絵日記ログ・ルレン紹介4
 前回は、ルレンちゃんが入隊〜ハヤト来る以前だったので、今日はハヤト来てからの様子。

 ハヤトが魔王城に来ました。
 この辺、あんまりちゃんと考えてない<そんなのばっかりだな!

 えーと、ハヤトは、魔界じゃなくて、天界で生まれ育った天使です。
 天使は生まれてからしばらくの間は、天界で天帝の部下として過ごさなくてはなりませんが、決まった年数以上勤めたら、その後は自分の好きにしてよいことになっています。なので人間界へ行ったりする天使もいます。でもまあ、基本的には、天使は天帝と天界が好きなのでとどまる人の方が多いです。
 ハヤトは、天帝も天使も天界も好きだったけれど、何となくここでは本当の自分になれないと感じていました。みんな優しくて思いやりがあるけれど、ぬるま湯みたいでイヤだと感じていたのです。外の世界を見てみたいと思ったハヤトは、天界を出て魔界へ行くことを決意します。
 魔界へ一人で行って旅してみたいというハヤトを心配して、天帝はハヤトに魔王への紹介状を持たせます。もし、職が欲しかったら魔王にコレを渡せば部下にしてもらえるはずだから、と。
 そんでハヤトは魔界へやってきて、しばらく魔界を旅して回るのですが、その内魔王都にたどり着きます。で、クレアとユラに拉致されて魔王城に連れてこられます。(何)

 天帝から「天使が一人魔界に行くから」って聞いた魔王は「やったー! 私の好きにしていいのね♪」とはしゃいでました。なのでハヤトが魔王都に来たと聞いて、部下を放っていたのです。
 あんまりちゃんと考えてないけど、ハヤトは無理矢理魔王近衛隊に入れられます。でもハヤトはそれに抵抗しないしかなり前向きに溶け込もうとするんだよね。不思議だ。
 アイミさまは、ハヤトをロックオンして熱烈アタックするんですが、ハヤトはあんまりアイミさまが積極的なので引き気味です。ユラりんはハヤトが気に入りません。全くもって全然気に入りません。なのでハヤトに対してツンツンツンツンツンツンツンツンします。ハヤトはなんでこんなにユラにツンツンされるのかわかんなくて、あわあわします。
 あのね、だてでんって、アイミとユラのダブルヒロインものなんだよ、一応ね。ユラ→アイミ→ハヤトっていう三角関係。ハヤトがユラを好きならきれいに回るんだけどなあ。ハヤトはユラのこと気になるけど、特別好きというわけではないと思う……。
 ルレンちゃんはハヤトが天使で、今まで見たこともない魔道を使うので興味津々です。ハヤトもルレンちゃんがいちいち「すごい! もう一回やって見せてくれ!」とか騒いでくれるので悪い気はしません。
 クレアは我関せずで、リーフとイリジャは素直に新しい仲間が増えたことを喜びます。

 あとファーストが魔王都に来るとか、クロム君のこととか、色々イベントあるんだけど、ルレンとは関係ないからいいや。

 さて、お待ちかねの人もいるかも知れませんが、ケイタの登場ですよ。
 ケイタはハヤトと同じ天使で、天界で生まれ育ちました。ハヤトとは同い年で兄弟のように育った幼なじみです。
 ケイタは天界で天使として働いていましたが、創造主の引き抜きにあいます。創造主は運命システムという魔道回路を、空間の狭間に設置して、動かしていました。
 運命システムは、だてでん世界に起こったことの全てを記録する魔道回路です。記録はデータベースになって、保存されます。なので、運命システムには全ての過去が記録されており、その過去から演算して未来を予測することも出来ます。まあそんなような便利システムがあるんですよ。
 で、その運命システムに魔力を供給する管理者が必要なんですね。運命システムの管理者になると、記録にアクセスできるようになります。そんで運命システムを作ったとき、創造主は記録へのアクセス権を条件に、エイジという魔道士に管理者になるように頼みます。
 エイジは、魔界の古い5種族の1つである、忘却の民(イエローヒース)のたった一人の生き残りでした。忘却の民は、魔界の西の端にある忘却の三日月島に住んでいましたが、その能力から、お互いに殺し合い、エイジだけになってしまったのです。エイジは成長して強大な魔術士となり、精神を統べる者(マインドマスター)と呼ばれ恐れられるようになります。
 エイジは創造主にスカウトされ、運命システムの管理者を引き受けますが、運命システムのあるところで延々と魔力を吸い取られ続けるこの仕事は、エイジにとっては退屈きわまりないものでした。エイジは他人の過去を覗いて楽しみを得ることもありましたが、その内この仕事を嫌がるようになったのです。
 なので、創造主はエイジの他にもっと従順な管理者を欲しました。そこで天使の中から優秀なのを引き抜くことにしたのです。
 創造主はこの話を、部下であり天帝と魔王への伝令の役目をしている夜月に、天帝へ伝えるように言います。夜月が天帝に「運命システムの管理者となるような天使が欲しい」と伝えている場面を、ケイタはたまたま通りかかって耳にしてしまうのです。
 ケイタは運命システムの管理者が退屈な仕事なのをよく知っていました。ただただ一日中拘束されて魔力を吸い取られるだけの非常に酷な仕事です。ケイタは天使の仲間たちのことをとても好いていました。天使の誰かが、そんな酷な仕事につかなくてはならないのを、ケイタは辛いと感じました。自分がその役目を引き受けることで、他の仲間を守れるのではないかと考えました。
 ケイタには、姉と慕う天使がいました。1才年上のミノリです。ミノリは、数年前に既に時空間制御システムの管理者として引き抜きにあっていました。ミノリは他の天使たちよりも、この仕事に向いている(魔力容量が多い)という理由で声をかけられ、OKしました。そのときケイタはミノリと離れるのが悲しく、どうしてミノリがそんな仕事をしなくてはならないのか、と問いました。ミノリは「人にはそれぞれ役割がある。それは自分で決めるものだ。私は今自分の役割を決めた」と答えます。ケイタはミノリの決心を知って、寂しいけれど見送ることにしたのです。
 ケイタは、自分も自分の役割を決めようと思いました。なので、夜月と天帝が話していた所へ名乗り出て、是非自分を運命システムの管理者にして欲しいと言うのです。
 こんな感じで、ケイタは運命システムの管理者になります。ケイタ15才の時です。

