絵日記ログ・魔鏡紹介2
 さて、フォース嬢はといいますと。フォースはクレアから、ホントに素直な子で、サードの暴走に付き合わされていただけのかわいそうな子なのだ、と思われ、無罪放免されます。すなわち、エリさんよりもルー君よりも、フリーになるのです。フォースはこの先自由に好きに生きて良い、という風に言われます。
 フォースは生まれてから間もないので、世間知らずです。なので、初めて自分のために自分の時間を使っても良いと言われて、とっても嬉しくて、色んなことに興味を持ってアレコレ勉強します。
 時々、エリさんの所に顔を出して、今日はこんなことがあった、明日はこういうところに行ってみたい、なんて話をウキウキします。
 エリさんは活き活きと動いているフォースを見て、よかった、と思うのです。そして相変わらず引きこもっているサードと比べて、ため息をつきます。
 フォースは、魔鏡君にも色々話したいと思うのですが、魔鏡君はフォースと会ってくれません。魔鏡君は、フォースと面と向かうのが恐かったのです。そして引きこもって何もしていない自分に対し、外でアレコレやっているフォースは、なんだかまぶしくて、近づけないとも思ってしまっていたのです。

 エリオ君は、クレアちゃんはあまりいい顔をしないのですが、魔鏡君に度々会いに行っていました。だけど魔鏡君はもうすっかり落ち込んでいるので、エリオ君のことも受け入れられなかったのです。
 プライドの高い魔鏡君は、みんなが自分をかわいそうと思って、代わる代わる訪ねてくるのが耐えられませんでした。でもそうして、人の親切を跳ね返して自分のからにこもることも、辛くて仕方なかったのです。でも、自分ではどうしようもなくって、もうずっと引きこもりっきりでした。
 エリオ君は、魔鏡君がそんな調子で、受け入れてくれないので、しょんぼりして、だんだん魔鏡君への想いに勢いが無くなってしまいます。
 エリさんは、魔鏡君の友達として、エリオ君が訪ねてきてくれることを、ありがたい、と思っていましたが、こんな重症ひきこもりの魔鏡君に、ずっとずっと付き合わせるのは申し訳ないとも感じていました。だから、エリオ君が、魔鏡君への訪問で、なんの反応ももらえずに、気力をそがれていくのを見て、無理にサードの相手をしてくれなくてもいい、と言ってしまうのです。
 やがてエリオ君は、魔鏡君の所へ来なくなってしまいます。

 魔鏡君はその事実に打ちのめされました。エリオ君は自分を見限ったのだと、感じたのです。
 でもエリオ君を遠ざけたのは、魔鏡自身の態度だったわけです。魔鏡もそれはよく分かっていました。もし、遊びに来てくれたエリオ君と、ちゃんと話して、悩みを打ち明けたり、笑いあえたり出来たなら、きっとエリオは離れてなど行かなかっただろうということは、魔鏡君も分かっていました。
 でもどうしても、魔鏡君は、そういう風に出来なかったのです。不信や怯えから、誰かと話したり笑いあったりなんて、絶対に無理と思ってしまったのです。

 魔鏡君は、夜、食卓でぼんやりしているエリさんを見ます。エリさんは魔鏡君のことを思って眠れないのです。
 魔鏡君はそんなエリさんの姿を見て、エリさんもいつかは自分を見限るだろう、と思うのです。今はこうして、母親面してアレコレ心配するようにしているけれど、いつかはエリも自分を見捨てるだろう、と思うのです。
 魔鏡君は、自分はもう、変われない、一生このままひきこもりだと思ってしまい、だから今周りにいる人も、いつかはきっと自分から離れていくだろうと思ってしまうのです。

 さて、フォース嬢はというと、お勉強が一段落して、こんどは働きたい、と思うようになります。自分が自分として一番役に立てる仕事はなんだろう、と思うのです。
 フォース嬢は、今までお勉強する時も、色々手助けしてくれた、魔王城のルレンちゃんに、どうしたらいいかなあと相談します。
 ルレンちゃんは、三度の飯より魔道好きの魔道オタクです。魔道以外にも、世界の成り立ちや、どうしたらこの不安定な世界が安定するか、魔王の仕事をもっと楽にする方法はないか、とか、色んなことを考えている子です。
 ルレンちゃんは、フォースが一番、フォースらしくあれることを望んで、フォースの勉強に付き合って来ました。そして今度は、フォースの能力を生かせる仕事はなんだろうと一緒に考えるのです。

 ところでルレンちゃんには、この時点で既に将来を誓った仲の人がいました。それは運命を守る天使・ケイタ君です。
 ケイタ君は狭間にある運命システムに魔力を供給するのが仕事なので、魔王城に住んでいるルレンちゃんとは遠距離恋愛です。(でもケイタ君はルレンちゃんを運命システムを通してずっと見ています)
 ケイタとルレンがくっつく話も色々あるんですが、まあ、今回は端折りますね。(´・ω・`)ショボーン

