではない。第二の片桐機長が出てきても安全なようにということか・・・逆噴射できないように安全ピ ンでロックしてあることもある。さらに誘導路で翼が障害物にぶつかるというオマケもある。
御巣鷹山の事故から20年が経つ。同じ過ちは絶対に起こしてはならない。しかしながら、そのうち、飛行中にガス
欠なんてことも本当にありそうな気がしてならない。
細川幸一
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