飛行機倶楽部


飛行機倶楽部は小生のプラモ作品の紹介ページです。従って作品のほとんどは飛行機です。しかも零戦と言ったメジャーなものはあまり登場しません。少なくとも、モデルアートやモデルグラフィックスといった、模型雑誌の製作記事に登場しそうなものは載せないつもりです。そういう訳ですからキットはハセガワやタミヤと言ったメジャーなものはもちろん少なく、最も知られているところで、ポーランドのAモデル、と言ったところでしょうか。それでもたまには有名メーカーで苦労した作品は載せるかもしれません。メジャーなメーカーでも、古いものに手をかけたものや、改造作品は取り上げるかも知れません。
 小生の推定などを交えた意外な話は書きますが、実機の一般的な紹介記事は原則として書きません。飛行機マニアには、どこの本にでも載っているようなエピソードを得意然として話す人がいるものですが、小生そういう話にはどうしても乗れません。ただし小生自身のオリジナルのコメントは時々しようと思います。

「日本の元気」のホーム



アヴイアC2・Ar96B スペシャルホビー1/72

 
チェコのみならず、欧州では、旧ドイツ空軍機がライセンス生産されてきた。その一つであると言っていいだろう。水平尾翼は一体だし、組みやすいが、注意が一点。主翼に桁があり、その上に操縦席底板が乗るのだが、底板の傾斜が水平でないと、主翼の左右の上反角が正確にならないのである。



 その他は、組み立てに特に難はなく、キャノピー枠も少ないので、マスキングも楽である。塗装も全面シルバーに黄色のストライプでシンプルである。見る限り前面ジュラルミン・セミモノコックという練習機にしては豪華な構造のようである。








〇飛行第一戦隊・九七式戦闘機 ハセガワ1/72

 実はこのキット、本体は、RSのものである。ところが、キャノピーの形が悪いのて゜中古屋からハセガワのキットを買ってつけた。そそれだけではすまなかった。RSの六十四戦隊の胴体帯のデカールが、どうしても合わないのである。そのまえにキットの機首は赤に塗ってしまった。そこであわてて、ハセガワのデカールを使用することにした。それで機種も塗り直して、飛行第1戦隊にしたのである。    
 


 ハセガワのデカールは古い。それでマイクロスケールのリキッド・デカール・フィルムなるものを塗布した。このフィルムの効果は絶大で、中古の黄変しそこないのデカールも安心して使えたのである。ただし、塗布した部分はデカールの透明部分になるので、余分な部分は切り取っておかなければならないのが、要注意である。







神風特別攻撃隊 櫻花二二型

 櫻花は、日本初と言うよりは、世界で初の体当たり攻撃専用機として開発され、なおかつ実際に使用されたものとしては、おそらく唯一の存在である。最初の実用機である櫻花一一型は、昭和二十年三月二十一日十六機が一式陸上攻撃機に搭載され出撃し、全機戦果なく撃墜された。(日本航空機総集による)米艦隊は援護の戦闘機を待機させ迎撃することに成功した。



 櫻花は固体燃料ロケットを補助動力として滑空する爆弾のため、航続距離が20浬しかなかったために、米防空戦闘機の防空網に阻止されたのである。これを改良するために、ジェットエンジンのコンプレッサをガソリンエンジン(4気筒の初風)で駆動して航続距離を70浬に増加させたものが二二型である。このキットはこの実用化されなかったその二二型である。実用化されなかったというのは、実戦に投入されなかったという意味で、ほぼ実用域に達しており、本土決戦があれば使用されたであろう。




 「特攻」を正式に命令したとされる、大西瀧治郎がいうように「統帥の外道」と言われようと、日本が戦史上希な体当たり攻撃を組織的に実施したというのは、まぎれもない事実である。御覧のように櫻花の照準器は小銃のような、照門と照星による簡素なものであるが、資料を見ながら自作した。木製と思われる台車はキットのものそのままであるが、外国人がよく調べたものと感心する次第です。ちなみにメーカーはチェコのブレンガンという珍しい会社であるが細かいところまでリサーチがされている。組み立てに難はなく、最も神経を使ったのが、機体のセンターラインの全周に貼られている赤線のデカールだったという具合である。






〇Fw190 A-3 エデュアルド1/48


 以前タミヤの48を塗装の関係で失敗したので、初めてエデュアルドの48にトライすることにしました。操縦席周りや、主脚収容孔内部が相当にてがかかるが、タミヤより正確であるように思われる。塗装は機種エンブレムがあることにしたら、結局この塗装になった。もうひとつは、上面全体がグリーン系のスプリンター迷彩で、マスキングは楽そうだが、190らしくないのである。その結果、ドイツ空軍機特有の胴体側面のモットリングがないのがありがたかった。しかし、大間抜けな感じになると思ったが、全体に軽い汚しを入れると意外や御覧の通り、さまになっている。



 組み立ては説明書通りで問題はなし。主脚柱の取り付けが独特の方法なので心配したが、図面通りの傾斜にセットすると不思議にピタリとくる。最終的には、流し込み瞬間接着剤を少量使用したのだが。全体は半艶塗装だが、そのままデカールを貼り、艶ありクリヤーで剥がれ防止した。全部のデカールが貼り終えたら全体をつや消しに近いクリヤーで仕上げた。

 キャノピーは固定部だけ取り付けてから、完成後可動風防を取り付けた。風防のマスキングシートがあるのがありがたい。エデュアルドの可動風防は、頂部の微妙なラインをうまく表現している。ハセガワの48は、若干問題ありであると思う。







ユンカースJu88 A-4 ドイツレベル1/72

 ドイツ爆撃機の定番だから、各種メーカーとりあえずハセガワのを組み立て始めたら、透明部品の曇りが取れなくなったので、思い切ってドイツレベルを買ってみたが、ドイツ機らしいいかつさが正解だった。塗装は箱絵指定の黄色いカウリングのものにした。機首のエンブレムもいい。しかし、操縦席内がハセガワのより精密なのはいいのだが、どうしても機体内に収まらないので、一部はバッサリ切って押し込んだ。小生の腕が悪いのだと思う。



 ここで驚いたのは、機首下面の国籍標識が、すのこ型のダイブブレーキと重なっている重なっていることである(写真下の右)翼にデカールを貼った時にはダイブブレーキには取り付けていなかったから、偶然にも左右とも0.3mm以下の誤差でうまく貼っていたのだった。




ミコヤン E-152A MODELSVIT 1/72

 MiG21とMiG23の間にミコヤン設計局が模索した一連の大型戦闘機の一つである。とにかくMiG21に比べると馬鹿でかい。しかし、キットの素性は良く、キャノピーのマスキングも比較的単純である。問題はミサイルだけである。機首の赤いナンバーを着けないプロトタイプなら、ミサイルもつけないで済むのだが、それではあまりにも間抜けである。

 ミサイルのフィンの黒い部分を塗装するのに悩んだ。結局黒塗装してから黒の部分だけマスキングするのだが、16枚のフィンを根気よくやればいいだけである。マスキングした後、すぐに白を吹き付けず、クリヤーを吹き付けて滲み防止をすればよいのである。資料はSOVIET X-PLANESというてごろなのがります。







〇グラマンF3F-3フライングバレル 1/72スペシャルホビー


 プラキットなのたが、複葉機特有の組み立てにくさがある。上翼の固定である。まず両端のN型支柱の端部に翼固定用の真鍮棒を埋め込む。N型支柱で下翼に上翼を固定する。これでは不安定なので、N型支柱の上翼付け根と下翼と胴体への取り付け部間の張線を取り付ける。これらの接着は全てがゼリー瞬間接着剤である。これである程度上翼は安定して固定されるので、胴体と上翼の間の支柱をプラ用接着剤で固定する。後は残りの張線を着けてしまうだけである。

 面倒なのが上記の作業である。

 F3Fは複葉機ながら、密閉風防、引込み脚である。同時代の九六式艦戦が固定脚、単葉、オープンコクピットであったのと真逆である。実は艦上機に引込み脚は重要である。撃墜されたり、故障した時の着水には固定脚では海水に引っかかって転倒したり、衝撃でパイロットが機内にぶつかって死んだりする確率が高い。日本の設計者は、この程度では性能上引込み脚ははいらない、と言うのであるが、実は日本の機械技術では、引込み客は困難だったのである。





〇烈風一一型 ファインモールド1/48

 長年望んでいた48の烈風がようやく完成した。72ではもったいないと思い48にしたのだが、予想していたとは言え、やはりでかい。好き嫌いはともかくとして、わずかな写真しか残されていない「未完の大器」烈風には、日本の航空ファンなら何らかの思い入れがあると思う。いろいろな角度から撮影していいものを選んだが、この程度である。翼面荷重130kg/㎡を要求され、結局はエンジン換装で150kg/㎡になってしまったのだが、ましな性能が出ると海軍側は喜んだというのだから、何という定見の無さ。同じ艦上機でも彩雲は170kg/㎡越えとなっているのだから、むちゃな要求をしたものである。その結果のこのでかさ。



 組み立てに何の問題はない。しいて言えば、マスキングのしやすさを考えて、塗装完了後にアンテナ支柱を後付けするように加工したこと位である。機銃とピトー管は真鍮パイプで簡単に自作できる。フラップ上面の赤線は透けて目立たないし、ステンシルが沢山あるが、実寸を意識しすぎて小さいので、もう少し大きめでいいように思う。全体は、銀で多少のメリハリをつけただけである。手間のかからないキットだが、ようやく烈風を作った、という達成感はあった。






〇ミラージュF.1CG  スペシャルホビー1/72


 ミラージュにしては珍しい、水平尾翼付きのクリップトデルタ翼機であるが、時代的に見れば平凡なところが何ともいい。ハセガワのは古すぎて凸モールドなので×。機体のアルミ地肌は半艶位にすると貫禄が出る。機首のピトー管らしきものは、組み立て中にぽっきり折れたので、0.5mmの真鍮棒を細工して最後に取り付ける





 機体自体の組み立てはすらすらいくが、沢山ある脚カバーは接着しろがないので、ポロリポロリ。それで見えないところにプラバンを貼って片付ける。機体のラインを崩すので外部装備は取り付けたくはなかったが、主翼にパイロン用の穴が開いている。仕方なくドロップタンク一組とパイロン一組を取り付けたが、説明書にミサイルの説明がない。

 別の説明書があったのを紛失したのかも知れない。おかげで取り付けようのないミサイルがどっさり余った。

 キャノピーは可動部を取り付けずにマスキングしてしまう。小生の組み立て中に、風防内に白いごみがいつの間にか入っていて、取り出せなくなる、という事故が多発しているので、可動部が別部品の場合には、最後に可動部を取り付けている。






〇三菱 九九式襲撃機 ニチモ 1/48

 完成直前に、某外国メーカーから、同じ48のキットが発売されたが、何せそちらは定価が8000円近く、ニチモは1200円ということで安心して完成です。


 で、問題は襲撃機と軍偵型の違い。写真をいろいろ見ると、機体は同じで、襲撃機が爆弾搭載量が多く、軍偵型は偵察用カメラを装備しているだけのよう。ただ、襲撃機は撮影用の窓を閉じていて、明り取りの固定窓だけが、旋回機銃下に開いている、という状態で使っているらしい。ところがこのキット、固定窓の穴もなければ、前照灯の透明パーツもなし。どちらも2mmの透明プラバンで作成するしかない。

 また、排気管がかなり細すぎる。これらの点を除けば、全体形もいいし、モールドも、リベットまで打ってあり、申し分なしである。価格を考えれば、ニチモのが手に入れば、少しの手間で゛何とかなるものです。某外国メーカーも、キ-51などを選ばずに、48なら、立川の九八式直協で゛も出してくれたらもっと売れたのに、と思う次第です。








〇陸軍 甲式三型練習機 コロジー レジンキット1/72


 ご存知のごく初期の複葉練習機です。陸軍練習機として製作されましたが、民間機として多数払い下げられ、アクロバット飛行などのイベントに活躍し、航空日本の基礎を担った機体として有名です。ただし、元はフランスのニューポール戦闘機で、機体を中島飛行機がライセンス生産したものです。当時はまだエンジンをライセンス生産する技術力がなく、ル・ローンエンジンを直輸入したのでした。



 このキット、プラモではなく問題のレジンです。この前に紹介した三式艦戦はプロペラ取り付けだけを残して事故って潰してしまい、トラウマになっていました。それで意地になって完成させたのでした。レジンの複葉機の問題は上翼の固定だけです。風防直前の逆V字の支柱は、胴体に合いません。それで、プラバンでVの角度だけキットのパーツと合わせ、胴体に無理やり固定します。次は両翼のV字の支柱ですが、先にV字の谷に、下翼に取り付け用の真鍮棒を埋め込みます。その準備ができたら、、左右2点で瞬間接着剤で上翼に取り付けます。

 後はV支柱に埋め込んだ真鍮棒で下翼に固定します。ここまでいけばできたのも同じです。残りは張線ですが、上翼固定の意味もあるので太目の0.4mm真鍮棒です。最後にスキー板とプロペラです。

 「甲式三型練習機」とインターネットの画像検索しても、某マイナーメーカーのプラモがヒットしただけ。しかし考えてみれば甲式三型練習機とは、ニューポール27だそうです。スケールを問わなければ、プラキットにあると思います。唯一の取り柄は、スキーを装備したのだけかも知れません。ちなみに日本製レジンと違い、「コロジー」というポーランドのメーカーの、モールドはとても正確で綺麗です。もし店頭で見かけたら、是非・・・あまりお薦めはしません。完成するかが保証の限りではありませんから。どうせデカールは自作で、日の丸はマスキングでOKなので、ニューポールのプラキットを探すのが正解だったのかも知れません。今回は、レジンの複葉機、意地でも作るという意気込みだけでしたから。三菱の一〇艦戦が上翼の取り付け待ちですが、どうなることやらです。





〇陸軍 九五式Ⅰ型練習機・ニチモ1/48


 ニチモ華やかなりし頃の一作です。プラモなら、複葉機なんて簡単、と思ったら大間違い。胴体と上翼のつなぎは何とかいきました。次は翼端のN型の支柱を接着しようと思ったら、張線の方を先に接着しないと面倒だとわかりました。このキット親切で、張線の真鍮棒は付いているは、およその長さの指定もありました。しかも、取り付け用の穴が開いているので、長さを少しづつ調整して、ゼリー瞬間でぴったりと。

 ところがここで大変な事が。N型支柱はどう見ても長いのです。それでN型をVとIに分割し、Vをカットして短く調整し、先に接着して固まってから、Iを後付けにしました。というわけで意外に難物でした。

 そればかりではありません。写真では分かりませんが、まともにカウリングを取り付けると、風防の位置が低くて前が見えません。つまり風防前の胴体の傾斜が少なすぎるのです。それで、エンジン接着の際に、エンジンセンターを、胴体センターの2~3mm位下にずらして取り付けます。こうしてようやく見られるようになりました。

 何と尾翼の丸に横一文字のマークの印刷がずれているではありませんか。それなら他のマークにすればいいのですが、それではカウリングのアクセントになる「6」のデカールが貼れないのであきらめました。出来上がってしまえば、可愛らしいものですが、案外問題が多いのです。でも、モールドは最近のものに負けないくらいです。隼1型といい、ニチモのキットは捨てたものではありません。一機は作ってみるものです。





〇リパブリック P-43A ランサー  クラシック・エアフレーム1/48


 いわずと知れたP-47の前身である。キャノピーはバキューム、脚収納庫内はレジンの複合素材キットである。エンジンはシリンダ一個づつ組み立てるレジン製だが、ジャンクパーツから48の14気筒のものを調達してお終い。プロペラボスもレジンで、プラの羽根を一枚づつ取り付ける。



 中華民国の晴天白日マークにしたが、デカールが少し脆く、白の部分が欠けたので、塗装でごまかしてOK。主脚カバーは片側をなくしたので、0.5mmプラバン二枚重ねて膨らみを付けたら、どちらが本物か分からなくなってしまった。機銃やピトー管は真鍮で自作。脚カバーの胴体側はP-51のように、開閉時以外は閉じている。これは離着陸時の方向安定に影響を与えないようにするのだが、日本機にはできなかった高級メカである。メカで楽をしたいのなら、ヴォートV-143を真似た隼のように主車輪カバーをなくしてしまうのが手っ取り早い。何とジェット旅客機でも、Boeing737がこの方式なのである。





 これが問題の排気タービン。排気管がモールドで作ってあり、タービンだけを埋め込む仕組み。排気タービンは日本では終戦まで実用化できなかったが、アメリカではとうに実用澄で多数採用されていた。ただし、中間冷却器らしきものは見当たらない。もしかするとカウリング後端の排気口らしきものが中間冷却空気排出口かもである。高々度用過給機なら何も排気タービンではなくても、二段過給機のほうが性能安定はいいのだが、日本ではそれすら切替継手がうまくいかず実用化てきなかったのである。写真で排気タービンの左に見えるのが、、涙滴上のもの。多分零戦と同じく、、クルーシー方向探知アンテナカバーだろうと思う。零戦が世界で初めて、戦闘機でクルーシーアンテナを装備したと言われているので、世界で二番目になるのかも。









〇三式艦戦 コロジー1/72・レジン複葉機の組み立て方

 レシンキットの複葉機は、写真のように、下翼と胴体、上翼単体の組み立てまでは案外すらすらといく。日の丸はマスキングで簡単だし、デカールは自作で違和感もない。銀塗装の剥がれもなく自称最高の出来なのが嬉しい。ところがここで止まって、何年も考えた。難しいのは瞬間接着剤を使うので仮止めができず、上翼の固定が困難なことにある。昔つぶれた秋葉原の模型店で、レジン複葉機用の固定治具を置いてあったが、倒産セールだというのに、見本だからといって売ってくれなかったのは、何とも口惜しい。

 この機体は胴体と主翼の結合にV字のパーツを使う。そこで、胴体に前方のV字パーツ主翼のV字パーツを取り付けとしまう。固定位置は孔があるから簡単に決まる。次にゼリー状瞬間をV字の頂点に付けて仮止めしてしまう。ほぼ固まった状態で上下翼の後方結合パーツを左右順に固定していく。するとこの状態で上翼は完全に固定されるので一息ついて、前方の固定パーツを左右取り付ける。上下翼固定パーツには両端に真鍮戦を埋め込み、1mmくらい飛び出させておく。

 実際には上翼の迎え角が大きすぎて前方固定パーツがわずかに短いが仕方ない。一見ずさんなパーツなのたが案外正確なので組み立ても少しの狂いも許されない。張線は省略しようとしたが間が抜けている。そこで太目の真鍮戦を黒塗装して、一本づつ長さを測ってゼリー瞬間で固定する。長さは長めにしておいて、現物合わせで、だんだん短くしていく。ここで分かったのたが、張線は見てくれではなく、固定をしっかりさせる効果があることだ。



 そこで今は、未完成だがこの状態で、一見完成である。外国メーカーなのに内部も、外形もディティールがいやに詳しい。それは三式艦戦が、英国設計のグロースターゲームコックであるため、英国グロースター社の英文資料があるためだろうと理解した。






〇彩雲改 フジミ 1/72

 
フジミの彩雲の72は、最大の欠点が゜厚いキャノピーである。しかし排気タービン付きの彩雲改は、SWORDにもないので、貴重である。そこで昔のVAXのバキュームキャノピーセットを探したら、あった。やっぱりフジミオリジナルのキャノピーより良い。しかし今どき、どんな店に行ってもVAXなどは置いていないのである。昔のフジミの瑞雲など大抵はキャノピーが×なのである。OKなのは月光位だ。



 機体は、丸っこい、エンジンカウリングと排気タービンが良くできている。カウルフラップは無理やり開けた。修正はいつもの通りプロペラブレードだけである。ストレートに組んで満足できるプロペラがないのが不思議である。国籍標識も全てデカールで間に合わせた。







〇一色戦闘機 隼一型  ニチモ1/48

 言わずと知れた、ニチモの隼である。50年位前のオールドキットながら、小生はハセガワのよりもデッサンが良いと信じている。その頃は、日本メーカーの信頼がなく、レベル神話があった頃である。唯一の欠点は可動風防だが、厚みがあるので削って修正すれば、問題はない。表面はリベットだらけだが、48なら大味にならずに仕上げられるから、かえっていい。いじったのはピトー管を例によって真鍮で作り替えたのと、カウルフラップを開状態にしただけ。主脚のブレーキパイプはつけると間が抜けない。

 塗装は、隼では一番目立つ飛行第一戦隊長機である。胴体の愛国号のマーク以外は、全て塗装でできるからいい。機体色は、焦げ茶の可能性があるが、素直にグリーン系とした。例によってカーキグリーン54で全体を塗り、後はブラックグリーン18を適当に斑にして、全体のメリハリをつける。

 小生望むらくは、72の一型のまともなキットが欲しい。最近、キャノピーフレームを透明パーツと別にしたのが出たが、72では無理である。そんな変わったのより、とりあえず普通の一型の72が欲しいのです。SWORDが盛んに日本機を出しているが、零式三座水偵など日本メーカーがまともなキットをだしていないのが、いくらでもありそうな気がするのだが。






〇ドルニエ Do335B-6 ドラゴン1/72

  世紀の珍機Do335の夜間戦闘機型である。あえて夜戦型にしたのは、A型は、キャノピーの形が気に入らないのと、明るい塗装が似合うと思ったからである。ただし、可動風防に水滴型の膨らみがあるので、透明パーツの分割が多いから、接着には注意を要する。小生の技術にしては、よくできたと自画自賛である。完成してから時間の経過でデカールが黄ばんだのが唯一の悔いである。御覧のようにエンジンが内蔵されているので、後部左面のパネルを外しておいた。



 特段資料チェックの必要もなく、すらすら組み上がった。現在店頭にはないのがもったいない。心配したエッチングパーツのレーダーアンテナも塗装すると、ペラペラの板のような感じがなく、もっともらしく仕上がった。インクスポットは、塗装図を1/72に拡大して平面と側面図のインクスポット部分をカッターナイフで切り抜いて、塗装する。切り抜きには普通のカッターナイフではなく、タミヤのデザインナイフのようなものを使うと、カーブがスムースに切れる。面倒だが、図面がカバーしない部分はひとつづつ、画用紙に穴を開けたのでマスキングして吹いた。タミヤの48ならこれらの手間もなく、簡単なのだが、何せでか過ぎる。





〇F6F-5N ドラゴン 1/72


 メジャーなものはダメ、といいつつ好きなものは載せるのです。グラマンのレシプロ艦上機は、複葉機も含めて好きだが、Xf5Fだけは不細工な上に愛嬌もないので駄目である。烈風のように、ただでかいだけより、F6Fのほうが形が機能的でいい。何も、夜戦型でなくてもよかったのだが、72で他にいいキットがなかったから仕方ない。48のF6Fはやはり大きすぎる。といいつつ、F7Fは72でいいものがないので、48を作っている。



 ほぼストレートに組んで、垂直尾翼上端のアンテナ支柱だけ弱いので、エッチングパーツの切れ端を切り抜いて作っただけである。折り畳み機構も固定すれば問題なし。ただし飛行機の姿を楽しむなら、展開した姿のほうがいい、と思う次第である。デカールも素直だし、気楽に楽しめる好キットである。






〇ノースアメリカン FJ-1 フューリー SIGA MODEL 1/72


 言わずと知れたP-51のジェット版である。なるほど主翼は、P-51Dによく似ているが胴体がやたら太い。遠心式圧縮機エンジンのせいであろう。機体が完成してキャノピーを見たらがっかりした。どうしようもないのである。そうことしているうちにバロムのキットが出た。買ってみるとキャノピーが開閉状態の二組あるではないか。SIGAのは捨てようと思ったが、プロポーションがバロムに負けずいい。主脚のハブなどはバロムより良い位である。

 それでキャノピーを無理やり取り付けて隙間はパテで埋めた。それがこの姿である。しかし、SIGAの塗装は一部マーキング塗装をしなければならないから面倒で、結局はバロムのデカールを使ったが、国籍標識その他のデカールは、SIGAのもののほうがいいのである。主翼上の赤線はデカールが感心しないのでマスキング筆塗にした。結局バロムは、パーツ取りになってしまった。後は壊れた時の修理用予備部品として保管してある。機体は全面グロスシーブルーということで、御覧通りピカピカにしたが、運よくデカールのシルバリングもなくうまくいった。今後作る方には、結局バロムを勧めるしかない。しかし、新しいにも関わらず、ステンシルなどの細かいデカールは、実機写真を見る限りSIGAに分がある。ただSIGAは入手不可能であろう。

 実機のことを言うと、これがF-86のベースになったのだから、ノースアメリカンの技術おそるべしである。同じく直線翼から後退翼に発展したグラマンF9Fとはえらい違いである。






〇三菱 A5M3a 九六式三号艦上戦闘機 AVI MODELS 1/72

 日本機の中でも、最も流麗なもののひとつであるとされた機体である。もちろん空冷エンジンを液冷エンジンに換装したのだが、元々胴体が細かったから、容易に液冷エンジンがフィットしたのである。組み立てに難は全くない。望遠鏡式照準器も、風防を貫通していないので、塗装完了後後付けできるから容易である。失敗したのは、国籍マークのマスキングテープをはがそうとしたとき、銀塗装が一部剥がれてしまったのである。これを修正するのに何回も失敗したので疲れた。銀塗装は食いつきが悪いので、多量のクリヤーを混ぜていて、レジンキットでさえうまくいっているのに、この塗装に失敗したのは、冬で気温や湿度の関係ではなかろうか。いずれにしても、見るに堪える程度には修正した。
 最近とみに外国メーカーで、レアな日本機を作ってくれるのは感謝する次第である。キ-87を作っているが、Ⅰ型は売り切れで、入手したのはⅡ型のキットである。ところがキットはⅠ型のパーツ全部にⅡ型の胴体部品を追加しただけだから、簡単にⅠ型ができるし、試作機ならデカールはいらない、という次第である。今後の希望は、キ-102とキ-83の48です。





〇ハインケル P.1078A・スペシャルホビー・1/72

 ミリタリー・エアクラフト1995.11版の「ドイツ空軍計画機」によれば、P1078として計画されたうち、空軍省に提出されなかったA型である。御覧のようにA型は、後年の目からみれば、堅実な外形で、提出されたC型は無尾翼という特異なものだというから、当時のドイツ人のセンスは分からない。キットは最近では珍しいバキューム製のキャノピーであるのがだけが難点。機体の組み立て自体は容易なのだが、主輪のハブのモールドがいい加減なのでジャンクパーツを使おうと思ったが、目立たないのでやめた。

 塗装は仮想実用機で、全面RLM76指定だが、変なので調べると、Me163の試作機の塗装に、RLM02とRLM76の二種類の資料があったので、好みのRLM76にした。ただし、キットの国籍マークが白で変なので、ハセガワのデカールストックから写真のものをつかった。ちなみにハセガワではかつて、鉄十字や鍵十字のデカールの各種セットが売っていたが、最近は絶版になったようだ。