 ケイタは運命システムの管理者となり、運命システムに蓄積された過去を見たり、天界の仲間たちの様子を観察しながら毎日を過ごしていました。運命システムでは現在を見ることは出来ませんが、一瞬前の過去は記録として見ることが出来ます。ほぼ現在と呼べるものを見られます。
 で、ケイタとハヤトが18才、ルレンが14才の時に、ハヤトが魔界に行きます。ケイタは幼なじみのハヤトが魔界へ行くのを、ずっと観察していました。
 幼い頃、ハヤトは泣き虫で、いつもケイタがなぐさめていたのです。泣き虫だったハヤトが、たったひとりで魔界へ行くと知ってケイタはとても心配しました。ケイタは運命システムに張り付いていなくてはならず、ハヤトに何もしてあげることは出来ませんが、ハヤトの行く末を見守ろうと思ったのです。

 ケイタはそうやってハヤトをじっくり見ている内に、ある少女の存在に気付きます。ルレンです。
 ルレンの過去もくまなく見、ルレンの今を見るにつけて、ケイタはルレンに特別な感情を抱くようになります。早い話がケイタはルレンに恋をしてしまうのです。ケイタには仕事があるので、ルレンのそばに近づくことは出来ません。ケイタはただ見守るだけで十分だと思ってルレンを見続けていました。
 運命システムは、過去の記録から演算して、未来を予測することができます。しかし、ケイタのアクセス権では、ケイタ自身と関係の深い相手の未来は見ることが出来ないという制限がかかっているのです。
 ケイタはハヤトの未来を見ることは出来ません。ケイタにとってハヤトは大切な友達であり、兄弟のような関係なので、ケイタはハヤトの未来を見ることが出来ないのです。しかしケイタはどうもハヤトの未来だけでなく、ルレンの未来も見えないと言うことに気付きます。ハヤトが関わっている以上、ルレンの未来も見えないのは当然なのですが、ハヤトと関係ないように思われる部分の未来も見えないのです。
 ケイタは、はて、と考えます。「こ、コレって、僕とルレンさんがいつか深い仲になるってことなんじゃあ……?(どきどき)」と思います。ケイタはますますルレンをヲチャしまくります。

 ケイタはある日、思い切って、ルレンに接触することにしました。
 ケイタは元々通信の魔道が大得意でした。離れた場所に自分の声を届ける魔道です。相手も通信の魔道が使えれば、話し合うことも出来ます。
 でも運命システムの管理者であるケイタにとって、相手も通信の魔道が使える必要は必ずしもありません。ケイタは「直前の過去」を見ることが出来るので、相手がただ普通にしゃべったり、紙に書いたりした言葉を運命システムを通して知ることが出来るのです。
 ケイタはルレンに通信の魔道で話しかけました。ルレンは突然、天から声が聞こえてくるのでとてもびっくりしました。ケイタははっきり言って、ものすごくあやしいのですが、ルレンは有益な情報も聞き出せるのではと思って、ケイタとの会話を続けます。
 その内ルレンは、ケイタになにか思惑があるわけではなく、ただたんにルレンと仲良くなりたいのだということを理解します。ケイタが思いやりのある親切な人間だと言うことが分かります。
 ルレンは運命システムにもとても興味を持ちました。ケイタから色んな話を聞いて、ルレンはとても興奮しました。戦略的にもケイタの天の声は有用でした。敵がどこに隠れているかとか、ケイタには分かるわけです。
 ケイタは運命システムの管理者として、運命システムの記録から得た情報を、他者に伝えてはいけないということになっていましたので、ルレンにあんまりたくさん話すことは出来ませんでしたが、ルレンの命がかかっている場面では、ルレンの要請に応えて情報提供をしました。
 そんなわけで、ルレンちゃんは魔道戦士としては、素質に欠ける部分がありましたが、それを努力と工夫とケイタの天の声で補って、頑張ってました。まあファーストと1対1とかは無理だけど、それなりに強かったと思いますよ。ガチンコ勝負はアレでも、サポート面では最強だし。

 ケイタはルレンを好きです。でも、ルレンはケイタに対して興味はあるし役に立つので重宝しているけれど、特別好きというわけではありませんでした。ルレンちゃんはアヤメ君のことがやっぱり気になっていたのです。
 ケイタはルレンの気持ちを理解していました。ケイタのアクセス権では、過去の記録の中でも、人の思考や感情といった情報へはアクセスすることは出来ませんでしたが、ルレンの行動だけ見ていても、ルレンがアヤメを好いていることはよく分かりました。
 ケイタはルレンを好きだったけれど、運命システムの管理者として縛られている身の上なので、これ以上どうこうしようというつもりはありませんでした。ただルレンとお話しできて、ルレンの役に立てるならそれでよかったのです。

 さてさて、このあとこの2人の関係は変化します。

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