小児眼科


子供の眼と大人の眼の最も大きな違いは子供の眼は発達の途中であるということです。物を見る能力は一般に6才ぐらいで完成すると考えられています。したがって子供の眼の働きにとって、この6才までが非常に大切で、この期間の管理が子供の眼の一生を決めるものといってよいでしょう。
ここでは子供の眼の発達に影響のある斜視と弱視に関するQ&Aを集めてみました。

Q 斜視とはどのようなものですか?
A 斜視とは、両眼の視線が正しくみる目標にむかわないものをいいます。外見上は、目の位置が、ずれるもので、内側(鼻側)へずれるのを内斜視(より目)といい、外側(耳側)へずれるのを外斜視(はずれ目)といいます。水平方向だだけでなく、上下ずれるものもあります(上下斜視)。斜視は、その半数は、1才以内におこります。1才以内におこるものを乳児斜視とよび、6ケ月以内におこるのを先天斜視とよんでいます。斜視のなかには、常に、斜視になっているのを恒常性斜視とよびあるときは、正位であり、あるときには斜視になるものは、間歇性斜視とよびます。また、斜視になる目が右目だけというように一方の目だけにきまっているのを片眼性斜視といい、右、左交代に斜視になるのを交代性斜視とよびます。

Q 斜視の原因にはどのようなものがありますか?
A 斜視の約l0%位のものは、眼球側に斜視をおこす原因があります。例えば、目を動かす筋肉に異常があるとか、眼球をいれている骨やその周囲組織にに異常があるとか、一方の目に白内障や網膜、視神経の病気かあり、その目の視力が悪いときなどがそうです。残リの大部分は、中枢性といって眼球を動かす神経の中枢に異常があっておこるものです。
調節性内斜視のように、遠視があるためにおこる原因のはっきりした斜視もありますが、大部分のものは、中枢性と考えられていますが、その原因ははっきりしたものではなく、遺伝性のものもあれぱ、身体的、心理的なものでおこることもあります。

Q 斜視の治療はどのようにしますか?
A 斜視のこどもは、外見上の変化で他のこどもにからかわれるので心理的な発達にも悪い影響をうけます。それのみでなく、もっと危険なことは、視力とか、両眼を使って、立体感や深さの感覚をもつ両眼視機能とよぱれるものの発達が、行われなくなり、正常とは異なったみ方をする目になることです。これは、抑制、異常対応、弱視といわれるものです。斜視の人が両目を使ってものをみますと、複視(2つにみえる)となるために、斜視眼からの像を中枢で打ち消す働きがおこります。これを抑制とよびます。
また、複視を消す他の手段としては健眼と斜視眼が新しいパートナーをくみかえます。これを異常対応とよびます。抑制は長く続くと弱視になり、異常対応が根強いものになると手術をして正常の眼位にすると、複視が現われるという結果になります。斜視のこどもには、このような感覚性の異常がでているわけです。 日常の生活でも、階段の昇り降りをこわがりますし、ころび易いなどの点がみうけられます。これは両眼視機能が異常なためと考えられます。このような異常は、斜視のはじまりが早いもの程、また、ほっておく期間が長いもの程根強いものとなり、治りがおそくなります。
斜視の型にもより、治療には外斜視より内斜視の方が緊急度が強く、間歇性斜視より恒常性斜視の方が早く治療する必要があります。
治療の方法は、斜視の種類、性質、年令、全身状態によって夫々異なりますが、大きくわけて手術で治す方法と、手術以外の方法で治す場合があります。
手術は、乳幼児では全身麻酔で行いますので入院を必要とします。手術は筋肉の力を弱める方法と、強める方法があり、例えば内斜視では、内直筋(目を内側に向ける筋肉)の筋力を弱める手術か、外直筋(目を外側にむける筋肉)の筋力を強める手術をします。手術は、1回で50〜70%は治りますが、2回、ときには3回以上の手術を必要とします。これによってほとんどのものは治すことが出来ます。
手術以外の方法として、遮閉法(眼帯または、散瞳剤の点眼をよい方の目に行う方法)はよく用いられる方法です。これは弱視の予防および治療の目的と、対応異常の予防および治療の目的に使うもので、簡単な方法ですが大切な治療法です。医師にこれを指示されたらこどもに確実に行わせることが大切です。
つぎに調節性内斜視のように遠視があって、ピントを合わせる必要が大きいために、目がよりすぎて斜視になったものには、めがねをかけるか、縮瞳剤(フォスフォリンアイオダイドなど)の点眼を医師の指示下に行います。これによって多くは手術をしなくとも治ります。
年長児や成人では、視能訓練が行われます。これは抑制を除き対応異常、弱視などの治療が目的で、これには専門の視能訓練士が、色々の訓練器械を使って治療にあたります。また、家庭での訓練法もあり、これらによって異常な状態の矯正をはかります。

Q 弱視とはどのようなものですか?
A 弱視とは、字のごとく視力が弱いもので、どんなにめがねやコンタクトレンズで矯正しても、視力が正常に達しないものをいいます。近視でめがねをかけないときが0.2で、めがねをかければ1.0になるようなものは弱視とはいいません。

Q 弱視にはどのような種類がありますか?
A 弱視は、大きくわけると、目の病気(例えば、先天性白内障、視神経萎縮、網膜色素変性症など)があって、医学的治療によっても、もはや改善の望みがなく、社会的、教育的な立場からの指導を必要とするもの(これを社会的・教育的弱視という)と、目にこれといった病気はないが、機能的に発育の抑えられている弱視(これを医学的弱視という)にわけられます。教育的弱視は矯正視力が0.3未満なもので、弱視教育の対象となります。 医学的弱視では、斜視弱視、不同視生弱視、屈折性(非正視)弱視が主なものです。

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