 その上、鍵十字は、タブーとなってしまい、箱絵には描かれないようになってしまった。模型雑誌には、ライターが自主的に、ハーケンクロイツをぼかして作っている作例もみる。ハーケンクロイツの自粛はあくまでも自発的なもの、ということらしい。しかし、日本政府の批判に表現の自由を使う輩に限って、ハーケンクロイツを自粛するから奇妙なものである。まあ、ドイツ空軍の空想的機体を手軽に作れるのはありがたい。

で、ジャンク


〇九七式戦闘機乙・ICM1/72

 ICMの1/72のキ-27乙は、ハセガワ'(旧マニア製)の48のリベットを控えめにしたようなもので感じがいいし、作りやすい。デカールはどこかから調達して、満洲国軍のものなのだが、これも問題なし。今回は製作に関してノーコメントである。甲型も含めて塗装のバリエーションを楽しめる好キットである。おっとただひとつ。この手の固定脚機のタイヤは、スパッツを含めた機体全体を組み立て塗装が終え完成してから、最後に、スパッツで隠れるタイヤの部分を切り取って、塗装してスパッツに接着する。こうすれば、スパッツとタイヤの塗り分けに苦労しないし、組み立てもシンプルとなる。








〇TAV-8B ハリアーⅡ SWORD 1/72
  
 これもSWORDの手強いキットである。小生のミスであるが、胴体を貼り合わせるとき、センターラインが曲がってしまったのは我慢できるとして、その結果4パーツに分割されたキャノピー間に、どうしても隙間が空くのである。左の写真には見えてしまっている。全体形に問題はないのだから、最初の胴体接着は慎重に行うべし。他には、主脚パーツの形が曖昧なので、ハリアーⅡのパーツがあれば代用するにこしたことはない。また、自転車式なので、翼端の補助車輪がうまく設置するようにするのも至難のわざである。

 という訳で、デカール貼りまで済ませながら放棄しかけたが、形の面白さに負けて、何とか完成させた。失敗部分に目をつぶれば、面白い仕上がりにはなるが、くれぐれもご用心。




〇二式単座戦闘機 1/72 SWORD

 
少し手強いが、キ-44の72の唯一のまともなキットである。ハセガワのは、主翼平面型が完全におかしいのに、未だに雑誌等では無批判に紹介しているのは変である。その癖、ハセガワの48の鐘馗のわずかに異なるパネルラインの間違いを、強調して指摘しているからバランスが悪い。これは致命的な欠点ではないから、売り上げの邪魔にならないから言い立てているように思う。だから小生は模型雑誌は滅多に買わないで、完成写真を立ち見して、デッサンの良し悪しだけチェックする。このキットの難点は、眼鏡式照準器で、可動風防なしで塗装を仕上げ、固定風防後方から後付けしたが、可動風防を胴体に接着後、胴体内にポロリ落っこちてしまったから世話はない。その上写真のように可動風防後端が浮いてしまったから、最初から可動風防を摺り合わせて接着して、塗装完了後に固定風防の前から照準器を取り付けるしかないと思う。



 光像式照準器型ならこの問題はないが、どうしても茶色の鐘馗を作りたかったので仕方ない。ちなみに大戦中の陸軍機の上面塗装のカラー写真は何枚か見ているが、ほとんどがこの模型写真のような茶色というべき色で、小生は全体をMrカラーの22で塗り、43で軽く濃淡をつける方法をとっている。模型雑誌等では、暗褐色と称して、グリーン系の塗装例(例えばフジミのキ-100-Ⅱの箱絵のような)を指定しているが、こんな色のカラー写真は存在しない。陸軍機のグリーン系は、海軍機のよりずっと明るいし、カラー写真は例外的にしかない。なお、陸軍機のまだら明細はやや暗い緑色のカラー写真だけが多数ある。



 キットの指定は上面グリーンだが、上述のように、確率的には茶であろう。昔飛行機雑誌にカラーイラストがはやった頃の、茶の鐘馗に驚いたが、普通だったのである。滑走路の土色だと説明されて納得した。海軍機は洋上なので青っぽい緑も納得できる。ちなみに、マスター もでらーずに掲載された飛龍の98戦隊の作例でも、暗褐色と称して茶に近いが緑がかっいてる。一番カラー写真のイメージに近いのは、ニチモの48の隼の箱絵である。



〇フォッケウルフFW190 V13 1/48 ホビーボス

 御覧の通りの排気管の塊のようなごつい機体です。いかにもドイツが排気タービン技術に未熟かを証明しているようなものです。小生は当時の排気タービンは米国製でも、制御が困難で不安定なことから、過給機を二段式にしたほうが確実で、同様の性能が得られて、よかったのではないかと考えている次第です。英国では高々度用のエンジンにも排気タービンを使用していないことからもわかります。このキットは組み立ても簡単、塗装も単純で、未完成キットをかかえている小生には、ストレスがたまりません。ただ、デカールは意外と柔らかいので、要注意です。D9の系列なのに、完成した時の雰囲気は違うので、D9を作ったことのある人にもおすすめです。





○川崎キ-5 コロジー1/72

 レジンで日本機、それも戦前も古い機体をキット化している、コロジーの製品です。説明書の図面を見る限り、資料の出所は酣燈社の「精密図面を読む」シリーズの日本陸海軍の試作機編と思われます。このメーカー、ポーランドにあるのに、日本の複葉機の資料を沢山持っている節があるのは不思議です。例えば三式艦戦などは英グロースター・ゲームコックの中島仕様版のガムベットなので、グロースター社の資料から発掘したとも考えられますが、全てがそうだとは言い切れないので不思議です。

 日本の液冷複葉機で、エンジン回りの図面に不思議なものがあるので、コロジーの説明書の構造図を見たら、カウリングの一部に外板が無く、エンジンの一部が見えているのだと分かったのは、とても貴重でした。それにしても不思議な情報収集能力です。ちなみに三式艦戦他一機が、胴体、下翼、上翼の組み立て塗装まで済んで何年も放置状態です。上下翼の結合方法が分からないのです。昔秋葉原で汎用の複葉機組み立て冶具を見ましたが、倒産直前なのに売ってくれませんでした。

 それで単葉のキ-5は無事完成です。キットはスポンスパッツの一号機です。モールドは綺麗だし、尾橇の自作など、小部品を除けば普通のブラキットと変わりません。問題はキャノピーだけ。図面から展開図を描いて、塩ビ板を切り抜いて強引に瞬間で接着します。マスキング剥がしにも耐える強度が確保できます。展開図をコピーしておけば、成功するまで何回でもやり直しができます(´Д`)へ。風防枠はマスキングテープ使用の手塗り。瞬間で曇っても、細い綿棒にコンパウンドを付けて擦ればOK。

 主車輪は塗装が終わるまで取り付けず、最後に押し込んで接着すれば、マスキングも不要です。塗装は単色だし、木製プロペラは表現が分からないので、茶の単色で誤魔化し。ただし、当時の木製プロペラの実物を見ても、塗装が濃いので、年輪がはっきり分かることはないようなので、勝手に納得です。

 ちなみにコロジーの箱絵の多くは側面図で参考になるのだが、家庭用コピー機のようなものでコピーしたようで、濡れていつの間にか消えてしまうことが多い。箱をよく見たら、図面部分以外の箱は印刷で、どのキットにも共通である。その上に箱絵のコピーがノリで貼ってある。このコピーが水で溶けるのである。そこで考えたのだが、画材屋で売っているフィキサチーフを軽く吹きつけておけばいいと思うのだが。



○ユンカース JU288 フーマモデル 1/72

 太い大雑把な筋彫りで悪評の高い、フーマモデルのだが、このキットに関する限り、その欠点が気にならず、繊細過ぎて組み立て中に消えてしまうものより余程、良く感じるから不思議である。与圧のため、コクピット部分だけ膨らんだ、特異な形態を良く表わしている。ところがプロペラが貧弱なので使う気がしない。そこで、終戦後の日本機のように、ベラなしの姿で何年もほおってある。エンジンはHe177とほぼ同じDB606系統のものを使っているので、He177の72のキットを買ってコピーすればいいのだが、あいにくHe177は作る気がしないので、西山洋書の立ち読みやインターネットで直径だけでもと調べたが分からない。



 
そこで、可哀そうなのはこのキットでこざい、状態である。求むベラ直径です。組み立てに問題はなし、、デカールも素直。ベラを作り直す気があれば、お薦めのキットですが、何せフーマのは、最近模型店でさっぱりみません。グリーン系二色の迷彩も良く似合っています。

注)某雑誌のHe177特集号を見たら、プロペラ直径は4.5mだった。すると48のキットで、3mのペラにすればよい。例えば疾風のペラを少し短くすれば良いのである。ところが難問は、左右のペラがトルク解消のためにP-38のように左右逆回転なのである。このことは、Ju288の写真でもはっきりわかってしまう。このことに目をつぶるしかなさそうである。・・・あるいはP-38の48から取れば・・・(;^_^A


○メッサーシュミット Bf 109H-1 AZ model 1/72

 AZのキットとしては、できがいいのは、ベースのG型のできがいいのだろう。ただ実機はあるものの、写真が一枚もなく、資料も少ないので、部分的に、判然としない箇所が多い。



 資料は、モデルアート増刊号の290集を使った。アンテナ柱は、エルラハウベ後端にあると、どの資料にもあるが、それでは、キャノピを開いた時に、アンテナ線に張力がかかってしまう。写真に写っているたったひとつだけでも、エルラハウベ後端にはついておらず、胴体がわにあるので、作り易さも考えてそうした。尾輪の支柱タイプも色々あるが、これも作り易さを考えて説明書通りとした。塗装も派手さと塗り易さを考えて選んだ。

 スパンの長い109もいいものである。しかし、実機でも事故続きで開発が中止されたように、構造的に高空以外にまともな空戦はできないだろう。



○独潜 U-XXI  AFV CLUB1/350


 飛行機クラブ、といいながら、久しぶりの潜水艦です。いつもながら、潜水艦は部品点数が少なくて、ちょいちょいと仕上げられるので。楽です。分らなかったのが、艦首付近の潜舵らしきものです。船体の中に収納してから船体を左右接着してしまう指定でした。それに気付かず、船体を先に組み立ててしまいました。

 そこで、説明書のトップの挿絵の潜舵が、後退角がついたようになっているので、真似て固定しました。しかし、潜舵の厚さより収納口の方が大き過ぎるのは面倒でした。面倒とはこれだけ。塗装は面積が大きい、船体下部を先に塗ると、塗り分けのマスキングもやり易いのです。

 後は、台座を黒く塗って、ドライブラシの要領で、銀でU-XXIという文字が浮き上がるように、擦ります。台座は、面倒なので船体に瞬間接着剤で固定しました。

 それにしても、350というビッグスケールながら、日本のイ号潜水艦に比べるとコンパクトなことが印象的です。それにしても航続力の長大なイ号潜水艦が、ハワイや西海岸の補給ルートを遮断するのに使っていたら、米軍は相当に苦しんだと思うと残念です。






○瑞雲  フジミ1/72

 比較的新しいキットなだけに、機体自体は特段に注意すべきところはないが、問題はキャノピーである。可動部と固定部の段差が大き過ぎて、プロポーションが、相当に悪い。そこで、低すぎる部分にブラバンを貼り付けたりして、嵩上げをしたら、何とか見られるようになった。この欠点については、模型雑誌に書いてあるのを寡聞にして知らない。だから模型雑誌はあてにしないのである。



 フロートのダイブブレーキの穴は、油性絵具の黒っぽいものを、塗り込んで吹き取り誤魔化したら、、何とかなった。同じ水上機でもスタイルは紫雲よほどいいのだが、巨大なフィレットは何とかならないものか。会社側は試しに外して見ることを提案したが、海軍に断られたと、、ある記事で読んだ。




○Potez630 エレール1/72

 エレールが、戦前のフランス空軍機を盛んに生産していた頃の大昔の製品である。最近別なメーカーが同じようなラインナップを揃えている。ポテ63のように、透明部の多いものは、別だが、630のようなものは、エレールの旧作は案外作りやすい。



モールドが凸でも筋彫りでもなく、パネルラインごとに、段差がついている、という独特なものである。昔の飛行機は、パネルを互いに重ねてリベットを打っているものがあるから、一概に変なモールドとはいえない。何よりも完成した時にそれなりの雰囲気を持っているし、筋彫りをせずにモールドをつぶさないように作るだけだから、案外楽である。これを作ってしまったら、後発の新製品にチャレンジをする気が無いほど満足している。



 量産機は武装とアンテナ支柱と機首のピトー管があるが、試作機はこれらが一切ないことがわかったので、これで完成、と言うことで例によって誤魔化しの納得をした次第である。旧フランス機でもポテ630だけは、エレールの製品の雰囲気は案外素晴らしいと思う。



〇広廠九〇式一号飛行艇H3H-1 A&W Models 1/144

御覧のように、まだ未完成である。大変なのはこの先で、沢山の支柱で水冷発動機3基、フロートなどを支えていかなければならない、作業がある。100%は完成する自信がないので、途中経過で載せた次第である。昔、日本航空機総集で図面や写真を見て以来九七式や二式大艇より気に入った次第である。
 複葉ではないし、オープン・コクピットがシンプルなので、何とか作れるとなめてしまったきらいも、実はある。はていつ完成することやら。





○ハインケル He-176 JACH 1/72

 一見して分かるように、ドイツ機らしい珍妙な機体である。前輪式であり、尾輪式でもあるのである。しかも、前輪を地面に着くと、頭部が大きく下がってしまい、離陸時の滑走はできない。説明書には、最初は尾輪式だったが、ペーネミュンデでの、タキシングと引っ張り回す試験の結果、前輪を追加したと書かれている。確かに主車輪は重心の前なので尾輪式の配置である。作っている最中は、前輪の両側の張線の意味が分からなかったが、前輪を掴んで前方に引っ張るのだとすれば、張線が効いてくる。その場しのぎのくせに、手間のかかるいい加減なことをするものである。



 変なのは、そればかりではない。前方に透明窓があるのに、風防がないのである。座席は普通に座る形式で、説明書によれば最高速度750km/hなのだそうだから、パイロットは風圧に耐えられるはずはなかろう。しかもその速度で固定式の主車輪というのはというのは、もう理解不能である。飛行試験は中止されたと言うが、もともと、低速でフラフラ飛ぶロケットエンジンの試験機だったのであろう。最初の液体燃料ロケットエンジン機なのだそうだから。疑問はまだ続く、尾輪に3ピースのカバーがあり、引込み式に見えるのである。

 固定式の主車輪とのアンバランスばかりではない。ロケットだから、尾輪引込みの動力がないのである。Me-163のように風車発電機もないから、手動なのだろうか。まあ、ロシアのI-16のように主車輪を引込むよりはよほど楽である。SQUAREDというメーカーで同じHe-176でも製作されなかった、次のモデルが売られている。こちらは完全密閉風防と、引込み式主車輪になっている。ハインケルとしては、こちらが実用化の本命だったのだろう。いずれにしても、この小ささでは武装ができないので、計画倒れで、Me-163に追い抜かれてしまったのだろう。

 さて、機体の製作は、小型でシンプルなので、楽である。尾翼の各舵には、舵駆動用らしいホーンがあり、エッチングパーツがあるが、ブラバンで作ったら楽だった。主翼端保護の橇は素直にエッチングパーツを使った。取り付け用の穴三個は薄い主翼を突き抜けたが、気にすることはない。橇を接着したら、翼上面をパテで成型すればいいのである。デカールはないので塗装は楽チン。ロケット噴射口はシルバーの指定だが、焼鉄色にしておいた。ともかく、奇妙なドイツ機を比較的手軽に作れるのだから、貴重なキットである。しかも計画だけの機体ではなく、実際に製作されたのだから、珍妙さにリアリティーがある。





○零式艦上戦闘機二二型 ハセガワ 1/72


 ハセガワはあまりのせないと宣言しておきながらの、ハセガワの零戦です。零戦では恐らく一番有名な写真の、
251空のUI-105号機です。この機番号の色には諸説あるようで、後発のタミヤのデカールは色が全く違っているが、ともかく深く考えないことにしましょう。キットはかなり古いのだが、まだ現役で売られているようです。まあ、ハセガワも明らかに主翼平面形のおかしなキ-44を売っているのに比べれば、よほどましでしょう。

 この機体は、海軍機には少ない、塗りムラのあるところが魅力で、我ながらうまく塗れたと思っている次第ですが、今の小生には、もうそんな技量はありません。写真を撮るためにチェックしたら、脚カバーなどのいくつもの部品が無くなっているので、部品どりのためにタミヤの二二型を買ったのだが、あまりに良くできているので、惜しくなり、結局ハセガワの二一型で間に合わせることにしました。タミヤのは、ブイン基地の胴体に楔型マーク2本の有名な写真の機体にします。

 この写真を見ると、少々太って見ますが、キットの実物を見るとそんなことはありません。いじったのはカウルフラップを半開状態にしたのと、ピトー管を真鍮に置き換えただけです。新しいだけあって、タミヤのは、細かい部品は流石なのですが、プロポーションに関しては、ハセガワのもそう負けてはいません。多分、このキットはハセガワの72の零戦の二代目のキットですが、初代より格段に良くなっています。

 零戦で一番の好みは、三二型の全面グレー系のものですが、同じく胴体がすっきりしているので二二型も好きです。零戦もこのころは、パイロットの練度も高く最高でした。三二型の航続力低下を海軍が批判していますが、元々欧米機に比べ無茶苦茶に航続力が長過ぎて、ラバウル辺りで往復何時間も飛ばす、という用兵自体が間違っていたのです。





○陸軍小型軽患者輸送機(KKY-1) Amodel 1/72

 
Amodelからは、同じ空冷でも、直列のKKY-1と星型のKKY-2が発売されているが、液冷エンジン風で見栄えのするKKY-1の方にした。本機は英国のデ・ハビランド・フォックス・モスを参考としているそうだが、機体構成がかなり異なっている。それにしても、戦前の日本機としては、かなりマイナーな本機の資料をどうやって、ウクライナのメーカーが入手したのか不可解である。小生の手元にある資料は40年近く前の日本航空機総集の立川編しかない。それでも載っている図面などは参考程度にしかならない。



 製作上、恐ろしく面倒なのが二箇所ある。ひとつ目は上翼の固定である。これには胴体側から真鍮棒を張り出しておき、、主翼内側に開けた穴に刺し、二液混合接着剤で仮止めし、主翼前方のストラットを仮付けし、後は仮止めの接着剤が硬化するのを待って、後方のストラットの長さを調整して固定する、という方法をとった。もっと面倒なのは、複雑な主脚柱の組み立てである。以前紹介したRSモデルのエアスピード・エンヴォイの主脚の面倒くささと似ている。説明するのも面倒なので止めておくが、小生にもできたのだから、成せば何とかなるものである、としか言いようがない。要は事前にきちんと組み立て計画を考えておくことである。




 左の写真が上翼を取りつける途中の写真で、上左翼は既に取り付け済みである。胴体の「愛」と「國」の間の上の方に、見にくいが、取り付け用の真鍮棒が張り出している。下の右翼に穴ふたつあるのが、二本のストラットと取り付け用の穴である。また、愛国125号は、操縦席天井が、透明なのに、写真のように塗装してしまった。

 もういいや、と諦めかけたのだが、欲が出て何とかすることにした。上翼を左右とも取り付けて完成した後に、ミスターカラーのシンナーを綿棒に漬けて強引に、ラッカーを剥がしてしまった。その後、枠の部分だけ塗装し直した。この時気がついたのだが、愛国97号ならば、天井が透明でないばかりか、天井パーツも違うのだ。

 偶然、愛国125号を選んだ上に、天井に透明パーツを取り付ける、という、正しい選択をしたのだった。運も手伝って、正確に完成した。プラモ歴が長いのに、未だにこんな初心者ミスをしているのはご愛嬌。趣味は気楽にするべし、というのが言い訳。




 デカールは意外と素直に貼れた。苦手な複葉機の張り線はまだ張っていないが、真鍮線は自信がないので、やるなら0.5mm以下のブラ棒にするつもりだが、いつのことになるやら、完成する日が来ることやら。立川なら生産数が多いが、ややマイナーな一式双発高練の方が売れると思うのだが。思うに売れ行きを考えてKKYを選んだのではなく、運よく資料が入手できたので作ってしまった、というところであろう。ともかくも日本の大手メーカーでは絶対売らない、超マイナー機を作れるのだから、製作が面倒でも感謝感謝である。

 ところで、最近の模型誌によれば、某外国メーカーの48の九九双軽が機首部を修正して再販するそうだが、どんなできになるのだろう。発売当時、模型誌の作例写真を見て、機首がペタンであきれたものだったが、その模型誌には酷評はされていなかった。都内の老舗の模型店(店主のオヤジさんしかいないが)はその辺の模型業界の裏事情に詳しい人がいる。



○試製紫電 タミヤ1/72
 
 珍しくタミヤです。ベースは紫電11甲型です。世界の傑作機によれば、製造番号515号機とあるが、11甲の量産型とはかなり雰囲気が違うが、改造は比較的簡単なのでお薦めです。機首下部のオイルクーラ空気取り入れ口と主翼の機銃を全部撤去する。あとはカウルフラップを自作して、推力式単排気管を集合排気管にするだけです。下面にも排気管があるようですが、よく分からないし面倒なので省略。塗装は世界の傑作機の写真と解説に従うだけで量産機とかなり違って見えます。



 キットはタミヤらしくすらすら何の問題もなく組み立てられます。上面のダークグリーンは全体にグンゼNo.54カーキグリーンを塗ってから、No.18ブラックグリーンを薄くムラが出るように塗って、コンパウンドでらしく模様が出来るように仕上げて、単調にならないようにします。ただし、新品の試作機なので、写真のようにほとんどムラが分からない程度に抑えました。



EMW A4b スペシャルホビー 1/72

 いわずと知れた(?)A4(V2)ロケットの有人版である。機体は単純なので、組立に問題はない。キャノピーがバキュームなのだが、これも枠無しなので、瞬間接着剤の曇りに注意するだけである。塗装は説明書指定の、3色迷彩だが、機体の表裏がなく直線パターンなので、比較的易しい。

 発射台はパーツが細かく面倒そうだが案外そうでもない。機体は発射台に接着固定した。奇妙な形の機体が比較的簡単にできるのでおすすめである。A9のキットも中古で買ってしまったが、ベースの機体は同じでも見栄えが違うので面白いと思う。







○SU-15TM 1/72

 
キットのメーカーを確かめようとしたら箱は捨てたし、何と説明書には、マークらしいものがあるだけで、メーカー名がない。とにかく、トランペッターが出すまでの72の唯一のまともなキットだと言えば分かる人は多いだろう。胴体の分割は多いが、モールドも全体形も良い。作り易さを除けば、トランペッターには負けないと思う。全体にリベット打ちしてあるが、塗装やパテで自然に目立たなくなるのが何とも感じのいい表面仕上がりになる。

 デカールは素性がいいし、説明書に問題はないが、一か所エンジンのエアインテークベーンの黄と黒の貼る向きが分からない。そこで今は無き銀座の西山洋書で立ち読みしてスケッチしてOKでした。この時代のソ連機らしい細かいエアスクープが沢山あるのが鬱陶しい以外は機体本体はデカール貼りまで終了。




 
ドロップタンクやミサイルの外部装備の段になってうんざりで何年も放置していたら、トランペッターが発売したが、めげません。大型ミサイルは左右の弾頭の形は違うし、ドロップタンクの取り付け位置は判然としない。そこでインターネットを見たら同じキットらしき作例があったので大いに助かりました。感謝感謝。主翼付け根の対空ミサイルはバイロンだけしかない。

 そこで古いMiG29のキットから、らしきものを調達しました。長いこと72のまともなキットがなかったMiG29が立て続けに発売されたので乗りかえることにしたのです。機体の銀塗装は、少しピカピカ目で感じよく塗れたと思います。Su-7などの旧式機から、Su-27の世代へのつなぎ的な機体ですが、そのアンバランスが何とも好きです。






○デ・ハビランド DH82a タイガー モス エアフィックス1/72

 かつてのエアフィックスの名キットです。今でも再販されていますが、旧キットの旧塗装指定のものです。ですからデカールが赤変してしまっているのはご容赦ください。かつては小生も72の複葉機に張線をするだけのエネルギーがあったのだと感心します。もっとも全部張ってあるかは自身がありません。ともかく組み立てに特段問題はなかったと記憶しています。



 何故か72の複葉機には相当古いキットでも今でも通用するものが多いのです。もっとも小生に複葉機の知識がないだけかも知れません。





○DFS-194 1/72  PM MODEL


 言わずと知れた、Me-163の原型の原型である。元々モールドに定評の無い、PM MODELだが木製構造が多いとあって全く問題はない。キャノピの枠はいい加減のようなので、説明書の図面などで、塗装で誤魔化す。機体の塗装だが、インターネットにもっともらしいのがあったので全面的に参考にした。最初に全体をベニヤ板色らしきものとして、ミスターカラーの39を塗る。

 次に、胴体、主翼前縁と後縁を黄色の113を塗るのだが、下地の39が完全に隠れない程度の一回塗りとする。その上に半艶のクリヤーでカバーする。こうすれば、汚しの色をその上に吹いて、コンパウンド磨きで仕上げても、113が剥がれることがないからだ。



 インターネットの作例はにキャノピー脇に、シルバーらしき部品と胴体色らしき部品の小さいのがついているが、よく分かるアングルの写真がないし、キットにもないので、シルバーの部品だけジャンクパーツで作った。デカールは全くなしだが、二色塗装で案外間抜けては見えない。URLは紹介できないが、良い作例がインターネットにあり、簡単にヒットするので参考にされたい。主脚支柱の軽目穴が見て取れたので、工作をしたら見栄えがしました。




○シュペルエタンダール アカデミー1/72
 
アカデミーのかなり初期のキットだと記憶している。昔新大阪からテクテク歩いていて、偶然路地に小さな模型店があって、安かったので買ってしまったが、機首の風防前の突起の形が気に入らなく、やめてしまった。10年後位に同じキットを手にすると、モールドはいいし、全体形も間違っていないはずだ、とまた買ってしまった。例の突起がまた気になりだした。これは着陸用の前照灯なのだと、突起を削ってブラの透明棒に置き換えた。



 機体本体はサクサクと組み立てられたのだが小部品の取り付け位置が分からない。するとインターネットに48の素晴らしいキットの無塗装の完成見本があって大いに参考になった。それだと機首下面にはアンテナらしい薄い板があるのだが、説明書に書いていないから部品もない。ところが、塗装図にはしっかり書いてあるので、ブラ棒を薄く削ってでっち上げ。資料によっては風防後方胴体の背中にも同じようなパーツがあるものと、ないものが出てくる。ずぼらな小生としては当然無視である。ところで48の作例によれば、機首上の突起は空中給油装置の収納部であった。当然先端が透明のはずもないが、出来上がったのは、透明なのかそうでないか分からないので放置。よく見るとキットにも空中給油装置のパーツはあるのでした。



 疑問なのは対艦ミサイルと対空ミサイルの塗装。対艦の方はステンシルのデカールを貼ることになっているだけで、説明書では全部白塗装。ところがアルゼンチン空軍機などではどちらのミサイルにも何らかの塗装があるが、フランス空軍のはとうとう分からずじまいでお仕舞いでした。完成してみると機体周りの小部品がごちゃごちゃして案外とリアルでした。



