ザッハホテルのザッハトルテ
旅行書に記載されていた通り、椅子に掛けた上着とディバックはウエイトレスに持って行かれ、番号札を渡された。
もちろん、ザッハトルテとウィーンナーコーヒーを注文する。しばらくすると、横に倒されたザッハトルテに生クリームが添えられて出てくる。
後ろの席の日本人の男性が、母親らしき女性に言っている。
「ザッハトルテは生クリームをつけて食べるといいよ。そうすると、甘味が中和されるんだ。」
「ほんとね。甘味が中和されて、おいしいわ。」
全然そんなことはなかった。期待していたザッハホテルのザッハトルテだったが、甘ったるくて、僕の口には合わなかった。全部食べるのにたいそう骨が折れた。気分が悪くなりそうだった。
ザッハホテルでザッハトルテを食べるのが、今回の旅行の1つのテーマだった。目的は達せられたが、残念ながら、それは満足できるものではなかった。けれども、その場所で、それを実際に体験したからこそ言えるのだ。
チェックした後、上着とディバックとにそれぞれ10シリングものお金を支払わなくてはならなかった。
2001.02.23
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