 で、ルレンちゃんは、フォース嬢の未来視の能力が、運命システムへのアクセスによるもので、フォース嬢は運命システムへのアクセス権を持っているということから、フォース嬢に運命システムの魔力供給源になってはどうか、と提案します。
 運命システムの魔力供給源になると、運命システムから情報を呼び出せるというオプションがもれなく付いてきます。しかし、運命システムから情報を呼び出すことは、あんまりしてはいけないことということになっています。なので魔力供給源になれば自由に情報を呼び出せてしまうので、出来れば魔力供給源はあんまり人数は増やさない方がいいだろうということでした。魔力供給はちょっと人員不足だったのですが、人が増やせなかったのです。
 しかし元々アクセス権を持っているフォース嬢なら、魔力供給源として働いても問題ないのでは、とルレンは言います。そしてルレンちゃんはフォースが魔力供給をしてくれたら、うちのケイタも休暇をもらえるかも知れない、とも言います。

 フォースは運命システムの魔力供給を、世界のために必要な仕事であり、また自分固有の能力を生かすいい仕事だと感じました。そして自分がその職に就けば、間接的にルレンにも恩返し出来るというわけです。
 フォース嬢は、運命システムの魔力供給源となることを決意します。

 各方面に話が通り、フォースの職は決まりました。
 フォースは就職が決まったことを、エリさんに報告しに行きます。エリさんは、フォースのこれからに幸せがあるようにと祈って、フォースを送り出します。
 フォースは魔鏡君にも報告したかったのですが、魔鏡君はやっぱり会ってくれませんでした。
 そしてフォースは魔王都を旅立っていきます。

 魔鏡君は、フォースも自分を見限ったと、感じました。フォースが報告に来て、帰っていった後、カーテンの隙間から通りを歩いていくフォースの後ろ姿を見て、溜まらなく悲しくなります。行かないで欲しい、自分の側にいて欲しいと、言葉が喉まで出かかって、でもそれはきっと言ったとでも届かないのだと思って、飲み込んでしまうのです。
 魔鏡君は荒れます。エリさんはなんとかなだめようと奮闘しますが、どうにもなりません。エリさんはルー君やファーストに泣きついて、魔鏡君はルー君とファーストから叱られます。叱られても、魔鏡君はどうにもなりません。

 しばらくして、研究熱心なルレンちゃんが、エリさんの所に入り浸るようになります。ルレンちゃんは、エリさんの高度な魔道技術に偉く感動して、足繁く通うのです。
 エリさんはもうすっかりルレンちゃんの元気にあてられてぐったりしてしまいます。でもまあ、悪い気はしないので、ぐったりしながらも付き合います。
 やがてルレンちゃんの興味は、変身能力のある魔鏡君へと向けられます。エリさんは、ルレンちゃんは魔道のこととなると騒々しいし、魔鏡君を見せ物にはしたくないと思ったので、魔鏡君にはあまり会わせたがらなかったのですが、ルレンちゃんのキラキラおめめに根負けしてしまいます。
 ルレンちゃんは、つーんとしている魔鏡君に、自分は君のことを知っている、といいます。ルレンちゃんはケイタ君から、フォースの話を聞いていました。
 フォース嬢は、運命システムの魔力供給源となって、魔力を供給しながら、ずっと魔鏡のことを見守っているのです。魔鏡が魔鏡らしく、生きられるようにと毎日毎日祈っているのです。そのことをケイタがルレンに話していて、それでルレンは魔鏡のことを知っていたのです。
 ルレンは言います。フォースはあまり器用ではないから、上手くできなかったけれど、でも、魔鏡への気持ちはずっとずっと変わらないのだと。例え離れても、行く道が違っても、フォースはずっと魔鏡を親友だと想っている、と言うのです。
 その話を聞いて、魔鏡君は泣き出してしまいます。ルレンちゃんは魔鏡君の背中を撫でて、今この瞬間も、フォースが魔鏡君を見守り魔鏡君の幸せを願っていると、伝えるのです。

 魔鏡君のひきこもりは、すぐには治りません。だけど少しずつ、魔鏡君は前向きになって、ちょっとずつだけど、前に進んでいきます。

 というわけで、すいませんが、こんな感じでいいでしょうか?(オイ)
 魔鏡君がこの後どうなるかは、あんまり考えてないです。エリオ君と復縁するのか、フォース嬢とくっつくのか……決めてません。でもきっと、エリオ君とはとりあえず友達には戻れると思います。それ以上になるかは決めてないです。
 それにしても夜月の影の薄さに再びビックリなんだぜ!

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