○BLOHM & VOSS BV141B エアフィクス 1/72

 珍機中の珍機で有名だが、量産されていないのが残念である。しかも飛行特性に問題はなく、エンジンと油圧関係の不調で採用されなかったというのだから、釈然としない。ともかく、かつてのエアフィックスから出ていた頃は人気の高いキットだったと思う。製作の参考に、インターネットをチェックしたら、小生のよりずっとうまい作例が二つもあったが仕方ない。


 


まだ72でまともなものがないので、作りがいはある。単発機としてはかなり大柄なので、最近出た48のキットは、小生には手におえない。凸モールドに筋彫りして、後は透明部品に注意すること。主脚カバーは直線部の長さが合わないようなので、調整する位である。写真を撮って気付いたのだが、左右非対称なので、左右で似たようなアングルで撮っても形が違うので、沢山取れるのである。






○Yakovlev Yak-36 FREEHAND ART MODEL 1/72

 最初から、最後までやっかいなキットだった。エンジンの排気ノズルが、特殊な素材で、割ること二回。もちろん小生が悪い。そこから先、機体の基本形から、キャノピの取り付けまでは、比較的すらすら。ところが小パーツの取り付け位置がさっぱりである。そこでインターネットで調べると実機写真より、プラモの完成写真の方が多く、かなり参考になった。前脚の前の、空気取り入れ口らしきドアはそのままでは取り付けられない。そこでパーツに薄いブラバンを四角に切って、取り付け用にした。他の脚ドアの胴体取り付用も同様に処理。空気取り入れドアはこれでは、まだヨタヨタなので、二本の開閉用シリンダの付根に、ブラ棒を切って接着すると、ようやくしっかりした。



 後部主脚ドアは、パーツNo.40を4分割すると言う、厄介なもので、特に主脚に取り付ける2個の部品は、取り付け方を説明するのが面倒なほど。後部胴体下面に取り付ける、アンテナのような細いNo.15などは、模型写真によっても、取り付け位置が違って見えるし、結局センターライン上に取り付けるらしい。無塗装の実機はよごれがなさそうなので、珍しく銀の上の汚しを省略したら、写真のように、少々オモチャっぽくなってしまったが、完成しただけよしとします。



 48では案外大きくなり過ぎるので、72でいいのですが、とにかく面倒なので、二度と挑戦しません。ただし、当分まともなキットが出そうもないし、形は正確らしいので、一度は作ることをお薦めしますが、ずっと模型店では見ません。

○Su22M-4 BILEK+α 1/72

 この機体を作る気になったのは、エアロマスターデカールの、東独空軍の派手な塗装のものを手に入れたからです。キット選びは大変。今手元にあるのは、説明書がBILEKのSu-17 FITTER Hとあるもの、PANTERAのSu22M4 Fitter Kとあるものがあります。

 説明書なしの箱にキットが入っているものがSU17M3 FITTER Kと書いてあります。しかし、どの資料をみても、これらのキットは全てSu-22なのです。結局BILEKのものを中心に作ったらしい。というのは、BILEKのものはキャノピーの形が変で、PANTERAからトレードしたらしく、兵装ラックもトレードしたらしいのです。「らしい」というのは部品をぐちゃぐちゃにまぜてしまって、いい方を使ったので、よく分からないのです。昔のモデルアートにもSu-22M4の作例があったが、実機写真と比べても、キャノピーの形が変です。
 
 例によって、可変翼は後退位置で固定。デモ機なので、兵装ラックにはミサイルなどは積まず、虎さんマークの黄のドロップタンクだけ、と楽をしました。デカールは品質が良く、すらすら貼れました。

 難関のひとつは主脚カバー。三分割されたものが脚柱に取り付けられているらしいのですが、キットでは一枚ものを切断して取り付けるのですが、取り付け方が全く見当がつきません。そこでたまたま持っていた、VERLINDEN PUBLICATIONSという出版社のSu-22M3という本にフルカラーで一機のSu-22の外形から細部までの豊富な写真がありました。

 次の難関は機首に二本ある、ピトー管だかアンテナだか分からない代物です。これはin actionシリーズのSukhoi Fittersという本の図面で、正面から見て、ショックコーン中心から左右45度位の位置に各々取り付けられていると判断しました。しかし側面から見て、機体軸線と平行で、上から見て二本のパイプが平行に並ぶように取り付けるのは至難の業と思いましたが、取り付け用に埋め込んだ真鍮棒を軸に何となく方向を決めてやると、思ったより簡単でした。


 短い方は機体との隙間が目立たないのですが、長い方は隙間がぱっくりです。そこで隙間に木工用ボンドを刷りこんで、余分なのを湿らせた小さな綿棒で吹きとり、乾いたらボンドに機体色を塗って誤魔化すことにしました。色は、前出のベルリンデン何とかという本で分かりました。短いのは取り付け部の機体色で先端がアルミです。長いのは根元が取り付け部の機体色、中間部が機体下面色に似たライトブルーのようです。なお、ドロップタンクラックは別部品ですが、上半分と一体になっているので、塗装前に取り付けて隙間をパテで埋めておかないと後で苦労します。

 とにかく変なところで苦労させられましたが、資料のおかげで何とかなりました。側面形が実機のイメージをつかんでいるのは満足です。作りかけで諦めた胴体など、1.5機分のキットが残っています。1機作ったのですから、3機の残りの0.5機はどこにいったのでしょう。とにかく、キットと資料代とデカールで二万円くらいはつぎ込んでしまった勘定です。



○BELL X-5、MACH 1/72

 有名な、メッサーシュミットP.1101を元に作られた可変後退翼実験機である。小生、可変後退翼の機体を作る時、主翼は必ず、最大後退位置に固定する。その方が見栄えがすると思うからである。このキットには後退位置と前進位置の二種類が入っている、という親切なものである。機体の全体形は良くできている。下左の写真と実機写真を比較すると良く分かる。

 問題のひとつは主脚である。よくチェックせずに取り付けたら、おそろしく短い。取り付け基部が取れなくなったので、基部を取りつけたまま切断して、ブラ棒を継ぎ足した。取り付け前ならさほどのことはなかったろうが、とにかく面倒であった。次はデカールである。古いキットだったせいか、貼ろうとするとポロポロ千切れてしまう。国籍標識は全く駄目で、ジャンクのデカールから調達した。

 USAFのマークはそうはいかず、主翼上でなんとかつなげ、どこかに消えた部分は艶消し黒で手書き。デカールは付着力も弱いので、木工ボンドを水でかなり薄めたのを先にたらしておく。いつもデカールは乾燥後クリヤーを吹いて固定するのだが、二枚以上貼ってから吹きつけると、風で隣のデカールが飛びそうなので、一枚貼ってから数時間してクリヤーを吹き、乾燥してから次の一枚を貼る、という具合だから、一週間では終えなかった。


 
デカールは一号機を選択したのだが、説明書がいい加減で、どれを使っていいか分からない箇所がある。取りあえず「世界の傑作機」の写真を見て、尾翼のシリアルナンバーと黄帯を貼った。ところが機首横に貼るものが分からない。本の写真でも何か書いてあるような、ないようなで、はっきりしないのである。インターネットでもX-5はマイナーだったが、ようやく一号機はある時期、赤黒でBELL Aircraftと書かれていたことが分かった。

 キットのデカールにもあったので、例によって苦労して貼る。ところが、このマークが機種にある写真には、尾翼の黄帯がないのだ。時既に遅しなので、この組み合わせの塗装の時期もあったのに違いないと納得することにして諦めた。脚扉は形はいいが取り付け部品がないので、ブラバンを裏に貼るのは、簡易インジェクションキットの常。前脚の扉は開閉アームが写真に見えたので、ブラ棒で自作。ピトー管はキットのは使えないので、真鍮パイプに真鍮棒を差し込んでみました。

 苦労した割にはあっさりした仕上がりですが、全体形状が良いので満足です。古くは、48位のキットがあったはずですが、48のまともな新製品が出たら挑戦するつもりです。それよりもX-3の48は出ないのでしょうか。性能はダメでもかっこいいのです。




○川西 紫電改 アオシマ文化教材社

 
このキット、多分ハセガワの72よりは新しいと思います。ハセガワのは風防の大きさがおかしい、という致命的なミスがあり、一度作ってガッカリして何年かして処分してしまいました。

 このキットも紫電改にしては、カウリング前方が丸っこい、と模型誌には指摘され、その通りなのですが、ハセガワの欠点ほどの問題ではありません。しかし模型雑誌の製作記事を見ても、アオシマの欠点は指摘しても、ハセガワの欠点を指摘したものは寡聞にして知りません。両者を並べて見れば、その差は歴然としているのに、奇妙なことです。

 つい最近、同じアオシマから、紫電改が一斉にいくつかのタイプが出ました。 しかし不思議なことに、模型雑誌の製作写真を見る限り、このキットの方が新しいのより、全体形が良く見えるのです。作って並べて比較してみなければ分からないのでしょうか。

 キットをストレートに組んだだけで、何も追加工作はありません。それどころか、日の丸はいつもマスキングして塗装するのに、デカールをそのまま使っているのは、日の丸の「15」の文字をそのまま使いたかったからだと思います。上面塗装は例によって、海軍機色ではなく、54カーキグリーンを全体塗装した上に、18ブラックグリーンで薄くまだらをつけたり、外板を塗り分けたりして、単調にならないようにしています。






○中島 キ-43Ⅱ 隼 ハセガワ1/72

ハセガワ、タミヤはできるだけ載せないと言いながら、相当のオールドキットなのでお許し下さい。今でも現役で売られてはいますが、最近旧LSのキットが店頭に並んでいるようなものでしょう。ハセガワのキットが、格段に良くなり始めのものだと思います。

 唯一面倒なのは、凸モールドになっていること位ですが、それ以前からLSは筋彫りだったのですから先見の明がありました。実は、本機は東日本大震災で、脚が折れるなどの大被害を受けまして、作りかけのキットから急遽パーツ取りしたものですが、自作してあった主脚カバーは、無理やり外して使いました。キットのは板厚が厚過ぎるのです。

 インクスポット迷彩は、密度が少ないもので比較的楽なものを選んだのですが、無理やり比較的目立つマークリ33戦隊の第一中隊長機にしてしまいました。画用紙に1~3個の穴を開けたのを10枚位作って、一枚づつエアブラシで吹いていく、という作業です。



 ピトー管は例によって真鍮パイプと真鍮線の組み合わせですが、太さはいい加減です。上の写真の写りは良くないのですが、実物はファインモールドの48に負けないくらい好きです。

 日本では零戦神話のようなものがあって、零戦人気が強いのですが、小生は隼のシンプルなキャノピーとすらりとした機体の隼の方がずっと好きです。模型的にも塗装のバリエーションが多い隼の方が面白いです。48では、ハセガワの隼は胴体の形状がおかしいと思うので、作りません。Ⅱ型ならファインモールドで、Ⅰ型なら古いのですがニチモにします。






○マクダネル F-4EファントムⅡ フジミ 1/72

 ともかくフジミが、ハセガワやタミヤに肩を並べる位の品質になり始めた頃のキットですが、平成22年頃、中古店で安さにひかれて、失敗でもいいや、と買ったのですが、案外の拾いものでした。実はハセガワのファントムが日本では定番なのですが、見ている限り複数のタイプを胴体の分割等によって共通部品を多くしているので、現用機の苦手な小生には面倒なのです。現にトルネードでは、胴体が前後二分割になっていて、センターラインが出せなくて製作を放棄しました。もちろん原因は小生の技量未熟にあります。



 実は、ファントムを作ったのは、ある年の入間の航空ショーで下の空自のEJを見からです。異形と言われるファントムは、意外に美しいとは思っていましたが、実物を見て感動しました。それで模型で似た角度で撮りましたが、全然かないません。それでも、そこそこのファントムⅡができたと思います。空自のEJという手がありますが、どうも空自の日ノ丸はしっくりきません。ところでこのキット、中古の割にデカールが劣化していなくて、助かりました。




○メッサーシュミット P.1106 1/72

 説明書も箱も失くしたので、メーカー不詳だが、多分当時ドイツの珍機を盛んに出していたHumaだと思います。Humaと決めつける自信がなかったのは、Humaにしては、筋彫りが繊細でできがよかった(´Д`)からてす。ともかく世紀の珍機が手軽にできるというのは嬉しいかぎりです。小型なのですが、ペーパープランで設計すら充分に行われていなかったから、48にしてしまうと、間抜けた仕上がりになるので、72で充分です。



 昔、ロケッティーというガス噴射の模型用ロケットが売っていた頃、模型雑誌に製作記事があったのがこの機体で、奇妙なスタイルで子供心に驚きました。もちろんロケットの推力がないので、胴体も翼もバルサの一枚板という代物です。塗装は説明書指定のもので、夜戦などに使われるものだと思いますが、グリーンやブラウンの標準パターンより見栄えがすっきりして良いので、ご採用です。

 このインクスポット迷彩は説明書の塗装図を72に拡大コピーして、グレーの部分をカッターで切り抜けばいいのです。特にこの塗装は胴体側面にインクスポット塗装がないので、平面図のコピーだけで間に合うので、実に簡単でした。デカールを含めて製作はとても簡単でした。





○P-51Hムスタング ヒストリック 1/48

 ムスタングのD型のキットは、スケールを問わず、山とあるのに、H型はレヤだし良いキットにも恵まれていない。ある製作記事にH型はスタイルが良くないから、の如く書いてあったが小生は逆で、一番好きなのがH型で次がA型で、D型は嫌いな方である。D型の主翼と胴体のバランスの悪さが嫌いなのである。その点H型はバランスがとれて、すっきりしたスタイルが良い。48だとヒストリックとクラシックエアフレームが入手可能だが、後者はキャノピがバキュームなので止めた。

 ところが組み立てて愕然としたのは、可動風防の胴体内部が、平板で、その上に無線機か何かも訳のわからない、四角な箱が二個乗っているだけという全くリアリティーの無いものだったことである。風防を取りつける直前に製作を止めて、内部の形状が分かる資料を探したがない。そこでクラシックエアフレームのキットを見たら、ブラとレジンの組み合わせでもっともらしいので中古キットを買った。贅沢な買い物をしたと思ったが、そうでもなかった。

 

 ヒストリックののデカールには、プロペラに貼るステンシルがない、主脚のタイヤ取り付け部がのシャフトが長過ぎて、切断しても正面から見た形が実物とは違ってしまう。これらはクラシックエアフレームから流用できるのである。モーターブックス・インターナショナル社のムスタングの全頁カラー版という素晴らしい本の裏表紙の機首の写真にあるプロペラステンシルが、流用したものとそっくりで感激した。ただしこの写真はK型のものだが仕方ない。ついでに他のデカールもほとんど流用した。マーキングはヒストリックのよりシンプルだが、H型のすっきりした感じが良くでている。

 今書いた欠点以外の細部の部品はヒストリックの方が良い。ただし、キャノピーの固定部と可動部の接続部の断面の形状が少々変で見る角度によって気になる。この点クラシックエアフレームの方が正しいと思うが、バキュームが相当に黄変していて使い物にならない。多分新品が綺麗でも、時間がたつと黄変するから、一生懸命作った人は、後でショックを受けると思う。ファルコンのバキュームキャノピーは何年たっても黄変しないから素材の質が違うのだろう。排気管はビンバイスで穴を開けないと、間抜けて見えるが形は正確である。またプロペラは幅が一定なのに、正面から見ると、下の写真のように先端にいくほど幅広く見えるのもH型の写真と一致する。以上のような欠点は、プラモ製作記事にはほとんど書かれていないと思う。完成してみると満足はいったが、やはりもっと素性の良いH型のキットが欲しい。

 



○XP-75A VALOM 1/72

 日本機も含め、多数の新製品を次々と出している割には、なかなか品質が向上しないメーカーではあるが、このキットに関してはおおむね合格点が出せるが、後述のように、しようもないミスもある。XP-75は、V12気筒のアリソンエンジンを2基組み合わせたものだと言うが、胴体が太いので、景雲やHe-177のように左右に並べたものだろう。資料を読んでも性能不足は言われているが、エンジントラブルがなさそうなのは大したものである。

 キットは、既存の機体の主翼その他を組み合わせた原型機と改良を加えた型の二種類が売られている。今のところ最終型は見かけたことはないのだが、キットには最終型のパーツが入っていて、写真を見ても一番スタイルがいいので、説明書を無視して、最終型を作ることにした。説明書通りだと、各翼端が丸いし、背びれも腹ビレもないし、垂直尾翼も低いし、原型機よりましだが、かっこ悪いのである。



 主脚カバーの取り付け方など、ディティールが説明書ではさっぱり分からないところが多いので、インターネットの画像検索が多いに役立った。その中に風防前後の反射防止塗装がない機体があって、美しく見えたのだが、垂直尾翼下の腹ビレがないものだったので、気がついた時には腹ビレを取りつけてアルミ塗装を終えていたので諦めた。ラジエターフラップを開いて飛んでいる写真があったが、パーツがないので、ブラバンで作った。本当は地上ではラジエターフラップが開いていることは少ないので、ラジエター排気口を一部塞ぐのが簡単でリアルである。



 ピトー管は0.6mmのブラ棒で自作せよとのことだが、この機体のピトー管は普通の軍用機のように太さが2段になっているものなので、真鍮パイプと真鍮線を組み合わせた。アンテナ支柱は部品がないので写真を見て自作である。最大の問題はプロペラである。プロペラは先端に近いほど迎え角が減る。だから二重反転プロペラでは、前方と後方のプロペラは別部品でなければならない。ところがこのキットでは平気で6枚とも同じ形である。悩んだが、諦めて後方のプロペラを正しいものにした。パテで修正は不可能で、ジャンクパーツからの自作しかない。

 下の左の写真のように横から見ると、インチキがばれてしまう。このメーカーが時々ミスるキャノピーが普通のできなのに残念である。まあ目くじらを立てても仕方ないと諦めた次第である。かなり変わっているがスタイルがいい機体なので、完成した満足感はある。注意しなければならないのは、XP-75は、改良が次々となされているので、機体によってディティールが結構微妙に異なるので、最初に作る機体を資料で決めておかなければ後悔することがあると思う。

○Ta-152H 1/72

 古いキットでアオシマのように手軽に作れるものがある今では、やる気が出ないだろうが、当時は他にはほとんどなかったから仕方なかったのです。筋彫りがいやに深いから、多分マッチボックスかと思いますが、判然としません。説明書を紛失したのです。レベルではないと思います。固定風防前方の膨らみの形だとかが不満だったりしたのを、資料を見て丁寧に修正したら、満足のいくものになりました。デッサンだけは、アオシマのものに劣らないと思うほど気に入っています。

 カウルフラップは開状態に自作ですが、アオシマのは開閉選択式で羨ましいです。何年も放置しておいたら、引っ越しでプロペラが消えていました。そこでアオシマのが900円で売っていたので、パーツ取りで買いました。するとよくチェックしたら、主車輪カバー、ピトー管、主翼下面アンテナ、ループアンテナ、主翼機関砲など、不足パーツがあるはあるは、でした。お買い得です。

 主翼下面アンテナはアオシマのは形が全く変なので、109のK4の残りパーツ、ピトー管と機関砲は真鍮パイプで、残りはアオシマで調達しました。



塗装は、作った当時、模型雑誌に塗装例があって、真似して、風防周りだけブラウンにしたのですが、最近の資料を見ると、違うようですが、実感を損ねていないので、後悔はしていません。プラモは作ってなんぼです。このスケールでは満足な出来です。Ta-152Hは優秀機と言われますが、中高度以下では、主翼強度不足で、空戦はできないと思います。ドイツ空軍が高高度戦闘機にやたらにスパンが長い主翼を使うのは、高高度で過給性能が悪いエンジンしかなかったからに違いありません。




○A-144 or Mig-21I Analog・ Amodel 1/72

 例のツポレフTU-144超音速旅客機の主翼の試験機である。どういう訳かキットの名前は、A-144でSOVIET X-PLANESという本には、MiG-21I Analogと書いてある。Analogというのは、明らかに西側のコードネームで、Amodelはポーランドらしいので、正式には、A-144なのだろう。

 胴体や主翼などの基本的部分は楽なのだが、この時代のロシア機の常として、とにかく小さいエアスクープらしきものがゴテゴテついていて、実に面倒である。胴体後方に4個あるのはキットのもので、先端に穴を開けて機体塗装前に取り付けておいた。胴体前方に左舷二個、右舷1個あるのは、弱そうなので、後付けにした。形も取り付け位置も分からないので、インターネットで実物と模型の写真をできるだけ集めて、キットの部品は左舷前方のものだけで、あとは、ジャンクパーツを、らしく削ってようやくです。



 主脚カバーの主脚柱側のものは長過ぎるので、思い切って切断したのだが、脚を閉じると主脚が一部むき出しになることになるのだが、無視。他のMiG-21の完成品も見ましたが訳が分かりません。デカールは素直で問題なし。上の左の写真は、インターネットに出ていた、実物か風洞模型かよく分からない、気流測定の糸を主翼に貼った写真と同じアングルにしてみたら、そっくりで安心しました。



 垂直尾翼上端と機首下面に三本づつある、IFFアンテナは、垂直尾翼のものはキットのパーツで、機首下面のは不細工だったので、取りつけ孔を塞いで、ブラ棒で作りました。小パーツが面倒なキットですが、根気だけで技術はいりませんのでご安心を。


○九七式司偵2型 有井1/72

 言わずと知れた、旧LSの再販である。LSのかなり後期の作品で、新金型といわれても、閲歴を知らない人にはバレない位、いい出来である。このキットのかなり後に、マニア社が同型機のキットを出して、ハセガワが今販売しているのですが、キャノピーの形などは、有井の方が正確です。このキットの同時期のハセガワのキットで、このレベルのものは、稀だったと思います。つくづくLSがつぶれなかったら、と思う次第です。有井のは九八式陸偵用のピトー管まで入っているので、デカールさえあれば作れるのです。しかも都内某店では税抜き450円というから驚きでした。実は大分前に作ったのを、チェックしてみたら、ピトー管、排気管、尾輪の取り付け忘れで、パーツはどこかに消えていました。ピトー管は写真のようにややこしい形なので、パーツ取りに450円キットを買ったのですが、手間いらずで安上がりでした。

 で、いじったのは、カウルフラップをブラバンで開状態にしただけ。塗装は、航空ファン別冊の日本陸海軍機カラー&マーキングに載っていた、独立飛行第16中隊のが派手なので、御採用。胴体の赤マークはエアブラシなのですが、尾翼の赤は一部、赤デカールを切り抜いて誤魔化しました。旧LSのキットは都内で案外売っているので、中身をチェックすれば、いいものもありますから買いです。LSのキットは当初の製品は1/75なのを1/72と誤魔化しているので、要注意です。そこで、このキットのスパンを測ったら、1/72で12m相当ありましたから、間違いなく、1/72です。ご安心を。神風号も売っているのですが、48のまともなのが出るまで待ちます。





○MUSTANG IA アキュレート ミニチュア 1/48

 
かなり古いキットであるが、できのいい本格的なマスタングの初めてのキットで、高いのを我慢して買った記憶がある。小生、不思議なもので、P-51、Bf-109、スピットファイアの三機種は最初と最後の実用機だけが好き、という趣味がある。だから世間では人気のある、P-51Dは嫌いなのである。もちろんスタイルの話である。どうも胴体やキャノピーの丸っこさと、大き過ぎるように見える主翼のアンバランスが嫌いなのである。このA型は胴体がスリムなところが好きなのです。



 キットはドロップタンクなしで、スケールの割にあっさりしたものです。だから、組み立てに難はなし、、といいたいのですが、1箇所だけ。可動風防の後ろの丸っこい透明部ですが、厚みがとても薄いのです。そこで、しっかり接着できず、いつものようにマスキングに木工用ボンドを使うと、間違いなく剥がす時、透明部品が外れてしまいます。そこで、市販のマスタングの透明部品用のマスキングシートを使って、OKでした。

 あとは、機銃の取りつけ孔が小さ過ぎるので、孔を大きくするのと、機銃部品を捕捉する位です。尾翼の星条旗のマークの角がポロリと剥がれましたが、小生のミスです。主翼の黄橙色のストライプはデカールがありますが、もちろん塗装です。



 ちなみに、戦前の日本の飛行機設計技術者で比較的有名なある人から、ムスタングの高性能は、世界一を自慢したがる米国人の、国を上げた宣伝によるでっち上げだと直接聞きました。例えば、B型のパッカードマーリンなどは、離昇出力1450hpと言われるのが通常ですが、実は短時間の緊急出力もだせるのです。もちろん出力増加は速度増加に比例はしません。しかし、燃料を減へらしたり、武装を減じてカタログデータを誤魔化している可能性はあるのです。隼Ⅱ型が低空で、P-51を追いまわして、結局撃墜したというエピソードなどは、やはりP-51の高性能は過大評価と言う気にさせます。



○メッサーシュミットBf 109 V1 MPM 1/72
 人気機種だけあって、48でも、109はほとんどの型が出ているが、原型1号機だけはないとおもう。ロールスロイス・ケストレルを積んだ素朴ながらも美しいと思う。組み立てに特段問題はないが、ラジエター内部にエッチングの部品を入れるのだが、ひんまがってしまい、とうとう修正できなかった。その時は気になって仕方なかったのだが、完成してみると何と言うことはない。塗装はRLM63だがよく分からないので、ミスターカラーの117で妥協しました。

 実は欲し翼のマスバランスがエッチングで気に入らないので、付いていません。そのうち、ハセガワのE型あたりから調達します。

 


 


○川崎 キ-78  AZモデル1/72
 
 小型に切り詰められた、He-100よりさらに小型なのですから、72では、小さ過ぎます。せめて48がほしいです。キットに指定されているのは、固定風防に枠を追加した、改造型ですが、つまらないので、完成直後の機体にしたら、面倒な塗装は要らないし、楽でした。左舷上下に張り出したピトー管部品は見当たらないので、主翼に穴を開けてブラ棒を通して完成。本当は翼断面をしているのでしょうが、このスケールなら丸棒で充分です。

 カラー図には、プロペラ先端に赤二本線となっていて、デカールもあるのだが、日本機ではあり得ない。カラー図は全面アルミに、日の丸と、カウリング上面の反射防止の黒色塗装のものと、全面オレンジに胴体に撮影用のターゲットを塗ったものの二種類がある。前者は終戦後米軍が撮影したものしか確認できないが、本当に無塗装なのか写真が不鮮明で判然としない。

 後者はいままでの国内の説では、ブルー系ととされていたが、試作機であることを考えると、オレンジだろう。ターゲットは写真の明度から日の丸と同じ赤白としているが、ターゲットの性格
から、黒白だと考えられる。不可解なのは、戦後の写真が防眩塗装以外、全面無塗装のように見えることである。オレンジ塗装をわざわざ剥がしたのだろうか。小生の記憶違いかもしれないが、戦後のキ-78の胴体の残骸の一部のカラー写真を航空雑誌で見た憶えがある。色は退色した黄かオレンジだったと思う。夢を見たのかも知れない。



