絵日記ログ・魔鏡紹介1
 市来嬢はなぜなに☆だてでんに「魔鏡君はその後どうなったんですか?」という質問も下さったので、投げっぱなしだった魔鏡君のフォローを少ししますね。うぇへへ。(何)

 魔鏡君は、フォースが出来上がって、ファーストと3人で魔王都にいて、世界破壊のための工作で、魔王近衛隊とドンパチやってた時期、今の内にフォースを手なずけておこうと思って近づきます。
 フォースは、素直な子なので(素直クールですよ!)、元々自分はサードをサポートするように造られているし、サードが仲良くしたいなら仲良くなろう、と思います。
 そして魔鏡君も、最初は下心で近づきましたが、やがてフォースの素直なところに惹かれるようになります。魔鏡君は、フォースには自分の名を告げます。フォースは魔鏡君を魔鏡と呼ぶようになります。

 魔鏡君は、誰かに化けている時、その化けた相手と親しい人からは、ホントのその人ではない・偽物であるということが分かってしまう、と前に書きました。これは魔鏡君にとっては、皮肉なことです。何故なら、魔鏡君は、いつだって、自分を見分けてもらえたとしてもそれは「偽物」として、見分けられる、ということなのです。
 魔鏡君は、自分が自分であることを、見分けて欲しいと願っていました。だけれど、見分けてもらえたとしても、それは偽物であるという見分けられ方なのです。
 魔鏡君には確かにコピー能力があり、誰かの「偽物」になれるけれど、でも魔鏡君は魔鏡君としては常に「本物」なのです。魔鏡君は魔鏡君という人なのに、偽物、と言われる。
 そんな魔鏡君にも、魔鏡君を魔鏡君として見分けてくれる人がいました。それがエリオ君と、フォース嬢なのです。エリさんやファーストやセカンドも、もちろん魔鏡君をサードとして見分けてくれるけれど、それはやっぱり「サード」としてなのです。魔鏡君は、自分を魔鏡として見て欲しかったのです。

 えーとそれで、魔鏡君ってどんな子なのか、というと、基本的に厨二病ですw なんだろう、厨二病の症状に、「誰も自分を分かってくれない」と思いこんでいたり、「本当の友達を捜し始める」ということがありますが、魔鏡君ってそういう気がある子なんです。でも魔鏡君の境遇ならそう思うのも仕方ないわけですが。
 自分を分かって欲しい、自分を分かってくれる友達が欲しい、っていうそういう子です。そして、自由になりたい、とも願っている。

 で、物語が進んで、魔鏡君はエリさんを襲い、エリさんは逃げて、魔鏡君とフォースで狭間に潜伏するようになります。
 魔鏡君は、まだ魔王都にいた頃、素直なフォースに惹かれ友情みたいなものも感じていました。だけど、エリに化けてフォースを手駒として利用するようになって、魔鏡君はもはやフォースと自分との関係は変わってしまったのだ、と思うのです。
 魔鏡君は、エリさんを恨んでいました。エリさんに思い通りに動かされて生きなくてはならないことが、たまらなく嫌で、自由になりたいと思っていたのです。魔鏡君は自由になるために、エリさんを殺そうと思って、実際に襲いました。
 だけど今度は、手駒として必要だからという理由で、フォースを支配下においたのです。自分がエリさんにやられて嫌だと思い、そして殺そうとまで思わせたことを、今度は自分が、フォースに対してすることになったのです。
 魔鏡君は、友情を感じていたはずのフォースを、支配してしまったことで、フォースを信じられなくなります。フォースから恨まれるのではないかと、不安になりました。もし本当に恨まれて、フォースが自分を殺そうとしたら……? 魔鏡君はフォースの前で、エリ以外の人に化けられなくなってしまいます。フォースが魔鏡君の寝首をかくのではないかと、怯えるようになってしまうのです。

