■【016】 今さら聞けない野球のルール Vol.5 ボーク              2004.03.23 Cap



 今回のテーマは、『ボーク』。

 ボークとは、走者がいる時、投手の行なった投球上の反則行為のこと言う。
 したがって走者がいるときのみ成立し、投手がボークを犯した場合、全走者に各1個の進塁が許される。

 以下の場合がボークとなる。

(1)プレートに触れ投球動作を起こしながら途中で投球を止めた場合
 ・二塁走者への牽制以外は自由足(右投手は左足。左投手は右足)と
   軸足(右投手は右足。左投手は左足)を交差させたら、打者へ投球しなければならない。
 ・セットポジションで肩が動いただけでボークを取られることがよくあるが、これは、
   肩が動いた段階で投球動作に入ったと見なされ、途中で投球動作を止めたことになるからである。
   また、2段モーションによるボークも途中で止めたと判断されるためである。

(2)プレートに触れている投手が一塁に偽投した場合。
 ・投手が投手板に触れているとき、走者のいる二塁と三塁へは、その塁の方向に直接ステップすれば
   偽投してもよいが、一塁と打者への偽投は許されない。
 ・走者が一三塁の時、三塁への偽投からふりむきざまに一塁へ送球することは、
  一塁走者が二塁へ走った場合に限り許される。偽投の勢いで軸足が外れた場合も許される。
 ・左投手は、一塁へ牽制するときはプレートから足を外さずに投げるが、一三塁のときに同じように
  プレートに触れたまま一塁に偽投、振り向いて三塁へも儀投という行為をするとボークとなる。

(3)プレートに触れている投手が、牽制球を投げるときに、足を直接、その塁の方へ踏み出さなかった場合。
 ・つま先だけとか45度以内でも不自然ならボークをとられる。
 ・軸足をプレートから外せば打者以外の走者に対してどの塁へも送球することができる。

(4)プレートに触れている投手が不必要に走者のいない塁へ送球または偽投した場合
 ・二塁走者が三塁へ盗塁しようとしたのでプレートに触れたまま二塁に向かって踏み出し
  送球動作を起こしたが、間に合わないと見て三塁の方へ踏み出して三塁へボールを送った場合は
  ボークではないがこれが一塁走者の場合はプレートを外してから二塁へ送球しないとボークになる。

(5)投手が反則投球をした場合。
 ・投手板に触れないで打者に投球した場合。
 ・打者が十分に構えていない時に投球した場合(クイックリターンピッチ)。
 ・規定された投球動作に違反した投球
 ・シャインボール、スピットボール、マッドボール、エメリーボールを投球した場合。
  ◇シャインボール…ボールを摩擦してツルツルにする。
  ◇スピッドボール…ボールにツバをつける・
  ◇マッドボール…ボールに土や泥をなすりつける。
  ◇エメリーボール…ボールをサンドペーパーでザラザラにする。
 ※走者がいない場合に、上記反則投球があった場合には、ボールが宣告される。

(6)投手が打者に正対しないで投球した場合。

(7)プレートに触れずに投球に関連する動作をした場合。

(8)不必要な遅延行為を行った場合。

(9)投手がボールを持たないでプレートに触れるか、またぐか、あるいはプレートから離れて投球するまねをした場合
 ・隠し球などをするときには注意。

(10)投手がセットポジションをとったのち、実際に投球するか塁に送球する場合を除いてボールから一方の手を離した場合
 ・セットポジションからプレートを外す時は、まず軸足を外し、次いで両手を両側に下ろさなければならない。

(11)プレートに触れている投手がボールを落とした場合(故意か偶然かによらない)。

(12)故意の四球(いわゆる敬遠の四球)の時、キャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合。

(13)セットポジションから投球する際に、完全に静止しなかった場合。

<Vol.5 完 >