最新の眼科治療

 eye doctor


最近マスコミでも取り上げられて話題になっている、近視のレーザー治療についてのQ&Aです。
数年前からエキシマレーザーが近視の矯正に用いられるようになってきました。エキシマレーザーを使って角膜のにごりを取る手術・レーザー角膜掻爬術(PTK)はすでに使用されています。PTKは1995年3月に米連邦食品薬品局(FAD)によって認可され、症例によっては角膜移植に代わるものとなっています。米国ではFADによって認可された治療試験ですでに数千人の患者がエキシマレーザー手術を受けています。現在米国においてはエキシマレーザーの使用は研究用に限られています。

Q 近視のレーザー治療とはどのようなものですか?
A レーザー屈折矯正術とはレーザーを用いて角膜の形状を変え、近視あるいは乱視の目の焦点の合い方を改善する手術法です。これにはエキシマレーザーと呼ばれる紫外線の高エネルギーのパルスを極く短時間発生させる装置が使われます。医師はこれを使って角膜表面を削り取ります。

Q どのようにして近視を治すのですか?
A 目の前方は角膜と呼ばれる透明な組織で覆われています。角膜の形によって、外から入ってきた光が網膜にどのように焦点を合うかが決まります。医師は角膜の形を変えてピントがはっきりと合うようにするために、エキシマレーザーを使って角膜表面から極くわずかの組織を削り取ります。この手術によって近視の人が遠くを見る際の眼鏡やコンタクトレンズの必要性を減らすことが出来ます。

Q レーザー手術ではどのような処置が行われますか?
A 最初に医師は眼鏡やコンタクトレンズを処方するときと同様にして、どのくらいの矯正が必要かを決めて、その値をレーザー装置の内蔵コンピューターに入力します。次にレーザー装置を用いて角膜の表面をおおっている薄い細胞層(上皮細胞)を削り取ります。
レーザー手術そのものは約30秒くらいです。医師はその間レーザーを操作しながら、モニターで患者の目が正しい方向を向いていることを確認します。患者の準備から術後の眼帯装着まで含めて、通常手術全体で20分以内で終わります。一回目の手術で片方の目を行い、もう一方の目は手術した方が回復した後に手術します。
術後傷の治りを促進し痛みを和らげるために点眼薬が処方されます。一般に上皮が再生するまでの間(通常術後48〜72時間)かすみ目や不快感があります。視力はしばらくの間変動しますが、術後2〜6か月の間に次第に安定してきます。これらの術後のケアーは眼科の外来で行われます。

Q どのような人がレーザー手術に適していますか?
A 一般的に軽度から中等度の近視の人に適しています。さらに患者の年令は近視の進行が止まる、20才以上にすべきです。妊娠中の女性や重度の全身疾患を持つ方には適していません。

Q 費用はどのくらいかかりますか?
A 多くの専門家は一眼につき当初15〜20万円くらいの費用を予想していますが、普及にともない、安くなるものと思われます。

Q どのくらいの成功率ですか?
A この手術を受けた軽度から中等度の近視の人の94%は眼鏡無しで運転免許試験に合格しています。追加手術を受けた人ではさらに良好の成功率を得られています。

Q 合併症はありますか?
A どんな手術でも合併症があるように、当然あります。 まず過矯正・低矯正による追加手術の必要があります。これは軽度から中程度の近視の患者ではあまりありません。また70%以上の患者で術後数週間の間、光をまぶしく感じたり、夜灯かりの周りに光の輪が見えたりすることが報告されています。まれに、かすみが取れるまでに3年以上かかることがあります。
長期間の有効性・安全性についてはFADの治療試験が終わって結論が出るまでは不明です。
また20才ぐらいの時に正視(近視も遠視もなく遠くがよく見える状態)にすると、老眼の始まる年令に達したときに遠視化することが予想されます。老眼が進行しても、近視の目では老眼鏡無しで近くが見えるのに対し、遠視の目では近くを見るときも遠くを見るときも眼鏡が必要になるので非常に不便になるのです。

Q レーザー以外の治療法にはどのようなものがありますか?
A 眼鏡あるいはコンタクトレンズが近視を矯正する最も普通の方法です。手術法としては放射状角膜切開術(radial keratotomy)と自動化角膜層状切除術(automated lamellar keratectomy)があります。
放射状角膜切開術では角膜に一連の放射状の切開(傘の骨状の)を入れます。
自動化角膜層状切除術では角膜の頂点を含む弁を作り、その表面を薄くはがし取った後に弁を元に戻します。どちらの方法も近視を矯正する目的で角膜を平らにします。
現在エキシマレーザーと自動化角膜層状切除術を併用した第三の方法が研究されています。

Q エキシマレーザーにはどんな利点がありますか?

A エキシマレーザーによって発生したレーザー光のほとんどは、角膜から切除された組織によって吸収されます。他のレーザーと異なりエキシマレーザーでは大量の熱を生じないため、周囲の組織に対し熱障害を与える可能性が少ないのです。この特徴のためエキシマレーザーは角膜手術に適しているわけです。またエキシマレーザーは大変に精密にコントロールでき、1個のパルスで0.25ミクロンの組織を切除できます。人間の髪の毛の厚さは50〜100ミクロン程度ですから、これは大変微細なものです。

最後に

すべての近視の方がレーザー治療の対象になるわけではありません。レーザー治療は近視を矯正する方法の中のひとつの選択肢として考えるべきものです。他の近視矯正法である眼鏡やコンタクトレンズ、放射状角膜切開法と比較してその長所・短所を考えてどの矯正法を選ぶか決めることが重要です。近視の方がどの矯正法を選ぶかを決める際には眼科医とよく話し合ってください。

 望月眼科ホームページへ戻る