 可動風防の天井が怖ろしく低い上に、膨らみがなく直線なのはいまいちだが「別冊航空情報・精密図面を読む4」によれば、正しいようである。昔、48のレジンのキ-78を買ったら、正にこの形をしていたので、がっかりして作らずに捨てたのだが、間違いだったようだ。




○ヤコブレフ Yak-23 1/72

 確かKPのキットだと思います。酷くボロイ説明書が出てきました。まだまだソ連崩壊なんて夢みたいな時期のキットです。もちろん凸モールドですから、筋彫りのやり直しです。といっても僅かな手間で済みます。細かいパーツの素性も悪くないのですが、スペシャルホビーの1/72があるので、今更手を出す人はいますまい。でも作ってしまえば、キャノピーが分厚く気になる以外はいいキットでしたが。



 ご存知のように、Yak-23はYakのレシプロ単発戦闘機を、強引にジェット化したシリーズの最終型です。しかし、その前のYak-17からは、大幅に改設計したと見えて、基本形は同じでも相当に印象が違います。震電のジェット化ならともかく、言ってみれば飛燕をジェット化したようなものですから、日本人には考えられないセンスです。

 一時店頭に、1/48のキットが出ていて、そのうち買うぞ、と思っていたら、もうありません。何せサイズは零戦、隼より小さいのですから、48もいいと思います。これでYak-17を作ればYak単発ジェットシリーズの完成です。





○二式単座戦闘機 鐘馗 オータキ 1/48
 
当然ですが、ハセガワの48が売られる前に作ったのですから、相当前の作品です。こうしてみると、イメージはハセガワに負けていません。不思議なことにこのシリーズは、いまだに店頭で見かけることがあります。主脚と尾脚のカバーはブラバンで作り直してあります。このキット3.11の震災の被害を受け、主脚が外れ、尾輪のタイヤが消えてしまいました。主脚は元々真鍮棒で差し込んでいますから修理は簡単。タイヤはジャンクから調達しましたが、ソリッドタイヤではないようでしたが、小さいので目立ちません。


 
本機でいつも話題になるのが、カウルフラップ直後からコクピット辺りまで、かなり強く絞ってあるという話です。世界の傑作機No.16のP40の写真の解説にもそう書いてあります。そこで下右の写真は似たアングルで撮ってみました。すると胴体の光った部分と暗い部分の境が、実機写真に似ていくらか絞られているようにも見えます。ところがキットに定規を当てると防火壁以降は直線で、防火壁前は逆にいくらか膨らんでいます。

 どの実機写真を見ても、小生には胴体が強く絞られている様には見えませんが、ハセガワの48はその説を採用しています。真相は、実機の寸法が判明するまで分かりますまい。




 塗装は有名な85戦隊の斎藤戦隊長機です。上面は暗緑に茶のスポット、下面はカラー図のイメージで、グンゼの115にしましたので、かなり青っぽいのですが、いいイメージになりました。ハセガワが出ているので小部品のことを考えると、今更作りませんが、気に入りのひとつです。なお、ハセガワの五式戦のバブルキャノピー型は後方の固定風防の形がどうしても気に入らないので、オータキのキットを調達して製作準備しています。



○ノースアメリカン P-82 ツインマスタング モノグラム1/72

 
最近、スペシャルホビーとかでも発売され、楽が出来るのだろうとは思いますが、さすがモノグラム、という感じで、デッサンの良さでは勝っているかも知れません。実は相当インチキで、可動キャノピーをなぜか壊してしまい。ファルコンのバキュームを使いました。固定風防とはぴったりは合わないので、半開状態で誤魔化しております。ファルコンのセットはP-51二機分あって助かったのですが、D型です(´Д`)へ。このスケールならバレないでしょうとあきらめました。

 写真を取る段になったら、右舷方向舵上縁後端がニミリ位三角にぽっきり欠けているは、左舷の爆弾が投下されているではありませんか。未塗装ならともかく完成状態の欠けの補修はぞっとしましたが、例によってブラバンを当て磨り合わせてから、部分的マスキングをして黒塗装で、注意してみないとバレない位です。爆弾は最近完成のF2H-2で取り付けるのをさぼったのが、そっくりでした。ただしオリジナルには爆弾に爆弾架がモールドされていたので、薄いブラバンを細く切ってくっ付けましたが、本体取り付け部との位置合わせに一工夫ですが、やってみれば何とかなるものです。

  

 凸モールドは筋彫りにしましたが、完全に削らず、微妙に残すと塗装の汚しの時に案外映えるものです。だからこの時期のモノグラムはたまらないのです。唯一のギミックは、中央翼の機銃弾倉の開放部分です。この辺りはタミヤのサンダ―ジェットも真似ていると思います。塗装は色々ありますが、やはりブラックのヌードのノーズアート付きですよね。というわけで、簡単でいい仕上がりになるかもしれませんが、新製品はパスで、モノグラムで満足です。

  

○ノースロップ XP-56Ⅱ MPM 1/72
 このコーナーを開いた時には完成していたはずなのに、忘れられていました。有名な珍機です。組み立ては特に難はなし。昔のモデルアートのWWⅡ米陸軍試作機、というのにも紹介されていましたが、参考にする必要もありませんでした。ちなみにスピンナはオリーブドラブの指定なのに、何故か真っ赤にしてしまいました。まあ見栄えがいいので許します。

 なぜかモデルアートの作例のスピンナは黒でした。まあ目くじらを立てるのはやめましょう。二重反転プロペラですが、面倒なので固定しました。この位いい加減ではないと中々完成しません。最近このキット見かけませんがあったら買いです。デカールが痛んでいても、機番号と国籍標識は他から調達できますから。



 写真をとろとしたら、ピトー管が根元から折れているのを発見。それで気付いたのは先端近くに矢羽根のような二枚の張り出しがついていました。水平にするのか上下方向になるように取り付けるのか分からないので、インターネット画像で調べたら、矢羽根なしのものもありますが、矢羽根有りでも上方向の一枚しか確認できませんでしたが、説明書の指定通り、上下方向に取り付けてお仕舞いにしました。今回も諦めと手抜きです。




○ニューポール-ドゥラージュ NiD-622 エレール1/72

 珍しくフランス機です。それも一葉半という珍妙な機体ながら、なかなかバランスのとれた機体です。国籍標識に描かれた鶏さんマークに惚れ込んで作った人も多いと思いますが、相当昔のエレール全盛期のキットですから新品の入手は不可能でしょうし、中古品だとデカールの劣化の心配があります。10数年前、新品に近いものがあった時に作ったものです。


 デカールは大判のものが多く、ぐにゃぐにゃして取り扱いが面倒で、失敗してもう駄目だ、と諦めて放っておいたら、乾くと何とかなった、という不思議な記憶があります。キット自体は今でも充分通用しますので、デカールの状態さえ良かったら即買いです。とにかくでっかい鶏さんは可愛いです。

 

○メッサーシュミット P.1111 PMモデル 1/72

 
ドイツの計画機のキットを出している、PMモデルです。箱を開けてキットの状態を見ると、一瞬、あれっと思うのですが、実際に組み立てて見ると何の問題もありません。もっともこれはディティールがはっきりしない計画機の場合に限りますが。


 
特段の問題もなく、さくさく組み立てられます。いじったのは、エアインテークが筒抜けなので、仕切りを入れて、エッチングのメッシュのパーツを貼っただけです。説明書をなくして記憶喪失ですが、スポット迷彩は塗装図を72スケールに拡大して、グレ―部分を切り抜いて、マスキングに使っただけです。全体がシンプルな平面なので作業は簡単でした。



 全体がシンプルながらバランスの良い機体で、計画機と思わせないリアリティーがあります。未完の計画機が簡単に楽しめるのはありがたいです。面倒な機体の合間に作るには最適です。


○JB-2 MAC 1/72

 御覧になって分かるように、ドイツのV-1ミサイルの、米空軍による、ほぼ完全なデッドコピー品です。小型でパーツ数も少ないので、組み立てに何の問題はありません。それよりこの機体を紹介したのは、戦史的意味からです。

 米軍が終戦までにこの機体を大量生産したのは、実戦投入のためでした。使用する前に終戦になってしまったのですが、もし、日本本土上陸作戦が行われていたら、間違いなく、使用されたしろものです。

 キットはブースターロケット使用のレール発射式ですから、地上からはもちろん、船舶上からも容易に発射できます。弾頭850kg程度ですから、戦艦の砲弾と同程度の破壊力で、デッドコピーとはいえ、射程も400kmと遥かに向上していますから、上陸前に大量に打ちこめば効果は絶大だったのに違いありません。

 しかも無人機で、コストも安く撃墜されても、艦上機のようにパイロット喪失のリスクもありません700km/hを超える速度ですから、既に、日本にはこの機体を確実に撃墜できるような戦闘機も対空砲火も無かったでしょう。考えるだに恐ろしい兵器を米軍は投入しようとしていたのです。それもドイツ製兵器のデッドコピーという安直な方法で。



○九六式二号艦上戦闘機一型 ファインモールド 1/48

 いわずと知れたファインモールドの比較的初期のシリーズですが、72の五式戦の出来が悪かった頃に比べれば、格段にデッサン力が向上した頃のキットで、再販が出ていたのを買いました。排気管等がメタルパーツとなっているところが少々面倒でした。排気管などは集合式のものを、エンジンシリンダーにつなげる、という実機通りの再現になっています。ところが、カウリングに収まらないなど、どうしても組み立てられません。そこで隠れる部分でズタズタに切って、無理やり収めました。小生の腕の悪さではない、と思います。この点さえ解消すれば、今でも通用します。なお、ファインモールドには一号艦戦もありますが、機種周りのスタイルでニ号が好きです。



 塗装は、日本一の撃墜王だと信じる岩本徹三機にしました。恐らく支那事変では、前に紹介したI-153とも空戦をしたと思います。岩本が零戦で高位からの一撃離脱戦法に徹したと言うのは、旋回性能が良い、複葉機と闘った経験からでしょう。同じ支那事変経験者でも坂井三郎は旋回性能を生かして闘ったのは、性格の相違だと思います。岩本機は零戦五二型の、撃墜マークべたべたのものが完成間近です。塗装はキットの指定と違い、自分のイメージで、グンゼの22と54を使いました。塗装などと言うものは、その後の汚しなどで、かなり原色とのイメージが変えられるのが楽しみです。



 余談ですが、キャノピーパーツの内部に気泡らしきものがあって、処理できなかったので、ファインモールドのサービス担当の熊沢さんという方に電話したら、一も二もなく無料で送って呉れました。お礼を兼ねて完成写真を送ろうと、写真用紙を買って印刷したら、プリンタの具合か印刷がうまくいかず、沙汰やみになってしまいました。ご本人には伝わらないと思いますが、ここで気持ちだけお礼を言います。ファインモールドさん、アフターサービスいいので、安心して買えます、とだけ言っておきましょう。また、48で世界一美形の双発戦闘機だと信じる、キ-83作ってくれないでしょうか。

 欲を言えば、大東亜戦争の実用戦闘機(制式採用機とは言いません)で唯一まともなキットの無い、キ-102乙戦闘機もまずは48でお願いします。最近のある記事で読んだのですが、五式戦というのも嘘で、キ-100は制式採用の手続きはされていないそうです。言われてみれば、五式戦には「隼」のような通称がつけられていませんよね。百式以降の制式機にはは通称をつけている陸軍の慣習には反しますよね、という訳です。



○ポリカルホフ I-153,Amodel 1/72

 作ったのはAmodelなのですが、このキットのオリジナルメーカーはどこなのでしょう。SMERとかエレールの製品もありますから、結局、相当昔のエレールでしょうか。キット自体はよくできていて、組み立てに難はありません。羽布張りの表現が大袈裟ですが、模型としては、いいと思います。苦手な張線ですが、ブラのランナーをガスレンジで伸ばしたものを、完成した機体にビンバイスで穴開けし、流し込み接着剤と瞬間で固定し、お仕舞い。塗装は薄めた黒鉄色でさっとです。

  

 ただし資料を見ても、張線の正確な位置は分からないので、箱絵を参考にしました。ちなみに張線は片舷当たり、上翼から下翼と胴体との結合部に張ってあるらしいのが二本。その線の後方側のものにクロスして接して張られているのが一本としました。他にも細かいのがあるかも知れませんが、分からないと言うことで省略です。72の小型機だと張りはゴテゴテするより、省略してしまった方がリアル、と言うのが張線嫌がりの小生の持論です。ちなみに小生は48でもアンテナ線は原則張りません。実機写真見ても見えないじゃないですか、というのは無精と保存状況最悪の小生の言い訳です。48位だと、アンテナ柱とアンテナ線の取り付け部もきちんと作らなければなりませんから、技量不足の小生にはできないのに過ぎません。

  

 ちなみにポリカルポフのプロペラ機の資料はAVIATION INTERNATIONALというシリーズのFighting Polikalpovという本があります。初期のR-1から最後のITP M1というマイナーな機体まで取り上げた、図面の豊富な資料です。でも、本機を作るに当たっては小生には猫に小判状態でした。しかし、紹介されている機体の多くがキット化されているので、1冊は欲しいです。探すのには、この本のISBN がNo.1-884909-01-9ですので参考にして下さい。

なお、I-15の系列は、複葉の上翼が普通の直線翼とガル翼のもの。主脚が固定と引込み脚。カウリングがトンネル型とワッターカウリング、スピンナーキャップ付きなどバリエーションが多いので、興味はつきません。引込み脚は日本の設計者なら、複葉機などに使わない、というと思います。なにせ500km/h近く出す単葉機にも重量の得失を考えたら、固定脚でいい、と言っていますから。でもそれは嘘です。機体だけなら現物合わせでうまく、誤魔化せますが、ぴったり脚を納める精密機械に自信がなかっただけなのです。複葉機でも、胴体着陸の際の安全性、というメリットは、大きかったのです。



○Spitfire F Mk.22,エデュアルド1/48

 元々のエアフィックス版に、複合材料パーツを付けて再販したもので、製作記事がマスターモデラーズのVol.84にあります。せっかくなので、キャノピーは開状態にしたのですが、これが一苦労。可動風防を開位置にセットすると、風防が高く浮いて、固定風防と高さが合わないのです。閉状態でぴったり合うようになっているのでした。慌てて閉状態に、とも思いましたが、足掛けが開いた状態で塗装も完了しているし、仕方なく、風防を上から押さえつけて開き気味で固定して、御覧の通りボロが出ない程度にしましたが、下手するとパッキリなんて危険もありました。

 相変わらずの大間抜けは、固定風防のすぐ下にある、黄色の円形のマーキングです。左右舷とも円形の外枠は同じなのですが、左舷側のデカールを貼って翌日クリヤー塗料を吹いて固定しようと思ったら、剥がれて消えていました。プラモショップで類似のものはないか探したり、自作デカールもトライしましたがうまくいきません。半年くらいしてから、あきらめて、日の丸の白縁を作る要領でマスキングして黄色を吹いてから、ジャンクのデカールから黄色の横文字のものを探して黄色の円の中に貼って仕上がりです。完成してみると、左右どちらが偽物か分からない位に仕上がって満足です。HPの写真はボケボケなのでバレませんが、もちろん、元の写真でもバレません。



 製作記事の方は、ファルコンのバキュームを使ったそうで苦労なさげでした。ところが記事の方には、開状態では合いにくい、という説明がないのです。一般にプラモ雑誌の記事は、結構細かい注意は書いてあっても、基本的に仕上げるための注意など無いから、小生の場合は、完成写真で脚カバーの取り付け角度などを確認する、程度で記事そのものはほとんど読まない、というのが本当の話です。

 某プラモ店主さんに聞いたのですが、MPMだったかで九七重爆を出すと言う話が出た時、商社の人がメーカーに、昔のレベルのキットの真似すると、風防の形が駄目になると注意したが、聞いてはくれず、ひどい風防のキットがでたそうです。また、フジミのMiG21シリーズは、胴体が太っていて駄目だ、というのは業界の常識だそうです。ところがこれらの常識は、プラモの製作記事には、ほとんどありません。だから記事は当てにせずに完成写真を見るのです。似たような話は、外国製の48の九九双発軽爆です。あれも記事の完成写真を見て、駄目だと買わなかった人は多いと思います。



 久々の大物ですが、小生はWWⅡの単発戦闘機の1/32は作る技量がありません。大スケールを生かして仕上げれば、見栄えがするのでしょうが、そんな技量はありません。MK.22を見るたびに思うのですが、欧米人、特に欧州人というのは、使えるものは徹底して使う、ということを感じます。何せ同じスピットファイアでも、主翼の平面も断面も構造も全て変えてしまったのですから。日本の航空機解説者はすぐに、日本機はぎりぎりに作られているので、改良の余地がなかった、といいますが、そんなことはありません。

 スピットファイアでも、Bf-109にしても、最初からギリギリに作られていたのです。それを改良する意志があるかどうかなのです。それにしてもスーパースピットファイア、いいスタイルをしています。疾風にも負けません。



○Mい163C Prototypes スペシャルホビー

 量産型のMe163Bとバブルキャノピに、完全引込み脚のMe263の中間、という奇妙な姿に惚れ込みました。ゴテゴテした塗装は面倒で、垂直尾翼がB型と同じ低いのはつまらない、というので、結局選択したのはこの機体となりました。背びれの廃止や、重量の増加で高い垂直尾翼が当然必要だったはずですから。

 見ての通り、組み立ては簡単、塗装もシンプルで汚しだけ。デカールは国籍標識もなく、垂直尾翼付け根の小さな「V02」というものだけ。実に異様な形が簡単に楽しめます。失敗したのは機首の風力発電機のコーンと風車のパーツを失くしたことだけでした。ショックでしたが、できそこないのMe263のパーツを流用したら、風車のエッチングパーツをいじっていたらポロリともげてお仕舞い。


  

 気を取りなおして、探すと組み立て中のスピットのMk22のロケット弾先端でコーンを作って、高さと直径が足りないので、ベースとして1mmブラバンを4.5mm位の円形に切ったものをくっつけて、全体にパテを盛ってできたのが機種先端の黒いものです。これに3箇所穴を開けて、0.3mmブラバンで風車の羽を3枚作ったものを接着して完成です。

 ところがドジは続きます。風車を取りつける機種先端の穴に、完成までゴミが入らないように木工ボンドで塞いでいたのですが、風車を取りつけるためにボンドをはがしたら、胴体前端が上下にパッカリ割れました。胴体部品の厚さが薄いので、接着力が弱かったのです。あわてて、内側からシンナーで接着して表をヤスッてやりましたが、筋が残ります。そこで瞬間接着剤を筋の上にうっすら載せて、充分乾かしてからヤスッて、胴体塗装に使った自作の銀塗料を細い面相で何回か塗ってらしくなりました。たたし、艶が出たので、半艶のクリヤーを吹いたら、全体の艶と合ってOKでした。この間休み休みの3日間を浪費でした。

 Me163系列は、リピッシュのDFSから始まって163A、B、Cや最後の263と改良されて行くのですが、水平尾翼なしの後退翼付き、という基本コンセプトは頑迷に守り、改良されて行く姿は、技術開発の何たるものかを教えてくれる気がします。本当の原型となったDFS39のプロペラ機はありませんが、残りのキットはありますので、いつか勢ぞろいさせて見たいと思います。

 リピッシュからメッサーシュミットへの技術の継承は、ヨーロッパの技術の伝承を理解させてくれる。なるほどリピッシュの追求した水平尾翼のない、奇妙な飛行機は、一時Me163などという、機体への伝承で終わって後継はない。しかし、文明における技術の発達などと言うものは、そのような無駄の山に築かれたものなのである。支那や朝鮮が、いくら近代技術を取り入れてみたところで、結局は西洋文明を継承できないのは、その無駄を厭う点にある。日本企業の技術を奪ったところで、支那韓国の企業が独自技術を持てないのは、そこにある。文明のの存在形態の本質の問題である。

○McDonnell F2H-2 1/72、SWORD

 ブラとレジンとエッチングパーツの複合キットだが、ブラのモールドがまともなので、簡単かといつものように騙されたが、この手のキットの通例で、取り付け位置などが判然としない。そこでインターネット画像を見ると、あるは、あるはで大いに役に立った。正直インターネットがなければ組み立てられなかった。それでもエッチングパーツの細かいものなどは、見てくれに関係ないと、どんどん省略した。また爆弾などの外部兵装は、面倒なので全部省略。

  

 どこが役に立ったか言いだすときりがないので止めておくが、これから作る人に一言だけしておく。可動キャノピー後端と胴体の接合位置はぴったり合うのだが、折れ曲がったように繋がるので、風防取り付け前に、胴体側を盛り上げるか、風防側を削るかして、側面から見た時、なめらかに繋がるように調整しておいた方がいいと思う。この写真では不鮮明で分かりません。

 全体形はいいし、本当に難渋したところがあるかと言えば無く、比較的短期間に完成したので好キットの部類に入れておこう。以前アカデミーのF2H-4を組み立て始めて、どこか形が気に入らなくなり止めてしまったので、今回も買う時慎重になったが、杞憂であった。インターネットにF2H-4の良くできた作例があったが、やはり何故か好みではない。2型と4型との違いなのか、キットのできの違いなのかも判然としない。



○Hs132 RS MODELS 1/72

 前に紹介したものの再掲載です。He100Dの時に使った、デジカメのARTモードで撮ってみました。残っている唯一の写真は、実はモンタージュらしいのですが、そのモンタージュの不自然さが再現できないかと、似たアングルで撮ってみました。まあ、不自然さは再現できましたが、外板の継ぎ目がはっきりしていないので、まあ似ていませんでした。

 Hs132のモンタージュ写真と言うのは、「航空ファン別冊 第二次大戦ドイツ軍用機・昭和61年10月発行」という古本ですが、唯一の写真なので、色々な出版物に使いまわしされていますので、興味ある方はご覧下さい。





○Revell  1/48 Me109G-10

 それこそレベル絶頂期のキットでありましょう。当時は長谷川、、田宮などの国産キットがかすんで見えるような時代です。実際には再販を買ったのだと思います。ハセガワの最近のキットに比べると、胴体がスマートで引き締まっている機がしますが、ハセガワキットのリサーチが正確で、レベルのはデフォルメがされているのだとは思いますが、こっちのがカッコいいです。Me109は初期のD型までと、最後のエルラ・ハウベの枠無しキャノピと発動機覆いが膨らんで成形されているG-10やK-4などの最終型以外は、E-3位が好きで、他の型はだめです。

  

 P-51初期はA型と最後のH型以外はダメです。スピットファイアも最初の量産型の、ペタンコキャノピと二枚ベラの型か後期のグリフォンエンジン搭載以降の型から、スーパー・スピットと呼ばれる楕円翼を再設計した最後の型以外はダメですです。こうしてみると、米英独の主力戦闘機に関しては初期型と最終型が小生の好みです。零戦はなぜが、ライトグレー塗装の三二型がベストです。それにしてもハセガワの48で五四/六四型がありますが、あんな不細工なカウリングを設計するはずがありません。

  

 余計な蘊蓄になりましたが、機体はクロアチア空軍のもので、凸モールドを筋彫りにしただけで、カウリング周りのモールドはできがいいので残しました。細かいステンシルを他から流用した以外は、国籍標識、機番号、垂直尾翼のチェッカーとその上の白いマークなど全て手塗りです。ずばりこのマークの実機写真があり、排気煙による胴体汚れが甚だしいので、思い切って汚したら、かなり実感が出たと自己満足です。
 
 クロアチアは、第一次大戦後オーストリア・ハンガリー帝国から独立して、第二次大戦を戦いますが、戦後ユーゴスラビアに押し込められ、ソ連崩壊で独立を勝ち取った、というバルカン半島や東欧の悲劇の象徴のような国です。こんな機体の塗装を知っていると、ソ連崩壊で突然クロアチアという国が登場しても驚かない、という効用はけっこうあるのです。



○He100D Revell 1/72
 レシプロ単発単座戦闘機の中では、疾風の次にスタイルがいいと思っている機体です。小型の割に胴体と主翼のプロポーションがいいので、他と比較しなければ、結構大きく感じるのです。八頭身美人は背が低くても遠目には、すらりと大きく見える、みたいなものでしょうか。機体の基本形はいいのですが細部パーツの出来は悪く、脚カバー類は全てブラバン作り直し。その手本が後で作ったチェコのHiPMの1/48で追加工作しました。主脚引込みリンク機構は複雑なのですが、それらしく追加。

 デカールは全て、汎用品から調達。ところが、例の三日月がパイプを加えたマーキングがないので、手書きにしました。今じっくり眺めても、信じられない位の出来栄えです。アップで写したら残念ピントが合いません。今は眼も手先も駄目になって、到底無理です。HiPMの48はスタイルも細部もよいのですが、キャノピー天井がレンズのように厚くていまいちです。最近1/32のいいのが出ていますが、小生の技術では、スケールを生かした工作が出来るのは、48までで、32では大間抜けな出来になります。48のいいキットが出たら再挑戦します。

 
 
左写真は、デジカメのアートショットというモードで取ったのですが、これはまだ普通っぽいのですが、まるで、旧ドイツ空軍の宣伝用の合成加工写真、例えば最近まで唯一のHs132の実機写真のような雰囲気になったものもあります。


○Yak-4  Amodel 1/72


 実は、同じメーカーのYak-2のキットを買ってしまってから、こちらがいいと買ってしまって、組み立てたのはYaK-4だけです。違いと言えば機首エンジン下面に、エアインテークがあるかなしかで、エアインテークが気に入っただけなのです。元々、簡易インジェクションなので一般的には組み立てにくいのですが、主脚構造が単純なのと全体もシンプルなので、さほどではありません。

 

 全体が大雑把なキットなのですが、珍機に属する機体が比較的簡単に作れるのは嬉しいです。下面はミスターカラーの118で、上面はダークグリーン一色指定なので、例によって54を均一に塗って、18でまだらにしてコンパウンドでメリハリをつけました。もっとも最近は、YaK-2も-4も店頭では見かけません。


○ミコヤン グレピッチ MiG-9 又はI-210 M-82・ART MODEL 1/72

  MiG-9というのは、ジェット戦闘機にもありますが、まあ取り敢えずこちらが先につけたようです。実際には、MiG-3の空冷エンジン型です。説明書が英語とキリル文字の言葉なので、ロシアかウクライナのメーカーか不明なので、インターネットでART MODELとひいたらいきなり、デッサンのヌードモデルの紹介所が出て来てあきらめました。

 意外なことに、全体のスタイルは、原型のMiG-3よりバランスがとれて、いいスタイルだと思います。液冷エンジンのスマートなスタイルよりも、空冷星型エンジンの方がスタイルが良い、というのが不思議でした。MiG-3は胴体はいい形なのですが、主翼も入れると全体がアンバランスに見えて仕方ないのです。ロシア機らしからぬMiG-3の主翼平面形はそのままです。コックピットの内壁
などが凝ったパーツが入っていますが、組み立てられないし、キャノピーを付けると見えないので
使わなかった位で、機体の組み立て自体に大した手間はかかりません。脚の取りつけ角度がよく分からないので、48のMiG-3を参考にし、修正にじっくり時間をかけられるように、タミヤの二液硬化型の接着剤で30分位粘りました。