 魔鏡君は、一生懸命自分に言い聞かせます。元々、利用しようと思って、フォースに近づいたのだ、と。フォースは自分を慕ったようだったけれど、それはフォースの浅慮だったのだ、と。自分は最初から、最後まで、フォースを利用する算段だった。そのために近づき、そしてこうして利用しているのだ、と。
 魔鏡君は、フォースとの間にあったかも知れない友情が、消えてしまうのが恐くて、そんな友情など元々無かったのだと、思いこもうとするのです。

 魔鏡君はフォースに結構酷い仕打ちをします。まあなんだその、夜のお供でいたぶるわけです……。(あぁ、また無駄にエロイ_| ̄|○) そうやってフォースを傷つけることで、魔鏡君はフォースへの気持ちを誤魔化していたのです。

 で、フォースの方はといいますと。フォースは本当に素直な子で、最初から最後まで、どんな仕打ちを受けても、魔鏡君のことを好きでした。好きって言うのも、なんていうか、激しいかんじの好きじゃなくて、優しく包み込むかんじの好き、です。
 フォースは魔鏡を思いやっていて、魔鏡のすることに怒りを覚えたりは全然せず、魔鏡が一番良いやりかたで、魔鏡らしくいられたら、それが自分にとって喜びだという風に思っていたのです。
 だけど、魔鏡はプライドが高いし、恥ずかしがり屋だし、フォース嬢自身も、どういう風に表現したらいいのか分からない部分もあり、どうにもフォース嬢の想いは魔鏡には伝わりません。
 生まれたばかりで経験の浅いフォースには、ただただ魔鏡の暴力を受け入れて、耐えるということしか出来なかったのです。

 さて、エリと魔王近衛隊の共闘で、魔鏡とフォースは敗れ、魔王城に捕らえられます。クレアは魔鏡を魔王城に軟禁、フォースはファーストやルー君がいるアパートに軟禁ということにします。
 魔鏡君は、敵の手に落ちて、閉じこめられ、もうこの先に希望はないと感じてしまいます。フォースはもはや自分の手元にはいないし、きっと戻ってきてもくれないだろうと思うのです。
 そんなしょぼくれている魔鏡君を、エリさんは引き取りたいと言います。クレアに頼んで、説得して、エリさんは魔鏡君と一緒に暮らすようになります。(エリさんの所には夜月がいるので3人暮らしです)
 魔鏡君はふてくされて、エリさんが声をかけても、全然反応せず、自室に引きこもりっきりです。
 エリさんは、魔鏡君に、あなたは自由になりたかったんだね、今まで非道いことをしてきて申し訳ないと思う、と謝ります。そして、マインドマスターの技術があれば、ファーストのように、エリさんの「命令」の魔道回路を凍結することも出来るかも知れない、と伝えます。
 エリさんは、人造人間たちを、自分の思い通りに支配していたことを、反省していました。だから、もう二度と、「命令」しない、と思っていました。だけど、サードはきっと自分がそういっても信じてくれないだろうと思って、魔道回路の凍結を提案したのです。エリさんにとっては、この提案は辛いものでした。魔道回路の凍結は、エリさんと魔鏡君のつながりを消し去ってしまうということだし、エリさんの「もう「命令」しない」という決心を魔鏡君に信じて貰う機会を永遠に失うことだからです。
 魔鏡君は、魔道回路凍結については、何も言いませんでした。魔鏡君はすっかり人間不信になっていて、魔王陣営のこともエリさんのことも信じられなくなっていました。魔王の協力者であるマインドマスターに自分の精神を晒すなんて、恐いと思ってしまうのです。
 エリさんは、自分としては最後のカードを切ったのですが、魔鏡君が無反応なので、すっかり参ってしまいます。でも、そんな魔鏡君を見捨てず付き合うのが、魔鏡を造り出し、そして非道い目に遭わせ、こんな風にひきこもりにしてしまった自分の責任だと感じて、耐えます。

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