絵日記ログ・ルレン紹介3
 さて、魔王城はみなさんもご存じの通り、エリさんの一派とどんぱちやってるような武闘派集団(?)です。魔道の実践の場としては、もってこいです。
 というわけでルレンちゃんは魔王近衛隊に入ることを決めました。お父さんはルレンちゃんを危険な目に遭わせたくはなかったけれど、ルレンの決心と魔道への熱意のなみなみならないのを見て、ルレンの入隊を承諾します。くれぐれも命を大切にして欲しい、ルレンは大切な一人娘だから、と言います。ルレンちゃんは、もちろんだと答えました。ルレンちゃんは2人のお母さんにも、入隊することを報告しました。実母はやはりルレンが危険な目に遭うのはイヤだと言いましたが、ルレンの熱意を見て応援することにしました。義母は「そう」とだけ言いました。アヤメ君もルレンが入隊すると聞いて心配しましたが、一度決めたら突っ走るルレンの性格をよく知っていたので、ただ頑張れとだけ言いました。

 ルレンちゃんの続き。
 魔王城に来てからのルレンちゃんの様子から書きます。

 ルレンちゃんは、魔王城に行って、魔王アイミに近衛隊入隊を志願します。誰かに紹介してもらったりとかは全くなく、ぽんと魔王城に行って、えいやっと志願します。
 ルレンちゃんは自分の目的(魔道の鍛錬のために実践を積みたい)と、情熱を、ストレートにアイミさまに述べました。
 アイミさまはそれを聞いて、うーん、と思います。
 ルレンちゃんは、いかに優秀な魔道士だとしても、まだたったの13才です。魔王近衛隊に入って、魔王の部下として活動することには、身の危険が伴います。単に魔道の鍛錬がしたいというだけで、飛び込めるほど簡単なところではありません。それに魔王城には一般人は知らない秘密もありますし、信用できる人物でないと困ります。
 アイミさまはたっぷり30秒ほど考えて、「うん、いいよ!」といいました。横でクレアとユラがあきれてため息をつきました。ルレンちゃんは、魔王都育ちなので魔王アイミを好きでしたが、ますます好きになりました。
 こんな感じでルレンちゃんはアイミさまに入隊を認められ、お父さんと2人のお母さんとアヤメに「入隊するよ!」と告げて、数日の内に魔王城へ引っ越して来ました。

 ルレンちゃんが魔王城に来た頃の魔王城のメンツを紹介します。
 まずは我らがヒロイン魔王アイミさま。魔界の平和を願う心優しい魔王です。やったらテンション高くて、いつもお祭り騒ぎみたいな人ですが、ホントは誰よりもみんなのことを思っている人です。
 魔王都には議会があり、行政機関もあるので、アイミさまは魔王都を政治的に支配しているわけではないです。単に魔王城にいて君臨してるだけ。ただ、魔王都に住む人々は、みんなアイミさまが大好きです。ちなみに魔王都には軍隊も自衛隊もないです。ただひとつ、アイミさまの直属の部下として近衛隊があるだけです。
 次に魔王の右腕・幻術士クレア。クレアは魔界でも5本の指に入る魔道士で(5本の指の内訳:アイミさま、エイジ、エリさん、ファースト、クレア)、アイミさまを心から慕っており、アイミさまのためなら命を賭けて戦う覚悟をしています。以前は創造主の部下として動いていた時期もあり、その頃、幼くして家族を失ったエリと出会っており、クレアの失言でエリに道を誤らせてしまったということがありました。なのでクレアは、エリの野望について、自分に大きな責任があると感じています。
 そして、魔王近衛隊隊長のユラ。ユラは魔界の東の端にある太陽の島という所に集住している太陽の民(ブラックサレナ)という種族です。ブラックサレナは、島の外との接触を避け、ひっそりと暮らしています。が、ユラは幼い頃、家族を失い、絶望し、入水自殺しようとしましたが、対岸に打ち上げられ、たまたま通りかかったイティル君に助けられ、魔王城に預けられました。ユラは自殺未遂の後、ショックのあまり言葉を失っていました。アイミはユラの心が癒えるようにと、献身的にユラに接しました。やがてユラは言葉を取り戻し、明るく元気な子になりました。そんなことがあったので、ユラはアイミさまがだいだい大好きです。ただ好きと言うだけでなく「アイミさまの一番になりたい」という気持ちもあります。
 そしてそして、みんな大好きイリジャたん。イリジャたんは、魔王近衛隊のメンバーではありませんが、訳あって魔王城に預けられています。ていうかイリジャたんの説明をもう一度して欲しい人っているんですか。
 最後に、これもまた近衛隊メンバーではありませんが、リーフちん。リーフは、西の小国の王太子妃になるはずの人でしたが、色々事情があって国を捨てて逃げてきました。魔道の才能も、戦闘の才能も全然なく、魔王城に置いてもらうとき、アイミさまに「あなたは何が出来るの?」と問われ「何も出来ません……今は。でも、覚えます」と言って、置いてもらえることになりました。家事をどんどん覚え、魔王城の飯炊き係になりました。お料理が得意で、特にお菓子作りが好きです。リーフは幼いイリジャを妹のように思っていて、かわいがっています。