 案外面倒だったのが、スピンナー周辺でした。スピンナーを後ろから塞ぐ板が、大き過ぎてスピンナー後端から1mmもはみ出すので、削ってようやく収まりました。エンジンパーツはなく、強制冷却ファンのようなものがありますが、ソ連機なので、過冷防止のシャッターかもしれませんが、このパーツが厚過ぎて、カウリング前方にはみ出すので、サンドペーパーで0.5mm削りましたが、まだはみだしました。



 尾輪は貧弱で、すぐ折れてしまったので、ジャンクパーツから少し大き目のを調達です。尾脚カバーは、MiG-3が穴が開いてタイヤだけはみ出すのに、この機体は膨らみを付けて、完全に納めていますが、カラー図と形が違うので、胴体側の穴の形に合わせてくっ付けましたが、正しいと思います。

 塗装は至ってかんたんで、機体の形だけ楽しめば良いので、楽です。デカールは水に浸してもなかなか浮きませんので、めるま湯を使った方がいいと思います。塗装の指定は、ハンブロールカラー指定なので分からず、下面はミスターカラーの115、上面はいつもの癖で、全体を54で塗装した後、薄くまだらにブラックグリーン18を吹いて、後はコンパウンドで適当に剥がしてメリハリをつけます。カウリングの後方側面に排気熱受けらしき鋼板(一番上の写真の楕円形に光っているところ)の色指定があったので、その前の膨らみは排気管だと判断して、色指定はグリーン系の機体色でしたが、焼鉄色にしました。

 インテリアや脚カバー内面、脚柱はブラックグレーかも知れませんが、どうでもいいのでニュートラルグレーで誤魔化しました。不思議なのは、オレオ付近の脚の伸縮部分は無塗装のはずでずが、蛇腹のようになっているので、隼の脚のように防塵カバーがあると解釈してゴムと考え、艶消しブラックにしました。こう見ると、脚周りは、MiG-3から少しづつだけ設計変更しているようです。


○IL-400b ICM 1/72
 全く日本では知られていないのに、という機体ですが、説明書によれば、ソ連最初の単葉戦闘機だそうです。主翼を単葉にするために、ユンカース式の波板ににしたのでしょう。それにしても初期の単葉機なのに、アスペクト比がおおきく、バランスの良い主翼だし、張線で補強していないところなどは、日本のキ-11より一日の長があります。

   

 
1926年から1927年の間に最低12機が運用されたとありますから、大正末年から昭和初年の頃の機体です。キットは特に難しい所もないので、面倒なキットに疲れたら気楽に作るのもいいと思います。最も最近は手に入らないとは思いますが。


○Lavochikin LaG-5,COOPERATIVIA 1/72

 以前も紹介した、La-5ですが、今度は1/72です。ただし、今は亡きロシアのメーカーなのですが、説明書には、LaG-5となっているので、その名前にしておきました。説明書にはLaGG-3とかLa-7とか、色々な名前があるので、訳がわかりません。元々はKPか何かの製品だったのかも知れません。今でも、別なブランドで売られていると思います。

 元々木製の機体なので、胴体にも主翼にもほとんど筋彫り不要で、組み立ては簡単です。例のシャークマウスの有名な機体です。シャークマウスのデカールは、温めた濡れタオルで、密着させたら案外簡単でした。御覧のように、胴体左面にびっしり書かれた撃墜マークは、残念ながら下地に隠れてよく見えません。

 サウス・フロント製の48もデッサンは正確なのですが、シャークマウスにしただけでスタイルが良く見えるのは不思議です。なお、排気管後部は説明書通り、金属色にしたのですが、実機写真を後で確かめたら、胴体の他の箇所と同じ色のベタ塗りのようです。



○中島・四式戦闘機・疾風・タミヤ1/48

 ハセガワやタミヤと言ったメジャーなものは載せませんといいましたが、40年以上前のオールドキットだからいいでしょう。国産キットもようやくモノグラムなどに追いつき始めた、という時代です。それまでの、疾風のイメージよりスリムだというので話題になったものです。この頃から日本機の塗装図が航空誌に次々に発表されてにぎやかな時代でした。当時このキットもトライしましたが、何となく不満で処分してしまいました。その後大分経ってから、第57振隊の塗装図が航空ファンに載っていたので、これに飛びつきました。機体塗装は陸軍固有の土色かともおもいましたが、曖昧さを求めて、ミスターカラーNo.12オリーブドラブのベースに、適当にNo.18でアクセントをつけました。デカールがないので、マーキングは全て手書きにしましたが、、完成してから大分経って世界の傑作機No.19のカラー図には、「必沈」という文字が書き込まれているではありませんか。写真からも間違いありません。

 焦って手書きを始めたところ、エアロマスターのデカールが手に入りましたが、こうなれば意地でも全部手書きにすると意気込んだのですが、正直、老眼と筆のいいのがなかったのと、腕が落ちたのと相まって一年してもできません。そこで思いきって手書きを諦めてデカールで完成、という訳です。実は爆弾が未搭載状態だったのですが、例のエデュアルドのキ-115の500kg爆弾が余っていたので転用することにしました。実際には250kg爆弾を搭載していたのかもしれませんが、非力な零戦でも特攻で500kg爆弾を使用していたので、これでいいか、ということにしました。カウルフラップは半開に自作です。

 

 放置しているうちにピトー管、機銃、アンテナ支柱と言った小パーツが消えていたので、ピトー管は真鍮の自作の他は、ジャンクボックスから調達しました。ハセガワの疾風は買ったのですが、塗装に迷った挙句、何となく気に入らず未完成で処分です。ハセガワの方が年代が遥かに新しいのでリサーチは正確なのでしょうが、こうして完成してみるとタミヤで満足です。ちなみにハセガワの隼は、デッサンに問題あり、というので手を出しません。いまだにⅠ型はニチモのオールドキットの方がいいと思っています。Ⅱ型はファインモールドを買いました。大東亜戦争の実用戦闘機で、まともなキットがないのは、キ-102乙だけです。タミヤかハセガワさん48でお願いします。ついでにといっては何ですが、双発機ではP-38よりスタイルのいい、キ-83もです。


○メッサーシュミット Bf109D-1・1/48、ハセガワBf109E-3+Ventura Bf109B/C

 小生としては、今の時代なら考えられない手間をかけたものである。単に顎にラジエターがついたBF109が一番の好みだが、まともなキットがなかったから、ハセガワのキットにベンチュラのガレージキットのエンジン部分を切り取ってくっ付けたのである。もちろん今は48のBf109なら全てのタイプがあるから、こんな苦労をしなくても、もっとできのいいのができる。

  

 塗装はモデルアート1991年8月臨時増刊号の5ページのベルリンオリンピックの金メダリストのパイロットの乗機にした。デカールが手に入らなかったので、帽子、数字、国籍標識など全て手書きなのは、今の腕から見ると感心する。注意して見ても、手書きかどうかすぐには分からなかった。燃料の注入孔の細かいステンシルはハセガワのデカールの流用である。作ってから20年以上経った今頃、写真を撮ろうと思ったら、補助翼のマスバランスとピトー管をつけ忘れたのに気付き、慌てて自作したりジャンクパーツを流用したりして、ようやく完成でした。


○エアスピード・エンヴォイ RSモデル 1/72

 多数日本機を出して儲かっているだろうRSモデルだが、この選択には驚いた。三菱が英国から輸入して国産化して日本航空輸送でも使われたこともある民間機である。キットの日本機のデカールは、英国で使われたものを買って塗装替えしたJ-BDEOであるが、たまたま日本航空機総集の輸入機編に下の写真があったのでこれにすることにした。従ってデカールはAだけ自作。赤のマーキングは、キットのスペインで使用していた機体のものが、どういう訳かそっくりで、長さだけ詰めればぴったり楽勝でした。三菱では「ひなづる旅客機」という優雅な名前で売っていたそうです。

 



 機体本体の製作は、何の事はありませんでした。第一の関門は主脚でした。組立て図を見てゾッとして以来、何カ月も放置した挙句、まず車輪を支える強度部材だけ無理やり固定して、お飾りのような補助部材をゆっくり位地決めして何とかでした。エンジンとカウリングがレジンなので切り離しと成形は慎重に。特に集合排気管はご用心を。

 エンジンの弁ロッドはキットのパーツをやめて、ブラ棒で各シリンダ二本づつ、付けた方が楽です。先にプロペラを作り仮止め、推力線が分かるようにして、取りつけます。取り付けには1mm位の真鍮棒をエンジン背面のセンターに穴を開けて接着します。本当はその前にカウリングをエンジンに取り付けた方が正確になるかもしれませんが、何せこの手のキットの特性で、そもそもカウリングの取りつけ位地は山勘です。乾燥時間が長い接着剤で、縦から横から斜めから眺めつつ、何時間も調整しました。

 戦前の民間機というので、手元に完成品が残っているのは、この一機だけの貴重品ですから感激です。昔LSの日本号と神風号に挑戦して完成しませんでした。神風号は、下地色の違いで、胴体とカウリングの色合が全く違ってしまい、がっくりして放棄しました。最近はスペシャルホビーだったかの、DC-2を筋彫りの修正に失敗して雑になってしまい嫌気がさしました。

 ともかくも、戦前の日本の旅客機まで出してくれる、RSモデルには感謝ですが、全体形が正確にできているのは、出自がイギリスなので正確な資料が使えるからなのです。


○Hs132 RS MODELS 1/72

 かの半完成状態で終わった、ジェット爆撃機である。He162に似ているが、一風変わった外形が、よく再現されている好キットで簡単に作れる。注意するのはエンジンが二種類はいっているいるので、完成寸前であったA型を作るなら、BMW003Eなので、小型のものを選ぶのだが、試作機なので大型のユモエンジンを選ぶのも面白いかも知れない。

 

 何回やっても忘れがちなのが、前輪式の錘の不足である。このキット案外錘を入れるスペースがなく、車輪を取り付けたら、微妙に尻餅をついてしまった。それで前輪収納庫にハンダ線を入れてその上を、真鍮板で覆った。さらに主車輪を接地面に合わせて削れれば、支点が後方に行く、という涙ぐましい努力をしてほぼ安定した。

 塗装は、写真のように試作機のジュラルミンの無塗装にしたが、残っている唯一の写真、モンタージュらしいのだが、それに似せて、全体をうす汚して、写真のように、外板の継ぎ手部分以外を残してコンパウンドで汚しをはがそうとしてみたが、写真のようにはならない。諦めたが、結果は案外汚れたリアリティーがでた。モンタージュ写真とは似ても似つかないのだが、結果オーライで満足でした。デカールは数はないが、特段癖はないので問題なしでした。








○Yak-9 ICM 1/48
 ヤコブレフの単座戦闘機のYak-1から-9までは多数のモデルがあって識別しにくいのに加えて、Yak-9自体にもバリエーションが多いので、実はどのタイプを作ったのかすら正確には把握していない情ない状態です。でもいつもながらICMのロシア機はデッサンもモールドもいいのです。実機自体もいいスタイルをしています。MiG-3のような滑らかなラインではなく、ごつい所が好きです。組み立ても特段問題なく、アンテナ支柱を真鍮板にしたのと、ピトー管がずん胴の棒状態なので、ブラ棒の先端に細い真鍮線を入れて二段にしました。
 

 デカールも特段癖はなかったと思います。それでロシア機らしい一番派手に文字が書いてあるものにしました。Yakに限らずソ連の単発単座戦闘機の量産機はMiGを除けば、どれも似たようなアスペクト比の小さい、テーパーのきついものなのですが、このタイプは翼端が微妙な形をしていて好きです。塗装はハンブロールカラーの指定しかなかったので、下面はミスターカラーの118、上面は13と36にして、汚しで微妙な色にしました。残念だったのはエンジン内蔵でカウリングの両側のパネルが開けられるようになっているのに、固定してしまったことです。72ではないので片側位は開けてエンジンを見られるようにすれば良かったのですが、胴体を組み立ててしまってから気付いたのは大間抜けでした。でもエンジンはあっさりしているので、追加工作の自信のない小生には身の丈に合っていたのかもしれません。
 
 なお、キットの解説には、素晴らしい単座戦闘機と書いてありながら、1,360hpで最大速度588km/h(多分Yak-9D)は情ない気がします。ある資料によれば、Yak-9Uは全体に空力的洗練をして、693km/hのスピードを出したといいますが、初期の生産型ではエンジンの信頼性が高いYak-9Dと同じエンジンを使ったとありますから、どうして100km/h以上の性能向上があったのか信じられません。何せYak-9Uの試作機は1875hpのエンジンで715kmの速度を出したというのですから。

○MiG-3 Classic Airframes 1/48
 簡易インジェクションのブラ、レジン、エッチングパーツとキャノピーは真空成型の、典型的な複合素材キットだが、主脚構成が単純なので案外作りにくくはありません。キャノピーも組み立ててしまえばバキュームとは分かりにくいほど素性がいい。ただし、瞬間接着剤とパテで胴体と馴染ませる作業は必要です。どうしても胴体と隙間ができたら、隙間を木工ボンドで塞ぎ乾いたら機内色を塗った上にパテで固めて成形します。ピトー管は真鍮パイプ、アンテナ支柱はブラバンで自作でしたが、丁度世界の傑作機にミグの特集が出たので図面を1/48に拡大コピーしてサイズを決めました。

  

 判断しかねたのは尾輪カバーでした。MiG-3自体にはほとんどバリエーションがないのに尾輪カバーが色々あるようです。尾輪は収容時に胴体下面かの少しはみ出すので、その部分のカバーを切り欠いたタイプ、カバーに膨らみをつけて完全に収容したタイプ、尾輪固定でカバーがないタイプの3種類があるようです。RED STARS IN THE SKYという本のP13に切り欠きのあるカバーの明瞭な写真があったので、ブラバンを加熱して曲げて自作しました。よくよく見たら同じ写真が世界の傑作機にもありましたm(*_*)m



デカールは脆弱そうですがほとんど問題はありませんでした。ただし、赤の矢印の排気管上部の一部がぽろぽろ欠けました。塗料でタッチアップすればOKだと思い、気にもならないので放ってあります。


○川崎イ号一型乙(キ-148) Azモデル 1/48
 Azモデルはこの頃日本機を多く開発しているが、このキットはキャノピーがないだけ欠点がない。国内では日本航空機総集に図面があるが、微妙に違っているようでもある。まして台車は何か資料があったのだろうか。台車は何故か後方が広がっていて、後ろの車輪が取り付けにくいのだが、実物を作ることを考えても不自然である。全部が黄色の指定だが不自然なので黒鉄色にしてみた。

 塗装は試験機のものにしたのだが、説明書には架空塗装の例があったがあまりに不自然なので、使う気にはなれない。部品数も少ないし手軽だが、こんなものまで製品化してくれるとは有り難い時代である。説明書には、まもなく発売として、イ号を搭載した九九双発軽爆の48の宣伝があったが、プラモ雑誌の作例を見る限り、風防の形状がひどいので買う気にはならないしろものである。

 そのプラモ雑誌には欠点を書いてはいない。だからプラモ雑誌は立ち読みで買わないのである。都内の老舗のプラモ屋の店主と話していたら、MPMの九七重爆が開発されると聞いた日本の営業マンが、レベルのは風防に欠点があるから真似するな、と忠告したのに発売されたのはレベルそっくりでがっかりした、と言った。またフジミのMiG21シリーズは胴体が太り過ぎでだめだと業界では評判だとのことで納得した。

 ところが偶然図書館で見た、モデルグラフィックス2012年9月号のソ連機特集には「これまでMiG-21といえば、パーツ数も少なく作りやすい上に、実機そっくりのプロポーションを持つフジミの1/72MiG-21が決定版とされてきた。」と堂々と書いているのには呆れた。


○アラドAr 196 レベル1/72
 かなり古いキットであるが、デッサンが良いのが流石である。このキットが出た頃は、ハセガワなどは零戦ですら大したものを作っていなかった時代である。もちろん凸モールドであるが、胴体など羽布張りの箇所が多く、主翼など少しの部分を筋を入れてやればいいので手間はかからない。
 説明書には1991年のコピーライトと書いてあるので、旧キットのパッケージ替えのものを買ったのだと思われる。尾翼のカギ十字のデカールがないので、この頃既にカギ十字を忌避するという悪習は始まっていたのである。
 


○グロースターE.28/39パイオニア スペシャル ホビー1/48
 いわずと知れた英国初のジェット機である。御覧の通りシンプルな機体なので組み立てに特に問題なし。ただし脚柱まわりが少々複雑ですが、完成直前であることを思えばさほど難渋しません。疑問だったのは、添付の四面図にある、前部胴体下面の補助空気取り入れ口らしきもののパーツがないことです。もちろん組み立て説明にもありません。完成直後のシルバー塗装にしたので、完成時にはなくて、テスト中に追加されたのだ、と屁理屈をこねて納得しました。
 
 ただし誤魔化しきれなかったのが方向舵上部から前方に張り出した、マスバランスらしきもの。仕方なく0.5mmの真鍮棒の先端にハンダで塊を付けて成形して、適当に曲げて作りました。ハンダゴテが悪いのか、腕が悪いのか、なかなか丸く成りませんでしたが、なんとかやすりで削ってOKにしました。平然とパーツがないものを図面に書き込んである神経には弱ります。

 それにしても英国機には時々とてつもなく不細工なものがあるものです。写真では分かってはいましたが、立派に完成してやはり不細工を実感しました。世界初のターボジェット機のHe178の方がよほどスマートです。両機ともに直径が大きくなりやすい遠心式のターボジェットなのでやはりデザインセンスの問題です。なお、グロースターのために弁ずれば、後年の単発ターボジェットの標準となった機首のエアインテークから操縦席の両側にダクトで空気を導くと言う形式をこの機も採用していたことです。早い所He178を作りましょう。簡易インジェクションの48のキットは大分前に入手したのです。


○Ta152 C-0(V7)ドラゴン 1/48
 さて今回もメジャーなドラゴンのキットです。取り上げたのは、このキットの長短を敢えて言いたかったからです。買った動機はプラモ店で、店長お薦め、とあったからです。確かに近くに並べてあった他社のキットと比較するとプロペラの形が明らかに正確なのです。C-0は、今は比較的メジャーになったTa152Hよりも意外性があって魅力的でもあったのです。ところが組み立てて見て大変。エンジン部は胴体パーツをカットして、別パーツを取りつけるのです。案に相違してこの作業はうまくいき、軸線が狂うなんてこともありませんでした。
   
 驚いたのは脚の収容庫ががらんどうになっていることです。わずかに補強部材らしきものがあるだけです。ここでやる気喪失。プラモ店でH型やD型のキットを覗いてみると、D型の後期からTa152あたりでは、普通の機体のように、脚収容庫の内張りが完全にしてなくて、エンジンの補機類がまる見えなのが正解のようです。ところがこのキットには、補機類はありません。諦めてしばらく放っておくと、ホビーボスの中古があったので買いました。そこで補機をいただいて何とか誤魔化した次第です。そこまでしなくても、こうして写真を取る分には見えないので問題ないのですが、それで納得できないのがマニアの悪癖です。
   
 完成してみると、確かに全体のデッサンもよいようです。過給機の空気取り入れ口が浅く半球形に凹んでいるだけなので、エッチングの網パーツを丸く切って押し込んでおきましたが、ホビーボスのは突き抜けているので、もっと楽に見栄え良くできたと思います。資料はかなりの古本で、文林堂の「第二次大戦 ドイツ昼間戦闘機」にC-0の写真二枚と側面図がありました。写真は胴体の塗装のイメージが分かるし、過給機の空気取り入れ口の下半分がエンジンの排気で真っ黒に煤汚れている具合が分かりとても参考になりました。


○キ-115剣 1/48 エデュアルド

 今回は特別にメジャーなエデュアルドのキットです。簡易インジェクションではないので、主脚が少々組み立て難いだけで組み立てに問題はありません。外国製品の日本機にありがちな、デッサンの間違いも不思議な位ないのは嬉しかったのです。ただし注意を一言。キットの塗装図にはピトー管が右舷に書かれていますが、どの資料を見ても他の日本機と同じく左舷側です。小生は間抜けな事にわざわざ穴を開けて右舷に取り付けてから気が付きました。良く見るとちゃんと主翼左舷には取り付け用の穴が開いているのです。ちなみにこのピトー管はずん胴の一本棒なので、キットのパーツと直径が似ているブラ棒にしました。

 日本人は桜花など特攻機のプラモを嫌う傾向がありますが、特攻は現に行われた戦史の事実として厳粛に受け止めるべきだと考えます。このキットの模型誌の解説で初めて知ったのですが、剣は必ずしも体当たり専用ではなく、爆弾投下後胴体着陸してエンジンだけ回収して再使用することも考えられていたそうです。詳しくは、このホームページのトップに戻っていただいて「大東亜戦争論」に書きましたので、ご覧下さい。以前この欄に書いたオイルクーラーの件は間違いでした。

   

  剣は生産の簡素化のために、胴体が円形断面と直線で構成したシンプルなラインで構成されていますが、この形が小生には魅力です。



○MiG-15UTI KP 1/72



 MiG-15 UTIは小生が見たことのある、数少ないソ連機のひとつである。右は韓国戦争博物館のものである。キットは古い古いKPのものですが、最近KPのキットは他のブランドで再販されているようですが、これはオリジナル。KPのソ連機に共通するのは、デッサンが素晴らしいことで、これだけは最新キットにはまけてはいませんが、凸モールドとリベットを削るのは疲れるのですが、仕上がりを見るとやりがいはあります。

 古いキットなのでさすがにデカールは駄目で、市販のデカールを使いました。製作に関しては、モールドとアンテナ支柱などの細かいパーツ以外は、ストレートに組みました。ソ連と言う国は嫌いですが、なぜか戦車や軍用機には魅力的なスタイルのものが多く、つい手を出してしまいます。MiG-29は何故か72のキットには恵まれていないのが残念です。


○YAK-1、MIKRO 1/72& YAK-15、Amodel 1/72

 まず、ヤコブレフの最初の戦闘機、YAK-1です。改めて説明書を見ると、かなり古い典型的な共産圏の、みすぼらしいとしか言いようのないものでした。このキットはポーランド製ですが、発売されていた頃は多くの日本人がソ連圏の政治体制や文化に憧れていたのを知っています。しかしこの説明書を見れば、いかに共産圏が貧しかったか、日本人が幻想を抱いていたか分かるというものです。プラモ作りの効用はこういう幻想を払拭することができるところにもあるのです。ところがキットのできは立派なもので、羽布張りの表現は大袈裟ですが違和感はありません。デッサンもしっかりしていて、同時代のハセガワより間違いなく上です。さすがに凸モールドですが、木製でパネルラインが少ないので筋彫りは簡単です。小パーツにやや難有りで小生の技術ではこの程度ですが、腕のいいもデラーならかなりいいものになります。ただ現在は入手不能だと思います。


 次がソ連機を多く出しているAmodelのYAK-15です。同社の通弊で筋彫りがやや甘く、キャノピーにやや不満がありますが、、この大きさでは仕方ありません。御存じのようにYAK-15はYAk-1から順次改造されてジェット化された最初のモデルです。この後YAK-17、YAK-23と改造されて行くのですが、YAK-23に至っては、YAK-15と比べてさえ別機同様です。前にも指摘した通り、ソ連では軍用機に限らず、戦車でも徹底的に改造して長期間使う傾向があり、日本とは正反対の傾向にあります。それにしてもYAk-15には胴体後半部と主尾翼にYAK-1の面影がありますが、YAK-23は極端です。おそらくひとつの部品すら共通するものはないと思います。





○Junkers W34 hau 、special hobby 1/72
 有名なJu-52に連なる波板外板の輸送機であるが、完成して見ると操縦席周りのいかつい外観が何ともいえず優雅です。JU-52は作るなら民間機型と思っていたのですが、この機体を見ていたら、ドイツ空軍の二色迷彩が似合いそうです。例によって機体自体は左程難儀ではありませんでした。複雑そうな固定脚も、まあ説明書通りです。ただ、デカールの透明部が波板に密着せず、御覧のようにテカっているのはいまいちです。マークソフターで強引に密着させるのもぐしゃぐしゃになるのが怖くて出来ませんでした。全ては技量の不足のなせるわざですが案外気にならないと納得させています。レジンのカウリングを塗装して胴体に仮組したら大変、どうしても説明書通りの位置に付きません。胴体が邪魔で図面通り奥にまで行きませんが解決方法はありません。

 そこで例によって悩んで1年以上放置しました。最近意を決してエンジンを取り付けてカウリングを被せると、気にしていたほど違和感がないので一気に取りつけます。カウリングは胴体側にひさしのように出ているところを最近馴染んでいる「瞬間クリアパテ」というゆっくり固まるもので、位置をじっくり調整しながら取り付け、位置が決まったら普通の瞬間できっちり固定です。従ってカウリングは上部で片持ち状態で取り付けられていますが、エンジンともセンターは合っています。カウリングが前方過ぎるのに、何故かエンジン前端が大きく前にはみ出すので1mmほど切りました。



 次の難関は排気管。排気管自体は、先端をビンバイスで穴を開け、それらしくして、例の瞬間パテで一晩一本づつ取り付けました。左右の排気管を繫ぐ部品は自作せよとの事でした。この機体には訳の分からない部品が色々あり、しかも説明書の図面には表示がありません。だから完成したものと側面図を比較すると説明書通り作ったのに一致しません。図面にある胴体下面の小さな俵のようなのは、実際にはパイプのようなパーツがありました。主翼後方下面の斜めの棒は図面にはありませんから取り付け角はいい加減です。空気か液体の排気用だと思い勝手に先端に穴を開けました。もしかして人間の汚物の放棄用でしょうか(´Д`)へ。訳の分からない部品はこの機体の資料がないので考証はなしです。右舷の客室上部にあるのは風力発電機らしいのですが、レジンパーツなのでプロペラがすぐポッキリ。それで穴を開けて0.5mmのブラ棒を取りつけて、プロペラらしく成形したら意外にOKでした。

 下左の写真にちらと見えますが、補助翼の胴体の近くにマスバランスに似たのがあるのは意味不明ですが、前後にラッパ状になっているのでベンチュリ管のような速度計かも知れませんが、何故この位置でしょう。塗装中に片側の部品が消えてしまったのでさあ大変。残った部品に似せて8mmのブラ棒に0.5mmのブラ棒を十文字に突き刺して、太い方の真ん中あたりを削ったら概ね元の部品に似ていました。自作部品はどれだとクイズを出しても簡単にはバレないと思います。こんなところが72の気楽なところです。左翼端の縦棒は全く意味が分かりませんし、取り付け位置も適当です。

 ループアンテナは胴体内にも部品を取り付けると回転できるのですが、取り付けてしまうと塗装の邪魔なので最後に差し込んだだけで固定していません。プロペラも同じように差し込んでいるだけです( ^^;)。プロペラは木製なのに木目ではなくブラックグリーンの単色なのは楽できました。W34には寸詰まりの短いカウリングのキットもあったのですが、完成して見るとイボ付きカウリングはユンカースらしいごつさを強調していて見栄えがします。久々の完成して感動のキットでした。





