従業員の言葉遣いで分かる組織の姿勢

 
  読売新聞が、JR中央線国分寺駅で、東京行き快速電車の閉まりかけたドアをこじ開けて乗った男性客に対し、車
掌が「駆け込み乗車は危険です。大けがをすることになります。それで大けがをしても、そちら(乗客)の責任です」と車
内アナウンスしたと報じている。

  これを聞いた別の乗客がJR東日本に抗議、同社は「言葉に配慮がなかった」と非を認め、車掌を指導したという。
たしかに、駆け込み乗車は実際に事故につながる危険な行為である。しかし、顧客に対する注意の仕方にはやはりル
ールやマナーがあるだろう。

  JR東日本の駅員や車掌の言葉遣いはひどい。不特定多数の乗客がいるなかで、特定の乗客をしかりつけるような
アナウンスを時たま聞くが、非常に耳障りである。また、「次ははら〜じゅく」、「しぶ〜や」など、自分勝手の言い回しで
降車駅を案内する車掌もいて、会社の従業員教育ができていない証拠である。私鉄各社に比べて格段に多い、JR東
日本の車両故障や信号不良などの問題とも無関係ではないだろう。私鉄では「ドアを閉めさせていただきます」と表現
する会社も多い。

  こんなことがあった。JRの駅近くで、パトカーがサイレンを鳴らして近づいてきた。青信号で横断歩道を渡っていた
大学生らしき男性数人が避けようとしなかった。私もちょっと態度として問題はあると思ったのだが、なんとそのパトカー
の警官が「やはくどけ、この野郎!」とスピーカーを通してどなったのである。せめて「はやくどきなさい」だろう。

  私は耳を疑った。犯罪が増加し、コミュイニテイが崩壊していくなかで、検挙率も下がっている。警察の捜査も市民
の協力なくしては進まない状況でこのような態度を放置すれば、警察の信用を失墜させることとなる。それは結果として
犯罪を助長することとなる。そう思って警視庁に抗議した。数日して所轄警察署から平謝りの電話があった。しかし、多
数の一般市民が見ている中でこのような暴言を平気で吐く警官がいるということは、刑務所などの世間の目の届かな
いところではどのような人権侵害行為が行われているのだろうかと疑わざるを得ない。

  従業員の言葉遣いひとつで、組織の姿勢が見えてくることもある。



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