■【013】 今さら聞けない野球のルール Vol.3 故意落球 2004.02.24 Cap
今回のテーマは、『故意落球』。
容易に捕球できるはずの飛球を故意に落球して併殺を取るのを防ぐためのルールである。
故意落球と認められれば打者はアウトになる。
インフィールドフライと似ているが、適用されるケースがかなり違っており、
また、事前に宣告されるインフィールドフライと違い、落球という事実があった後に審判が判断するものである。
(1)故意落球が適用される場合
・無死または一死で、走者が一塁、一・二塁、一・三塁、満塁の時。
(一塁に走者がいる場合はすべて)
・内野手がフェアのフライまたはライナーを故意に落球した時。
(バントの場合も適用される)
・この場合の「故意に落球」とは、ボールが地面に落ちる前にボールに触れてから落球する
プレイをいうのであって、言葉本来の持つ意味である「わざと」かどうかは関係ない。
・故意であっても(もちろん故意でなくても)打球に触れないで地面に落とした場合(ショート
バウンドを含む)は適用外になります。
⇒プロ野球でよく見かけるプレーで、小飛球になった送りバントをショートバウンドで
捕って併殺にするというのがありますが、これはバントなのでインフィールドフライは
適用されないし、打球に触れずに地面に落としているので故意落球も適用されない。
ちょっと姑息なプレーだが、ルール上は正当なプレーである。
(2)故意落球の場合はボールデッド(この点がインフィールドフライと大きく違う点)
・ランナーは進塁できない。
※故意落球が適用されるのは「原則として内野手」に限定される。
もし、外野手にも故意落球が適用されるというルールであったならば、
走者三塁からの犠牲フライによる得点を、外野手の故意落球によって阻止することが可能になってしまう。
なので、ルールではこれを防ぐために「内野手」という限定をかけている。
ただし、このルールの目的は、容易に捕球できる飛球を落球することで走者を元の塁に釘付けにしておき、
併殺をとるという姑息なプレイを防ぐ事にあるので、登録上の内野手か外野手かということよりも、
その野手が実際に捕球しようとした時の位置や状態が問題になる。
あくまでも「原則として」というのは、上記を考慮してである。
<Vol.3 完 >