○X-1A スペシャルホビー 1/72
 Xシリーズの実験機としてはかなり有名な方ですが、シンプルな外観が気に入っています。タミヤブランドで出ている48は窓枠が多い段なし風防がダサくて作る気はしません。他のメーカーにもX-1のキットはあるのですが、スペシャルホビーのシリーズが一番できがいいと思います。繊細な筋彫りは手を入れる必要はなし、レジンやエッチングパーツがあるといっても問題はありません。

 ただ一つ、主脚が組み立てにくいことだけが難点です。特に尻餅をついたように見えてしまう 短い脚は、小生の技術ではどうにもならず、何ヶ月か考えた挙句、そのまま諦めて組み立てました。塗装は派手なオレンジもあったのですが、やはりシルバーが優雅です。ちなみに小生はアルミのシルバーは銀のペースに、白とクリヤーを入れ、あとはフラットペースで艶を調整します。不足すると同じ色は再現できないので、塗装前に大瓶で貯めておきます。出来上がってみると実機とは感じが違いますが、いい感じのシルバーになったと思います。



 資料は文林堂の世界の傑作機シリーズのXプレーンズがあります。割かれたページは少ないのですが、説明書に問題はないので充分です。やはり/72では小さいので48が欲しいのですが、72でも良くできたキットだとは思います。


○ブラックバーン・ロック スペシャルホビー1/72
 英海軍の艦上機開発がいかに無定見なものかを示す見本が本機です。何とこれは零戦やワイルドキャットと同じく艦上戦闘機として開発されたのですから。それどころか英海軍には艦上戦闘機兼爆撃機や戦闘機兼雷撃機というのですらあったのですから、驚くに足りません。本機には前方機銃が無く、銃座の4連装機銃だけだったのですから、どんな空中戦をするつもりだったのでしょうか。原型となったブラックバーンスキュア急降下爆撃機にあった主翼の前方機銃をわざわざ外したのですから英国人の頭はどうなっているのでしょう。


キットはブラ、レジン、エッチングのいわゆる複合素材キットです。機体自体はオールプラスチックで何の問題もなく組み立てられます。ただ実機は銃塔使用時には背びれを半分折りたたむのですが、キットは折りたたまない状態です。

 すると写真のように機銃の仰角を余程大きくしてやらないと取り付けられないのですが、実機にもそんな写真があったので納得する事にしました。さらに胴体内には銃塔を支えて取り付けるものがありません。そこで胴体の左右に適当にブラで張り出しをつけて載せました。



 主脚柱はいいのですが、補助支柱が片側2本もあってしかもパーツをなくしたので、ブラ棒ででっち上げました。主脚周りは支柱とカバーが沢山あり干渉してとにかくうんざりです。日本機は実にシンプルなので楽ですが、これは当時の機械製作の精度が悪く、複雑な機構に自信が無かったからです。引込み脚の採用が遅れた本当の理由はこの点にあると評論家の鳥養氏は言っていますが本当です。

 本機を作ったのは前面風防が垂直に近く実に愛嬌があるからです。それでスキュアにするかロックにするか悩んだのですが、ロックは見てくれからいくと正解ですが、簡単に作れるのはスキュアです。48にも挑戦しようと思いましたが、主翼が実につまらない形なので止めました。


○九〇式機上作業練習機・AZmodel・1/72
 このキットが発売されたときは躊躇なく買ったものでした。何故ってクラシックな日本機それも機作練と言う地味な機種で、一式高練の方がずっと先に、よりまともなキットが出るはずなのにの意外さです。その上、支柱があるとはいえ複葉機のように主翼の張線もなし、手軽にできるはずでした。ところがさに非ず、山あり谷ありでした。まず驚いたのは透明パーツ。胴体側面の窓ですが、窓枠の形が透明パーツに印刷されていますががどう取り付けていいか分かりません。薄すぎて外から着ければ窓が凹んでしまうし、内側からは論外です。そこでキットの窓枠の細い棒を全部切ってしまい、0.4mmのブラバンで窓の形に切って外から張ります。やや凹み気味なので0.5mmの方が良かったと思いますが目をつぶれば問題なし。主翼は左右バラバラ状態で塗装、胴体は尾翼を取り付けてから、部塗装です。そこで操縦席の風防を取りつけます。

 次は主翼と脚を支えるストラット(支柱)が予想外に多いのに気がついたのです。しかもストラットなしで胴体に取り付けても、重い主翼を支えられないのは実物と同じです。主翼に二本の真鍮棒で胴体に瞬間接着剤で取り付けましたがやはり不安です。ストラットの取り付け完成までの間の一時休憩はいつも機首を下にして立てかけます。主翼後方のストラットから一日一本のペースで根気よく取りつけます。幸いストラットパーツは長めなので切って調整できました。ストラットの断面はいちいち楕円になるようにヤスリがけして塗装してから取り付けます。ストラットを全部取り付けると、弱い部分があっても全体で支えられそうなのは実物と同じです。タイヤのハブは銀指定ですが、オレンジ塗装の実機写真だと黒っぽいので黒で楽をする事にしました。エンジンとカウリングがカバカバなので、カウリングの取り付けようがありません。そこで最近手に入れた「瞬間クリヤパテ」という硬化速度が遅い瞬間接着剤、という妙なものをシリンダヘッドに盛り上げてカウリングに合わせてエンジンの直径を大きめにしてから、削ってカウリング内径にぴったり収まるようにします。エンジンを胴体に取り付け、乾燥したらカウリングをエンジンに瞬間接着剤で固定します。

 ここまで来れば後は楽勝と思ったら、またまた問題は排気管です。カウリングと胴体の隙間は充分大きいのですが、排気管のカーブがカウリング内側の円形と全く合わないからカウリングに収まらないうえに、集合排気管が胴体と離れてしまいます。そこで排気管の取り付けると見えない位置に何箇所か軽い切り込みを入れて、カウリングに収まるように曲げて調整しました。そこで仮付けすると片方の排気管のシリンダ側の根元の長さが足りず、カウリングの外で排気管が切れて大間抜けです。慌てて外して、同じ太さにしたブラ棒で排気管を延長して再塗装です。どこを探してもピトー管が無いので0.5mmのブラ棒とブラ板で図面を参考にしてでっち上げました。プロペラはどっちが表か分からないので適当に判断して断面をそれらしくして加工して塗装したら逆なのに気付きました。前方のプロペラ軸は根元が太く先端が細いのです。そこで0.5mmのブラ棒を先端に差し込んだらそれらしくなりました。ここに書けなかった苦労やチョンポはいくらでもありますが、意外と苦労した感じはありません。御覧の通り我ながら立派な九〇式機作練です。是非作るべしです。


 今回は塗装の仕様の選択をどうしようか一番悩みました。クラシックな日本機なら、銀塗装がベストなのですが、今回は製作中の塗装の補修があると銀は難しいので、日の丸に細い白枠があるので安全側でオレンジ塗装を選びました。本当はJAナンバーの機体を作りたかったのです。資料は日本航空機総集に図面と写真が、大昔の航空ファンの図論がありましたが、プラモメーカーの使用したのはどちらでもないようでした。でも比較すると、メーカーのものが一番確実に思われます。外国メーカーなのに大したリサーチです。ただしピトー管だけは航空ファンのものを使いました。

○Messerschmitt Me-109X RS MODELS 1/72
 109の本は沢山出ているのですが、このプラモを見るまでは、109に空冷型の試作機があったなんて知りませんでした。インターネットで検索しても実機写真はでてきません。彗星にしても五式戦にしても日本の空冷エンジンへの換装は、胴体の改造を最小限にしているのが特徴です。ラボアチキンのシリーズにしても、109にしても、ベストな設計にするために、胴体の原設計はわずかしか流用していません。バブルキャノピーにしたのはいいのですが、どう見ても不細工としか言いようがありませんが愛嬌があります。イギリスのグロースター パイオニアが不細工だけなのとはわけが違います。

 製作はいたって簡単です。塗装だってRLM02の単色ですから、楽ちんです。追加したのは主脚の油圧配管だけ。手間がかからずこんな珍機が出来るのは実に嬉しいです。いっそのこと48も出してくれないでしょうか。ひとつは買います。


○La-250 Amodel 1/72

 またAmodelのソ連機です。この機体には何の知識もないのですが、箱絵がダイナミックなので買ってしまいました。よくあるパターンです。脚の位置が決まらないなどこの手のキットにありがちなことの他は特段苦労するところはありませんでした。

 この時期のロシア軍機にありがちな多数の小さなエアインテークもないのはありがたかったのですが、少々間抜けに見えます。やはり製作の苦労は仕上げで報われるものです。キャノピーの黒い部分は、写真を見る限り、内側から塗るべきなのでしょうが、そこまでする価値はないと思います。


戦闘機だと言うのにとにかく胴体が大きいのですが、垂れ下がった機首が魅力的です。尾翼も主翼と相似のデルタ翼なのも間抜けて見えます。MiG21のように後退翼の方がしまって見えます。

ミサイルは二個だけと少ないのも楽でした。いつもは汚しを入れて立体感を付けるのですが、ミサイルは新品の撃ちっ放しなので半艶の白そのままです。実は汚しはシルバーとダークグリーンを混ぜたのをごく薄めて全体に吹いてから、コンパウンドで拭きとるのですが、コンパウンド磨きの際に、真鍮線を埋めて取り付けたフィンが取れそうで止めたのが本音です。

「モニノ空軍博物館のソビエト軍用機」と言う大日本絵画発効の訳本に一枚ですが鮮明な写真があります。この本は、MiG-15からSu-27の初期型までのソ連軍用機のカラー写真が、数は少ないのですがあるので、運が良ければ意外な機体のディティール写真に当たります。

○Sukhoi T-49・Amodel 1/72
 この機体を見るたびに思うのは、技術開発の連続性、ということです。スホーイのフィッターシリーズのスタートはSu-7という後退翼の単発機でした。これが改良されて、可変後退翼のSu-17とデルタ翼のSu-9に枝分かれして行きます。デルタ翼の方が双発に改良されて現在のSu-15にまで発展するのですが、このT-49はその過渡期と言うべき試作機です。この機体は単発であることは、Su-9と同じなのですが、機首に大きなレーダーを収容するためにインテークを左右に分けました。その分け方たるや御覧のように強引かつ不細工なもので、日本の設計者は到底やらないでしょう。外面が前方に開いているなんて無茶苦茶です。

 この無茶苦茶を解消する効果もあったのが双発にしたSu-15です。T-49とSu-7との連続性は以前紹介したKPのSu-7BKLのコーナーを見れば分かります。日本のF-2支援戦闘機などは、これにならって双発にして性能向上の余地はあるまいかと素人の小生は思うのですが、自衛隊は絶対やらないだろうし、日本の航空技術者は不可能の一語で片付けるでしょう。何せ自衛隊の戦車と言えば、61式、73式、90式、10式と次々と新設計を行い、全面的改良と言うことをしたがらないのですから。ちなみにレオバルトⅡ戦車は73式と同じような時期に開発されましたが、改良され続けて現在も使われています。ソ連に至っては73式より古いT-64やT-72が改良されて、T-80とかT-90と呼ばれてまだ使用され続けております。以前なら日本の戦車はギリギリにコンパクトに作られているので改良の余地が無い、と評論家諸氏は言いましたが、何せ最新の10式は90式より小型なのですからこの言い訳は通用しません。


 いつになく機体のうんちくが長すぎましたが、製作の話にしましょう。完成させたのはつい最近ですが、例によって作り始めたのは随分前なので記憶喪失もあります。キャノピーは何となく甘いので、KPのSu-7の余りを使ったと思います。KPは古くても大抵の部品のデッサンはいいのです。難物だと思えたインテークはさほどではありませんでした。ただインテーク内の銀塗装は組み立て前にエアブラシを吹いておいて、組み立て後には奥にティッシュを入れて余計なところに塗料が回らないようにする、と言うような工夫は必要です。

 胴体後半には細かい空気取り入れ口が沢山あるのが、この時代のソ連機の特徴でうんざりです。特にスホーイのはやたらに多いです。小さい空気取り入れ口は四角の入り口に見えるように入口の内側を削って、艶消し黒に塗ればOKです。脚柱は取り付け孔など無いので、真鍮線を埋め込みます。ただ前脚が短いのか、つんのめってしまいましたが、直す自信も気力もありません。ピトー管らしいのが何故か機首と主翼の両方にありますが、部品がぐにゃぐにゃで使い物にならないので真鍮パイプに真鍮線の細いのを差し込む、いつものやり方です。

 ただし機首のは実機写真を見ても箱絵にもベーンのようなものがありますが説明書の図面にはありません。妥協できず、真鍮板をベーンのように切ってハンダ付けしましたが、技術不足で失敗です。失くしたペーストをわざわざ秋葉原に行って買ったのに無駄足でした。結局ブラ板を瞬間でくっつけて終わりでした。触らなければいいのです。実用機ではないのでドロップタンクもミサイルもないので、やや淋しい代わりに楽でした。デカールはキットのものですが、質は悪くないし、透明部はクリヤーを吹けばテカラないのです。手間のかかる部分もありますが、異様な機首は見栄えがします。資料と言えば、SOVIET X-PLANESという本にぼけた写真が3枚あるきりです。




○オスカーⅡ級原潜 童友社 1/700
  禁を破っての普通のプラモでしかも潜水艦です。何せパーツ数10個程度ですから組み立ては実に簡単。悩むところはないはずです。ところが店頭で塗装図を見てがっくり。喫水線らしき白い線が船体全周に塗ってあるではありませんか。これを塗装するのは小生の手には余ります。それで買うのを諦めました。

 しばらくしてから、もしかすると自作用の白デカールが使えるかも知れないと思って買いました。マスキングテープを細く切って艦首にデカールを貼るつもりでやってみると馴染みます。あとは、如何に細長い白いデカールを作るかです。黒塗装なので、黒い2本の平行線をパソコンで作って白デカールに印刷します。

 黒線を少し残す位にハサミで切って出来上がり。幸い船体には水深を表示するらしい縦方向のデカールがあるので、そこで白デカールを切っても不自然ではないのは助かりました。デカールを1枚貼る毎にクリヤーを吹きつけて次のデカールを貼って行ったので、乾燥させるのに時間がかかり白線だけで1週間では終えませんでした。艦尾の複雑な形のところは白線が短いので、白デカールを山勘でいい加減な幅に切って誤魔化しました。実は何故かデカールをハサミで切った方が黒線の下から下地の白が見えてしまうのでクリヤーで仕上げた後で黒色を塗って誤魔化しましたが問題はありません。なお船体の黒はN0.40のジャーマングレーです。

 わざわざ紹介したのは、こんな大型潜水艦がわずか670円何がしで買えるのに、私のように塗装で悩んで買いそびれている人がいるだろうからです。ちなみに小生は童友社の回し者ではありません。同じシリーズでも日米の潜水艦にはこんな悩みはないのですが、涙滴型の船体がつまらないので、ソ連の原潜にはかないません。イギリスのアスチュートも作ってみましたが簡単にできるしスタイルはいいし、申し分なしでした。ただ小生は潜水艦の知識が無いので正確な形かどうかは保証しません。最近このシリーズが秋葉原の店頭から消え始めているので、あわててタイフーン級をストックしましたが、デカイだけでスタイルはオスカーⅡにはかないません。アルファ級は艦橋の形がおかしいようなので買いそびれているうちに店頭から消えてしまいました。


○陸軍九七式戦闘機 ICM 1/72
 ウクライナのICMのキットであるが、九七戦のベストキットである。ハセガワ(旧マニア)のキットにはカウリングの形状に見逃せない間違いがあるので×。モールドは繊細なので塗装前に深く彫り直さないと、塗装で消えてしまう。小生のように消えかかったのを焦って彫り直すと失敗します。実機同様、尾橇は胴体の中から突き出しているなど構造もハセガワの48よりも精密であるのには驚かされる。大抵の外国製の日本機のキットのキャノピーの形状がいい加減なのとは対照的であり安心。エンジン架や補機類も再現されているので、写真を参考に点検孔を開けてみたが、大した効果はなかった。



 悩まされたのは車輪だった。スケールからして、スパッツとは別パーツになっているのに無理があり、どう考えてもスパッツに収まるはずがない。考えた挙句、スパッツに入る車輪の部分をバッサリ切って捨て、外側部分だけをスパッツにくっ付けたが正解だった。スケールの割にメカの正確な再現に凝っているのが唯一の難点で、これを如何に手抜きして楽に仕上げすることである。どう間違えても48より楽に作れるので、数を作って豊富な九七戦の塗装を楽しむのがベスト。



 塗装は永年作りたかった、飛行第四戦隊長の林中佐機である。赤系の多い九七戦には珍しく爽やかなブルーのマーキングが気に入ったのです。ただし実際にデカールを貼って見ると、胴体と主翼のマーキングが胴体に溶け込んで目立たないのが残念です。それでも尾翼の大刀洗のマークはご覧のように、くっきりすっきりでした。デカールはエアロ・マスターのをストックしておいたのを使いました。デカールは気に入ったものがあったら取り敢えず買っておかないと入手困難になるのですが、永年放置すると劣化する事が多いので悩まされます。塗装は真面目に128の陸軍機の標準色にしましたが、いっそ35の海軍機色の方が明るく爽やかで良かった気がします。


○Blohm Voss BV155B V1 SPECIAL HOBBY 1/72
 今はもうレオナルドあたりでも入手不可能なのですが、ペガサスというメーカーのガレージキットでこのBv155BのV1を作りかけたことがあります。機体の塗装まで完成しました。例によって何年もかかったので、とうとうスペシャルホビーのまともそうなキットが出てしまいました。インクスポット迷彩もうまくいって案外気に入っていて、さあ脚やプロペラを取りつけようと言う段になって、急に一定の厚さのはずの内翼が、何と付け根で薄くなっているという恐ろしい欠点が急に気になって、スペシャルホビーのを買ってしまいました。アクセスしたお客様のために最初から資料を紹介します。MONOGRAM Close-UpシリーズのNo.20ですのでこのページの塗装や外形のチェックの参考に。
 

 
 言っては何ですが、細かいモールドもペガサスのキットは捨てがたいのです。昇降舵のモールドでスペシャルホビーでのっぺりと省略されている部分がきちんと表現されているのです。キャノピーもブラ製なので図面に合わせて修正ができます。もっとも全体的に組み立て難いことこの上なしですが。その後アートモデルからも72が出たのですが、3種のキットに共通の欠点は、キャノピーです。側面形で可動風防の前端が一番高くなっていて、それからどんどん下がると言う形で、写真や図面とも合わないし、とにかくカッコ悪いのです。ペガサスのは修正してましになったのですが、壊してしまってもう使えません。それで手元にあったFALCONのバキュームキャノピーセットを使いました。とにかく前を低くするように修正して何とか納得でした。


簡易インジェクションの事、主脚も尾輪も素直には取り付けられませんので各自工夫を。主脚タイヤですが、ネットの記事によるとハセガワのMe262をパクッたそうです。ところがフォーミュラカーのような四角な断面をしているので、丸く削りました。ここで主脚柱を取りつけてカバーを付けようと仮合わせをしたら、何とタイヤの直径が小さ過ぎるではありませんか。



 Bv155はでっかいタイヤが素敵なのです。脚を付けたままタイヤだけ切り取って、ジャンクパーツから適当なものを持ってくれば、何とかなります。写真でもタイヤは馬鹿でかいのです。ですが、腕に自信はないし完成を目前にして疲れたし、諦めて完成を完成を優先しました。そのかわり車輪カバーを小さめにしましたがつじつまは合いきれませんでした。モノグラムの図面には主翼に2挺の機銃がありますが、実機写真には見当たらないので、試作機には武装が無いと納得しおかげさまで楽をさせていただきました。ピトー管は図面では段のないずん胴なものなので、安心して0.4mmの真鍮棒で誤魔化せました。


 脚カバーは厚過ぎるのを削っただけです。主脚のトルクリンクのカバーの部分は跳ね上がっているのを支えるシャフトがあって、付けるとリアルになるのでしょうが、仕組みが分からないので止めました。背中のループアンテナですが太すぎるので、レジンなので細くすると割れるので内側と外側を削って薄くして満足です。

 機体の塗装が終え、デカールまで貼ってから資料の図面を見てがっくりしました。何と左の外翼前縁にはランディングライトらしい、透明部があるのです。もちろん透明パーツはありません。今さらいじってもせっかくの塗装が台無しだし、我慢すべきか幾日か迷いましたが手抜きしないことに決めました。透明部になる所を丁寧に切り抜いて、透明のブラパーツを削って合わせます。塗装前なら主翼前縁から僅かにはみ出す位に大雑把に削ってから接着し、それから削って合わせればぴたりですがそうはいきません。ひったり合うように削って表面をコンパウンドで磨いてから接着です。シンナーの力も借りましたが思いの他簡単でした。完成直前にミス発見と言う事はよくあるのです。

 塗装は、インクスポット迷彩のパターンがよく分からないので困りましたが写真では、側面の下半分全体に細かい模様がいっぱいあるようですが、この程度で誤魔化しましたがドイツ空軍機らしいという程度で実機とはかなり違うと思います。主翼前縁の波型の境目は、写真を参考に大袈裟目にマスキング紙をカットして見たらやり過ぎかと思いましたが、完成するとぴったりでした。

 ともかく珍機の最右翼を行く本機を完成できたのは感動ものです。まして単なる図面上の計画機などではなくて、実機が飛行したのですから。この当時のドイツ人のセンスは凄いものです。ドイツ機フリークでなくても、ぜひ作るべし、です。72は不満が残りながらもう堪能しましたが、48がでたら作ります。インターネットで外国人がペガサスのキットを内部構造まで作りこんだものを見ましたが、到底かなうものではありません。


○キ-79甲・二式単高練 RSモデル1/72
 昭和四十年代の後半あたりから、旧日本軍機の塗装のカラーガイドが航空関係の雑誌に次々と掲載される、ブームのようなものが起こりました。それ以前は日本機といえば下面ライトグレー、上面ダークグリーンで尾翼に小さな番号があるだけの地味なイメージでした。特に陸軍機は機体の塗装自体のバリエーションも多いし戦隊マークも楽しいものです。米軍機でも海軍機は機体の塗装パターンが単調で所属を示すマークも単調なのは日本機との共通点があります。陸軍と海軍の組織やパイロットの気質と言うものに共通点があるのでしょうか。

 このブームがあってからプラモ作りの楽しみが増えたものです。その当時の塗装図で、ヘルキャットを二機撃墜した二式単高練があって、いつか作りたいと思っていたのです。解説には、墜落した二機のヘルキャットの残骸に7.7mm機銃弾の弾痕があったのが証拠だと書かれていますが、防弾の優れた米軍機なので腑に落ちませんでした。

 しかし何年か前、零戦の場合でもベテランパイロットは発射速度が遅く弾道性の悪い20mm機関砲よりも、7.7mm機銃でパイロットを狙い撃ちする、と書いたものを読みました。なるほど防弾鋼板から頭がはみ出すのでしょうから、パラパラと機銃弾が当たるのかもしれません。それにしても先ほどの解説によれば、森脇軍曹は固定脚の練習機で2機を1度の出撃で落としているのですからすごい記録です。

 キットは特に問題もなく組み立てられます。モールドは多少太めですが、塗装で消える心配もなく安心です。日の丸はいつものエアブラシ、戦隊マークは飛燕のものの流用です。赤い撃墜マークは手書きで白く下地を作ってからそれらしくこちょこちょと塗っただけです。九七戦と隼はかなり印象が違うのですが、こうしてエンジンをコンパクトなものに替えるとよく似ているのが分かります。




○ハインケルHe112 V11 エレール1/72
 言わずと知れた、Bf109に負けた競争試作機で、結局はデモ用と輸出用に作られたモデルです。ともかくオープンコクピットの1号機から、バブルキャノピーまで改良に改良を重ねた機体で、試作機1機毎に胴体の形が変わっていくのは恐れ入るばかりです。社長ののハインケルは、戦後ナチスに嫌われたから採用されなかった、とのたまわっていますが、下の平面形のバランスの悪さからも見え透いた嘘でしょう。何せHe111などは主力の爆撃機として大量生産されたのですから。この時代の機体には珍しく、全長の方が全幅より大きく不細工なのが愛嬌です。全幅がやたらに狭い癖に全長は109のどの型より余程長いのです。

 エレールのキットは輸出用のB型でしたが、胴体の形が一番好きなV12に改造しました。今見ても惚れ惚れとします。この機体はテストの後に、昭和13年の5月に日本海軍が買い取ったそうです。キャノピーを見て下さい。零戦のバブルキャノピーにそっくりだとは思いませんか。そうなんです。零戦はこれをパクッたのです。十二試艦戦の官民合同研究会は同年一月、会社からの計画書の審査が四月で、第一次モックアップ審査が十二月ですから、この間に風洞実験等が行われて基本形が決められますから、スケジュール的には充分間に合います。ちなみに零戦の風洞模型には、バブルキャノピーのものとフアストバックスタイルのものがあります。

 零戦の引込み脚もアメリカからの輸入機からパクッていますが、堀越技師はパクッた事は黙っていました。技術の進歩とはそうしたものだから恥じることはないと思うのですが。零戦の実物を手に入れた英米では、ある時期から一斉にほとんどの戦闘機をバブルキャノピーにに設計変更していますが零戦をパクッたのです。F4FとF6Fは珍しく設計変更していませんが、これらは将来性が無いから見捨てられたのでしょう。英米の設計者もパクッたと言っていませんから設計者と言うのは皆見栄っ張りなのでしょうか。

 改造はエンジン回りだけで、後は筋彫りに直しただけです。ハーケンクロイツはどこかのデカールの流用ですが、他の文字は全てフリーハンドの手書きです。20年以上前の製作で、当時は眼が良かったし根気もあったので鉛筆で適当に大まかな下書きをして書けたのです。今見ても一見しただけでは手書きとは気付きません(#^.^#)。主翼の文字は、上下面同じ位置同じサイズですが、これだと脚カバーにかかってしまいますが、そんなはずはないので勝手に省略しました。上面の文字は何かの資料によったのですが、仮面の文字は大きさと位置に間違いがあるのです。塗装はよく分からなかったのでたまたま全面RLM76ライトブルーにしました。多分間違いだと思いますが似合っているので後悔していません。

 塗装は見ての通りテカテカですが、新品の試作機らしくていい、と言い訳しています。資料はAero Publications,Inc.のHeinkel 100,112が手元にありますが、製作当時は試作機1機ごとの側面図が掲載されたものを使ったと思ったのですが今は見つかりません。in actionシリーズのHEINKEL He112もV12の図面はないのです。