 とまあこんな感じ。登場人物ごっそり増えてすいません。

 クレアも場合によってはツンデレだけど、私、ユラもツンデレだと思うんだ。アイミさまに対しては素直ヒートだけどw

 こっから先はあんまりちゃんと考えてないんだ、ごめんね。

 ルレンの入隊に関して、クレアは「アイミさまの決めたことなら、仕方ない」とルレンを放置することにしました。クレアは基本的に他人にはあまり積極的に関わっていこうとしない人です。ルレンが優秀な魔道士だとしても、即戦力ではないわけで、クレアはルレンにそれほど期待していませんでした。クレアは基本的に「アイミさまを守れるのは私だけだわ」っていう考え方の人です。クレアにとって大事なのは、自分がアイミさまを守ることであり、近衛隊に誰が加わろうと別に知らないってかんじです。
 ユラは少し事情が違います。実力の上ではユラよりもクレアの方が数倍上なのにも関わらず、ユラが近衛隊長なのは、「アイミさまの役に立ちたい、アイミさまの一番になりたい」というユラの気持ちをなぐさめるために、アイミが隊長の座をユラに与えたからです。それまで近衛隊の隊員は、クレアとユラの2人だけでした。でも新しくルレンが入ったのです。ユラの近衛隊に対する気持ちは、クレアのようなさめたものとは違います。大好きなアイミさまが、自分に、隊長の座をくれた隊なのです。どんな人間が隊に入るかには大いに関心があるのです。

 というわけでユラりんの新人いじめ(笑)が始まります。「私はまだあなたを認めたわけじゃないから」とユラは言います。ルレンは成績優秀で飛び級しまくって、他の生徒たちから嫌みを言われたりとかってことには慣れっこです。こういうのには、まっさらな態度で接した方がよいと経験上学んでいました。
 ユラは何かとルレンに難癖つけるんですが、ルレンはそれを全く気にしません。むしろユラに親切にしたり、魔界の古い5種族のであるブラックサレナについて色々聞いてみたりしました。ユラは回復の魔道が得意なのですが、それについてもルレンは目をきらきらさせてユラに問いかけ、ユラの技を見ては歓声を上げました。
 ユラはルレンが全く動じず、気も悪くしないので、すっかり毒気を抜かれてしまいました。ユラはルレンがまっすぐな気持ちの子で、魔道に対してとても熱心なのを知るようになり、「この子は大物だわ」とルレンを認めるようになります。

 イリジャはルレンが研究熱心なのを「すごいなー」と思って見ています。イリジャは魔界の古い5種族の1つである赤蜘蛛の民(レッドスパイダー)のたった1人の生き残りで、しかも他人の心を読む能力があるので、ルレンはイリジャの種族や能力についてアレコレ聞いてみたくてうずうずするのですが、イリジャがまだ幼くて、自分の生まれや能力についてあまり話したがらない様子なのを知って、なんとか質問攻めを我慢しています。
 リーフもルレンのことを「すごいなー」と思って見ています。リーフは魔道の能力はないのですが、ルレンは以前母親に認められたくて家事に挑戦した時のことを思い出して、そのときの自分が出来たことより数倍上等な仕事をするリーフを、尊敬しているのです。

 アイミは魔王城の図書館にルレンを案内し「ルレンの好きにしていいよ」と言いました。魔王城の図書館には、レアな本がごろごろしています。ルレンは大喜びで、本を読みあさりました。ルレンは魔王城の図書館から、だてでん世界の成り立ちや、時空間制御システム・空間制御システム・運命システムなどの魔道回路のこと、狭間のことなどを知ります。魔王城にただ君臨しているだけに見えたアイミの本当の仕事は、魔界の空間を安定させるための空間制御システムに魔力を供給することなのだと知ります。
 ルレンは図書館から得た知識で、色々考え、アイミに助言をします。空間制御システムへの魔力供給のスマートアップとか。ルレンは魔王城の色んなことの無駄を省き、省力化し、必要な所は強化するような提案をたくさんしました。

 さてまあ、ファーストとかとのどんぱちもあります。そのときもルレンはちゃんと役に立っていました。ルレンは移動の魔道が得意なのです。移動の魔道は現場に直行するにも逃げるにもとっても便利な魔道です。
 移動の魔道には、高いレーダー能力が必要です。レーダー能力というのは、周りにいる他人の魔力を感知する能力です。魔道士は、五感でとらえなくとも、近くにいる魔力が分かるのです。魔力には個性があって、知っている人の魔力は近づけばその人だとわかります。レーダー能力が高い魔道士は、空間も把握することが出来ます。そして、レーダー能力が高ければ高いほど、魔力の感知や空間の把握は広範囲に広がります。
 ルレンちゃんはこのレーダー能力がめっちゃめっちゃ高性能なのです。そして、魔道理論をしっかり学んでおり、丁寧できめ細かい魔道を組み立てることが出来、正確無比な移動の魔道を使えるのです。
 ただ、移動の魔道は、魔力をたくさん消費します。ご存じの通り、ルレンちゃんは魔力容量があまりありません。なので、ルレンちゃんは、魔道石の使用を思いつきました。魔道石というのは、魔力を蓄えておくことの出来る石です。石によって、どれくらいためておけるかの上限が違います。ルレンちゃんはこの魔道石をたくさんたくさん身に付けていて、平素の時に魔力を入れて蓄えておいて、いざというときそこから魔力を取り出して使う、という風にしています。

 なんか魔道うんちくは読んでてもきっとあんまりおもしろくないだろうなあと思うんですが、スイマセン。

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