○フォッケウルフFw187‘FALKE’  KARO  1/72
 かなり昔の西独のメーカーの典型的な簡易インジェクションキットです。ところが基本形が優れていて完成すると苦労のし甲斐があるキットでした。キャノピーはもちろんバキュームフォームですが、形も胴体との合いもいいのです。キャノピーの前の機首の複雑な形は、写真などでチェックがいります。写真を撮る直前に、機首のピトー管を0.8mmのブラ棒で撮り付けました。同じクルトタンクの設計でも、Ta154のシンプルな形に比べ主翼などはハインケルの設計のようで、あらゆる点で違います。ただFw190などとも共通するのはぎりぎりまでコンパクトにまとめられていることでしょうか。

 ただ下の右の写真では、いやにエンジンが馬鹿でかく、胴体は寸詰まりに見えますが、これは写真写りだけです。それでもごついラジエターはいただけません。マーリンエンジンの英空軍の双発機のカウリングに比べると、ドイツ空軍のは好みではありません。ガックリしたのはプロペラの直径がどう見ても足らないことでした。キットの寸法を逆算してみると2.7m程なので、やはりその通りのようですが説明書の正面図もプロペラは寸詰まりに見えますが。

 680PSのユモエンジンを搭載した試作機に対して、量産機では1000PSのDB600を使う予定だったようですから、そのためにあらがじめ脚を長くしてあったので間抜けに見えるのかも知れません。それにしてもユモエンジンはごつ過ぎます。このキットの完成直前にスペシャルホビーのキットが出たので慌てて買ったのですが、このキットの出来がいいので放ってあります。塗装のバリエーションが無いので、もろキットの出来の違いの比較になりそうでいやなのです。




○RYan XF2R-1 Darkshark MPM 1/72
 チェコのMPMがゲテモノを盛んに作っていた頃のキットである。筋彫りも少なく、大らかなキットで、製作には左程手間はかかりません。キャノピーはバキュームですが、後半部が透明ではないので、接着はしっかりできます。背びれのところにアンテナ支柱のような細い棒をつけるように指示があったので、馬鹿正直に付けましたが、実機写真にはなかったのに今頃気付いてがっかりです。写真を見てもアンテナ線は胴体から垂直尾翼に張られています。



Darksharkは試作機ですが、前作のFireballは66機作られた、唯一の実用、ピストンエンジンとジェットエンジンの複合機だそうです。資料には、Fireballは日本の桜花対策で作られたとあります。何故か日本の資料には、そのことには触れていないように思うのは不思議です。大抵は、ジェットエンジンの燃費の悪さを補うため、とだけ書かれています。

 しかし何の変哲もないような平凡な機体なので開発は短期間ででき、それにジェットエンジンを付ければ緊急加速に役立ち、急降下して突入する桜花を追尾するのには適していると思います。だからカタログデータの最大速度には、ジェットとエンジンを使用した場合と使用しない場合があります。わざわざ、こんなダサい機体を新規開発するにはそれなりの理由があったのです。



 資料はPACIFIC PRESS出版のSCALE-MASTER Fax-Fileシリーズの#5が外形のチェックに役立ちました。ちなみにFireballは同シリーズの#4にあります。このシリーズは、簡単な図面と写真が1機1ページをあてているだけの簡単なものですが、アメリカの航空機の百科事典のようで面白いものですが装丁が悪いので、丁寧に扱わないとバラバラに別れてしまいます。現に小生は何ページか紛失しました。。

○ヤコブレフYak9 Amodel(多分) 1/72

 小生が実物を見た、数少ない大戦機が韓国の戦争博物館で見たYak9である。星型7気筒エンジンを、独特のカウリングで包んだかわいらしい機体です。実物を見てしまうと、胴体前半部のペコペコの外板の表現など、不満な部分はありますが、このスケールとごく小さいサイズから実物を見てしまうと、胴体前半部のペコペコの外板の表現など、不満な部分はありますが、このスケールと全長11cmほどの小さいサイズから文句を言える筋合いではありません。

 パーツ数も少なく、製作については取り立てて言う事はありません。せっかくの鮮やかな赤い塗装をぶち壊さないようにほどほどのウエザリングをすれば、よくできたカウリングの形が目立ちます。説明書は残っていましたがキットのメーカー名はありませんでした。多分ロシアの機体を盛んに出しているAmodelです。




○Avia S199 KP 1/72
 言わずと知れた、チェコ製のMe109です。前のMe209Ⅱに比べればオリジナルのMe109に余程近いのが分かると思います。何故かスピンナキャップ直後に段があるのと、チェコオリジナルの枠無しの丸っこいキャノピーが素敵です。


 キットはKP独特の、でこでこの凸モールドなので例によって全部削り落しましたが筋彫りは単調なのであまり手間はかかりません。48ではホビークラフトのがあって、模型店で完成品を見ましたが、セミプロの作品であったのにも拘わらず、デッサンがいまいちで何となくがっかりしました。やはり本場チェコのはいいです。ただしキャノピーの透明度や脚などの小パーツのできには目を瞑って下さい。写真写りで暗くなってしまいましたが、全体はRLM02の明るい色です。






○Me209Ⅱ フーマモデル?+ハセガワ1/72
 実は10年以上前の作品で、説明書も見当たりません。従って改造のベースとなったキットがどこのメーカーかも本当は判然としません。多分胴体中央から後部とキャノピー、水平尾翼、主翼の外翼部、尾輪をハセガワのMe109G辺りから流用したと思いますが、正確には記憶にありません。主脚はキットのものではないのですがどのキットからかさえも憶えていません。2キットの胴体と翼をくっつけた割には自然に繋がっていて我ながら繋ぎ部の処理がうまくいっています。


 実機も主翼は多分Me109の外翼を流用したのだろうと想像してハセガワのものを流用したので流布されている図面の翼端が丸っこいのとは違いますが、都合のいいことに私の好みに合ったのが嬉しかったです。唯一見た実機写真には何故か主脚の脚柱部にカバーがないので、わざと省略しました。


 デカールは機番号だけキットのものを使って、あとはジャンクボックスの中のサイズが合うものを使ったと思います。写真撮影のため埃を取ったら塗装がいやにテカっていたので化粧のつもりで中目のコンパウンドで全体を磨いて仕上がりです。Me109シリーズは最も好きな機体のひとつで、72と48合わせて一番作っています。その中でも209Ⅱは主翼、胴体、垂直尾翼がのびのびと長く、機種の環状ラジエターからスピンナキャップの流れも自然で、109系統の一番の美人だと思います。この後紹介したAvia S199と比べると華麗さが分かると思います。


 
本日は平成23年1月3日で箱根駅伝の日ですが、ちらと見ただけで止めて、このホームページをアップしていました。何故って、トップ独走でつまらないからです。見ている方は面白くなくても優勝チームはありがたいのに違いありません。競争するのはしんどいものだと思います。マラソンでライバルと競争して走れるのは一流ランナーの証明です。小生もかつてフルマラソンを走ったことがありますが、経験的に言うと似たペースで走っている人と決して競争しないことです。競争すると疲れて完走があやしくなるからです。ですから小生のような素人ランナーには長距離で競争する人たちの気持ちは体験不能です。

○Lavochikin La-5 SOUTH FRONT 1/48
 さて前に紹介したLa-7の前作です。主翼は基本的に同一で、エンジンも同じAsh-82の違うモデルを使っているだけですが、プラモを見ただけでは相当に印象が違います。もちろんLa-5の方が洗練されていないのですが、その武骨さが好きだという人は多いと思います。さてキットはLa-7とは違うロシアのメーカー製で、面倒なレジンやエッチングパーツなどというものはないのですが、全体にダルい印象です。ものは考えようです。洗練されたLa-7がすっきりした仕上がりなのに対してごついLa-5には合っていると思います。

 組み立てはこの手のキットの通例で合いが悪いのでパテを多用するのは仕方ありません。技術ではなく、根気の問題です。同社のLa-3も同様なのですが、各舵が別部品になっています。後縁を鋭く仕上げるには都合が良いのですが、問題は補助翼です。何と上下2部品の接着です。合いは滅茶苦茶悪いので、大雑把に削ってから無理やり接着して、後はスクラッチアンドビルドより余程ましだと諦めて部品の形になるように削るだけです。



本当は有名なシャークマウスの塗装がしたかったのですが、デカールが無く、宣伝文句べたべたのものにしました。カウリング全面は過冷防止シャッターらしきもので塞がれているのでエンジンパーツもなし。組み立てに大した苦労もなし。デカールも透明部のテカリもなく素直に貼れました。さて残るは液冷のLa-3です。同じSOUTH FRONTのキットを組み立て中ですが、いつになったら完成することやら。


○ブリストル・ブレニム MPM1/72
 もちろん簡易インジェクションに近いのだが、モールドはしっかりしていてサクサク組み立ては進む。第一の難関は複雑な窓枠の塗装だった。面倒だから、いちいち窓枠を残してマスキングする、といういつものやり方を止めて、全部をマスキングテープと木工ボンドで覆ってしまって塗装終了後に剥がして、筆書きすることにした。ところが塗装が透けてしまわない程度に厚塗りして、しかも窓枠をはみ出さないようにするには難渋した。はみ出したのはすぐに爪楊枝などの木の尖ったので取ったがなかなかすっきりしない。そこで、テープで窓枠の両側をマスキングして、繰り返し筆塗りすることにした。

 もちろん直線でなければならないから、窓枠を1本1本塗って行く。1回に5mm位しか塗れないがテクニックはいらないので根気だけの問題である。塗ったばかりの近くのところの作業はできないから一晩にできるのは少なく、かえって嫌気もささない。次に恐れ入ったのは、プロペラが1本1本バラバラなのは仕方ないとして、プロペラボスがレジンパーツなことだ。瞬間接着剤しか使えないが、正確に位置決めする前にかたまってしまう恐れがあるからだ。塗装も含めて全て終わってプロペラだけ残したところでハタと作業が止まってしまって、多分一年は放っておいた。

 結局諦めて瞬間で接着したが、案外しっかり接着できないので位置決めは簡単だった、ぐらぐらするところは、筆の柄を鉛筆のように削ったのに瞬間を付けて、接着して終わった。それでこの姿です。


 ブレニムは言わずと知れた、加藤隼戦闘隊長を返り討ちにした、にっくき敵ですが、何故か愛嬌のある姿が好きです。途中で気が変わって、段なし風防の初期型が作りたくなったのですが、それは今後の楽しみとします。小生何故か英国の双発機は好きで、次はホイットレーが待っていますが、いつ完成するのやら。まだキットを買ったばかりです。特にマーリンエンジンのカウリングは最高に優雅です。72のウエルキンを作りたいです。やたらに長い主翼とマーリンエンジンの組み合わせは最高に優美です。48でインジェクションキャノピーのホワールウインドが欲しいよー。



 塗装はソ連と戦ったフィンランド空軍のものです。例によってハーケンクロイツは忌避されていて、デカールはハーケンクロイツと分からないようにバラバラにされています。不思議な事に昔のキットは、ナチスドイツに蹂躙されたフランスやチェコ製のキットですら、ハーケンクロイツを堂々と描いていました。ところがこの20余年位から、デカールも箱絵もハーケンクロイツを避ける傾向が強くなっています。もし自然な嫌悪感からハーケンクロイツを忌避しているのなら、これは実に不思議な現象であります。


○Lavochikin La-7 GAVIA 1/48

 La-7は言わずと知れたLa-3、La-5と改良されたラボアチキンの自信作。しかも液冷エンジン搭載から出発して空冷にして次々と性能向上を果たしたというのは異色です。しかもF4Uと同様に、エンジンぎりぎりのカウリングで余分な出っ張りはなく、正面面積を最低にする合理的な空力設計です。日本機のように無神経にオイルクーラーや過給機のインテークは飛び出していません。

 ついでに言うとカウリング直径をエンジンに合わせてぎりぎりに絞ったと言われる疾風と彩雲のエンジン外形とカウリング外形の差は、各々80mmと70mmです。これに対してF4Uコルセアは半分以下の僅か29mmです。しかもコルセアはエアインテークを翼に納めています。どちらが空力的に厳しい設計をしているか分かるというものです。直径を切り詰めた疾風や彩雲に搭載された誉エンジンはあと、5mm直径を大きくすれば軸受など全般にゆとりがあり信頼性のある設計が出来たとコメントする向きもありますが、なんとコルセアとの比較では、あと40mm~50mm大きくしても良かったのです!!



 キットはエッチングやらもある複合素材で組み立てにくそうです。特にコクピット内は細かいパーツが沢山あって説明書を見ただけでぞっとしますが、このようにキャノピーを閉状態で完成させるのであれぱ゛、適当に手を抜けるのでさほどではありません。ちなみにキャノピーは塗装中に曇ったら外して磨けるように、中央風防は接着せずに、木工ボンドで仮止めして、そのまま仕上げてしまいました。こうすれば曇りがなければ完成後外して接着しなくても、塗料で固定されるので充分強度があります。それ以外は修正箇所も見当たらず、組み立てられます。ただし細部のパーツの接着位置がはっきりしないものもありますが、たいした問題ではありません。小生今まではどんないいキットでも、プロペラだけは断面が気に入らず、例外なく全面をやすりがけしていましたが、このキットでは前縁と後縁とプロペラボスとの接続部とををちょっと#800のサンドで少しなでただけでOK、という優れモノだったのには感心しました。資料はAVIATION INTERNATIONAL シリーズのFITING LAVOCHIKINを持っていますが、キットのリサーチに信頼感があったので無視して、デカールの位置の参考にした程度でした。しかしこの本はLa-3からLa-7までの全タイプをカバーしているいい本だと思います。



 塗装の派手さで作ったようなものなので、どれにするか悩みましたが、一番有名なものにしました。デカールは強度もあり、くしゃくしゃになる心配もなし、透明部分に空気が入ってテカることもありませんでした。仕上げにクリヤーを吹くとうまく密着してくれました。上面はライトグレーの単色なので変化を付けるために黒系の色をまだらにエアブラシで吹いて、コンパウンドで磨きました。大戦中のソ連機は主翼上面の国籍標識が無いので間抜けにならないようにしなければならないのは少し憂鬱です。


○ツポレフ Tu-2 ICM 1/72
 最近は日本機まで出しているICMだがモールドのリベット表現などが繊細で良いので、何とか消さないようにするのが大変である。デカールはペラペラに見えるが崩れる心配はなかった。脚などの小部品も大雑把ではなく、取り付け位置もはっきりしている。透明部品が多く組み立てやすいとは言わないが、小生のような中級の腕でも完成できる。



 ICMはロシアかと思っていたら、郵便がウクライナのキエフとあった。いずれにしてもデッサンがしっかりしたキットである。



○MiG-21MF フジミ+KP1/72

 これを見れば何故この機体を選んだかお分かりでしょう。ソ連崩壊で自由化されたと言われるチェコスロバキア(!!)空軍の大胆なピンナップ付きのミグです。デカールはフジミのキットのですが、フジミのミグは言わずと知れた太っちょです。がっくりして、古いチェコのKPのを、全面的に筋彫りして、フジミの翼をくっつけたら見事に合いましたました。これで煙突に背びれと翼を付けたようなMFの姿に満足でした。

 脚その他の細かいパーツは全部フジミのものです。機首下面脚カバー前方の細いIFFアンテナだけが0.4mmの真鍮線の自作です。脚カバーの内側などは全て操縦室内と同じブルー系にしましたが、どうもミスターカラー336のヘンプが近いようですが、手遅れでした。

 ちなみに江東区牡丹の某模型店の御主人と話をしたら、フジミのミグの太っちょは業界では有名な話らしいのです。ところが模型雑誌にはそんな批評は全く出ていません。ですから小生は模型雑誌は極力買わず、掲載された完成写真だけながめてデッサンの善し悪しを判定するだけにしているのです。MiG-21は大好きなのですが、初期型から後期型までバリエーションが多く、小生には区別が困難な上に確かに明らかな相違があるのです。ですので、この塗装の機体が本当にMFでいいのか、この機体がMFになっているのかさえ判然としません(´Д`)へ細かい所は例のsquadron/signal publicationsのシリーズを参考にしましたが後期型は全部カバーしているわけではないのです。




○ユンカース Ju-287 フーマモデル1/72
 第二次大戦機に多少なりとも興味がある人にとっては、言わずと知れた世界初の前進翼機。フーマお得意のドイツ実験機や計画機のシリーズのひとつです。マイナーなキットではなく作りやすいので、完成させた人は多いと思います。運河掘りを我慢すれば、形は大雑把だし、ちょろいと思ったら、自分で落とし穴を掘って苦戦でした。せっかくキャノピーを接着したら、機首の錘を入れ忘れたのに気付き慌てて外して、操縦席の下にハンダを入れました。もちろん機首横のエンジンにもです。何カ月も養生して塗装を終えて感動のマスキング外しをしたら、機首の左よりの透明パーツに大きな曇りが出ていました。

 二三日考え込んでも、どうしても曇りを我慢することができず、右の写真のようにざっくり穴を空けて、シリコンワックスで濡らした綿棒を突っ込んで拭いて、掃除機で中のゴミを吸いだしてから、ブラバンで塞ぎました。外販の継ぎ目を使ってマスキングすれば塗装の飛散がなくてOKと思ったら先に塗ったブラックグリーンよりはっきり濃くなってみっともなくなりました。今度は広めにマスキングした上にブラックグリーンは控えめに塗装したら大丈夫でした。

 上面の塗装にも悩みました。キットの指定は71グリーンの単色の指定ですが、そんなはずはありません。モデルアートのバキュームキットの作例は、グリーンの二色の組み合わせで実機写真のよく塗装パターンの分からない雰囲気をうまく出していましたが、真似する技術もないので、70/71の二色迷彩とし、エンジンポッドは実機写真によるパターンで、その他はある航空雑誌(多分航空フアン)にあったJu287の発展型のユンカースEF125の当時作られた模型写真を真似てみました。実機写真でははっきりしないのですが、当時の大型機はグリーン系なら、二色のスプリンター迷彩に違いないのです。それにしても気になるのは、どの写真にも写っている、方向舵後縁上端の明るく塗られた部分です。



 最後の難関はエンジン下のロケットブースターの取り付け。トラス構造の支持架は三次元の立体なのに、平面のパーツなので普通取り付けられるはずがありません。強引に二箇所づつ、瞬間で取り付けて何とか通過です。功を焦ってはいけないと一日一箇所とゆっくりでした。苦労しただけあって、ロケットブースターを取り付けると、玩具っぽく見えたのが、リアルになったから不思議です。面倒だからと言って手抜きはやめましょう、と思った次第です。ちなみに小生がキャノピーの曇り防止に使うのは車などに使うシリコンワックスのクレポリメイトです。




j○Su-7 BKL KP 1/72
 続いて同じくKPことKoproのSu-7です。前回紹介したMiG19より更に後退角を大きくしただけの設計です。Su-7は超音速なので、臨界マッハ数を高めるだけの効果しかなく、かえって構造上の不利や空力的な癖のある極端な後退翼は、今の目では無駄な努力ですが当時としては、いたし方ないと思います。それでも更にデルタ翼のSu-9に進化し、最終的にはSu-15に至ったことを考えると、意義は大きいと思います。ロシア人の武器開発における改良の努力と言うものには技術の連続性と言うものが感じられ、感服する次第です。


 例によって、凸モールドにそって筋彫りを入れて、から全面を削ります。Su-9のキットにそれより新しいMPMのキットがあるのですが、そのだるい筋彫り入りのモールドより余程うまくいきました。キャノピーも同様です。機体自体の組み立てより脚の取り付けが厄介で、脚より更に、ドロップタンクなどの外部装備の取り付けが更に厄介でした。何せ取り付け位置がほとんど分からないのです。


 この時代のソ連機お得意の胴体下面の髭のような3本のアンテナ2組は、パーツを捨てて、5mmのブラ棒を差し込んで切りました。真鍮棒で作ったこともあったのですが、長さの調整が接着後にできるのでベターでしたがこの写真では細くて見えません( ^^;)機首のピトー管はパーツをそのまま使ったら、長すぎる気がしましたが、接着して写真とプロポーションを比較したら正確でした。さすがデッサンの正確なKPです。資料はsquadron/signal publicationsのSukhoi Fitters in action です。この本も図面は案外いい加減に思われる上、タイプと図面が一致していないものもあるようで、写真とキットの図面も比較して何とかなりましたが、この本なしには安心して作れなかったと思います。l

 土管にナイフを付けたような無造作な外形をしていますが、完成するとMiG-19とは違った良さがあります。

○MiG19 KP 1/72
 MiG19は速度性能を追求したい、と言うのでとにかく後退角だけをやたらに大きくした芸の無さが美しい機体です。実物は韓国の戦争博物館で見ましたが、近くにあるF-86に比べたら良く言えば研ぎ澄まされ、悪く言えばペラペラで期待どおりでした。かつてはソ連機をよくキット化していたKPの作品ですが、最近はパッケージ替えの再販があるようです。こんなにカッコイイのにスケールを問わずキットが少ない可哀そうなMiG19です。




 エレールのキットは、何と胴体にエリアルールが使われているトンデモものだと言うのでパスしました。デッサンは正確ながら、凸モールドのリベットボツボツなので、恒例により、凸モールドを利用して筋彫りしてから、元のモールドを全部磨り落としつるつるにしました。筋彫りの根気さえあればうまく仕上がります。KPのブラ材は筋彫りがしやすいようです。

 凸モールドが消えて、筋彫りが残る瞬間は感動です。もちろん筋彫りの修正はいっぱいしました。塗装は銀に白を入れてアルミらしく落ち着かせ、銀粉が浮かないようクリヤーを混ぜています。アクセントに所々のパネルに普通の銀を筆塗りしました。安っぽくぺこぺこらしくするために、汚しはしませんでした。細部はともかく、いいMiGができたと思っています。

 小生はソ連と言う政治体制はおぞましいと思っていますが、不思議に戦車でも軍用機でも、旧ソ連のものは好きです。MiG21などは零戦より沢山作っています。すぐ欲しいのはMiG29の72のまともなキットです。とにかくMiG29の72は多いのにいいものに恵まれません。エンジンの配置はF-14のパクリだと言われていますが、FA-18などより余程好きです。Su27の系列ならハセガワが最近出した単座形ではなく、巨大なキャノピーの複座形がいいです。

○ポリカルポフ I-180 Amodel 1/72
 以前紹介したI-185の系統である。図面を見る限り、前縁が直線で極端なテーパー翼の平面形はあまりスタイル良く思えませんでした。しかし真っ赤でレーサーのような雰囲気が気に入ったので、カーモデルのようなテカテカの艶有りの仕上げにしようと思って何とかイメージ通りに仕上がりました。



 デカールは国籍標識だけだし、単色塗装でおまけにオープンコクピットなのでキャノピーの曇りを心配する必要はなしで、製作は楽でした。資料はI-185と同じくAVIATION INTERNATIONAL発行のMichael E. Abanshin著のFighting PolikalpovですがキットはタイプE3で資料とは若干違いますが、参考にはなりました。キットの入手は容易だし、スタイルはユニークだし、お薦めです。。




○Avia BH-3 KOPRO 1/72
 機体はチェコスロバキアと言う国があった当時の初期の単葉戦闘機です。単葉とはいっても、主翼は付け根が薄く片持ちとしての強度はほとんどなく、補助の桁に持たせているので構造上は複葉機と変わりはないのです。キットはチェコスロバキア当時のKPの製品を買ってほとんど組み立て終わったら、デカールを失くしており、何年も放置しておいたら今年パッケージ替えの再販キットを見つけてあわてて買って。塗装を済ませました。

 元々旧キットの箱の塗装例の黄緑が塗ってみたくて買ったので当然写真の通りです。インターネットで見た作例はもっとくすんでいたのですが、自分のイメージ通りの色を調合しました。この塗装はプロトタイプということなので、日本の試作機のオレンジ同様に目立つ色だったに違いないと自信を持っています。二度と使うはずがないのに、気に入った色にするのにグンゼカラーを4本は使ってしまいました。でも仕上がりはほぼイメージどおりで充分自己満足です。デカールは馴染みが良いのですが、以外に脆く主翼のインシグニアが一枚裂けましたが、慎重に合わせたらぴったりで破れた痕跡もなくて済みました。胴体の数字などは、透明部分が段差なくくっつく優れモノでした。旧キットのならこうはいかなかったろうと、待った甲斐ありと慰めています。



 チェックしてみたら、スピンナーと機銃のパーツも紛失していたので、やはり再販物を買ったのは正解でした。旧キットはチェコスロバキア製だったのに再販キットは同じKPながら、チェコ共和国と書いてあったのは歴史を感じます。説明書にしても、旧キットはソ連圏特有の今にも破れそうなザラ版紙ようなものから、しっかりした真っ白な紙になっていました。チェコスロバキア当時は、ソ連経済の優位を信じる愚かな人たちが大勢日本にいましたが、この差をみれば幻想だと分かったはずです。プラモとて意外な効用はあるものです。KPの名誉のために言えばこの当時の、MiG-15や-19などのデッサンは、ハセガワやフジミなどの大抵の日本メーカーより優れていたのです。プラモ雑誌は大きな声で言いませんが、近作ですらハセガワの1/48の五式戦やハヤブサなどは仕上げは綺麗ですが、デッサンには?がつくではありませんか。




○ハインケルP.1077ユーリアⅡ 1/72
 言わずと知れた大戦末期のドイツ空軍の計画機。バキュームキットで、説明書を紛失したのでメーカーは不詳。なにせ小型でシンプルなので、説明書がなくても組み立て可能で、バキュームキットの入門には最適でした。ところが最近キャノピーが御覧のように黄変してしまいました。そのほかの不満はキャノピーの中がよく見えるのに、他のキットから流用した座席が小ぶりで中を覗くと少々間抜けな事です。

 垂直尾翼などは、パーツは使わず、バキュームの切り残しの平らな部分を切って使いました。ヨンパチのキットがあれば迷わず作りますが、今の時代でもまあ無理でしょう。随分前に作ったので、今の目で見ると雑な仕上げですが、かわいらしくて気に言っています。ちなみに台車はエレールのナッターののものだと思います。




○Lippisch DM-1 フーマモデル1/72
 ご存知フーマモデルは、簡易インジェクションで、ドイツの計画機などを多数出しているメーカーとして比較的メジャーです。こんなシンプルな機体だから、チョィチョィのチョイと簡単に作れるとなめたのが間違い。コクピットの中があまりにシンプルだから、多少の追加工作をしたのは当然として、動翼の隙間は気になるし、ピトー管は取れてしまうわで結構手間がかかりました。

 なめた挙句に前脚機では当然の、組み立て前のおもりを入れずにキャノピーまで接着してしまったからさあ大変。資料に尻餅をついている写真が2枚あったので、これでいいやと諦めかけましたがチャレンジ。写真のキャプションによれば着陸の瞬間のようなのでした。下部キャノピーをはがして計器盤の前にハンダをまるめて入れてから、ブラバンで隠しました。さらに写真では分かりにくいのですが、ピトー管は3段になった特殊なものですが、真鍮パイプをトランジスタラジオのアンテナのように組み上げて成功でした。

 しかもハンダでは不足気味だった重さも真鍮がかなり先にあって、大きなモーメントでようやく尻餅を防ぐことができたのはラッキーでした。機体はベニヤ製なのでミスターカラーのNo.19にしたら御覧の通りもっともらしいでした。このカラーは資料にした
Uberschalljager Lippisch P13a und Versuchsgleiter DM-1 という本の表紙を参考にしました。ドイツ語の本なので写真のキャプションを辞書を片手に読むのがやっとですが図版や写真は役に立ちます。キットと変わらない値段ですが、キットの説明書がいい加減なので、後悔なく組み立てるためには必須です。次は想像図だけのP13aに挑戦です。


 

○Bereznyak-Isayev BI 1/72メーカー不明

  I270を紹介したので、ついでと言っては失礼ですが、ソ連オリジナルのロケット戦闘機BIです。ごくごく小さくキャノピーもプラスチックで、簡易インジェクションとは言っても作るのは楽でした。

 説明書は全部ロシア語ですが、組み立てに何はないので図と想像で作れば問題なし。かわいらしい形をしているとは言っても、従来型の機体にロケットエンジンを付けただけの平凡な形ですが、翼端にラムジェットを付けた型を選択したので、御覧の通りラジカルなスタイルが楽しめます。

 銀座の西山洋書で買ったSOVIET X-PLANESと言う本にずばりこの機体の写真がありますが、組み立てには必要ありません。箱を亡くしたので買った当時のメーカーは分かりませんが、インターネットにはEastern Expressとありました。このメーカーなら今でも入手可能なのでしょう。


○ミコヤン・グレビッチI270 1/72
 左がソ連のI270で右が日本の秋水です。さてどちらもドイツのロケット戦闘機をコピーしたものですが、これだけ姿が違っています。一つの原因は秋水が古いMe163をコピーしたために、胴体と主翼の間を大きなフイレットで成形したブレンデッドウイングボディー風であるのに対して、改設計されたMe263を真似たI270はシンプルな胴体と翼の接合方法になっている事ですが、これは大した相違ではありません。

 Me163もMe263も同系列だけあって、軽い後退翼を持った水平尾翼なしの、半無尾翼です。秋水はこれを忠実に真似たのに対して、ロシアのI270は胴体だけそっくりに真似たのにもかかわらず直線の主翼と御覧のようにT尾翼をつけています。I270の一軒平凡な選択は、むしろロシア人技術者のしっかりしたポリシーを感じます。ロケット戦闘機と言う最新のテクノロジーを採用するというリスクの上に、更に無尾翼機というリスクを重ねたくないと言う堅実な選択をしたのです。

 Me163が無尾翼機という選択をしたのは、原型が無尾翼機マニアとでも言うべきDFS194だったからです。リピッシュはロケット機を作るために無尾翼機としたのではなく、無尾翼機を作るのに都合のいいロケットを動力としたと言うべきです。リピッシュは他にも垂直尾翼もなく胴体すらないに等しい、全翼の完全無尾翼ジェット機を作っていますから、DFS194などはむしろ保守的で堅実な設計だと考えていたのに違いありません。



 確かに当時日本でも無尾翼グライダーも作られていましたから全く新奇なものではないのですが、日本の技術陣は何となくMe163の最新技術であるロケットエンジンと無尾翼とは離れがたい要素であると漠然と考えていた節があります。もしMe163の完全な設計データが入手できていればデッドコピーができ、リスクはないのですが、そうではなかったから日本の技術陣は空力設計に苦労をしたのです。安定性や操縦特性を考えれば、新規に設計した方が楽で確実です。その意味でロシア人の選択は賢明でした。何せ秋水の無尾翼機の特性にパイロットを慣らすために、秋草という秋水そっくりの無動力のグライダーを作ると言う手間までかけなければならなかったのですから。

ところで、秋水という名前ですが、何も考えていませんでした。ところが、最近江藤淳の「南洲残影」という本を読み返し、納得しました。「・・・全員が日本刀を持っていた。彼らが三尺の秋水を抜き放って・・・」とあるのです。日本刀のことだったのです。ある国語辞典を調べると、第一義は、秋の澄みきった水ですが、次は、くもりのない刀のたとえ、用例として、三尺の秋水、とあるではありませんか。ロケット戦闘機をB-29を一閃する日本刀に期待したのです。しかも美しい、第一義の雰囲気もあります。まさに日本人の繊細な感性による命名でした。

 I270の組み立て説明書はありますが、解説以外は文字まで手書きだと言うしろもので、全部ロシア語です。メーカーの表示はないが説明書の雑さから見て、古いAモデルだと思います。珍しい機体が比較的手軽に作れます。デカールも問題はありませんでした。秋水はメジャーなファインモールドのキットなのでノーコメントです。


○PAYEN Pa22 FLECHAIR MAI 1/72
 改めて説明書を見たらオーストラリアのメーカーでした。簡易インジェクションというやつの典型で、部品とランナーの区別がつかないような代物です。しかし機体がごく小さく筋彫りもほとんどなしなので、組み立ては、至ってとは行かずとも簡単でした。全体のアレンジは先尾翼つきの主翼はデルタ翼、というグリペリンなどの最新のヨーロッパの戦闘機と同じアレンジにも拘わらず、空冷直列倒立エンジン使用と言う目茶な組み合わせです。

 しかし全体形はご覧の通り、実にバランスが取れたいい形をしています。塗装はフランスのオリジナルのレース使用のミディアムブルーのものと、ドイツに接収された時の、上面ダークグリーンと下面ライトブルー或いは下面が練習機用の黄色と言うものが指示されていますが、御覧の通りかっこいい上に楽なミディアムブルー一色にしました。さほど古いキットではありませんが、現在では入手困難ですが、見つけたら買って作るべし。作るのが楽な上に見栄えがするのですから。

改めて説明書を見たら、4ページもある中に組み立て方の図が全くありません。こんなキットは初めてです。なくしたのではないと思います!?説明書にはまず最初に、キャノピーはどこどこ製、デカールはどこどこ製、メタルパーツはどこどこ製、と断った上に、操縦室内の写真は残されていないので、想像力がいりますなどと書いてあります。楽しいではありませんか^( ⌒‐⌒)^簡易インジェクションキットのかがみです。


○Yak-28P Aモデル 1/72
 言わずと知れた、ヤコブレフの多用途機のひとつ。キットはAモデルの特徴で、組み立て前は恐ろしくだるそうなモールドですが、筋彫りが消えないようにまめに手当てしてやれば左程気になりません。




 キャノピーの透明度はいまいちですが、たいして気になりません。心配していた自転車式の車輪ですが、不思議に前後のダブルタイヤだけで自立していて、翼単の補助輪は床と左右均等に綺麗にクリアランスができて、問題ありませんでした。

 意識して組み立てたわけではありませんので、キットの素性がいいのかも知れません。出来上がるとこの時期のソ連機に特有の極端にきつい後退翼がうれしいです。多少の苦労はありますが、やりがいはあります。Aモデルのキットは案外に作りやすいのです。箱を開けると一見モールドが綺麗で組み立てやすいような、ハセガワのパナビア・トルネードより作りやすいでした。

○レッジアーネ Re.2005 Flying Machines 1/48 &セバスキー P-35 MPM 1/72


 小生のベストスタイルの戦闘機、というわけではありませんが、側面形で分かるように、とにかく風防から後半が短く前が長い、極端な形が大好きです。人間に例えれば8頭身の美人を通り越して、アニメのキャラで足の長さを誇張したスタイルの良さ、とでも言えばいいでしょうか。Squadron/signal publications のITALIAN AIRCRAFT OF WORLD WAR Ⅱのカラー側面図を見た時、びびっと感じるものがあったのです。


 しかもイタリア空軍機には比較的少ない、青緑の迷彩も魅力的でした。そこで簡易インジェクションの1/48のキットが出た途端に飛びついたのでした。出来上がりは第一印象にたがわずかっこいいものでした。フィギュアの誇張されたグラマー美人といったところです。真空成型のキャノピーも、その他部品のレジンもあまりかまわず作れました。脚カバーをブラバンで自作したり、ピトー管や機銃を真鍮製で置き換えたなどは苦労の内には入りません。上面塗装はRe.2000などと同じく単なるダークグリーンでしょうが、前傾書のカラー図の青味の強さに魅かれて、ミスターカラーの日本海軍機色にしたらイメージにぴったりでした。ですから考証を重んじる人は真似しないで下さい。あくまでも小生の夢想です。

 最近1/72で比較的出来のいいキットが発売されたようですが、小型機なので1/48の方がジャストサイズなので、このキットで満足しています。大好きなHe100もスペシャルホビーから1/72が出ていますが、1/48の出来のいいの希望です。1/48の簡易インジエクシヨンキットを作った事がありますが、このRe2005に比べると今一歩、というところでした。


 さて次はアメリカのセバスキーP-35ですが、何故Re.2005と並べたかは、飛行機マニアならとっくに分かっています。この上下の写真を見て下さい主翼と各尾翼はそっくりではありませんか?Re.2005の原型と言うべきRe.2000は空冷エンジンを搭載していて、まさにP-35のそっくりさんなのです。ところがよく分からないのが、何故そっくりさんなのかです。P-35のコピーだと断定するものもあれば、レッジアーネの設計スタッフがセバスキーにいたから似た設計になったと言う説すらあります。残念ながらライセンス生産と言う説はないようです。前幅はRe.2005に至るまで11Mジャスト。P-35は10.97m。

 P-35の複座型は日本にも輸出されていますから、さほどの先端技術の機体ではなかったと思われます。またライセンスならその旨公表されているはず。従って私の結論は、図面か機体を入手した上でのコピーです。P-35の複雑な引込み脚機構はRe.2005では単純な外側引込みに改良されています。P-35の後継機も内側引込み式にしていますからこれは同じ。しかし主翼はP-43、P-47と改良されているのに、レッジアーネシリーズは、同じ主翼をそのままずっと使っていますから、多分翼断面もそのまま。もしそうだとしたらこの点はハンディになっていたと思われます。



 で肝心のMPMのキットです。キット自体は、素直に組める難易度が低いものでプロポーションも正確。ところが落とし穴がふたつありました。キット指定デカールのシルバーの機体にしたかったのですが、どう調べても胴体右に大きな写真撮影用の窓がある偵察機型ですが、キットにはそんなものはありません。。

 そこで胴体に大きな穴を開けて、厚めのアクリル板をはめ込んで胴体となじませ、窓枠は千枚通しでけがいてマスキング塗装で仕上げました。プラモには窓のサイズの透明部品をはめ込むものが多いのですが、胴体との境の処理が難しいので、このやり方の方が仕上げが簡単で見栄えも自然です。

 ちなみに小生は透明部品のマスキングには何十年も木工用ボンドを使っていて市販の模型用のは使っていません。何故ってプラモ用のマスキングゾルってどこがいいのか分かりませんから。

 次は失敗です。キットのデカールはブラとのなじみはいいのですが、デリケートで千切れたりくしゃくしゃになりやすいのです。特に黒色の文字は完全に失敗しました。そこで透明デカールにパソコンで自作してぎりぎりの合格品ができました(@_@;)部隊マークや国籍標識などの自作不能な物がなんなく貼れたのはラッキーでした。多分白やブルーなどのインクでデカールが丈夫になっていたのだと思います。デカールの扱いが上手い人なら問題ないと思います。

○T-64BW SKIF 1/35
 さて初めてのAFV、戦車です。ウクライナ製ということは、旧ソ連でやはり考証は行き届いていると想像しています。T-64はT-72とは別系統の戦車だと言う事ですが、いくらその方面の解説書を読んでもエンジンやら装備が違うだけで、車体や砲塔と言った基本的な部分は同じにしか思われません。ただ転輪の配置は明らかに違います。小生ソ連という国の非人道的な体制はどうしても許せませんでしたが、空ものでもAFVでもソ連製の兵器の経常には不思議に魅力を感じています。だからナチス嫌いだと言う事で、旧ドイツ空軍機のスワチカを薄くぼやかすと言う人の心理は理解できません。

 ぺたんこな砲塔と巨大な主砲のこの戦車の形は好きです。戦車素人の小生にとっても、組み立て自体は左程難しくはないのですが、何せ売り物のリアクテイブアーマーの多数の弁当箱をどこに付けたらいいのかには難渋しました。根気よく説明書の図面を眺めてチェックするしかないのです。それから牽引用のワイヤロープも、らしいところに適当に貼りつけただけです。

 車体や砲塔上の丸太やシュノーケルチューブ、燃料タンクなどが所狭しと取り付けられているのが、のっぺりした自衛隊の戦車と違い、いかにも実戦を意識しているような迫力です。ちなみに小生は戦車に関しては、形を眺めて楽しむ派なので、見ての通り説明書の迷彩は無視してダークグリーン一色に仕上げてしまう場合が多いのです。日本戦車の3色に黄帯は許せるのですが、その他は迷彩が形を壊しているようで嫌いです。それこそ迷彩の効果でしょうが。デカールもあまり貼りませんから飛行機に比べれば楽です。

 ウエザリングというやつも、何となく全体が汚れていればよいという気楽さです。秋葉原にレオナルドという有名な模型店があるのですが、あそこの艦船模型の展示は一流ですが、同じ人の作品とおぼしき飛行機は、ただ汚いというだけです。あれを見ると船の達人が必ずしも飛行機の達人ではないと納得する次第です。



○川崎キ-60・RS MODELS1/72
 実用化されなかった、試作機と言うものは、夜目遠目傘の内、と同じで実際に使われなかっただけ、無限の可能性を想像させる面白いものです。と言う訳でこれは陸軍のキ-60試作戦闘機です。最近外国のメーカーで日本の大手プラモメーカーが扱いそうもない機種を発売してくれるのはありがたい限りです。

 その手のキットはキャノピーの形に問題有りなのが多いのは前述しましたが、このキットもその難が無いのも○です。外形の唯一の難点はアンテナ支柱辺りの胴体上部が盛り上がり過ぎて、猫背になっている事位です。この点は市販の図面を見てヤスリをかければ修正は容易です。機関砲とピトー管は市販の真鍮製のものに変えましたが、これもキットのもので問題はないと思います。



 製作上少し辛かったのは、ラジエター内と車輪カバー内側のエッチングパーツがデリケートな事位でしたが、その程度でレアものを作れるのなら我慢しましょう。脚カバーもエッチングパーツですが、塗装に注意するだけです。小生は切り離す前に全部エアブラシを使いました。一応塗装ののりがいいように、メタルプライマーを使っているのですが、本当に効果があるか疑問で、一度秋葉原の模型店の店員さんに聞いたら、その人も効果がありそうには思えない、との事でした。プラモ用には他にないので、一般用で探してみます。



 塗装は一号機のもので、赤帯は塗装で済ませました。実機写真を見ると、ごく目立たないのですが、細い白帯で縁取られているようなのですが面倒なので省略しました。各舵は陸軍の無塗装機の通例に従い明灰緑色にしましたが、飛燕の試作機の写真を見ると、無塗装部分との違いがはっきりしないので、或いは銀塗装かもしれないと思うのですが。無塗装機は銀の色調を変えたものをところどころに塗ると単調さが避けられると言うのですが、実機写真で明らかに色調が異なる胴体後部の左右各1か所で止めました。

 試作一号機のキットには、この他に細かいステンシルのデカールがあるのですが、箱絵の赤帯の位置が明らかに間違いで、考証に信頼が置けないと言う口実で止めました。実は買ったキットが試作一号機のものではなかったので、そんなデカールはなかったのです。そう言う訳で主翼の上の「フムナ」と赤帯直後の「ココヲノセル」のステンシルも、飛燕のキットの余りから流用しました。各トリムタブの「サワルナ」のステンシルも流用できたのですが、飛燕の試作1号機にはないようなので止めました。本当は無理して貼ると汚なそうなので止めたのです。

○ユンカースJu388 K/L・スペシャルホビー1/72
かの有名なJu88の改良型の最終型です。胴体は基本形を残してほとんど再設計されて、キャノピーもこの時期のユンカース社の爆撃機に共通した形状が魅力的です。レジンパーツが多用されているのが多少厄介なだけで、組み立ては案外容易です。ただキャノピーを接着してから数年経過したら写真で分かるように、黄変してしまったのが残念です。バキュームフォーム製のキャノピーの内側は、曇り止めのシリコン系のクレポリメイトを塗布してあります。

 シリコンを塗布したものは他にも多数あって、このような現象は起きていませんので原因不明です。ただ他のキットのバキュームパーツで、使用せずにほおっておいたら黄変したものがありましたから、多分塩ビの材質の劣化によるものだと思われます。



 塗装は珍しい上面がRLM81グリーンの一色迷彩です。実機写真がよく見えたのと二色迷彩より楽だろうとおもったのですが、側面のブルーが間抜けて見えて少しガックリでした。大して余分な手間でもないので、オーソドックスなRLM70/71のグリーンの二色迷彩にすればと後悔しております。しかしそうすればそうしたで、この塗装にしたらと後悔したと思いますから、塗装の選択は難しいものです。



○九試単戦・CHOROSZY(コロジー)製・1/72

 機体はかの有名な九六式艦戦の原型である九試単戦の1号機です。どうせつくるならと珍しい、いぼ付きカウリング付きのものを選びました。キットはオールレジン製ですが、コロジーのキットは特に新しく発売されたものは、できがよくレジン製にしては作りやすいのです。しかも普通のキットでも外国製の日本機と言うのはそもそもデッサンが狂っていて、がっくりするものが多いのです。典型的なのはMPMの九七重爆や最近出たAZモデルの九九式双発軽爆でいずれも!?です。

 そこへいくとコロジーの製品はしっかりしています。驚いたのは、十式艦偵で、どういうリサーチをしたのか、内部構造まで調べられていて、それまで不可解に思っていたエンジンカウリングの構造が、実は一部穴が開いていて側面から液冷エンジンの一部が見えているのだ、と言う事はコロジーのキットで知りました。ただし、例外はあるもので、陸軍のキ-11は風防がまるでだめです。従ってコロジーの日本機は開放風防式のものを選べば無難です。ちなみに小生レジンの複葉機は、上下の主翼の取り付け方が分かりませんので、胴体と下翼を取り付け塗装済み、上翼も塗装済のほぼ完成状態にあるものはあるのですが、最終組み立て直前で足踏みしているのがあります。



 説明書ではカウリングが黒に指定されていますが、公表されている写真では明るいグレーかジュラルミン肌です。機体全体もシルバーに指定されていますが、写真では明るいグレーのようでも見えますが、無難なシルバーにしました。十二試艦戦も明るいグレーなのと、シルバーはあらが目立つので工作が難しいレジンキットだから、明るいグレーにしておけばと今は後悔しています。また日本航空機総集の真後ろから見た写真では、尾翼が普通の九六式艦戦と同様に保安塗装の赤のようにも見えますが、垂直尾翼の形が全く違うため、塗り分けが分からないので止めました。日の丸はいつものマスキングによるエアブラシ塗装です。

 いずれにしても私個人堀越技師の設計で唯一好きな、九試単戦1号機の優雅な機体を見事に再現した、いいキットだと思います。好みを言わせていただけば、本機の2号機以後最後の烈風に至るまで、堀越技師の機体の曲線の癖がどうしても好きになれません。




○ポリカルポフ I-185(M82A)・MAQUETTE製・1/72


 箱絵はひどく下手くそだし、説明書はA5版の一枚だけで、組み立て図は1つだけという恐ろしく体裁の粗末なキットで、何故買う気になったのか分かりませんが、きっとシンプルなキットの外形が面白かったのかも知れません。この時代のロシア軍機の常で、木製部分が多いので筋彫りに悩まされる心配はないのです。ロシア語と英語の併記でMocKBa(モスクワ)とあるので辛うじてロシア製と分かる次第。

 いわゆる簡易インジェクションだが、キャノピーはプラ製なのでご安心を。以上悪口を言っているようですが、全体のプロポーションその他は優れていて素姓の言いキットであります。日本製の綺麗な箱絵に騙されて組み立ててガックリするケースの逆の珍しいパターンです。キャノピーも透明度は落ちるものの支障なく、形はよくできています。小生プロペラだけは、タミヤなどの信頼できるメーカーのものでも必ず断面形を念を入れて修正するのですが、このキットはチェコのGAVIAと言うメーカーのLa-7以来、久々に無修正で800番の水ペーパーで撫でただけで済ます気になったのはすごいです。



 写真に見える側面の彫刻などもそのまま使えました。脚カバーのパーツの彫刻もそのままです。唯一いじったのは、カウリングの上の楕円形のこぶのような二つのパーツを資料に合わせて1ミリのプラ板で作った位です。キットのミスは、エンジンを2000HPのM-71搭載型としてあるのですが、資料によればエンジンの直径から考えて、M-82A搭載型としか考えられない事です。本場ロシアにしてはイージーミスをしたものですが、出来栄えの問題ではなく名前だけなので大した問題ではないのです。デカールは国籍標識だけで気楽なもので、他で余ったものを適当に使っただけです。カラーはミスターカラーの54番のカーキグリーン一色に変化をつけるために、18番のブラックグリーンを薄くかぶせてコンパウンドでこすっただけで簡単でした。

 マイナーな機体なので解説を少し。ポリカルポフはノモンハン事変で九七戦と対峙して日本人にもよく知られている、I-15やI-16を設計したポリカルポフの作品で、I-16以後新型機を作っても軍に採用されないポリカルポフが決定版として設計し、実戦テストでも好成績を得て大量生産の指示をもらいましたが、事故により不採用が決定したと言う悲劇にみまわれました。ポリカルポフはこの後更に液冷エンジンの全金属性の機体を試作しましたが、これがポリカルポフの最後の設計となりました。

 さて使用した資料はAVIATION INTERNATIONAL発行のMichael E. Abanshin著のFighting Polikalpovです。もちろん銀座の西山洋書で買いました。同書はポリカルポフの最初の設計のR-1から最後のITP M-1までを豊富な図版で紹介した貴重なもので、カラーガイドはありますが、写真はありません。


○SB-2bis(SB-3)・MPM製1/72
 言わずとしれた、第二次大戦の直前のソ連の高速爆撃機。日本ではノモンハン事変で九七戦が撃墜にてこずった事で知られる。bisとは紫電改の「改」に相当する。従ってまたの名をSB-3です。胴体に比べいやに大きな主翼がアンバランスにならずに、全体ではよくまとまっているので、小生の好みです。SB-2はソ連機の通例に従い、型のバリエーションが非常に多いのです。この型は、液冷エンジンの先端が尖ってかっこいい、と言うだけでキットを選びました。



 透明部分が多いのに、キャノピーは真空成型、と言うのが唯一の難点ですが、どのパーツも形がよく、何とか瞬間接着剤でくっつけました。瞬間を使うと内側が白濁するのですが、小生は永年クレポリメイトと言うシリコンの高分子のワックスを塗布して、概ね失敗はありません。完成してから何年も経っていて、透明塩ビが黄色に変色しているのに白濁はないのでもう大丈夫です。ちなみに日本機の実物のキャノピーはアクリル板ですが、昔の部品を今見るとくすんで黄色っぽくなっているので、この黄味も我慢しましょう。

 最大の難関は後部銃座の球状の風防が左右分割で、部品が薄いのでどう接着するか悩みました。ただ分割位置には窓枠があるので誤魔化しは簡単です。これはつらいと思ったので、他の部品の組み立てに入る前に作ってみました。それで安心して製作開始、という訳です。中華民国空軍の塗装にしたのは、珍しくて面白かったからばかりではありません。もうひとつフィンランド空軍の塗装のデカールのハーケンクロイツ(鉄十字)がわざわざ二分割してあって不愉快だったからです。



 ドイツ空軍機のキットの箱絵でも、ハーケンクロイツを変な色で塗りつぶしたものが最近ではほとんどです。プラモ雑誌でもハーケンクロイツをわざと白っぽく見えにくいような作例があり、筆者は好みでやったとコメントしていたのはわざとらしいのです。どうもナチス党のマークであったのが忌避されているようなのですが、考えてみれば不自然です。ナチスのマークが付けてあったのは事実で、そんなに嫌ならナチスマークの機体なんか作らなければいいのです。

 昔のエレールのキットなどは、ナチスの被害をひどく受けたフランスのメーカーなのに、堂々とハーケンクロイツを描いていましたから。ハーケンクロイツを避けるようになったのは、ここ20年以内の現象のようです。感情的にナチスを嫌うのなら被害者が多く生きていた昔の方が強く、年とともに悪感情は薄れるのが人情です。従ってハーケンクロイツの忌避には何らかの人為的な運動によるものと考えるのが自然です。おっと脱線。


○九八式軽爆撃機・AV USK製1/72

 日本機フアンならよく知られた軽爆だが、キットのメーカーはアメリカのマイナーな会社。




 BMVのごついエンジンが好きな機種なので、キットが発売されて慌てて買って作ったのだが、完成する前にAモデルが同じものを発売されて、このキットはキャノピーが真空成型なのに、Aモデルはインジェクションなので少し後悔した。しかしこのキットのキャノピーは写真などと比較しても形が正確で、真空成型の特性で透明度が良いので安心した。

 外国製の日本機のキットはキャノピーの形状に難があるものが多いので、このキットの出来には満足した。塗装はこの機種の典型的な三色迷彩。キャノピーの接着とパテによる接合部の処理も比較的うまくいったと思う。



 キャノピーついでに模型雑誌への苦情を一言。前述のように外国メーカー製の日本機はキャノピー形状がおかしいのが多い。しかも致命的なのが多い。例えばMPMの九七式重爆はキャノピーの高さが不足する上に、傾斜がきつくひどい。しかし模型雑誌にはこの点をはっきり指摘した製作記事がない。ある模型店主とこのキットの話をしたら曰く、このキットの計画の発売情報が出た時日本の関係者が、レベルのキャノピーは欠点があるから真似するな、と連絡したが時既に遅し、だったそうだ。

 他にも最近出たAzモデルの48の九九式双発軽爆のキャノピーもひどい。実機写真を見慣れた目には到底作る気にはならない。国産でもハセガワの48の五式戦のバブルキャノピー型のキャノピーの可動部と後部固定部の形状はおかしい。可動部のは削ったりで何とか誤魔化せるが、後部はどうにもならない。製作記事ではキャノピーを開放状態にして誤魔化しているのではと疑いたくなるものすらあった。

 筋彫りの位置がおかしいとか、細かいうんちくは書いても、デッサンの狂いに属する、根本的な欠点については明瞭に指摘する雑誌はない。昭和五〇年前後までの模型雑誌は、けっこう各キットの全体形状を図面と比較するなどの記事があった。そんな次第で模型雑誌は、キットの完成写真を立ち読みでながめて出来を判断して、結局買わない事が多い。サンプルキットをメーカーから貰って製作記事を書いているので、キット批判を遠慮するのだと、勘繰りたくなるが模型界にとって良い事だとは思われない。


○Lockeed ORION・スペシャルホビー製1/72

 

 ロッキード社製の旅客機オライオンです。塗装は1938年のスペイン空軍と説明書にあったものを選択した。キットは簡易インジェクションと言われるものでも比較的作りやすいものだと思う。

 エンジンその他の一部パーツがレジンなのと、キャノピーが真空成型なのだけが少し難しいだけで組み立てに大きな難はない。エンジンの9個あるシリンダーが別部品で1個1個クランクケースに星形になるように取り付けなければならないのも根気が少しあればいい。















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